いいモノ調査隊
何かと話題の「Kindle Unlimited」の使い勝手を今一度探ってみました

月額980円はアリ!? Kindle読み放題を徹底検証

2016年9月末に発売になったAmazonのタブレット「New Fire HD8 16GBモデル」を購入しました。従来のFire 8よりメモリー容量が2倍の16GB。RAMが1GBから1.5GBに。バッテリー駆動時間が8時間から12時間へとスペックアップし、本体価格が12,980円(プライム会員なら8,980円)というコスパ抜群のタブレットになっています。せっかくなので、今年8月に始まった月額980円のKindle本読み放題サービス「Kindle Unlimited」がどんなものなのかも試してみることにしました。興味はあるけど、月額980円て高くない? と筆者も思っていたのですが、実際使ってみてどうだったのかを報告いたします。ちょっと長文記事になってしまいましたが、お付き合いくださいませ。まずは「Fire」からみていきましょう。

今回は黒一色のFire 8HD。本体とACアダプター、USBケーブルのみです。スマホや携帯電話と比べるとこの大きさです。6.4インチのXperia Z ultraより2周りくらい大きいですかね

今回は黒一色のFire 8HD。本体とACアダプター、USBケーブルのみです。スマホや携帯電話と比べるとこの大きさです。6.4インチのXperia Z ultraより2周りくらい大きいですかね

まずは「New Fire HD8」です。日本語マニュアルなどいっさい付属しないそっけないシンプルなパッケージで、最初からユーザーのアカウントが設定されています。開封して、電源を入れて、Wi-Fiの設定をすれば即使えるようになっていますよ。16GBモデルのサイズなどのスペックは以下のとおりです。

・ディスプレイサイズと解像度:8インチHD/1280×800(189ppi)
・サイズと重量:214×128×9.2mm/341g
・ストレージと外部ストレージ:16GB/micro SDカードで最大200GB
・カメラ:フロント30万画素、リア2メガピクセル
・オーディオ:Dolby Atmos、デュアルステレオスピーカー
・Wi-Fi:デュアルバンドa/b/g/n
・バッテリー:12時間

従来のFire 8に比べカメラ性能は劣化し、重量は30g重くなっています。またAmazon最安値のタブレット Fire16GBモデルと比べると価格差が2,000円ほどありますが、すべての面での性能が上回っていますので、HD8のコスパのよさがわかります。

実際に手に持ってみます。おっさんの自分でも片手だとちょっと大きいですね。横にして両手持ちだと安定します。ただ重量は感じますね

実際に手に持ってみます。おっさんの自分でも片手だとちょっと大きいですね。横にして両手持ちだと安定します。ただ重量は感じますね

まず持った感じですが、片手では長時間持ちにくい重さですね。筆者は大型の6.4インチスマホを使っていたのですが、それよりもかなり大きく感じました。寝っ転がって縦に持っていると腕が疲れます。ごろ寝で動画などを見る場合はスタンドかカバーがあったほうがいいでしょう。通常は座って膝の上において使用する感じですね。また画面はIPSモニターでかなりきれいに見えます。光の輝度などの自動調整機能もあり、日中でも蛍光灯下でもかなりクリアな画面が楽しめます。操作スピードもかなりサクサクと動いて快適です。webブラウジングやビデオ動画も安定して楽しめました。アプリをAmazon専用のアプリストアからダウンロードするのはいつものKindle同様です。人気のゲームやアプリは問題なくダウンロードできるようです。

さてFireやKindleといえば、やはり最大のウリは電子書籍が気軽に読めるということでしょうか? 最近すっかり忘れていますが、Amazonって元は本屋だったんだよなーと再認識させられます。このFire HD8でも電子書籍に特化したシステムが組まれています。「本」のタブページに移動すればユーザーの「ライブラリ」が表示され、Kindleストアに直結して、オススメ本などが表示されます。サイドメニューにはすぐに「ジャンル一覧」、「コミック」、「雑誌」などのカテゴリが表示され、すぐにストアのページに移動できます。そして「Kindle Unlimited」のメニューも常時表示されています。ではさっそくなので使ってみます。最初の30日間は無料で体験できるので、継続するかどうかをお試しすることができますよ。ただお試しを使ってしまい、体験期間が終わると、自動的に継続更新となるので、中止する場合は個人アカウントの「Kindle Unlimited」メニューから解除をしないといけません。

