レビュー

おしゃれなサコッシュ感覚!? ロゴスの「ボディエアコン」は街で浮かずに使えるのか

夏を涼しく過ごすためのツールとしてハンディファンがすっかり市民権を得ていますが、もっと快適かつ便利に使えるアイテムはないものか……? そんな思いを抱きながら新しい商品を探していたところ、「ボディエアコン」という気になるネーミングをロゴスで見つけました。

いくつかバリエーションがあった中から、筆者がピックアップしたのは最新モデルかつ最小サイズの「野電 ボディエアコン・冷風2WAYポーチ」。ボディバッグのように体にフィットさせながら携帯できて、冷たい風も送れるのが特徴です。本記事ではこちらのアイテムをレビューしたいと思います!

「野電 ボディエアコン」シリーズの最新作にして最小モデル「冷風2WAYポーチ」

アウトドアブランドのロゴスが展開している「野電」は、野外で使用可能な電化製品を手掛けるシリーズです。同シリーズからリリースされている「ボディエアコン」は、普段着のときにも違和感なく使用でき、暑い日を涼しく過ごせるように開発されました。そんな「野電 ボディエアコン」シリーズの最新作であり、最小のモデルでもあるのが「野電 ボディエアコン・冷風2WAYポーチ」(以下「冷風2WAYポーチ」)です。

本アイテムは、長さを調整できるストラップが付属したポーチ型。本体裏面の下部から空気を吸い込み、内蔵されたファンで上に向かって送風するので、サコッシュのように首からぶらさげて使用すると首や顔に風を当てられます。

ロゴス「野電 ボディエアコン・冷風2WAYポーチ」。見た目はアウトドア調のサコッシュのようですが、外出時に体を冷やしてくれる便利グッズです

ロゴス「野電 ボディエアコン・冷風2WAYポーチ」。見た目はアウトドア調のサコッシュのようですが、外出時に体を冷やしてくれる便利グッズです

背面にあるフック型ストラップを使えば、ボトムスのベルトに固定して使用することも可能。その場合は、本体を腰の背中側にセットし、着ているトップスの内部に風を送り込む仕組みです。

首から掛けても、腰のベルトに巻いても、どちらにしても両手が空くので、釣りなどの野外活動やテント設営などの作業をする際に重宝すること請け合い! また、傘や日傘を差していても片手は空いたままなので、機動性が損なわれません。

ちなみにサイズは、11(幅)×9(奥行)×19(高さ)cmで、少し厚さのあるポーチくらいの大きさ。重さはおよそ140gと、一般的なスマートフォンより軽量です。

本体背面にはフック型ストラップが付いていて、ベルトに通して装着できます

本体背面にはフック型ストラップが付いていて、ベルトに通して装着できます

操作は、本体の左サイドにある四角いロゴ入りスイッチで行います。長押しで電源のオンとオフが切り替えられ、短く押すと風量を調整可能。風の強さは3段階で、スイッチがブルーに光っている状態が「弱」、グリーンが「中」、レッドが「強」です。スイッチが立体的な作りなので手の感覚だけでも位置がわかりやすく、背中側に装着している際にも容易に操作が可能。

左側面にある、ロゴの付いた四角い出っ張り部分がスイッチ。このスイッチ1つで操作します

左側面にある、ロゴの付いた四角い出っ張り部分がスイッチ。このスイッチ1つで操作します

風量は3段階。スイッチ部分が青く光っている状態が「弱」

風量は3段階。スイッチ部分が青く光っている状態が「弱」

スイッチがグリーンに光っていたら風量は「中」

スイッチがグリーンに光っていたら風量は「中」

レッドに光っている状態なら、風量は最大の「強」です

レッドに光っている状態なら、風量は最大の「強」です

使い勝手を高めるための工夫が満載!

