レビュー

風だけじゃなかった…… ニトリの新型ハンディ扇風機でヒヤッとした話

うだるような暑さを少しでもやわらげたい真夏において、ハンディ扇風機はお出掛けのお供として確固たる地位を築いています。とはいえ、高温の屋外ではハンディ扇風機の風だけではイマイチ涼しさが実感できないこともありますよね……。

そんななか、ニトリからプラスアルファの冷却機能を備えた新型のハンディ扇風機が登場しました。それが「充電式 首掛け冷却プレートハンディファン」。その名のとおり、電気の力で冷たくなるプレートを備えたハンディ扇風機です。これは期待大! ということで、さっそく購入。実際に使用してその実力を検証してみました。

ハンディ扇風機が豊富なニトリのなかでも最上位モデルと言える「冷却プレートハンディファン」

ニトリにはデザインや用途違いでさまざまなハンディ扇風機が揃っていて、外出時の使用を想定したモデルだけでも現在7製品がラインアップされています。そのなかで、冷却プレートが付属しているハンディ扇風機は2つ。より値段が高く、最上位モデルとも言えるのが、今回ピックアップした「充電式 首掛け冷却プレートハンディファン」です。

ニトリ「充電式 首掛け冷却プレートハンディファン」

ニトリ「充電式 首掛け冷却プレートハンディファン」

本モデルは、ファンを覆うカバーの中央に、円形の冷却プレートが搭載されているのが大きな特徴。遠目ではプレートの存在に気づかないほどさりげないデザインで、ハンディ扇風機として違和感なく使えるように仕上がっています。

製品名からわかるように、付属のストラップによって首から掛けて持ち運べるのもポイントです。ファン部分の角度が調整でき、首に掛けたまま風を顔に向けても使用できます。ただし、実際に首に掛けたままで使ってみたところ、安定感に乏しく、狙ったところに風を当て続けるのは難しいと感じました。そのため、首に掛けて携帯しながら、暑くなったら手に持って使うのが現実的でしょう。

首に掛けて携帯すれば、使いたいときにすぐ使えます

首に掛けて携帯すれば、使いたいときにすぐ使えます

ファン部分は上下に角度調整が可能。これを最大限まで上に向けてのけぞらせるような状態にすると、ハンドル部分がスタンドの役割を果たし、デスクやテーブルの上に置いたまま使用できます。

充電方式はUSB Type-C。ハンドルの側面に差し込み口があります。長さ1mのコードが付属していますが、電源アダプターは別売りのため注意しましょう。充電時間は約5時間で、ファンの連続使用時間は2.5時間ほど(風量「弱」の場合)。ただし、冷却プレートも電動式のため、ファンと冷却プレートを併用すると、風量「弱」の場合で連続使用は約1時間と、半分以下になります。

首の角度が調整でき、卓上ファンとしても使用可能

首の角度が調整でき、卓上ファンとしても使用可能

操作方法は簡単で、ハンドル前面にある電源ボタンを素早く2回押すと電源が入ってファンが回り始めます。そこからボタンを押すごとに風力が変わり、弱→中→強の3段階で調整可能。さらにもう1回ボタンを押すと電源がオフになり、ファンが停止します。

そしてファンの作動中に、電源ボタンの下にあるボタンを押すと冷却プレートが作動します。冷却プレート単独では使用できない仕様のため、必ずファンを回したうえで使用しなければなりません。

上下に2つ並んだフロントのボタンで操作

上下に2つ並んだフロントのボタンで操作

冷却プレートの効果やいかに? サーモグラフィーを使って検証

では、気になる冷却プレートの性能はいかがなものでしょうか? サーモグラフィーを使って検証してみました。まずは作動させる前の何もしていない状態で計測。プレート部分は、室温とおおよそ同じ28.5度という結果になりました。この状態からファンを回して、冷却ボタンをオン!

スイッチを入れる前

スイッチを入れる前

作動させるとプレートはすぐに冷たくなりはじめ、20〜30秒で完全に冷え切った状態になりました。サーモグラフィーの測定結果は、18.1度。触ってみるとしっかり冷たく感じる温度です。そのまましばらく冷やしておくと、冷却プレート全体に細かい結露が発生。指でなぞると、結露がくっついて大きな水滴になるほどです。

冷却プレートが冷え切った状態で計測。しばらくするとプレートには結露が見られました

冷却プレートが冷え切った状態で計測。しばらくするとプレートには結露が見られました

続いて、屋外でも使用してみました。この日の外気温は約30度。立っているだけで少し暑く感じますが、適度に風が吹いていたため時折涼しさも感じられるような状況でした。サーモグラフィーによる肌の表面温度は、何も使っていない状態で34度ほど。

