ジダラキング

身近な食材が「せんべい」に早変わり! “おやつ製造マシン”を使い倒してみた

 “おやつ製造マシン”を使い倒してみた

どうしてもスペシャルなおやつが食べたい! ってとき、あるじゃないですか。スナック菓子やコンビニスイーツも全然アリなんだけど、でも今日はそうじゃなくて。プチ祝いにご褒美感のあるやつとか、気分的に沈んでいるから何かグッとアガるやつとか……そういった特別感のあるおやつって、精神安定のためにも割と重要だと思うんですよ。

たとえば自堕落王(ジダラキング)こと、筆者のスペシャルおやつは、エビとかタコといった海鮮をそのままギューッと高圧で押し潰しつつ焼いた高級プレスせんべい。海側の観光地でお土産として売っていることも多いアレが、とにかくテンション上がるんです。ただ、買いに行くのが面倒だし、ネットで買うにしても、届くまでのタイムラグで「今こそ食べたい!」には間に合わないしで、なかなか難しい。だとしたら、もしかして自作するのがベストなのでは!?

家でギューッ! ジュワーッ! とプレスせんべいを自作しよう

とはいえあのプレス機って、「自宅ではどうにもならなそうな調理器具ランキング」で、かなり上位だと思うんですよ。業務用オブ業務用って感じで。

……だと思っていたんですが、検索をかけてみたら、自宅でアレがギューッとできるマシン、意外といろいろ出ているみたい。へー。

製品名の印象がやたらと強い「#とりあえずつぶして焼いてみた2〜もっとつぶして欲しいから…〜」(丸隆)

製品名の印象がやたらと強い「#とりあえずつぶして焼いてみた2〜もっとつぶして欲しいから…〜」(丸隆)

実際、ネットでもいくつか見つけたんですが、その中で今回は、製品名のインパクトが最も強かった丸隆「#とりあえずつぶして焼いてみた2〜もっとつぶして欲しいから…〜」を選んでみました。ハッシュタグが付いている製品名の悪ノリ感、嫌いじゃない。

さらに「2」ということで、前モデルから鉄板の温度が約10度アップし、ボディがステンレスになって重量感アップ、とのこと。バージョンアップされているなら、性能は信頼が置けるはず? と判断してのチョイスです。

現物を見てみると、仕組みは割とシンプル。2つの小型ホットプレートで挟んで具材を上下から加熱できるようになっており、さらにハンドルを使ってプレート同士をギュッと押し付け合うことができる、という作りです。

展開してみると、いかにも「なるほど、2枚のホットプレートで上下から挟んで焼くんだな」という形状。わかりやすい構造です

展開してみると、いかにも「なるほど、2枚のホットプレートで上下から挟んで焼くんだな」という形状。わかりやすい構造です

操作はダイヤルでの温度調節のみ。基本的には「MAX」で焼いて、焦げそうならちょっと下げるように調節します

操作はダイヤルでの温度調節のみ。基本的には「MAX」で焼いて、焦げそうならちょっと下げるように調節します

使うときは、電源兼温度ダイヤルを回して温度設定し、余熱が終わったら(=緑ランプが点灯したら)上プレートを開いて具材を載せ、再び上プレートを閉じてハンドルをギューッと、押し潰すように焼いていきます。

ハンドルはテコがきいているので、人の手で押し付ければ、なかなかの圧力がかかりそう。ちなみにコツとしては、一気に押し潰すのではなく、ジワーっと少しずつ圧をかけていくこと。具材の水分をゆっくり絞り出すようなイメージです。

プレスせんべいと言えば、まずやってみたかったエビ。殻を剥いて背わたを取っておきます

プレスせんべいと言えば、まずやってみたかったエビ。殻を剥いて背わたを取っておきます

加熱時間に関しては、食材によって一概には言えないんですが、基本的には「水蒸気が上がらなくなったら焼き上がり」と言えそう。それはつまり具材の中にある水分がすべて飛んでカリッと焼けた、ということですから。あとはプレートを上げて、ぺたんこに潰れた具材を取り出せば、プレスせんべいの完成です。