「冷風2WAYポーチ」はその名のとおりポーチ型ですが、基本的に内部に荷物は入れられません。ただし、保冷剤を入れるためのポケットを備えています。かなり小さめのポケットですが、ロゴスで販売されている保冷剤「氷点下パック コンパクト」にぴったりのサイズ感。別売りですが、これをセットすることで風がいっそうヒンヤリします。

セットした際の保冷剤の有効時間は30分程度。使用時間が限られ、結露をケアする手間も掛かりますが、ここぞというときには体を冷やす効果のアップが可能です。

保冷剤用のポケットを内蔵。かさばらない小銭などを収納する分には支障はなさそうです

保冷剤用のポケットを内蔵。かさばらない小銭などを収納する分には支障はなさそうです

別売りのロゴス「倍速凍結・氷点下パック コンパクト」をセットした様子。下から上に風が通るため、保冷剤で冷やされた風が体に当たります

別売りのロゴス「倍速凍結・氷点下パック コンパクト」をセットした様子。下から上に風が通るため、保冷剤で冷やされた風が体に当たります

電源はUSB(Type-A)式で、市販のモバイルバッテリーを用いる仕様。フロント外側のポケットにバッテリーを入れ、内部から出ているコードでつなげて給電します。

モバイルバッテリーが別売りという仕様にはメリットもデメリットもありますが、メリットのほうが大きいと筆者は考えます。たとえば、「すでに持っているバッテリーが活用できる」「自分の用途に合わせてバッテリーの容量が選べる」「複数のバッテリーを使い分けできる」「バッテリーのデザインでカスタムして個性を演出できる」といった利点があげられるでしょう。

市販のモバイルバッテリーを使って給電する仕様。今回は、筆者私物の中から「冷風2WAYポーチ」になじむ黒のバッテリー(右)を使用しました

市販のモバイルバッテリーを使って給電する仕様。今回は、筆者私物の中から「冷風2WAYポーチ」になじむ黒のバッテリー(右)を使用しました

フロントのポケットにモバイルバッテリーをセットしたところ。内部のファンとつながっているUSBを接続して使用します

フロントのポケットにモバイルバッテリーをセットしたところ。内部のファンとつながっているUSBを接続して使用します

ポケットをストラップで固定して使用します。駆動時間を優先したり軽量性を重視したりと、自分好みのバッテリーを選んで活用しましょう

ポケットをストラップで固定して使用します。駆動時間を優先したり軽量性を重視したりと、自分好みのバッテリーを選んで活用しましょう

「冷風2WAYポーチ」は、ボディに防水仕様の生地を採用していて、雨に強い作りです。また、吸気口にファンカバーが付いているのもポイント。これは「野電 ボディエアコン」シリーズで初めてのギミックで、空気の通り道をしっかりと確保しながら雨水や衣類の吸い込みを防いでくれます。

ファンの吸気口を覆っているカバー。V字型のパーツで支える立体的な構造により、空気の流れを確保しています

ファンの吸気口を覆っているカバー。V字型のパーツで支える立体的な構造により、空気の流れを確保しています

ファンカバーに加え、本体前面にトップスの裾を固定できるフックも備えていて、腰への装着時にトップスを吸い込んでしまわないよう工夫がなされています。

ロゴの上部に付いている2本のフックに注目。荷物をぶらさげるためではなく、衣類の裾を固定するためのディテールです

ロゴの上部に付いている2本のフックに注目。荷物をぶらさげるためではなく、衣類の裾を固定するためのディテールです

フロントのフックでトップスの裾を固定し、下から見た際のイメージ。本体下部の吸風口がしっかり確保できています

フロントのフックでトップスの裾を固定し、下から見た際のイメージ。本体下部の吸風口がしっかり確保できています

実際の冷却性能について肌の表面温度で検証!

使い勝手を高める工夫がふんだんに盛り込まれた「冷風2WAYポーチ」ですが、やはり肝心なのは送風機能や冷却機能です。

筆者が使用してみた感想として、送風性能のレベルは、一般的なハンディファンと同程度で、ベルトを装着してトップスの内部に風を送るとかなり涼しく感じられます。風が強すぎないため、衣類が大きくはためくようなことはありません。

では、数値の面ではどうでしょうか? 今回は、肌の表面温度の変化で効果を視覚化してみました。方法は、ベルトで背中側に「冷風2WAYポーチ」を装着し、無風の状態から「弱」「中」「強」のそれぞれの風を1分間ほど当てて肌の表面温度を非接触式電子温度計で計測。風量の違いによる肌温度の変化を比較してみました。