 Kindle Unlimitedに申し込みました。すると対応書籍購入の際に「読み放題で読む」というメニューが追加され、ここを押して購入することになります

Kindle Unlimitedに申し込みました。すると対応書籍購入の際に「読み放題で読む」というメニューが追加され、ここを押して購入することになります

雑誌「デジキャパ! 2016年10月号」をダウンロードしました。Fire端末のmicro SDカード内にダウンロードされます。とてもクリアにカラーページを楽しめます

雑誌「デジキャパ! 2016年10月号」をダウンロードしました。Fire端末のmicro SDカード内にダウンロードされます。とてもクリアにカラーページを楽しめます

「Kindle Unlimited」に登録すると、すぐに「読み放題」が可能になります。読みたい本や雑誌の購入ページで新たに追加された「読み放題で読む」ボタンをクリックすると、端末に自動的にダウンロードされます。雑誌を購入したのですが、ダウンロード時間は8分ほど。ダウンロード途中でも読めるページはすぐに表示されます。縦画面でも横画面でも読めますし、ページの拡大も可能です。普通に雑誌を読んでいる感覚ですね。また視野角も広いので、それこそ寝っ転がりながら、Fireを床において眺めてもクリアに読むことができました。「読み放題」で一度にダウンロードできるのは10冊までになっており、読み終わった本を端末から「終了」しないと、次のダウンロードができなくなっています。

そしてもちろん気になるのは、いったいどんな本やコミック、雑誌が読み放題で読めるのか? というところ。これで月額980円の価値が決まってきますよね。最近はほかの電子書籍読み放題サービスも充実してきており、ここに価値を見いだせないと「Kindle Unlimited」を使う価値がありません。なのでいろいろと調べてみました。まずはジャンル一覧です。

 PCでの閲覧ページからジャンル部分を拾ってみました。通常のKindle本同様のジャンルがあります

PCでの閲覧ページからジャンル部分を拾ってみました。通常のKindle本同様のジャンルがあります

2016年9月末現在、これだけのジャンルと読み放題タイトルが存在します。数だけ見ると、すごいですね。ただ重複してジャンルに入っているタイトルもあるので、実際の数はこの1/3〜1/4ということころでしょうか? いくつかピックアップしてみましょう。気になるのはやはりコミック、雑誌でしょうか? ではまず雑誌です。「Kindle Unlimited」の雑誌カテゴリを選択してみました。画像はわかりやすくPC上での「Kindle Unlimited」ページのものを使っています。Fire画面上だと、表示されるのは「ベストセラー」、「高評価」、「閲覧履歴に基づくオススメ」しか表示されず、そこからのジャンル検索や出版社検索が面倒くさくなっています。これ課題ですね。なのでPC上で細かく検索し、Fire端末にダウンロードさせるという方法で記事を作成しております。ご了承ください。

パッと見るとガジェット系雑誌、健康ライフスタイル系雑誌が目立ちます。出版社で見てもそうですね。ここら辺が好きな方なら満足できるかも

パッと見るとガジェット系雑誌、健康ライフスタイル系雑誌が目立ちます。出版社で見てもそうですね。ここら辺が好きな方なら満足できるかも

雑誌ですが、「趣味・その他」カテゴリが最も多く、「語学・教育」系が最も少ないです。画面で目立つのは「DIME」や「Get Navi」などのデジタルガジェット系や「Hanako」や「Tarzan」などのマガジンハウス社の雑誌。ここらへんのラインアップが好きな人なら、「あれ、これ意外とお得なんじゃね?」と思いますよね。とくに女性誌なんて美容院行ったときにしか見ないわ! なんていう方には、好きなだけ楽しめ、気になったアイテムはその場でweb検索とかできますしね。男性ファッション誌も「MEN’S EX」、「Pen」、「Begin」、「GQ JAPAN」などがありますので、ぱらぱらと眺めるにはいいですよ。個人的には「月刊ムー」が読めるのがうれしかったです。

