パナソニックの縦型洗濯機(全自動洗濯機)「FA」シリーズに、洗濯後の衣類などから発生する不快なニオイを防ぐ「次亜除菌コース」を搭載した5機種が登場。乾燥機能は非搭載となりますが、液体洗剤・柔軟剤の自動投入機能を備えているほか、洗濯・脱水容量12kgの「NA-FA12V1」と11kgの「NA-FA11K1」には同社の縦型洗濯機としては初となるスマートフォンとの連携機能を完備するなど、今流行の機能も取り入れられています。部屋干し臭に悩んでいる方、要チェック!
室内に洗濯物を干した時に発生することがある「部屋干し臭」や、乾いている時は問題ないのに、雨や汗で濡れたり、体を拭くのにタオルが濡れると臭くなる「ニオイ戻り」は、衣類などに残った「ニオイの原因菌」によって引き起こされます。洗濯機で洗っても、ニオイの原因菌がきちんと落とし切れていないと干している間に菌が増殖し、不快なニオイとなるのだそう。ニオイ戻りについては、水気を得たことでニオイの原因菌が再び増殖するためだと言われています。つまり、部屋干し臭やニオリ戻りを防ぐには、洗濯物にニオイの原因菌を残さないことが重要。そこで、パナソニックは、次亜塩素酸を使って除菌する「次亜除菌コース」を新たに開発しました。水と反応して次亜塩素酸を生成する専用の錠剤をセットする作業は必要になりますが、あとは次亜除菌コースを選択するだけで、洗濯とともに除菌も行ってくれます。
次亜除菌コースで洗浄する前に、手動洗剤ケースの「次亜錠剤投入口」に専用の錠剤をセット
次亜除菌コースで使用できる錠剤は、パナソニックの次亜除菌コース専用錠剤「N-Z1」(メーカー希望小売価格は20錠が入った1箱あたり495円/税込)のほか、ライオンケミカル「バスリフレ ふろ水洗浄剤」も使用可能
次亜除菌コースを選択し、スタートボタンを押せば、洗濯〜脱水とともに除菌も行われます。なお、錠剤をセットし忘れた際のお知らせ機能は装備されていません
次亜除菌コースの基本的な洗い方は「おまかせコース」と同じで、途中に除菌の工程がプラスされます。給水→洗浄(洗剤投入)のあと洗剤を洗い流し、ためすすぎ(1回目)のタイミングで次亜錠剤を投入。中性(pH約7)の次亜塩素酸を含む水に洗濯物を浸して除菌します。その後、次亜塩素酸を含む水を排出し、新しい水を使ってためすすぎ(2回目/柔軟剤投入)を行い、脱水。ためすすぎ(1回目)の前後にキレイな水を使って洗い流す工程が入るため、おまかせコースよりも若干、洗濯〜脱水の時間や使用水量は多くなりますが、次亜塩素酸の効果を最大限に発揮できるように、このような仕組みにしているのだそう。塩素系や酸素系漂白剤のように計量やつけおきする手間がなく、手軽に除菌できるのも次亜除菌コースの魅力です。
次亜除菌コースの流れ。洗濯容量は12kgタイプ「NA-FA12V1」の場合3.6kgまでとなり、洗濯〜脱水時間は約63分となっています
使い込まれたタオルをおまかせコースと次亜除菌コースで洗濯し、ニオイ戻りの検証を行ったところ、次亜除菌コースで洗ったタオルにはニオイの原因菌がほぼ残っていないため、ニオイ戻りがほとんどなかったそうです(数値は非公表)
なお、次亜塩素酸は物質を酸化させる作用があり、次亜除菌コースでは菌のタンパク質等を酸化させることで除菌するのだそう。さらに、次亜塩素酸分子は菌の細胞内に入り込むことができ、菌の細胞内でも酸化作用を発揮できるため、高い除菌力が期待できるといいます。
次亜除菌コースで洗濯できる衣類は、綿、麻100%の白物と、ポリエステル、アクリル100%の白物・色柄ものに限られます。また、ファスナーやボタン、フックなど金属が付いたものは対応外となっているので、使用する際は注意しましょう
今回発表された次亜除菌コースを搭載した「FA」シリーズには液体洗剤・柔軟剤の自動投入機能も完備され、従来は12kgタイプと11kgタイプの2機種だったラインアップが、12kg/11kg/10kg/9kg/8kgの5機種に拡大されました。液体洗剤・柔軟剤の自動投入機能とは、あらかじめ専用のタンクに液体洗剤と柔軟剤をセットしておくことで、洗濯のたびに計量する手間を軽減するもの。洗濯コースに適した分量が投入されるため、洗剤や柔軟剤のムダな消費も防げ、経済的なメリットもあります。
2022年モデルの縦型洗濯機(全自動洗濯機)「FA」シリーズ7機種の内、5機種に次亜除菌コースと液体洗剤・柔軟剤の投入機能を搭載。市場想定価格は洗濯容量12kgの「NA-FA12V1」が235,000円前後(税込)、11kgの「NA-FA11K1」が215,000円前後(税込)、10kgの「NA-FA10K1」が175,000円前後(税込)、9kgの「NA-FA9K1」が165,000円前後(税込)、8kgの「NA-FA8K1」が155,000円前後(税込)となっています。いずれも2022年6月下旬発売予定
自動投入の液体洗剤や柔軟剤を入れておくタンクは、手動の洗剤ケースの横に装備。このタンクに液体洗剤と柔軟剤を入れておくと、洗濯のたびに洗剤や柔軟剤を計量する手間が省けます。もちろん、液体洗剤・柔軟剤の投入機能をオフにすることも可能
液体洗剤や柔軟剤の補充は、タンクを引き出した状態で行えます
タンクを洗濯機から取り外し、フタを開けて液体洗剤や柔軟剤を注いでもOK。この状態にしてタンクを洗うこともできます
ちなみに、フタには強化ガラスが採用されており、洗濯中の様子を見ることができます。洗濯機の前に立った時に、フタを閉めた状態でもタンク内の液体洗剤や柔軟剤の残量が見えるようしているのもこだわりなのだとか
一般的に強化ガラスを採用すると重くなりますが、FAシリーズは設計を工夫することで、手への負担を軽減。実際にフタを開けてみましたが、強化ガラスを使っているとは思えないほど軽くておどろきました
このほか、お手入れ機能として、洗濯のたびにすすぎ工程で洗濯槽を洗浄・除菌する「自動槽洗浄」機能や、月に1回行うことが推奨されている「槽洗浄コース」のタイミングをお知らせする機能も搭載されており、黒カビ発生の原因となる洗剤カスの付着を抑制。また、糸くずをキャッチするフィルターには「楽ポイフィルター」が採用されているので、中のゴミに手を触れずに捨てることができて便利です。
洗濯中に出る糸くずをキャッチする「楽ポイフィルター」は、分解した片方のパーツで中の糸くずを寄せてゴミ箱などに捨てることが可能。手で触れずに捨てられる、うれしい工夫です
なお、12kgタイプ「NA-FA12V1」と11kgタイプ「NA-FA11K1」では、洗濯機と連携させたスマートフォンの専用アプリ(無料)で洗濯の状況をチェックしたり、洗濯コースを選んだり、リモート操作することもできます。
自動投入機能の液体洗剤や柔軟剤を登録する際にアプリを使用すると、銘柄で選べるのでラク!(洗濯機本体で設定する場合、水30Lに対する使用量を確認して設定する必要があります)
モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。アウトドアからオタク系まで意外と幅広くイケちゃいます。