背中側にこのように装着し、トップス内の風が当たる部分で肌の表面温度を計測

背中側にこのように装着し、トップス内の風が当たる部分で肌の表面温度を計測

結果として、「弱」でもしっかり数値面での冷却効果が見られました。また、風量のレベルが上がるほど、肌の表面温度は順当に低くなる、ということがわかりました。 環境や条件によって効果は大きく変わりますが、「冷風2WAYポーチ」の効果は確実にあると言えるでしょう。

計測前の肌の表面温度は35.9度。この温度をデフォルトとして、風量の違いによる効果の違いを可視化しました

計測前の肌の表面温度は35.9度。この温度をデフォルトとして、風量の違いによる効果の違いを可視化しました

風量「弱」で1分間ほど風を当てた肌の表面温度は35.4度。0.5度ほど下がっています

風量「弱」で1分間ほど風を当てた肌の表面温度は35.4度。0.5度ほど下がっています

肌の表面温度をデフォルトの状態に一度戻してから、「中」の風を1分間当てた後の肌の温度は35.1度。さらに0.3度ほど下がっています。体感的にも「弱」より風が強く感じられ、より涼しく感じられました

肌の表面温度をデフォルトの状態に一度戻してから、「中」の風を1分間当てた後の肌の温度は35.1度。さらに0.3度ほど下がっています。体感的にも「弱」より風が強く感じられ、より涼しく感じられました

肌の表面温度を再度デフォルトの状態にしてから、「強」の風を当て続けた1分後の肌の表面温度は「Lo」。非接触式電子温度計の「人肌モード」は計測可能な最低温度が35.0度なので、それ以下の温度になったことを意味しています。体感としてもかなりの風量や冷却効果を感じました

肌の表面温度を再度デフォルトの状態にしてから、「強」の風を当て続けた1分後の肌の表面温度は「Lo」。非接触式電子温度計の「人肌モード」は計測可能な最低温度が35.0度なので、それ以下の温度になったことを意味しています。体感としてもかなりの風量や冷却効果を感じました

実際に装着してみて、服装として違和感はないのか?

「冷風2WAYポーチ」は、サコッシュやボディバッグのような感覚で携帯できる点も大きな特徴ですが、普段のコーディネートになじんでくれるのでしょうか? 実際に装着して見た目の違和感がないかチェックしてみました。

まず、ストラップで首から提げてサコッシュのように使用した場合。確かにサコッシュのようにも見えますが、少し厚みがあるのでそれなりに存在感があります。しかし、なんとかコーディネートになじんでいると言えるかな、という印象です。

サコッシュのように首から提げて使用した状態

サコッシュのように首から提げて使用した状態

続いて、パンツのベルトに通して背中側にセットした場合です。真後ろから見ると小ぶりなウエストポーチのように見え、コーディネートになじんでいるように見えます。しかし、横から見ると奥行きが目立ち、ウエストやヒップ周りのボリュームがアップしたような印象に。少し太って見えてしまうのが課題と言えそうです。

ベルトに付けて背中側にセットした様子。すんなりなじんでいるように見えます

ベルトに付けて背中側にセットした様子。すんなりなじんでいるように見えます

横から見ると奥行きが目立つのがやや難点。腰周りがボリュームアップしたような印象です

横から見ると奥行きが目立つのがやや難点。腰周りがボリュームアップしたような印象です

ちなみに「冷風2WAYポーチ」は肩から斜めに掛けけることも可能、という記述も目にしましたが、ストラップの長さが短く、かなり窮屈で筆者は斜め掛けできませんでした。ただ、小柄の女性や子どもなら対応可能でしょう。

なお、街で使用する場合は、ファンの作動音も気になるポイントでしょう。試してみたところ、風量が「弱」であればそれほど気にならないレベルで、「強」にすると少し気になる音量です。とはいえ、雑音の多い街中ではそこまで気になりませんでした。風量については、周囲の状況も考慮して調整するのがよさそうです。

