「価格.comプロダクトアワード2016」連動企画

アワード受賞製品から2016年のトレンドを振り返る(PC・スマホ編)

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去る2016年12月1日、その年、ユーザーにもっとも支持された製品を選出する「価格.comプロダクトアワード2016」の結果が発表された。本企画では、当アワードにて、各カテゴリーごとの賞を受賞した製品に着目。その製品のどういった部分がユーザーから高く支持されたのか、その理由を綿密に探りつつ、今年2016年のトレンドを振り返っていく。第1回は「PC・スマホ編」だ(計5回連載)。

【パソコン部門】ノート、デスクトップともに金賞受賞のマウス製品に注目

まずは「パソコン部門」から。この部門では、ノートパソコン、デスクトップパソコン、Macノートの3カテゴリーから、それぞれ金賞・銀賞・銅賞の3賞が選出されており、なかでも評価が高かった大賞製品には、ノートPCカテゴリーから、マウスコンピューター(マウス)の「m-Book MB-B500E SSD/HD液晶 搭載CM公開記念モデル」が選出された。

マウスコンピューター「m-Book MB-B500E SSD/HD液晶 搭載CM公開記念モデル」

マウスコンピューター「m-Book MB-B500E SSD/HD液晶 搭載CM公開記念モデル」


ご存じのように、今やパソコンはハードウェアスペックが頭打ちになってきており、各製品ごとの差別化が難しくなっている。いっぽう、どの家庭にも1台以上は普通にパソコンが普及している状況となっており、今やパソコンは非常に一般化(コモディティ化)した製品ジャンルといえる。このように、製品ごとの差別化が難しく、コモディティ化が高度に進んだジャンルでは、製品選びは非常に難しい。逆に言えば、どの製品を買っても、さほど変わらないという状況になる。こうした中で、ほぼ唯一意味を持ってくるものがあるとすれば、それは「価格」ということになるだろう。

今年のプロダクトアワードでは、ノートパソコン、デスクトップパソコンともに、マウスの製品が金賞に選ばれた。ノートパソコンの「m-Book MB-B500E SSD/HD液晶 搭載CM公開記念モデル」は、5万円を切る低価格でありながら、120GBのSSDなどを搭載し、体感スピードを上げているのが特徴。CPUはボトムエンドの「Celeron N3150」でありつつも、SSD搭載による体感スピードの速さなどが高評価につながった。パソコンのことをよく理解しているマウスならではの特別モデルといえるかもしれない。

マウスコンピュータ「LUV MACHINES LM-iG460X2-SH2 Core i7/16GBメモリ/240GB SSD+2TB HDD/GTX960 搭載モデル」


いっぽうのデスクトップパソコンは、「LUV MACHINES LM-iG460X2-SH2 Core i7/16GBメモリ/240GB SSD+2TB HDD/GTX960 搭載モデル」が金賞に選ばれた。こちらは、ノートパソコンとは逆に、スペックを追い求めたハイエンドモデルとなるが、現在デスクトップパソコンを選ぶユーザーはむしろハイスペック志向であり、グラフィック機能なども含めて、ハイエンドパーツで構成される製品が好まれる。本製品は、見た目こそ従来からあるオーソドックスなミニタワーだが、そのスペックは、CPUが「Core i7 6700」、メモリー容量は16GB、ストレージには240GBのSSD+2TBのHDDを採用。さらに、グラフィックには「GeForce GTX 960」を搭載するという充実ぶり。この内容で13万円弱という設定価格は、かなり割安感が強い。

加えて、マウスは、国内発のBTOブランドとして、ユーザーの間でもかなり信頼感が増している。高コスパで、使いやすいスペック、そして高い信頼感と、3拍子そろった同社の製品が、ノートパソコン、デスクトップパソコンともに金賞を受賞したというのは、驚くことではないだろう。

