少量のごはんもおいしく炊ける、ひとり暮らしにぴったりな“少量炊き”炊飯器が、さまざまなメーカーから発売されています。物入りな新生活にぴったりなコスパのよいモデルから、おいしさにこだわったモデルなど種類も豊富。そこで製品選びのポイントや価格.comで人気の注目モデルを紹介します。
まずは、ひとり暮らし用の炊飯器を選ぶポイントをチェックしていきます。特に注目したいのは、「炊飯方式」「炊飯容量(合数)」「機能」の3つです。
炊飯器の炊飯方式には、おおまかに「IH式」と「マイコン式」の2種類があります。IH式のほうが大火力で米に熱がムラなく伝わり、ごはんがおいしく炊けるというのが一般的。マイコン式は価格が安く、数千円から1万円台で購入できるモデルが多いです。
IH式:IHコイルを使った電磁誘導によって内釜全体を発熱させて炊飯する仕組み。
マイコン式:本体底部にあるシーズヒーターで内釜を下から熱して炊飯する仕組み。
IH炊飯器の中には、圧力で内釜を密閉して高温で炊飯する「圧力IH式」もあります。容量の多い高級モデルが多いので、単身世帯にはあまり向かないかもしれませんが、国内主要メーカーの上位モデルの多くは圧力IH式に対応
続いてチェックしたいのが、1度に炊飯できる米の量です。単身世帯なら、最小ラインである1〜3.5合炊きサイズがよいでしょう。3合炊きクラスの炊飯器は、IH式なら1万〜2万円、マイコン式なら1万円を切る数千円クラスが平均的な価格帯の目安になります。
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1合/1.5合/2合/2.5合/3合/3.5合
炊飯容量に比例して本体サイズも大きくなります。3合炊きであれば、一膳分を0.5合と考え、3食分を一気に炊飯する場合などを考慮しても十分に足りるでしょう
1〜2合くらいの小容量のごはんをおいしく炊く「少量炊きモード」を搭載している製品もあります
幅広く炊飯器を活用したい場合にチェックしたいのが「調理」機能。「調理モード」が付いているモデルであれば、ごはんを炊くだけでなく、パンや煮物などのおかずを作れて便利です。
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パン/ケーキ/煮物・煮込み/蒸し物/温泉卵・ゆで卵
鋳物ホーロー鍋とIH調理器を組み合わせ、炊飯だけでなくおかずの調理が行えるモデルも(写真は愛知ドビー「バーミキュラ ライスポット」シリーズ)
ここからは価格.comで人気の小容量炊飯器の注目モデルを紹介していきます。3.5合炊き以下のモデルの中から、IH式は主に1万〜2万円台、マイコン式は数千円〜1万円台の製品をピックアップしました。
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まずは、おいしくごはんが炊けるIH炊飯器から。1〜3.5合炊きの小容量・コンパクトサイズで、ごはんの味にはちゃんとこだわりたい人にぴったりです。
お手ごろ価格で、米の炊き方にこだわった炊飯器が欲しいなら「極め炊き NP-GK05」がおすすめです。炊飯前に米にしっかり吸水させることで、おいしく炊き上げる「熟成炊き」や、沸騰後もIHの高火力で炊き続ける「豪熱沸とうIH」を採用し、ごはんを芯までふっくら炊き上がるのが特徴です。さらに釜の温度をコントロールして30時間おいしく保温する「うるつや保温」と、少し高めの温度でニオイの発生を抑える「高め保温」(12時間)という2種類の保温機能があり、使い分けができます。このほかにパン生地の発酵と焼き上げができる調理機能も搭載しており、米好きはもちろんパン好きにもうれしい1台です。
●「極め炊きNP-GL05」のスペック
本体サイズ:230(幅)×300(奥行)×190(高さ)mm
炊飯タイプ:IH式
最大炊飯量:3合
定格消費電力:700W
内釜:黒まる厚釜
保温時間:うるつや保温30時間まで/高め保温12時間まで
調理機能:パン(発酵・焼き)