何もしていない状態。肌の表面温度は34.2度

何もしていない状態。肌の表面温度は34.2度

冷却プレートを作動させて頬に押し当ててみると……ヒヤッとして気持ちよく感じますね。プレートの面積はそこまで大きくないのであくまで効果は部分的ですが、しっかり冷却されている感覚があります。そのまま5秒ほど当ててから、冷却プレートを当てていた肌の温度を測定してみると、結果は26.8度。使用前からマイナス7.4度です。実感としてはもっと下がっていると思いましたが、何回か測っても結果はほとんど変わらなかったので、実際の温度と体感温度には差がありそうです。

冷却プレートを当てた部分は、表面温度が7.4度低下しました

冷却プレートを当てた部分は、表面温度が7.4度低下しました

肝心の送風機能は? 従来のハンディファンと比べてみた

冷却機能が付いているとはいえ、ハンディ扇風機のメインの機能はあくまで送風。その点についても気になったので、従来品と比較してみました。比較対象として選んだのは、ニトリのハンディ扇風機のなかでも代表格といえるベーシックかつシンプルな「カラビナ付きハンディファン」です。

ニトリ「カラビナ付きハンディファン」(写真左)と、ニトリ「充電式 首掛け冷却プレートハンディファン」(写真右)

ニトリ「カラビナ付きハンディファン」(写真左)と、ニトリ「充電式 首掛け冷却プレートハンディファン」(写真右)

2つを使ってみた感想は下記のとおり。送風に関連する仕様とともに書き出してみます。

■「充電式 首掛け冷却プレートハンディファン」
・ファン部分の直径:65mm
・羽根:5枚
・使用感:風量はやや物足りなく“やさしい風”という印象。「強」にすると甲高い作動音がやや気になる

■「カラビナ付きハンディファン」
・ファン部分の直径:70mm
・羽根:3枚
・使用感:風量は十分で力強い印象。作動音はそこまで気にならない

ファンの羽根の枚数が異なるのが裏から見るとよくわかります

ファンの羽根の枚数が異なるのが裏から見るとよくわかります

今回比較した2つのハンディ扇風機は、ファン部分の大きさが少し異なるだけでなく、羽根の枚数にも違いがありました。体感としての風量は、「カラビナ付きハンディファン」に軍配。力強い風が感じられました。ただこれは、冷却プレートが風の通りをじゃましているといった理由ではなく、一般的な扇風機と同様に、羽根が大きいほど風量は増え、羽根の枚数が多いほどマイルドな風になる、という法則によるものと考えられます。また、羽根の枚数が多いほど作動音は大きくなる、とも言われますが、実際、「充電式 首掛け冷却プレートハンディファン」のほうが作動音は大きかったです。

【まとめ】一瞬だけど、ヒヤッとできる効果は絶大。ハンディ扇風機の選択肢としては大いにアリ!

「充電式 首掛け冷却プレートハンディファン」は、扇風機の風量に関しては従来品と比べてやや物足りなく感じますが、言い換えれば、マイルドな風を届けてくれるという印象です。風の向きをきちんと調整すれば十分な涼感は得られるので、強風の圧力が苦手な人にはむしろちょうどいいかもしれません。

そして何より、猛暑日の外出時などに突発的に湧き起こる「ぬる〜い風だけじゃなく、もっと直接的にヒンヤリ感を味わいたい!」という欲望を満たしてくれる冷却プレートの存在は、風力の物足りなさを上回る大きな利点と言えるでしょう。前述したように、冷やせる範囲が狭くスポット的なうえ、冷却プレートを押し当てて10秒もすると肌がその冷たさに慣れてしまうためヒヤッと感じられる時間はほんの一瞬……ということで過度な期待は禁物ですが、いざというときの“お助けアイテム”として、持っておけば頼りになる製品だと筆者は感じました。

望んだときにいつでもヒンヤリ冷たい感覚を味わえるのは、真夏にはかなりの高ポイント!

望んだときにいつでもヒンヤリ冷たい感覚を味わえるのは、真夏にはかなりの高ポイント!

関連記事
ひとり1台「ハンディ扇風機」の時代! “技あり”の便利な最新ファン3選
ひとり1台「ハンディ扇風機」の時代! “技あり”の便利な最新ファン3選
夏の必需品となってきた「ハンディ扇風機」。手ぶらで使えるタイプから、ミストが出るものまで、便利な機能を持つ最新のファンを3種類、動画でご紹介します。
2020/06/24 11:00
平 格彦
Writer
平 格彦
出版社の広告部、ファッション誌編集部を経て独立。雑誌、書籍、WEBメディア、オウンドメディアなどで執筆や編集を担当。株式会社com-textを設立し、編集・PR・ブランディングのコンサルティング、電子書籍の制作・海外展開などを行っている。
記事一覧へ
岡田 太(編集部)
Editor
岡田 太(編集部)
雑誌とWebでファッション/ライフスタイル系メディアの編集長を務め、「価格.comマガジン」へ。被服費&趣味関連の散財でクレジットカードを使い倒してきた経験を生かし、現在はクレカを中心としたマネー記事を担当。
記事一覧へ
記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
SPECIAL
ページトップへ戻る
×