アイリスオーヤマがこの夏、新たに発売する夏物家電を見てきました! 除湿機やデスクライトなどいろいろな製品が展示されていましたが、今回は手軽に涼めるモノだけをピックアップ。音声操作に対応したサーキュレーターや扇風機のほか、空調機能を備えたウェアも紹介します。
前面がフラットな形状のサーキュレーターが大半の中、2018年にアイリスオーヤマから登場した「サーキュレーターアイ」シリーズはボール型のボディを採用。前パネルを球面にしたほうが風は中心に集まりやすく、風の直進性が高くなるため、より遠くまで風を送れるのだそう。そんなサーキュレーターアイシリーズの基本性能はそのままに、2020年モデルとして、音声操作機能を搭載した「KCF-SCV151T」とデザイン性にこだわった「KCF-SCC151T」がラインアップされました。
音声操作に対応した「KCF-SCV151T」のサイズは210(幅)×210(奥行)×294(高さ)mmで、重量は2kg。消費電力(50Hz/60Hz)は39/37W(上下・左右首振り時)
サーキュレーターアイシリーズの特徴は、前パネルを含めて全体的にボール型になっていること。前パネルが平面状のサーキュレーターよりも風が中心に集まり、より風速が大きい風を生み出せるようになります
5段階に風量調節でき、上下左右に首振り可能。1/2/4時間の「切」タイマーも完備されています
KCF-SCV151Tの新機能は音声操作が行えること。ベース部にマイクを内蔵することで、音声を認識してから操作を実行するまでの反応がスピーディーになるのだそう
音声操作できるのは、電源のオン/オフ、風量の強弱変更、上下/左右首振りのオン/オフ、首振り停止の7種類。「ねぇ、サーキュレーター」または「はい、サーキュレーター」と話しかけることで音声操作モードに切り替わり、その後、本体に向かって設定された操作ワードを発話すれば、サーキュレーターをコントロールできます(下の動画参照)。近くでほかの人が会話していても音声操作できたので、感度はなかなかよさそう。
サーキュレーターアイシリーズの中でもデザイン性を注視したデザインモデルは、これまでホワイトの1色でしたが、新たにブラック「KCF-SCC151T」が追加されました。音声操作機能は搭載されていません。
サイズは210(幅)×210(奥行)×290(高さ)mmで、重量は2kg。消費電力(50Hz/60Hz)は38/36W(上下・左右首振り時)
タイマーや風量、首振り機能などは前述のKCF-SCV151Tと同じですが、デザインモデルには「衣類乾燥」モードが搭載されています
首振り機能をオンにして洗濯物を乾かそうとすると、一般的なサーキュレーターの場合、中央部に風がより当たるため、写真のように吊した洗濯物が端に寄ってしまうなどして均等に乾かないことも。いっぽう、衣類乾燥モードは中央の風を弱く、両端を強めに送風する設定となっているので、洗濯物が一方向に寄らず、まんべんなく乾かすことができるとのこと
サーキュレーターといえば、少し前までは倉庫などで使われるイメージが強かったものの、エアコンと併用することで部屋の空気をまんべんなくかくはんする目的で一般家庭に導入されることも多くなり、それに合わせてデザイン性の高いモデルや高機能モデルが続々とラインアップされるようになりました。トルクの太いDCモーター搭載の高級扇風機の中には、サーキュレーターのように遠くまで風を届けられる製品もあるため、そういった扇風機でもサーキュレーター代わりになりますが、「扇風機」として販売されている製品は、あくまでも自然の風に近い扇風機らしい風を放出するのが本来の特性なので、サーキュレーターほど効率よく直進性の高い風を生み出すことはできないのだそう。いっぽう、アイリスオーヤマの「サーキュレーター扇風機」は風の特性をサーキュレーター寄りに設計しているため、一般的なサーキュレーター同様の風を放出しながら、扇風機的なやわらかい風を出すこともできます。2020年モデルは羽根径15cmのモデルに加え、18cmモデルの「KSF-DCV181T」が新たに登場。風量を抑えめにした場合、羽根の直径が大きいほうが風は外側にも広がるため、より扇風機らしい風を体感したいなら18cmモデルを選ぶといいでしょう。
左が羽根径18cmの「KSF-DCV181T」で、右が15cmの「KSF-DCV151T」。どちらもDCモーターと音声操作機能を搭載
操作部などのデザインは異なりますが、基本的な機能は同じ。風量は10段階で調節でき、2/4/8で設定できる「入・切」タイマー、衣類乾燥モードも完備
音声操作は、前述の「サーキュレーターアイ KCF-SCV151T」同様に7種類の操作モードを搭載。「ねぇ、扇風機」または「はい、扇風機」と話しかけて音声操作モードに切り替え、音声ワードで指示します(下の動画参照)。
上の動画を見るとわかるのですが、運転が開始された状態で音声操作を行うと風量が少しダウンしています。実はこれ、音声を聞き取りやすくするための工夫なのだそう。
ちなみに、関西弁でも反応するのか気になったので試してみました(下の動画参照)。ワードが合っていれば、イントネーションは少々違っても問題ないようです。ただ、「電源を消して」と発声しなければならないところを「電源を止めて」と言った時には反応せず。扇風機が言葉を学習していくAI機能は搭載されていないので、ユーザーが正しい操作ワードを覚えなければなりません。