少量炊きタイプでも圧力IH式のごはんを楽しみたい! という人にぴったりなのが「極め炊き NP-RN05」。圧力IH式は、容量の多い上位モデルに多く搭載されていますが、本機は小容量の3合炊きで圧力IH式に対応しているのがポイント。炊き方にもこだわっており、圧力の強さや圧力をかける時間を調整して「ふつう」「しゃっきり」「すしめし」の3通りの食感をたのしめます。このほかに、じっくり吸水させて炊くことで米の栄養素を引き出す「熟成炊き(白米・玄米)」や、センサーで温度をコントロールして30時間おいしく保温する「うるつや保温」など、豊富な機能も魅力です。
●「極め炊き NP-RN05」のスペック
本体サイズ:230(幅)×300(奥行)×195(高さ)mm
炊飯タイプ:圧力IH式
最大炊飯量:3合
定格消費電力:700W
内釜:黒まる厚釜
保温時間:うるつや保温30時間まで/高め保温12時間まで
調理機能:-
土鍋で炊いたごはんのおいしさに着目し、内釜にこだわっているのがタイガー魔法瓶の「炊きたて JPF-G055」です。内釜には土鍋素材のコーティングを施して蓄熱性を上げ、さらに遠赤土鍋コーティングで土鍋のような泡立ちを再現。これらのコーティングとIHの高火力で熱ムラが少なく、米本来の甘みのある、もっちりした食感に炊き上げます。ほかにも、スープや煮物などの調理機能も搭載しており、単身世帯に便利な機能が満載です。
●「炊きたて JPF-G055」のスペック
本体サイズ:232(幅)×322(奥行)×181(高さ)mm
炊飯タイプ:IH式
最大炊飯量:3合
定格消費電力:705W
内釜:遠赤5層土鍋蓄熱コート釜
保温時間:24時間
調理機能:煮物、ケーキ
パナソニックの「SR-KT060」は、内釜の内面に備長炭入りのコーティングを施し、ふたと側面のヒーターでしっかり加熱する、こだわりの炊飯機能が特徴です。白米のほかに玄米や雑穀米にも対応しており、「炊込みごはん」や「おかゆ」の専用コースも搭載しています。ガラスパネルの天面にはフラットなタッチキーを備え、LEDライトによる大型の文字表示で使いやすさにも配慮。ひとり暮らしのキッチンをスタイリッシュにまとめたい人にうってつけです。
●「SR-KT060」のスペック
本体サイズ:251(幅)×308(奥行)×202(高さ)mm
炊飯タイプ:IH式
最大炊飯量:3.5合
定格消費電力:700W
内釜:備長炭釜
保温時間:いきいき保温24時間
調理機能:なし
「お茶碗一杯からでもおいしく炊ける」をコンセプトにしているのが、三菱電機の「備長炭 炭炊釜 NJ-SE06F」。いちばんの特徴は、超音波振動で米の吸水をうながす独自機能「可変超音波吸水」を採用しているところです。食感に合わせた最適な吸水を行うことで、米の本来のうまみをより引き出します。さらに、2層厚釜を備長炭コート、胴周り炭コートするなど、「炭」にこだわりっているのもポイント。釜底のIHヒーターや胴周りとふたのヒーターで内釜全体に熱を伝え、大火力をキープして沸騰し続けることでお米のうまみを引き出し、少量のごはんもふっくらと炊き上げます。
ごはん一膳分(約0.5合)の少量の米でもおいしく炊き上げる、ひとり暮らしにぴったりな炊飯器が、東芝の「RC-5XW」。外側に遠赤コート、内側に遠赤効果の高い備長炭と熱伝導率の高いダイヤモンドをコーティングした底面の厚さ2mmの「備長炭ダイヤモンド釜」を採用し、IHの高火力でごはんを芯までふっくら炊き上げます。また、独自の真空技術を用いた「冷凍ごはんコース」は、炊飯中に吸水をしっかり行うことで、レンジであたため直しても炊きたてのようなおいしさを味わえるので、一度にたくさんごはんを炊いて冷凍する人にもおすすめです。
●「RC-5XW」のスペック
本体サイズ:230(幅)×295(奥行)×204(高さ)mm
炊飯タイプ:IH式
最大炊飯量:3合
定格消費電力:500W
内釜:備長炭ダイヤモンド釜
保温時間:白米24時間/エコ炊飯および白米以外12時間
調理機能:なし
インテリアに調和するシンプルなデザインに、使いやすさと手ごろな価格が魅力のシャープ「KS-HF05B」。“炊飯器の神様”と呼ばれる下澤理如氏の教示を受けて開発されたモデルで、デザイン性だけでなく炊飯機能にもこだわっています。炊飯序盤の水温変化を細かくコントロールすることで、「ふっくら」「しゃっきり」「極上」の3種類の食感に炊き上げることができ、機能の高さが光る1台です。
●「KS-HF05B」のスペック
