ライターの僕(と嫁)が、マイホームに取り付ける理想の住宅設備を求めてメーカーを取材して回る連載の第4回。キッチン前編、キッチン後編、お風呂編に続いて、今回は水回りの最後トイレです!
トイレ選びには「TOTO」「パナソニック」の2社を訪問しました。マイホームには2か所トイレがありますが、同じメーカーから選ぶつもりです。
日本のトイレと言えば……「TOTO」ですよね!! もちろんマイホームのトイレの候補でも外せません。東京・新宿の「TOTO東京センターショールーム」に伺いました!
東京のTOTOのショールームは新宿駅近くの「TOTO・DAIKEN・YKK AP 東京コラボレーションショールーム」に入っています
冒頭からいきなり座って登場した便座が、TOTOの100周年にあたる2017年に“グローバル統一モデル”として発売されたトイレの未来形、フラッグシップモデルの「ネオレストNX」です!!
「ネオレストNX」のポイントは、フタと便座しかない外見のデザイン。近寄るとすっと開く所は、もう現代アートのような佇まいです。陶器は製造工程で約13%変形するので高精度な加工は難しいのですが、その陶器と精密機器の温水洗浄便座「ウォシュレット(ウォシュレットはTOTOの商標登録です)」を一体化したところが最高級トイレに用いられたTOTOの技術です。
TOTOトイレのフルスペック「ネオレストNX」ですが、便器のみで定価54万7000円(レストルームドレッサー専用品)、ショールームにあったカウンターやキャビネット等も含めた総額で146万円。トイレとしては高いけど、住宅設備としては考えられなくはないお値段、かな。
「ネオレストNX」。その佇まいは現代アート級
気を取り直して、TOTOの通常のトイレを紹介します。
最近のトイレの基礎知識としてトイレの節水性能の向上は凄まじく、20年前は大を流すのに13Lの水が必要だったものが、現在では4.8L、排水を床に抜くタイプなら3.8Lまで減っています。その秘密はTOTO自慢の水流研究による「トルネード洗浄」で効率よく便器を洗い流すためです。
TOTOのトイレは、陶器の表面にガラス層が焼き付けられた「セフィオンテクト」でナノレベルにツルツルなので、汚れも落ちやすくなっています。さらに、使用後に自動で「きれい除菌水」を便器に吹きかけて除菌し、汚れの発生を抑える機能「便器きれい」があるトイレも。この「きれい除菌水」は第3回の浴室編でも紹介しましたが、水を電気分解するだけで除菌成分(次亜塩素酸)を自動でつくるTOTOイチ押し技術。トイレ・浴室・洗面・キッチンと、TOTOのあらゆる水まわり製品に取り入れられているそうです。
TOTOの便器は陶器の表面がガラス層でナノレベルにツルツルな“セフィオンテクトを採用
TOTOの上位モデルはタンクレストイレの「ネオレスト」。「AH」「RH」は同グレードの形ちがい、「DH」は機能と価格を少しおさえたタイプとなります。
TOTOの上位モデルはウォシュレット一体形のタンクレストイレ「ネオレスト」
続いて、一般的なタンク式のトイレが「ピュアレストEX」のシリーズ。便座は自由に選べるので、ウォシュレットは瞬間式の“アプリコット”シリーズ(その中に7種類もバリエーションが!)も付けられます。それから、タンク式だけど、タンクの背が低くて見た目がタンクレスっぽい「GG」シリーズというのもあります。
タンク式の「ピュアレストEX」(右)と「ピュアレストQR」(左)。どちらも便座を自由に選べる
タンク式のウォシュレット一体形便器「GG-800」。手洗いボウルも大きく、使いやすい
製品の選び方としては、便器の外見やウォシュレットの有無などがありますが、僕も嫁もウォシュレットは、とりあえず付いていればよいかなという程度。それよりも、本格的にトイレを検討する上で同時に考えるポイントが、手洗いの問題です。トイレを出る時には手を洗うなら、最初から手洗いの付いたタンク式トイレにすれば済む、という考え方もできます。
いっぽう、トイレ内にスペースがあるなら独立したカウンター式の手洗いを設置するのもお洒落。TOTOの「レストパルF」「レストパル」というシリーズでは、トイレ内の手洗いだけでなく、カウンター・トイレットペーパーホルダー・収納を様々なパターンで組み合わせることができます。
便器とカウンター、手洗い等をパッケージにした「レストパルF」。“F”は便器が床から浮いて掃除しやすいのが特徴です
我が家は1階はトイレも広いので「レストパルF」、2階はタンクでシンプルで安い「ピュアレストEX」かな? と思ったのですが、嫁が2階もカウンター付きにこだわったので「レストパルF」のプランニング。
……と思いきや、「レストパル」だと便器のフチに返しがあるので、やっぱり最新のフチなし! と便器に「ネオレスト」を選びました。
TOTOによる“フチ”の進化の歴史。これは「レストパル」世代までの仕様
「ネオレスト」は便器のフチがほぼ垂直になっています
そこで便器には「ネオレスト」を注文しつつ、オプションのカウンターや手洗いを組み合わせ見積もってもらいます。ショールームまで行くと、そもそもパッケージではなく完全カスタマイズでプランニングできてしまうんですよね。
手洗い形状、カウンター、収納幅、リモコンデザインまで細かくオーダー可能です
TOTOでプランニングしてもらった僕らのマイホームの1階トイレは、便器、手洗い、カウンター、コーナー収納まで一式で約70万円(税込)。2階は便器、カウンター、手洗いなどの一式で約66万円。便器だけの値段は「ネオレストRH1」で35万4000円です。トイレは空間として考えると、色んなプランニングの余地がありますね。