アップル「MacBook 1200/12 MLHC2J/A」

アップル「MacBook 1200/12 MLHC2J/A」


なお、Macノートカテゴリーについては、「MacBook 1200/12 MLHC2J/A」が金賞に選ばれた。今年4月に発売された新型MacBook(12インチ)であるが、本機は人気の「MacBook Air」からの乗り換えユーザーが多いものと思われる。というのも、「MacBook Air」は2015年3月に発売されたモデルを最後に新モデルが出ておらず、そのいっぽうで、この「MacBook」そして「MacBook Pro」が、ほぼ同じような薄型モデルとして登場したことで、もう新型は出ないのでは?と噂されているからだ。そこで、従来の「MacBook Air」ユーザーなどが、ちょうどサイズも同じくらいの本製品に乗り換えるというケースが多く見られた。「MacBook Air」に比べると、高解像度のRetinaディスプレイを搭載し、CPUも最新の「Core m5/1.2GHz」を採用。さらに、高速な512MB SSDをストレージに使うなど、処理能力的にも多くの人が満足を感じているようだ。

【タブレット部門】「ASUS VS Huawei」の低価格SIMフリー機対決の行方は?

ASUS「ASUS ZenPad 3 8.0 Z581KL-BK32S4 SIMフリー」

ASUS「ASUS ZenPad 3 8.0 Z581KL-BK32S4 SIMフリー」


タブレット部門では、金賞(大賞)がASUS「ASUS ZenPad 3 8.0 Z581KL-BK32S4 SIMフリー」、銀賞がHuawei「MediaPad T2 7.0 Pro LTEモデル SIMフリー」、銅賞がアップル「iPad Pro 9.7インチ Wi-Fiモデル 128GB」となった。この中では、金賞になったASUS「ZenPad 3 8.0」と、銀賞になったHuawei「MediaPad T2 7.0 Pro」という、2機種のSIMフリータブレットの対決に注目が集まったが、結果としてはASUS「ZenPad 3 8.0」が僅差で逃げ切った形だ。

この2モデルは、今年のタブレット市場では非常に人気となった製品で、かたや8インチ、(7.9インチ)かたや7インチという液晶サイズの違いこそあれ、フルHDを超える高解像度ディスプレイ、ヘキサコア/オクタコアCPU、LTE対応など、スペック的にも似た部分が多く、購入する人もこの2製品を比較していたというケースが多く見られた。人気ランキングでも、常に1位、2位を争う人気を見せていたが、満足度という点ではわずかにASUS「ZenPad 3 8.0」が上回った形だ。

Huawei「MediaPad T2 7.0 Pro LTEモデル SIMフリー」

Huawei「MediaPad T2 7.0 Pro LTEモデル SIMフリー」


今年2016年は、格安のSIMカードが一般化した年でもあり、後述するスマートフォンでも、SIMフリーモデルでなければもはや人気が出ないといった状況になったが、これはタブレットでも同様で、格安のデータ専用SIMカードを使い、どこでもインターネットを手軽に利用できるということが、これら2機種の大きな魅力になっていたのは確かだ。しかも、この2機種は価格的にも2〜3万円台と比較的手ごろで、しかもスペックは十分。デザインについても、この2社は最近非常に評価が上がっており、最終的な満足度も高かったといえる。

【スマートフォン部門】SIMフリーモデルへのシフトが進む中で、Huawei旋風が吹き荒れた1年

、Huawei「HUAWEI GR5 SIMフリー」

、Huawei「HUAWEI GR5 SIMフリー」


スマートフォン部門では、金賞(大賞)が、Huawei「HUAWEI GR5 SIMフリー」、銀賞がアップル「iPhone SE 64GB SIMフリー」、銅賞がHuawei「honor 8 SIMフリー」となり、すべてSIMフリー端末で占められるという状況になった。このSIMフリー端末人気は、すでに昨年から現れていたが、ここまで極端になったのは今年2016年が初。1年を通して、SIMフリーモデルが人気ランキングの上位を占めており、通信キャリアモデルとしては、ソニーの「Xperia」くらいしかベスト10には入れないという形が長く続いている。人気のアップル「iPhone」にしても、通信キャリアモデルはベスト10内からほぼ姿を消しており、上位に上がってくるのはSIMフリーモデルという状況だ。

こうしたSIMフリーモデルへのシフトが明確化した今年2016年、もっとも目立った動きを見せたのは、中国のHuaweiだった。昨年2015年もHuaweiの「Ascend Mate7」が大賞に選出されているが、この流れを引き継いで、今年2月に発売された「GR5」は発売からのスタートダッシュがものすごく、ユーザーレビューもほぼ満点に近いような満足度を得た。評価のポイントは、必要十分な処理性能と、長持ちするバッテリー性能、そして2万円台で購入できる高コストパフォーマンスということになるが、購入したユーザーの多くがもらす感想としては「出来がいい」という声が多く聞かれた。