本体サイズ:221(幅)×312(奥行)×212(高さ)mm
炊飯タイプ:IH式
最大炊飯量:3合
定格消費電力:757W
内釜:黒厚釜
保温時間:12時間
調理機能:蒸し物
「LiFERE HAC-RCIH01」は、1合炊きに特化したおひとりさま向けのIH炊飯器。内釜を縦長にして、素早い温度の上昇と安定した沸騰状態の維持が得意なIHを採用することで、少量の米でもしっかりかくはんし、おいしく炊き上げます。内釜もアルミとステンレスを合わせた独自の厚釜で、お手入れしやすく耐久性にもすぐれた作りです。本体の重量は約1.3kgと軽量で、縦長でスリムな設計なので、場所を取らずに収納できるのも魅力です。
●「LiFERE HAC-RCIH01」のスペック
本体サイズ:169(幅)×127(奥行)×228(高さ)mm
炊飯タイプ:IH式
最大炊飯量:1合
定格消費電力:400W
内釜:アルミ・ステンレス鋼材、フッ素樹脂コーティング
保温時間:12時間
調理機能:-
続いては、炊飯器は欲しいけどそこまで本格的じゃなくてよいという人や、単身赴任など期間限定でひとり暮らしをする場合などにぴったりな、数千円〜1万円台で買えるお手ごろ価格のマイコン式を紹介します。
「炊きたて JBS-A055」は、お手ごろ価格のマイコン式ながら、厚さ約3mmの蓄熱性の高い遠赤黒特厚釜と高火力で、炊きムラを抑えた芯までふっくら粘りのあるごはんを炊き上げるのが特徴です。炊飯メニューも、米の甘み、香りなどを引き出す「極うま」や、べたつきを抑える「冷凍ご飯」メニューなど種類が豊富。さらに調理機能も充実しており、スープや煮込み料理、ローストビーフのほかに、パン生地の発酵や焼きを行う調理メニューなど、豊富な機能とコスパのよさが魅力です。
●「炊きたて JBS-A055」のスペック
本体サイズ:247(幅)×278(奥行)×192(高さ)mm
炊飯タイプ:マイコン式
最大炊飯量:3合
定格消費電力:350W
内釜:遠赤黒特厚釜
保温時間:12時間
調理機能:煮物
長時間保温したいという単身世帯のニーズに対応したのが象印の「極め炊き NL-BX05-BA」。ポイントは、底面に装備したセンサーで保温に最適な温度を検知し、水分の蒸発を抑え24時間おいしく保温できる「うるつや保温」機能を搭載しているところです。炊飯に関しては、マイコン式ながら釜底のヒーターだけでなく、側面とふたに配置したヒーターで釜全体を包み込み、芯までふっくらとしたごはんを炊き上げます。
●「極め炊き NL-BX05-BA」のスペック
本体サイズ:235(幅)×325(奥行)×195(高さ)mm
炊飯タイプ:マイコン式
最大炊飯量:3合
定格消費電力:495W
内釜:黒厚釜
保温時間:24時間
調理機能:パン
シャープの「KS-CF05B」は、釜底に丸みを付けた厚さ3mmの「黒厚釜」を採用し、米の芯まで熱を伝えて炊き上げるのが特徴です。白米/無洗米、玄米、雑穀米、炊き込みごはんといった基本的な炊飯メニューのほか、パン生地の発酵や焼き上げ専用のメニューを搭載。内釜に取っ手を付けて持ち運びやすくしたり、使用時のみLED表示が浮かび上がる操作パネルでスタイリッシュに仕上げているのもポイントです。
●「KS-CF05B」のスペック
本体サイズ:232(幅)×275(奥行)×190(高さ)mm
炊飯タイプ:マイコン式
最大炊飯量:3合
定格消費電力:350W
内釜:黒厚釜
保温時間:12時間
調理機能:パン
炊飯だけでなく幅広く調理に炊飯器を活用したい人には、「YJR-DM051」がおすすめです。本機は、白米や早炊き、玄米、おかゆなど11種の炊き分けメニュー搭載する使い勝手のよいモデルですが、炊飯以外にも煮込み調理などに活用できるのがポイント。25〜100度までの温度調節と、1分〜12時間までの保温時間調節ができるので、煮込み調理や低温調理に活用できます。さらにパンの焼き上げなども可能で、価格.com最安値は5,000円台というコスパのよさも大きな魅力です。
●「YJR-DM051」のスペック
・本体サイズ:215(幅)×258(奥行)×208(高さ)mm
・炊飯タイプ:マイコン式
・最大炊飯量:3合
・定格消費電力:425W
・内釜:- ※コーティングなど記載なし
・保温時間:12時間
・調理機能:パン、煮物・煮込み
