3キャリアから登場する、今期最注目のハイエンドAndroidスマホ

5日間使用レポート!「Xperia XZ」の性能に迫った(バッテリー&カメラ編)

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キャリアモデルのスマートフォンでは今期もっとも注目を集めている「Xperia XZ」。その速報レポートはすでにお届けした通りだが、その後、NTTドコモ版の「SO-01J」を5日間使ってみた。そこでわかったバッテリーおよびカメラをはじめとする機能の詳細なレビューをお届けしよう。

2016年のAndroidスマホ冬モデルのさきがけとして登場した「Xperia XZ」。そのNTTドコモ版「SO-01J」を5日間使い、バッテリーやカメラなどの性能をチェックした

ハードに使っても1日強は持つバッテリー。発熱も概して少なめ

「Xperia XZ」は、CPUやOSなどの基本スペックを前モデル「Xperia X Performance」から引き継ぎつつ、ディスプレイのサイズを約5.0インチから5.2インチにわずかに広げ、カメラやバッテリーなどを強化した製品だ。ハードウェアの概要については、先行する速報レビューを参考にしてほしい。

まずは、ユーザーの関心が高いであろうバッテリーの持続性に迫ろう。内蔵バッテリーは容量2,900mAhだが、検証中の5日間で、バッテリー充電を行ったのは4回。平均すると大体30時間に1回充電するペースとなった。なお、検証中は、各種のSNSやWeb、メール、電子書籍などのほかに、1日1時間以上の「ポケモンGO」、「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」、「スマホ版艦これ」といった、処理が重めの各種ゲームや、HDクラスのストリーミング動画の視聴などを、遠慮なく使い倒している。筆者が常用している「Nexus 6P」(バッテリー容量3,450mAh)では、同じような利用ペースで使うと、大体18〜20時間に1回の充電が必須となるが、それに比べてもはるかに長くバッテリーが持続する。

検証5日間で行った充電は4回。かなり酷使したが、1日以上は余裕でバッテリーが持続している

検証5日間で行った充電は4回。かなり酷使したが、1日以上は余裕でバッテリーが持続している

発熱もかなり抑えられている。演算と描画の両方に負荷のかかる、XperiaシリーズではおなじみのARエフェクトを10分ほど使いっぱなしにした場合に最高44.5℃を記録したが、アプリの強制終了は起こらなかった。「Nexus 6P」では使用中の温度は大体38℃前後を推移するのだが、本機はそれより2〜3℃低く、35〜36℃台で推移。背面にアルミ合金が使われるがボディの表面に発せられる熱もさほどでもない。

CPUの温度推移を示すグラフ。ARエフェクトを使い続けたときに44.5℃を記録したが、それ以外では35〜36℃台で推移している。GPSを使う「ポケモンGO」のプレイ時にも特に温度が上がらなかった

なお、本機にはXperiaシリーズ独自の節電機能「STAMINA」モードと、Android 6.0の標準機能である「Doze」モードという、2種類の節電モードが備わっている。「STAMINA」モードはバッテリーの残量が減ってきた場合の緊急手段で、「Doze」モードは、待機時のバッテリー消費を削減するというように、それぞれ目的が異なっている。「STAMINA」モードは、3種類のレベルを設定できるようになっているが、バッテリー残量15%の時点で、推定駆動時間をそれぞれ確認したところ、「電池持ち優先を優先したい」では残り8時間51分、「バランスよく節電したい」では8時間ちょうど、「なるべく制限しない」では7時間37分となっており、モードの切り替えによる駆動時間の違いは思ったより大きくなかった。基本的に、デフォルト設定の「バランスよく節電したい」のままにしておけば十分で、状況によってレベルを切り替えればよさそうだ。