今年後半には、デュアルレンズ機構を備えた上級モデル「P9」ばりのすぐれたカメラ性能を持った「honor 8」が登場。こちらはより高性能なハイエンドモデルで、国内では楽天モバイルの独占販売となり、価格も4万円以上(キャンペーン価格で3.5万円程度)と決して安くはないが、それでも購入したユーザーの評価はやはり高い。今年後半は、ライバルとなるASUSの「ZenFone 3」なども発売され、台湾や中国メーカーのSIMフリースマートフォンも、高級化・高性能化が一気に進んだが、そこそこ高くても売れるだけの製品クオリティを身につけた本機は、ある意味、今年市場を席巻したHuaweiを代表する製品といえるかもしれない。

【周辺機器、パーツなど】ディスプレイは大型化。VR時代を迎え高性能グラボが大人気に

フィリップス「BDM3201FC/11」

フィリップス「BDM3201FC/11」


パソコンの周辺機器関係では、まず液晶ディスプレイに注目したい。大賞にこそ選出されなかったが、液晶モニタ・液晶ディスプレイカテゴリーでは、金賞にフィリップスの31.5インチモデル「BDM3201FC/11」、銀賞にIIYAMAの31.5インチモデル「ProLite X3291HS X3291HS-B1」が選出されており、いずれも大画面の31.5インチモデルが受賞している。液晶ディスプレイの分野では、従来のスタンダードサイズだった24インチ、27インチよりもさらに大きな31.5インチクラスの製品が注目されており、しかもいずれの製品も3万円を切る低価格を実現している点が高い満足度につながったと言える。また、受賞はしなかったものの「4K対応ディスプレイ」も今年急激に製品数が増えてきたジャンルであり、来年にかけて人気がさらに高まってきそうだ。

エプソン「PX-S160T」

エプソン「PX-S160T」


また、プリンタカテゴリーでは、エプソンの「PX-S160T」という大容量インクのモノクロプリンターが金賞を受賞している。長年、インクジェットプリンター業界では、インクカートリッジの価格の高さと、容量の少なさから来る交換頻度の高さが問題視されてきた。そこへ一石を投じたのが本製品である。これまでのカートリッジ型を捨て、全くオリジナルのインクタンクを採用。1本のインクで約1年間は交換不要というロングライフ設計で、最初から2本のインクが同梱されるため、2年間はインク購入の必要がない。プリンターとしては単機能のモノクロプリンターだが、こういう製品を待っていた、というユーザーの声が多く、満足度もプリンターとしては異例の高さとなった。

Palit Microsystems「NEB1080S15P2-1040J (GeForce GTX1080 8GB Super JetStream) ドスパラWeb限定モデル」

Palit Microsystems「NEB1080S15P2-1040J (GeForce GTX1080 8GB Super JetStream) ドスパラWeb限定モデル」


このほかパソコンパーツ部門では、グラフィックボードに注目したい。あまり大きなプロダクトが出づらい昨今ではあるが、今年2016年は、NVIDIAの「GeForce GTX 1000」シリーズが、PCゲーマーを中心にかなりの人気となった。グラフィックボード・ビデオカードカテゴリーでは、金賞、銀賞、銅賞のすべてがこの「GeForce GTX 1000」シリーズ搭載モデルとなったが、特に金賞に選出されたPalit Microsystems「NEB1080S15P2-1040J (GeForce GTX1080 8GB Super JetStream) ドスパラWeb限定モデル」は、ハイエンドの「GeForce GTX 1080」を搭載し、発売当初は9万円程度という高価格帯の製品でありながらも、かなり売れた製品となった。特に今年PCゲーマーの間で流行している「VR」用のグラフィックボードとして、その処理性能と安定性に高い評価が続出。定番の製品になった形だ。

鎌田 剛(編集部)

鎌田 剛(編集部)

価格.comの編集統括を務める総編集長。パソコン、家電、業界動向など、全般に詳しい。人呼んで「価格.comのご意見番」。自称「イタリア人」。

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2017.5.24 更新
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