欧州を中心に海外で販売していたサーキュレーターが、日本国内でも展開されることになりました。このサーキュレーターはサーキュレーター部分が完全な球体ではなく、少し厚みを抑えたマカロン型になっているのがポイント。サーキュレーターアイシリーズを紹介したところで、前面パネルは球面にしたほうが風の直進性が高まると記しましたが、その特性を生かしながらもスペースを取らない効率性を重視した結果、このマカロン型形状になったのだそう。くわえて、デザイン性や質感も高めており、「世界三大デザイン賞」と呼ばれている内のひとつ「iFデザインアワード」を2020年2月に受賞。搭載される機能は風量調節のみですが、シンプルでちょっとおしゃれなサーキュレーターが欲しいならうってつけでしょう。
新たに日本に導入されることになった8畳タイプの「PCF-MKM15N」(左)と、14畳タイプの「PCF-MKM18N」(右)。どちらも、ホワイトとブラックの2色がラインアップされています
前面パネルは中央に風が集まりやすいドーム状となっていますが、前述のサーキュレーターアイシリーズより丸みは控えめ。その分、設置スペースを取らないのは、ありがたいことでもあります
前面パネルのガードもデザイン性が高いものとなっています。隙間が小さいので、指が入りにくいのもポイント
操作部は背面に装備。風量調節は弱/中/強の3段階で、手動で行います
首振り機能は搭載されていませんが、手動で上下に360°向きを変えられる機構は装備
海外向けは固定タイプのみだったマカロン型サーキュレーターですが、日本国内向けに、首振り機能を備えたタイプもラインアップ。手動で電源や首振り機能のオン/オフを行う「PCF-MKM15」(8畳タイプ)と「PCF-MKM18」(14畳タイプ)、そして、リモコンで操作できる「PCF-MKC15」(8畳タイプ)と「PCF-MKC18」(14畳タイプ)の2モデルが用意されています。
左が手動操作の「PCF-MKM18」(14畳タイプ)で、右がリモコン付属の「PCF-MKC18」(14畳タイプ)。どちらのモデルもホワイトとブラックの2色がラインアップされています
ここ最近、空調機能を備えたウェアを着用している人をよく見かけるようになりましたが、ついにアイリスオーヤマからも送風機能を備えた「クールウェア」が登場しました。ウェア、ファン、バッテリーがセットになった「クールウェア長袖セット」(参考価格10,800円/税別)と「クールウェアベストセット」(参考価格10,800円/税別)がラインアップされていますが、ウェアのカラーはグレーのみ。セットタイプよりも多めに差し色が入ったグレーやネイビー、迷彩といったカラーバリエーションは、ウェア、ファン、バッテリーをそれぞれ購入するスタイルの「クールウェアPRO長袖」と「クールウェアPROベスト」のみに用意されるものとなります。また「PRO」のウェアは、背中から首に向けた部分に裏メッシュ構造を採用。通気性もセットタイプと異なるので、注意しましょう。いずれも2020年6月15日発売予定。
「クールウェア長袖セット」を普通に着た感じは、一般的なジャケットと変わりません
こちらは、「クールウェアPROベスト」のネイビー。ウェアの参考価格は4,380円(税別)で、M/L/LLサイズが用意されています。ちなみに、ウェア単体で購入できる長袖タイプの「クールウェアPRO長袖」の参考価格は4,980円(税別)。サイズやカラーバリエーションはベストタイプと同じ
クールウェアには、両サイドにファンが装備されています。サーキュレーターの設計技術を活用し、大風量を放出できるようにしているのだそう。着心地を配慮し、ウェア内側のファンの厚みは34mmに抑えています。「クールウェアPRO」を選択した場合、ファンは別売(参考価格2,780円/税別)
ファンはバッテリーで動かします。「クールウェアPRO」を選択した場合、バッテリーは別売(参考価格10,800円/税別)
風量は4段階で切り替え可能。連続使用時間は、「クールウェアPRO」が風量1で約35時間、風量2で約15時間、風量3で約12時間、風量4で約8時間、「クールウェア」が風量1で約30時間、風量2で約13時間、風量3で約9時間、風量4で約7時間となっています
送風をオンにすると、下の動画のようにウェア内に空気が送られます。ウェア内の温かい空気は首もとなどから外に逃げるようになっているため、屋外でもかなり涼しく過ごせそう。動画では風量4から1に切り替えていっていますが、風量4でのウェアのふくらみやファンの音は結構なもの。風量1にしてもファンの音はある程度聞こえるので、使用する場所は配慮が必要かもしれません。
クールウェア長袖セットを風量4で着用した様子。かなりふくらむので、街中で着ると目立ちそうです
ファンやバッテリーは取り外せるようになっているので、ウェアはもちろん洗濯可能。ウェアの素材はポリエステル100%
バッテリーの充電は付属のアダプターを使用。バッテリー残量ゼロの状態から満充電まで約6時間かかります
モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。アウトドアからオタク系まで意外と幅広くイケちゃいます。