オシャレなマッサージクッションなどで知られるアテックスは、2021年12月1日、同社の製品を体験することができる「ATEX大阪ショールーム」を新たにオープンしました。現在販売されている全製品はもちろん、過去の歴史まで振り返ることができる楽しいショールームです。オープン前のプレスツアーに参加してきたので、その模様をレポートしましょう。
地下鉄堺筋線の堺筋本町から徒歩5分の好立地にオープンしたATEX大阪ショールーム。大木が外装にデザインされています
ATEX大阪ショールームは大阪市中央区南久宝寺町2丁目、地下鉄堺筋線の堺筋本町駅から徒歩5分の好立地にあり、ビルの1階から6階まで、延床面積約2,268m2をショールームとして利用しています(7階以上はオフィスとして利用)。展示してある製品は70点以上。
その外観は、大きな木をイメージしたデザインとなっており、これは「人の暮らしに寄り添う木」=「人の暮らしに寄り添うATEX」を表現しているそうです。この外観に連動し、各フロアもそれぞれ木にまつわるイメージを具現化したデザインになっており、しかも、上階に上がるに従い、大木を登っていくかのようなコンセプトでフロアが作り込まれています。
その入り口となる1階エントランスのテーマは「Roots(根)」。木の根と大地がつながるように、アテックスとお客さんがつながることをイメージしたエントランスです。ゆったりとした雰囲気の中で、同社が展開する「ルルド」と「トール」の各ブランドのマッサージ機器が自由に試せるようになっています。通りに面した大きなショーウィンドウは、外から撮影できる「映え」スポットにもなりますよ。
ルルドといえばマッサージクッション。2番人気のハンドケアとともに、ゆったり座って試せます
トールブランドのマッサージシートとマッサージスツール、ハンドケアも試せます
通りに面した大きなショーウィンドウはインスタスポットにもなります。今の時期は大きなクリスマスツリーが飾られていて、より写真映えしますね
2階は「Nest(巣)」。鳥が巣作りをするように、人それぞれに合った眠りの環境作りを目指すグッズを揃えています。枝を模した天井の装飾が、まさに鳥の巣をイメージ。このフロアでは、アテックスの創業商品のひとつである電動リクライニングベッドや、真夏の蒸し暑い夜に快眠をうながす快眠「SOYO風ふとん」、ファンで風を送って背中の蒸れを抑える「送風車椅子シート」、足元に内蔵した電位シートから全身にマイナス電位をかけて、不眠症や肩こり・便秘・頭痛などの症状を緩和させる家庭用電位治療器「イオネス」などが展示されています。
鳥の巣をイメージした天井装飾の下に、アテックスの基幹事業である折りたたみベッド、電動ベッドが展示されています
車いす用の送風シートは、体温調節が難しい車いすユーザーに好評。同じ技術を使い、2021年に発売された「SOYO風ふとん」は蒸し暑い夏の夜を快適に過ごせます
電位治療機「イオネス」は販売から数年経っても通販商品として人気。そろそろバージョンアップを検討しているとのことです
3階も快眠をテーマにしていますが、コンセプトは「Trunk(幹)」。上質なベッドやマットレス、快眠グッズが、大木を支える幹のように、よりよい眠りと目覚めを支えます。ヒーターとEMSで目の周りをリラックスさせる「ルルド おやすみめめホット&EMS」、入眠に最適な呼吸のリズムをガイドする抱きぬいぐるみ「ルルド おやすみグースピー」がスムーズな入眠をもたらし、起床時間をライトの明かりとアラームで知らせる「ルルド サンアラーム」と、光浴と冷温機能ですっきりした目覚めをうながす「ルルド めめライト」で1日の始まりを迎える提案です。
「幹」をコンセプトにした3階。しっとりした雰囲気で落ち着きます
おやすみルームでは、めめホットで目をリラックスさせ、おやすみグースピーの快適なリズム入眠をうながすと提案
隣のおはようルームは、サンアラームのライトが窓から差し込む朝日のように覚醒をうながし、さらに、めめライトでスッキリした目覚めを迎える提案です
最もユニークだったのが、就寝時の体圧が測定できる部屋です。ベッドに寝転ぶことで、自分が寝ているときにどの部位にどれだけの圧力がかかっているのかがリアルタイムに視覚化される仕組みで、この測定結果に合わせて自分に最適な硬さのマットレスを選ぶことができます。
マットレスの上に敷いたセンサーシートに寝転ぶと、体圧がリアルタイムに表示されます
アテックスの「寝返りサポートマットレス」は、細かいスリットで分かれた4cm厚の高反発ウレタンフォームが加重を分散。沈み込みすぎることなく体を支え、寝返りもサポートします
さらに、12月10日発売の「スリープクオリティベッド」も展示されていました。これは、マットレスの中にセンサーが組み込まれており、睡眠中の呼吸や心拍数、体動を計測し、専用のスマホアプリにより睡眠の質を見える化するシステムです。現状は睡眠の質をスコア化するだけですが、「将来的にはこの計測結果をスイッチにしてライトが点いたり音楽が流れたり、アロマが香るなど、各種の機器が連動してより眠りの質を高めるシステムを開発したいと考えています。さらに電動ベッドとも連動し、計測結果に合わせてベッドが動いて睡眠をサポートする仕組みも導入したい」と深野道宏社長は意気込みます。
今月新発売の睡眠センサー内蔵電動リクライニングベッド「スリープクオリティベッド」。価格は88,000円(税込)
マットレスにセンサーが組み込まれており、結果はスマートフォンアプリで確認できます