「STAMINA」モードは3種類のレベル調整機能が付いたが、レベルによる節電能力には思ったより差がない印象

「STAMINA」モードは3種類のレベル調整機能が付いたが、レベルによる節電能力には思ったより差がない印象

また、バッテリー関連の新機能「いたわり充電」にも注目だ。これは、ユーザーの生活パターンを解析して、就寝中の充電速度を調整。バッテリーに負荷のかかる100%充電の時間をなるべく短くすることでバッテリーの劣化を防ぎ、端末の寿命を伸ばせるというもの。ただ、この「いたわり充電」は、動作の前提として、ユーザーの生活サイクルをスマートフォンが感知することが必要となるため、動作するまでしばらく日数がかかるし、ユーザーによってはスマートフォンが生活サイクルを感知できない場合もある。今回の検証は実質5日と短く、生活サイクルが少々不規則だったこともあり、「いたわり充電」の効果を実感することができなかった。

「いたわり充電」は、ユーザーの生活サイクルを感知することで動作するため、動作までには少々期間が必要。今回はその働きを確認することができなかった

充電にはUSB Type-C用ケーブルや充電器が別途必要。NTTドコモ純正の「ACアダプタ06」がベストか

先行レビューでも触れたように、本機の製品パッケージにはUSB Type-C用の充電器がセットされていない。そのため、別途USB Type-CケーブルやACアダプター、あるいは既存の充電器につなげる変換アタッチメントが必要になる。

なお、USB Type-Cポートの給電能力は5V/3Aが基本で、PCなどに備わるUSB Type-Cポートも5V/3Aの出力に対応している。この5V3Aの電源のメリットは、充電時間の短さだ。しかも、「Xperia XZ」の場合、急速充電規格「Quick Charge 3.0」にも対応しているので、さらに充電時間は短くなる。

しかし、「Quick Charge 3.0」に対応する充電器は、NTTドコモの「ACアダプタ06」のような通信キャリア純正品以外には、まだあまりない。USBシガーソケットチャージャーやモバイルバッテリーまで含めるとさらに少なく、あっても価格が概して割高だ。USB type-C対応充電器の中には安価なものもあるが、「Quick Charge 3.0」に非対応なのは仕方ないとしても、出力が3A以下のものが多く、せっかくのUSB Type-Cポートを生かしきれない。

初代Xperiaである「Xperia SO-01B」には充電器が同梱されていたし、USB Type-C対応スマホを見ても、au「HTC 10」、Googleの「Nexus 5X」や「Nexus 6P」にも充電器は同梱されている。USB Type-Cポートを搭載する初のXperiaでもあるし、適当な充電器を同梱してもよかったのではないかと思う。

両面で接続でき、充電も速いUSB Type-Cポートを採用するが、製品のパッケージに充電器やケーブルは同梱されない

3個のセンサーを備えたメインカメラの実力をチェック

「Xperia XZ」のメインカメラは、通常のイメージセンサーに加えて、暗い場所での高速なオートフォーカスを実現する「レーザーAFセンサー」と、正確なホワイトバランスをもたらす「RGBC-IRセンサー」という合計3種類のセンサーを使い、高速かつ高感度な撮影が行えるのが特徴となっている。

まず「レーザーAFセンサー」の実力を試すために、暗い場所でのオートフォーカスを使ってみた。薄暗い照明の中、風でわずかに揺れる樹木を撮影してみたが、手持ちの「Nexus 6P」よりもピントの迷いの少なさが印象的である。「Nexus 6P」では瞬間的にピントが合うものの、またすぐにピントが外れてしまうが、「Xperia XZ」では、ピントを指定した位置を、しっかりと捕捉し続ける。このカメラなら確かに暗い場所での撮影に威力を発揮するだろう。

「レーザーAFセンサー」の効果により、暗い場所でのオートフォーカスの追随製が高まっている

「レーザーAFセンサー」の効果により、暗い場所でのオートフォーカスの追随製が高まっている

もうひとつの「RGBC-IRセンサー」の効果については、下のサンプルをいくつか見てほしい。なお、左側が「Xperia XZ」、右が「Nexus 6P」という並びで、同じ構図でほぼ同時に撮影している。いずれも、シーン認識はカメラ任せのオートで、デフォルト設定のままだ。

比較すると右の「Nexus 6P」はマゼンタの色かぶりが少々現れている。なお、肉眼の印象は左の「Xperia XZ」で撮った写真に近い

日陰に生える街路樹を撮影してみた。右の「Nexus 6P」の写真は、シアンの色かぶりが弱冠現れている。いっぽうの「Xperia XZ」の写真は、青々とした葉の色が自然だ