「RC-MF15」は、1.5合炊きというひとり暮らしにぴったりな少量用マイコン式炊飯器。本体幅は165mmで、キッチンのちょっとしたスペースに設置できるコンパクトサイズが魅力です。炊飯メニューは無洗米、白米、早炊きに対応した通常炊飯と、2種類のヘルシーメニュー搭載。タイマーを使って炊き上がり時刻を予約でき、内釜や蒸気口キャップなども丸洗い可能と、使いやすさにもしっかり配慮されているのがポイントです。
●「RC-MF15」のスペック
・本体サイズ:162(幅)×193(奥行)×191(高さ)mm
・炊飯タイプ:マイコン式
・最大炊飯量:1.5合
・定格消費電力:280W
・内釜:- ※コーティングなど記載なし
・保温時間:3時間
・調理機能:-
ここまでは、ひとり暮らし向けのスタンダードな炊飯器をピックアップしましたが、最後は、こだわりの機能が詰まった注目の“変わり種”製品を紹介します。
「SR-AX1-W」は、「価格.comプロダクトアワード2023」で金賞を受賞した人気のIH炊飯器です。その特徴は、タンクに無洗米と水を補充するだけで、米と水の計量から炊飯までをすべて自動で行うことです。さらに、IoTに対応しているため、スマホの専用アプリを使用すれば炊飯の予約を遠隔操作でき、帰宅してすぐに炊きたてのごはんを食べることが可能。ごはんを炊く時間を節約したいひとり暮らしの人や共働きの家庭にもぴったりです。
●「SR-AX1-W」のスペック
本体サイズ:176(幅)×336(奥行)×336(高さ)mm
炊飯タイプ:IH式
最大炊飯量:2合
定格消費電力:470W
内釜:ダイヤモンドハードコート
保温時間:-
調理機能:-
サンコーの「炊き立て丼」は、炊飯機能だけでなく、レトルト食品の温めや蒸し料理などの調理を同時に行えるのが特徴です。使い方も非常に簡単で、どんぶり型の器に米と水を入れ、その上にレトルト食品などを載せたトレイをセットして加熱するだけ。1合分のごはんが約20分で炊きあがり、食材も同時に温め完了。さらに、釜は容器としても利用できるので、食後の皿洗いも手間いらず。普段料理を自炊していない人でも使いやすいのが最大の魅力です。
●「2段式どんぶり型超高速炊飯器「炊き立て丼」」のスペック
本体サイズ:180(幅)×180(奥行)×148(高さ、炊飯なべ含む)mm
炊飯タイプ:マイコン式
最大炊飯量:1合
定格消費電力:約200W
内釜:PP、シリコン、アルミフッ素コーティング
保温時間:-
調理機能:蒸し物
スタイリッシュな炊飯器を求めている人にぴったりなのが、バルミューダの「BALMUDA The Gohan K08A」。本体のデザインは、「かまど」を連想させる丸みのあるスクエア型のボディで、現代的でスタイリッシュな雰囲気なのが特徴です。もちろん炊飯もこだわっており、一般的なマイコン式とは異なる二重構造で炊飯する独自の「蒸気炊飯方式」を採用し、外釜の水が加熱されて発生する蒸気の力で、しゃっきりとした粒感のあるごはんを炊き上げます。
●「BALMUDA The Gohan K08A」のスペック
本体サイズ:242(幅)×266(奥行)×219(高さ)mm
炊飯タイプ:マイコン式
最大炊飯量:3合
定格消費電力:670W
調理機能:なし
愛知ドビーの「バーミキュラ ライスポット」は、鋳物ホーロー鍋とIH調理器を組み合わせた“究極の炊飯器”として大ヒットしました。そのバーミキュラ ライスポットを、3合炊きにコンパクト化した1〜2人用のモデルです。鋳物ホーロー鍋を使用した調理に対応していて、最適な火入れができる専用の熱源「ポットヒーター」を搭載し、鍋を包みこむかまどのように加熱することで、粒立ちのよいごはんが炊けます。また炊飯のほかに無水調理、ロースト、炒め料理/煮物、低温調などが可能で、炊飯器でありつつ、本格的な調理器具として使える1台。正直、ひとり暮らしには高価ですが、とことん食生活にこだわりたい人は注目してみてはいかがでしょう。
●「バーミキュラ ライスポットミニ RP19A」のスペック
本体サイズ:258(幅)×250(奥行)×173(高さ)mm
炊飯タイプ:IH式
最大炊飯量:3合
定格消費電力:1050W
内釜:鋳物ホーロー
調理機能:パン、ケーキ、煮物、蒸し物、低温調理、無水料理など