価格.com 家電トレンド研究所

一人暮らしに人気の小型冷蔵庫、注目は作り置きに便利な「広い冷凍室」とワンルームでも静かな「運転音」

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長年家電業界を見てきた価格.com編集長が、価格.comが保有するさまざまなデータと、自身の知識・経験をベースに、家電製品の最新トレンドを解説。今押さえておくべき機能やスペックを紹介しつつ、コスパ、性能、ユーザー評価などの観点から、今買って間違いなしの製品を厳選して紹介する。

第34回は、新生活シーズンのこの時期に人気が高まる小型冷蔵庫の最新トレンドを見てみよう。

新生活需要で人気が高まる小型冷蔵庫。最新トレンドは静粛性&ビッグフリーザー

【図1】価格.com「冷蔵庫・冷凍庫」カテゴリーの閲覧者数推移(過去1年)

【図1】価格.com「冷蔵庫・冷凍庫」カテゴリーの閲覧者数推移(過去1年)

まずは、冷蔵庫の需要が高まる時期について確認しておこう。図1は、価格.com「冷蔵庫・冷凍庫」カテゴリーの過去1年間における閲覧者数推移を示したものだが、最も需要が高まるのは気温が高まる夏の期間で、その次の需要ピークは2〜3月ということがわかる。特に春先のこの季節は引っ越しのピークでもあり、引っ越しを機に冷蔵庫を買い替えるという人が多いためだ。なかでも、一般的に人気なファミリー向けの大容量タイプに加えて、ひとり暮らしあるいは夫婦世帯用の小型冷蔵庫が大きく動く季節でもある。

【図2】価格.com「冷蔵庫・冷凍庫」カテゴリーにおける庫内容量別製品割合(2024年2月時点)

【図2】価格.com「冷蔵庫・冷凍庫」カテゴリーにおける庫内容量別製品割合(2024年2月時点)

図2は、2024年2月時点での、価格.com「冷蔵庫・冷凍庫」カテゴリーにおける庫内容量別の製品割合を示したもの。これを見るとわかるように、この時期最も売れているのは、庫内容量200L以下の小容量タイプだ。意外かもしれないが、1年を通じて売れ筋である容量400〜500L、あるいは500L以上のファミリータイプの割合を超えている。これが夏の需要期になると、ファミリ−タイプの製品の割合がもう少し上がって、200L以下の小容量タイプの製品と拮抗するようになるのだが、春先のこの季節はどちらかと言えば、小容量タイプの需要が増大する傾向にある。

【図3】価格.com「冷蔵庫・冷凍庫」カテゴリーにおける主要メーカー別閲覧者数推移(過去1年)

【図3】価格.com「冷蔵庫・冷凍庫」カテゴリーにおける主要メーカー別閲覧者数推移(過去1年)

図3は、価格.com「冷蔵庫・冷凍庫」カテゴリーにおける主要5メーカー別の閲覧者数推移を示したものだ。これを見ると、三菱電機が圧倒的な強さで1位をキープしており、2位グループがやや混戦で、パナソニック東芝日立シャープが入り乱れるという展開になっている。三菱電機の人気の強さは以前の記事 でも書いたとおりであるが、今年の春先について見ると、それほど上がっているわけでもない。むしろ今年の春、人気を得てきているのは、パナソニック、東芝の2社で、この2社の小型冷蔵庫が比較的人気を得ているということになる。いっぽう、小容量モデルに比較的強みを持ってきたシャープは、今年はあまりふるわない結果となっている。

【図4】価格.com「冷蔵庫・冷凍庫」カテゴリーにおける、200L以下の小容量冷蔵庫の人気5モデルの閲覧者数推移(過去半年)

【図4】価格.com「冷蔵庫・冷凍庫」カテゴリーにおける、200L以下の小容量冷蔵庫の人気5モデルの閲覧者数推移(過去半年)

では、小容量冷蔵庫の中でも、この春はどんな製品が人気となっているのだろうか。図4は、200L以下の小容量冷蔵庫の人気5モデルの閲覧者数推移を示したものだが、パナソニックの「NR-B16C1」「NR-B18C1」という兄弟モデル2製品が、急激な人気上昇でほかを圧倒していることがわかる。この2モデル、昨年2023年12月に発売されたばかりの新製品であるが、このクラスでは珍しいインバーターを搭載し、静粛性の高さが売りとなっている。実勢価格はやや高めだが、ワンルームマンションなどに置くことも多い小型冷蔵庫では、静粛性は非常に大事な要素ともなるだけに、かなりの人気となっている。

なお、3位以下は、三菱電機、東芝、ハイアールという3メーカーの製品が入り乱れる展開となっているが、上記パナソニックの「NR-B16C1」も含め、ほとんどが庫内容量150L前後のモデルとなっており、ひとり暮らしなどでは、このサイズ感が使い勝手がよいことがうかがえる。特に最近では、このクラスでも、冷凍室の庫内容量をなるべく多く取る製品が増えてきており、冷凍食品や料理の作り置きなどを保冷しやすいようになっている。冷凍室の容量が60Lのパナソニック「NR-B16C1」、同61Lのハイアール「freemee JR-SY15AL」などが、その代表格だ。