昼過ぎの直射日光の当たる場所で、白い看板に立てかけてある植物を撮影した。背景の白い看板は肉眼ではほぼ真っ白で、「Xperia XZ」の写真のほうが肉眼の印象に近い

次は屋内。電球色の蛍光灯の下で、黄色に近いクリーム色の背景をバックに、退色の進んだアジサイのドライフラワーをフラッシュなしで撮影した。こちらは、「Xperia XZ」の写真のほうにかなり強くアンバーの色かぶりが現れた。肉眼の印象は「Nexus 6P」の写真のほうが近い

「レーザーAFセンサー」は合焦速度よりも追随性の高さが印象的。このカメラなら暗い場所でも撮影の失敗を減らすことができるだろう。もういっぽうの「RGBC-IRセンサー」については、たいていの場合、自然な色合いを再現するのに役立っていたが、極端な状況ではうまく動作しない状況もあった。こちらについては、まだチューニングなど改善の余地がありそうだ。

来年3月スタートの500Mbpsに対応。現状では5GHz帯Wi-Fiの接続が不安定

最後に通信機能をチェックしよう。本機は、LTEの256QAMという新技術に加えて、3波のキャリアアグリゲーション(3CC CA)に対応しており、下りで最大500Mbpsという通信速度を実現している。なお、NTTドコモの500Mbpsのサービス開始は、2017年3月予定。エリア展開だが、NTTドコモの既存の方針に従い、ターミナル駅や繁華街など、ユーザーの多いところから展開する。

Wi-Fiだが、すでに多くのユーザーによって、5GHz帯のWi-Fiで接続が不安定になる症状が報告されており、今回の検証機でもその症状が確認できた。具体的な症状だが、電波を自体はつかんでいるのだが、Wi-Fiのアンテナピクトに「!」が付いて接続が途切れ、そのままLTE(場所によっては3G)ネットワークに切り替わる。筆者の環境では、この症状が、かなりひんぱんに現れた。いっぽう、2.4GHz帯については大きな問題はない。ソフトウェアのアップデートで対応できるのであれば、なるべく早い対応を望みたい。

速度計測アプリ「ドコモスピードテスト」を使い、370Mbpsの通話エリア内にあるJR秋葉原駅近くで、通信速度を計測した。下りが67.65Mbps、上りが7.12Mbpsとなった

プリインストールされる速度計測アプリ「ドコモスピードテスト」では、通信エリアの対応速度が色別で確認できる。写真の紫部分が現在最速の370Mbpsだが、大きなターミナル駅に集中していることがわかる

トータルバランスは、「Xperia Z3」に通じるレベル

低価格かつ実用十分な処理性能を備えたSIMフリースマートフォンの人気が高まった影響もあって、NTTドコモの製品ラインアップでも「MONO」や「AQUOS EVER」など低価格のラインアップが増えている。以前のように、誰もかれもがハイエンドの高性能スマホを持つという時代は終わりつつあるのかもしれない。

そんな中で、高い処理性能を備えた「Xperia XZ」を使ってみたが、他機種と比べてみると、スクロール速度やゲームの動作などあらゆる操作のレスポンスが速く、非常に快適に使うことができた。さらに、「Xperia X Performance」よりも容量アップしたバッテリーや各種の節電機能の効果で、バッテリーもかなり長持ちする。トータルバランスの高さで今でも傑作として名前のあがることの多い「Xperia Z3」に通じるものを感じた。なお、2016年11月4日にNTTドコモから本機を含む19機種の、Android 7.0へのバージョンアップが発表されていることも心強い。

本機のライバルになりそうなのが、2017年2月に発売が予定されているLG電子の「V20 PRO L-01J」だ。こちらは、1440×2560表示に対応した約5.2インチの液晶ディスプレイや、4GBのRAM、(本機の液晶は1080×1920、RAMは3GB)、B&O PLAYによるサウンド機能などを搭載し、本機よりもハードウェア的には1ランク上の製品になる。

現状、これ以外に有力なライバルはなく、2016年冬のAndroidハイエンドモデルとしては、最有力の製品と言ってよさそうだ。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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2017.12.11 更新
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