【まとめ】涼感グッズとしてはかなり実用的! 普段の着こなしにいかになじませられるかがカギ

首からぶらさげて使用する場合、「冷風2WAYポーチ」は、ハンディファンと同じような効果が得られました。そのうえ、胸元でぐらぐらしてしまって風向きが不安定なハンディファンに対し、「冷風2WAYポーチ」は安定感があって狙った首元〜顔あたりにしっかり風を当てられたのが好印象でした。

また、パンツのベルトに通して背面側の腰あたりでトップス内に風が入るように装着すると、風が背中全体を通り過ぎるため、かなり涼しいと感じました。涼感を得るという面では申し分なく、個人的にはこの「ベルトに装着して使用する」という方法が気に入りました。

2通りで装着できる「冷風2WAYポーチ」

2通りで装着できる「冷風2WAYポーチ」

ただし、やっぱり気になるのが外見の問題。街に出る際に普段使いできるかというと、正直、そのままではちょっと微妙なところです。そこで、いろいろテストしてみて、違和感なくコーディネートになじませるためのポイントを見つけました。以下にあげた2点を押さえると、街でも使いやすくなるはずです!

背中の中央からズラして見た目のボリューム感を軽減する
シャツやパンツの色のトーンを「冷風2WAYポーチ」に近づける

まず、背中の中央から少しズラして装着することで、ヒップ周辺の最もボリュームのある部分が避けられます。これにより、横から見た際のボリューム感が軽減するというわけ。真後ろから見た際にも、ボディエアコンが少しズレた位置にあることで、こなれ感や無造作感が生まれ、“ツール”という印象が軽減されてファッション小物っぽさを演出できます。

続いて、トップスとボトムスの色についてですが、「冷風2WAYポーチ」自体が黒なので、なじませるという観点では当然、明るい色よりやや暗めをセレクトするのが吉。黒をはじめ、ネイビーや濃いめのグレーなどでまとめるとよいでしょう。トップスとボトムスの両方をそうしたダークカラーにするのが理想ですが、それが難しい場合は、上下のどちらからいっぽうだけ暗めの色にするだけでも一定の効果はあります。

中央から少しズラした位置にセットすることで、ボリュームが軽減した印象に

中央から少しズラした位置にセットすることで、ボリュームが軽減した印象に

真後ろから見た際も、真ん中から少しズレた位置にあることで、おしゃれ度がアップしています

真後ろから見た際も、真ん中から少しズレた位置にあることで、おしゃれ度がアップしています

上下とも暗めのネイビーでまとめたコーデ。「冷風 2WAYポーチ」と濃淡の差が少ないため、違和感はほとんどありません

上下とも暗めのネイビーでまとめたコーデ。「冷風 2WAYポーチ」と濃淡の差が少ないため、違和感はほとんどありません

ポイントを押さえた着こなしで街に出てみましたが、いかがでしょうか? 上記のポイントを押さえたことで、かなりなじんだ印象になっているのではないでしょうか? 付け加えるなら、やわらかい生地感のトップスを選ぶと、不要なボリュームがさらに削れます。

ちなみに、ロゴス「ボディエアコン」シリーズでは、今回ご紹介した「野電 ボディエアコン・冷風2WAYポーチ」のほか、ウエストポーチタイプの「野電 ボディエアコン・Vツインクール」もラインアップされています。基本的な使い方は変わりませんが、さらにバッグライクな外見になっているのがポイント。そして、ファンが2つなので送風がよりパワフルです。

どちらのタイプにしても、バッグ感覚で身に着けられる「野電 ボディエアコン」は、使い勝手も、得られる涼感もかなり良好。なるべくなじませやすそうな服装を意識しつつ、まだまだ残暑が続くこれからのサマーライフを快適に過ごしましょう!

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平 格彦
Writer
平 格彦
出版社の広告部、ファッション誌編集部を経て独立。雑誌、書籍、WEBメディア、オウンドメディアなどで執筆や編集を担当。株式会社com-textを設立し、編集・PR・ブランディングのコンサルティング、電子書籍の制作・海外展開などを行っている。
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岡田 太(編集部)
Editor
岡田 太(編集部)
雑誌とWebでファッション/ライフスタイル系メディアの編集長を務め、「価格.comマガジン」へ。被服費&趣味関連の散財でクレジットカードを使い倒してきた経験を生かし、現在はクレカを中心としたマネー記事を担当。
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