ダイソンの空気清浄機において、最もパワフルに部屋の空気を循環させる性能を持つ新モデル「Dyson Purifier Big+Quiet(ダイソン ピュリファイアー ビッグアンドクワイエット)」と「Dyson Purifier Big+Quiet Formaldehyde(ダイソン ピュリファイアー ビッグアンドクワイエット ホルムアルデヒド)」が登場。2023年10月12日に発売された新モデルを発表会で見てきました。
ダイソンの空気清浄機には、加湿器機能やヒーターを搭載した複数のモデルがラインアップされていますが、いずれも同社の“羽根のない”扇風機に空気清浄機能を追加した構造となっています。今回登場した「Dyson Purifier Big+Quiet/Dyson Purifier Big+Quiet Formaldehyde」は、円柱型のボディの上にドーム型のユニットを配置した新しいデザインを採用。本体下部の側面360度から部屋の空気を吸い込み、フィルターで空気に含まれる汚れを除去してきれいな空気を上部の吹出口から放出します。
既存モデルは吹出口を備えた上部の部分がループ状ですが、新モデル(右端)は半球のデザインを採用
サイズは415(幅)×434(奧行)×830(高さ)mm。本体下部の側面全体が吸込口となっており、360度から空気を吸い込みます
円柱型の本体下部の中には、ホコリや花粉、0.1μm以下の粒子状物質を99.95%捕集するH13規格のHEPAフィルターとVOCなどの有害なガスやニオイを除去する活性炭フィルターを配置。製品内部に隙間ができない密閉性の高い設計を採用しているため、本体内に吸い込んだ物質が外に漏れることなく、フィルターでろ過されたきれいな空気だけが放出されるのも特徴です。また、従来モデルと比べ3.8倍大きいサイズのHEPAフィルターを使うことで、フィルターの寿命が5倍にアップ。従来モデルでは約1年だった交換時期が約5年(1日12時間使用した場合)となりました。
本体上部のユニットを取り外し、筒状のパーツを取り外すとフィルターが現れます
交換の目安はHEPAフィルターが約5年で活性炭フィルターが約2年(いずれも1日12時間使用した場合)。交換用のフィルターの市場想定価格はHEPAフィルターが17,600円(税込)、活性炭フィルターが12,100円(税込)です
フィルターを通過してきれいになった空気は、本体上部の凹んだ部分の側面、上下2方向から出ます。従来モデルと同様に高速の気流が物体の表面に沿って流れる「コアンダ効果」を利用しており、天面を沿って流れる高速の気流が合流。2方向からの気流がぶつかった際に高い圧力が生じ、空気清浄機からまっすぐ放出される風となります。この新しく開発した送風システムにより、従来モデルの2倍以上の風量を実現。1秒間に最大87Lの清浄された空気を10m先まで送り出すパワフルな循環力で、広い部屋でも隅々まで浄化します。
2方向から出た高速の気流が合流すると高い圧力が生まれ、空気が融合して直進する風になるそう。空気清浄能力は、27畳の空間が30分、79畳の空間が60分、8畳の空間が11分と公表されています。消費電力は最小20W、最大50W
下の動画は、スモークを充満させた約40uの部屋で、「Dyson Purifier Big+Quiet」と一般的な空気清浄機を使って空気がきれいになるスピードを比較した検証。左上の「Dyson Purifier Big+Quiet」の部屋のスモークが最も早く見えなくなりました。
部屋の空気の状態は、本体上部にあるディスプレイやスマートフォンのアプリで確認できます
風量は10段階で切り替え可能。本体上部の角度は変えられませんが、2方向から出る風量バランスを調整することで風の角度を0度、25度、50度に変更する機能が搭載されています。風量バランスの調整は自動で行われるので、使用者はリモコンやスマートフォンのアプリで角度を選択するだけでOK
一般的に風量が大きくなると運転音も大きくなりますが、「Dyson Purifier Big+Quiet/Dyson Purifier Big+Quiet Formaldehyde」は、音エネルギーを閉じ込め、低周波騒音を低減させる「ヘルムホルツサイレンサー」や空気の通り道で空気の逆流を防ぎ、ノイズを低減する「ラビリンスシール」といった音響技術を使い、運転音を最小21.7dB、最大42.7dBに抑えています。
本体上部に特定の周波数の音波をとらえるために空洞を設け、低周波騒音を低減。さらに、モーターをソフトな素材で固定することで振動から発生する騒音を抑えます
空気の通り道に設けられたラビリンスシール(矢印の部分)が、空気の逆流を抑え、ノイズとなる空気の流れを低減
発表会の会場では、風の流れを可視化する実演が行われました。シャボン玉が途中で割れて消えるなどしたため、10m先まで到達する様子は撮影できませんでしたが、やわらかな空気が出ていることがわかります。また、風量は最大の「10」で運転していますが、結構静かで、耳障りな音も感じませんでした。
新モデル「Dyson Purifier Big+Quiet」と「Dyson Purifier Big+Quiet Formaldehyde」の基本的な構造や性能は同じ。「Dyson Purifier Big+Quiet Formaldehyde」にはホルムアルデヒド分子を微量の水と二酸化炭素に分解する酸化分解触媒フィルター(交換不要)と、ホルムアルデヒドを検知するセンサーが搭載されており、ホルムアルデヒドに対応するのが違う点です。
左が「Dyson Purifier Big+Quiet」(ホワイト/シルバー)で、右が「Dyson Purifier Big+Quiet Formaldehyde」(ニッケル/ブルー)。カラーはそれぞれ1色展開。公式オンラインストア価格は「Dyson Purifier Big+Quiet」が107,800円(税込)で、「Dyson Purifier Big+Quiet Formaldehyde」が126,500円(税込)です