コレ買っときゃ間違いない! 価格.com編集長が今注目する小型冷蔵庫5選

※最安価格とユーザー満足度・評価は、いずれも2024年3月25日 時点のものです。

パナソニック「NR-B16C1」

NR-B16C1

価格.com最安価格:47,000円
発売日:2023年12月中旬発売
ユーザー満足度・評価:★4.00(3人)
庫内容量:156L(冷凍室:60L)

小型冷蔵庫では珍しいインバーターを搭載した製品。冷え具合に応じてモーターの回転数を変えることで、効率よく冷却でき、運転音も従来モデルから約20%抑えられた約19dBを実現。生活スペースと寝室が同一のワンルームマンションなどでも設置しやすい。冷凍室も60Lと大きく取られており、冷凍食品の利用が多い人でも安心だ。色はマットブラックとマットオフホワイトの2色を用意。なお、同じく人気の「NR-B18C1」は、本機より少し庫内容量が大きな兄弟モデルとなっている。

三菱電機「MR-P15J」

MR-P15J

価格.com最安価格:40,425円
発売日:2023年10月20日発売
ユーザー満足度・評価:★4.51(6人)
庫内容量:146L(冷凍室:46L)

三菱電機の小型冷蔵庫の最新モデル。高さを1,213mmに抑えたやや小振りなボディに、100Lの冷蔵室と46Lの冷凍室を備える。3段のガラス棚を備えるほか、ドアポケットには、2Lのペットボトル3本と500Lのペットボトルを10本収納可能。動作音も約22dBと静かだ。色はマットチャコールとマットホワイトの2色を用意。

東芝「GR-V15BS」

GR-V15BS

価格.com最安価格:40,890円
発売日:2023年11月下旬発売
ユーザー満足度・評価:★3.00(1人)
庫内容量:153L(冷凍室:43L)

東芝の小型冷蔵庫の最新モデル。冷凍室は43Lとこのクラスではやや小さめだが、その分、冷蔵室は110Lと広く、収納力が高い。3段のガラス棚を備えるほか、ドアポケットも2Lのペットボトルを3本収納できるほか、上に2段のポケットを備える。色はセミマットブラックとセミマットホワイトの2色を用意。

ハイアール「freemee JR-SY15AL」

freemee JR-SY15AL

価格.com最安価格:32,765円
発売日:2023年11月1日発売
ユーザー満足度・評価:★5.00(1人)
庫内容量:148L(冷凍室:61L)

ハイアールが発売するスリムな小型冷蔵庫。本体幅は約440mmしかなく、細めのスペースでも置きやすい。しかも冷凍室は61Lの大容量で、3段の引き出しで整理しやすいのがポイント。冷蔵室も縦方向に長く、ガラス棚の高さを変えられるため、長めのボトルなども収納しやすい。ドアポケットには、2Lのペットボトル3本を収納可能なポケットを用意し、ドアは右開きと左開きを選ぶことができる。色はマットグレーとホワイトの2色を用意。実勢価格が3万円台前半と安いのも魅力だ。

シャープ「SJ-D15J」

SJ-D15J

価格.com最安価格:47,500円
発売日:2022年9月20日発売
ユーザー満足度・評価:★4.10(5人)
庫内容量:152L(冷凍室:58L)

シャープが2022年9月に発売した小型冷蔵庫。後継モデルの「SJ-D15K」も出ているが、時期によって本モデルのほうが数千円近く安いので狙い目だ。58Lの大容量冷凍庫を備え、冷凍食品などの保存に便利。ドアを左右どちらにも付け替え可能な「つけかけどっちもドア」を装備し、引っ越し先のレイアウトにも合わせやすい。なお、シャープ独自の空気清浄技術「プラズマクラスター」は本機には搭載されていない。色はマットダークグレーとマットホワイトの2色を用意。

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2025/03/12 14:00
鎌田 剛(編集部)
Writer
鎌田 剛(編集部)
1996年にソフトバンクにて複数のパソコン情報誌の編集・立ち上げに携わった後、2002年にカカクコム入社。2006年「価格.comマガジン」を創刊。以降、編集長としてメディア運営に携わる。日経MJにてコラム連載、ラジオ出演なども幅広く行う。家電製品アドバイザー資格保持者。
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北島圭介(編集部)
Editor
北島圭介(編集部)
出版社で10数年、編集者として経験を積み、2022年にカカクコム入社。家電製品から文房具など、さまざまな商品を検証するモノ雑誌の編集経験を生かし、価格.comマガジンで生活家電を中心に気になる製品をレビューしている。
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