男性ファッション誌と女性ファッション誌のトップページです。最新号が読めるのもうれしいですね

男性ファッション誌と女性ファッション誌のトップページです。最新号が読めるのもうれしいですね

続いてコミックです。最初にいっておきますとこれは絶望でした。はい、絶望です。ぶっちゃけ個人的に読みたいと思えるコミックがほぼありませんでした。いわゆる大手のメジャー本はいっさいありません。本屋でも見たことない! みたいなマニアックなものが多く、あとHなものが多いです。これ興味本位でダウンロードしちゃうと、Fireのトップページに表示されちゃうので、家族で使うときは注意ですよ! それと何故かホラージャンルが割と充実しており、日野日出志先生が50タイトルに、つのだじろう先生の「恐怖新聞」や「学園七不思議」なども読めたりします。個人的に好きな伊藤潤二先生のタイトルが4本と少ないのはがっかりです。

高評価順で検索してもこんな感じに。手塚治虫先生作品は充実しておりました

高評価順で検索してもこんな感じに。手塚治虫先生作品は充実しておりました

続いてビジネス書と医学、薬学です。これはサービス開始当初は読めた本が、今はもうない! とちょっと話題になりましたが、そこそこの数がラインアップされています。ただどう見ても胡散臭いものも多かったりして、読みたい本にたどり着くまでの検索が面倒くさいです。あといわゆる書店で平積みにされるような話題の本はほぼなく、図書館で棚にあったものを手にとってみるけど借りるまではいかない。みたいな本が多い印象を受けました。

ビジネス書も医学ジャンルもこれといったウリはあまり感じられず

ビジネス書も医学ジャンルもこれといったウリはあまり感じられず

おいおい、これ1ジャンルずつ紹介するのか? とご不安な皆さま。いえいえ、ここらで終わりにいたします。個人的に残念なのは「旅行ガイド・マップ」ジャンルです。パッと見るとたくさんありそうですが、実は旅行ガイドはほぼ皆無。なぜか京阪神エリアガイドが充実していたりするだけでした。あと講談社のディズニーリゾートナビガイドはお子さんと一緒に楽しむのはいいかもしれないですね。あとはいやに充実している「アダルト」と「タレント写真集」ジャンル。これはどうなの? デジタルの普及に最も役立っているのはアダルトジャンルとよく聞きますが、これ目当てで買っても損はしないパターンですかねー。写真集が主なのでダウンロードに時間がかかりますし、先ほどもいったようにFireのトップページに表示されるので注意が必要です。ただIPSモニターでかなりきれいに見られますのでそれはそれでアリかと。

文芸ジャンルは掘り出し物もありそうです。いつ消えるかわからないので見つけたら即ダウンロード!

文芸ジャンルは掘り出し物もありそうです。いつ消えるかわからないので見つけたら即ダウンロード!

長々と紹介してきましたが、結局月額980円の価値はあるのか? というところなのですが、個人的にはあまりないと感じました。これ500円くらいだったら価値あると思うんですよね。プライムサービスが月額300円程度と考えると、ますます魅力は半減します。まず文芸やコミックに目玉がないことと、いつの間にかタイトルが削除されていることなどもあり安定して楽しめません。週一でもいいので、何か目玉タイトルを配信してほしいところです。メリットとしては雑誌を読むにはFire端末を使って、かなり快適に楽しめます。上記で紹介した雑誌を月3冊くらい購入して読んでいるユーザーなら、簡単に元は取れますし、お釣りがくるくらいです。自分は読みたい雑誌が5冊以上ありましたので、とりあえず年内は継続して使ってみようかなと思っています。Fire端末はやはりこのコスパがとても魅力なので、スマホで小さい画面で見るのに疲れた人には最適ですね。

 Fireならwebブラウジングもなかなか快適。youtubeなどの動画サイトも楽しめますよ

Fireならwebブラウジングもなかなか快適。youtubeなどの動画サイトも楽しめますよ

 Fireだとスクリーンショットも取れるので、雑誌のクリッピングなどにも役立ちます

Fireだとスクリーンショットも取れるので、雑誌のクリッピングなどにも役立ちます

マッシー

マッシー

「月刊PCエンジン」誌で編集ライターデビュー。「64DREAM」誌デスクを経て前職はXbox 広報のゲーム漬け人生。猫とガンプラとaqoursが存在理由のホビー担当。

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