4階は「Leaf(葉)」がコンセプト。次々に生まれ変わる葉っぱのように、アテックスの主力商品である多種多様なルルドシリーズをカラフルに展開しています。特に、アテックスの製品の中で最も売り上げが大きく、ルルドブランド確立に貢献したマッサージクッションの歴史をたどれる展示が興味深かったです。
2009年の初登場以降、もみ玉の材質や動きがどのように変化し、マッサージ師の手の動きへと近づいていく進化していく様子がとても面白い。ルルドのマッサージクッションは現在までに累計670万台を販売したとのことですが、この進化の過程を目の当たりにすると、その人気も納得できます。
華やかで活気のある4階「Leaf」
主力商品であるマッサージクッションの歴史が学べます。写真左から右が進化の方向。背後のパネルは歴代の広告。人気キャラクターとのコラボパッケージもありました
そして、マッサージクッションに次ぐ人気商品であるハンドケアシリーズも、触って試すことができる展示になっています。同社のハンドケアシリーズは、手のひら用マッサージ機のパイオニア的存在であり、現在トップシェア。このマッサージクッションとハンドケアシリーズでアテックスの全売り上げの4分の1を占めているとのことです。
2番人気のハンドケアシリーズ
美容機器のフェスメイクシリーズも試用できます
5階は「Breeze(そよ風)」をコンセプトとしており、さわやかで居心地のよいリビングをイメージしています。展示するのはトールブランドのマッサージシートとマッサージスツール。マッサージチェアは高価で場所もとるため、導入できる家庭が限られていましたが、トールのマッサージシートおよびスツールは一般的なリビングに常備することができ、いつでも気軽に全身マッサージすることを提案しています。マッサージシートの最新モデルは首のもみ玉と背中のもみ玉が分離し、首肩と背中を同時にマッサージできるのが特徴。
5階はそよ風のようにさわやかなフロアイメージ
マッサージシートの最新モデルは首と背中のもみ玉が独立し、2か所同時にマッサージできます。筆者も仕事を忘れてしばしのリラックスタイムを堪能しました
こちらでは、12月15日に発売されるアテックス初のガンタイプハンディマッサージ機「モノルルド リリースガン プラスアーム」もさっそく展示されています。アテックスはこのジャンルでは後発となりますが、250gの小型軽量にこだわり、ルルドブランドで培ったアーム設計を採用することにより、手では届かない背中や腰の中心もマッサージできるように工夫しています。
12月15日発売の「モノルルド リリースガン プラスアーム」。4つのアタッチメントとアームのセットで価格は14,800円(税込)
付属のアームで手が届かない背中もマッサージできます
最上階となる6階のコンセプトは「Stream(巡り・流れ)」。木々にエネルギーが流れるように、人間も体内のエネルギーや血の流れをよくして健康になろうというコンセプト。ということで、展示しているのはルルドスタイル。EMSプランクトレーナーやEMSシートなどのエクササイズ製品です。
EMSプランクトレーナーやバランスボード、シェイプアップボードなどのエクササイズ製品がずらりと並ぶ
足裏と太腿を同時にEMSで刺激を与える「EMS SHEET 2」も実際に試すことができます
以上、ATEX大阪ショールームの体験レポートをお届けしました。このように盛りだくさんな内容のため、1階から6階まですべてのフロアを見て、すべての製品を試して回るには、1日はたっぷりかかるでしょう。ただ残念ながら、当面の間、3階以上は取引先との商談スペースとなり、一般客は1〜2階までしか入れないそうです。とても残念。
個人的には、特に3階の寝具コーナーが必見だと思いました。実は、筆者は数年前に腰痛に悩まされ、なかなか治らずに困った経験があります。靴や歩き方を変えたり、事務椅子を変えたりしてもダメ。最後の手段として、マットレスを高反発タイプに変えたところ、ピタリと腰痛が収まったのです(※個人の感想です)。これは、それまで使用していたマットレスがやわらかすぎて就寝中に寝返りできなかったことが原因と思われます。就寝中の姿勢や体重のかかり具合は、身重や体重、体型によって変わってきます。就寝中の体圧を視覚化し、どの硬さのマットレスが最も体圧を分散して寝返りしやすくなるかを体験できるアテックスの仕組みは、腰痛や不眠などの眠りに悩んでいる人にとって救いとなる可能性があります。
なお、将来的には3階以上も一般公開する予定だというので、それまで待つことにしましょう。ちなみに現在、1〜2階は平日11時〜17時までのオープン。予約不要で入館できます。
アテックスの深野社長は、大阪ショールーム開設の目的を次のように語りました。「ルルド、モノルルド、トール、ルルドスタイル、そして創業製品のベッドをより多くの人に体感してもらい、たくさんの人にアテックス製品のファンになってもらいたい。それが、アテックスが次のステップに上るために必要なことだと思っています。大阪でトライアルを重ねたら、次は東京、名古屋などほかの都市にも同規模のショールームを開設したいと考えています」。これは朗報ですね。わが町の近くにATEXショールームが開設されるその日を、楽しみに待ちましょう。
「将来的には東京や名古屋にも大阪同様のショールームを開設したい。より多くのアテックスファンをつくりたい」と意気込む深野社長
1966年生まれ、福島県出身。大学では考古学を専攻。主に生活家電を中心に執筆活動する家電&デジタルライター。レビューや検証記事では、オジさん目線を大切にしている。得意分野は家電流通・家電量販店。趣味は、ゴルフ、ギター、山登り、アニメ、漫画、歴史、猫。