大きめのエビが、大体2〜3分でぺったんこに

大きめのエビが、大体2〜3分でぺったんこに

おおー、エビがきれいにせんべいになっています! 試しに食べてみると、ちゃんとせんべいらしくパリンと香ばしく砕ける歯応えが心地よいです。そして水分を抜いたことで、旨味がめちゃくちゃギュッと凝集されている感じ。これはスペシャルおやつと言って差し支えないでしょう。

パリン! という香ばしい歯応えと、水分が抜けてギュッと凝縮した旨味! こりゃたまらんですよ……

パリン! という香ばしい歯応えと、水分が抜けてギュッと凝縮した旨味! こりゃたまらんですよ……

ただし注意点がひとつ。きちんと温度と圧力を管理して水分を抜ききったわけではないので、5〜10分ぐらいで湿気ってしまい、パリッとした歯応えが失われてしまいます。こうなるとあまりおいしくなくなるので、焼き上がったものはその場ですぐ食べてしまうのが正解と言えそうです。

お前も加圧してせんべいにしてやろうか!

ひとまず試しにエビをプレスせんべいにしてみましたが、具材はほかにもいろいろと考えられるでしょう。……というか、このマシンを手にしたが最後、目につく食材はぜんぶ押し潰して焼きたくなってしまいます。悪魔の拷問具もかくやという残虐非道の器具!

ひとまず思いついたものを押し潰して、ペラッペラのパリッパリにしてやりました

ひとまず思いついたものを押し潰して、ペラッペラのパリッパリにしてやりました

そこであれこれ試してみたんですが、とにかく間違いなくウマいのが、ホタテと鶏皮。

ホタテは刺身用のものを熱したプレートに載せ、さらに少しのバターと醬油をたらしてプレスします。蒸気が完全に出きる少し前ぐらいに開けると、きれいに潰れて平たくなったホタテせんべいが!

プレートの上ではまだ少しやわらかく感じるかもですが、取り出して1分ほど放置してやると、ほどよく乾いてパリンと仕上がります。どうですか、バター醬油風味が付いた、パリンと口の中で砕けるホタテの貝柱の味(旨味が超凝集してる)って、想像できますかしら? 筆者はお酒を飲まないんですが、これがつまみとして強すぎるのはわかります。

生のホタテ貝柱にバターと醬油。これをギューッと押し潰します。もうウマいに決まってんじゃん!

生のホタテ貝柱にバターと醬油。これをギューッと押し潰します。もうウマいに決まってんじゃん!

パリパリのホタテせんべい。とにかく旨味の凝縮っぷりがたまりません

パリパリのホタテせんべい。とにかく旨味の凝縮っぷりがたまりません

鶏皮はちょっと手を掛けて、ミックススパイス塩(クレイジーソルトやマキシマム)と片栗粉をまぶしてから、ギューッとプレスしていきましょう。このとき、加熱することで鶏皮の脂がエグいほど溢れ出てくるので、マシンの下に新聞紙か何かを敷いておきましょう。でないと、掃除が大変。

蒸気は最初からあまり上がらないので、ときどきプレスを中断して、中の様子を確認したほうがいいかも。焼き上がれば、脂がほどよく抜けてサクサク、パリンとした鶏皮せんべいです。これもまた最強にウマい。

鶏皮はそのままだと油でカリカリと硬めに揚がるので、片栗粉の衣を付けることで食感をサクサクするよう調整してみました

鶏皮はそのままだと油でカリカリと硬めに揚がるので、片栗粉の衣を付けることで食感をサクサクするよう調整してみました

パリッ、サクッとした歯応えと旨味が最高!

パリッ、サクッとした歯応えと旨味が最高!

基本的には「水分抜いたらパリッとしそう」なものなら大体焼けます。たとえば炭水化物系なんかはかなり好相性。

ソース焼きそばを潰して焼くのも駄菓子っぽくなりますし、ごはんを潰して焼けばちゃんとせんべいっぽく焼き上がります。ただし油分を含まないものは、クセのないサラダ油なんかを少し足してあげたほうが香ばしく仕上がります。

ソース焼きそばを押し潰してさらに焼きます

ソース焼きそばを押し潰してさらに焼きます

ホットプレートで焼きそばを作ると、たまにプレートの端で焼きそばの破片がカリカリに焦げていることがあるでしょう。あれがこのサイズでパリパリになりました。ウマいに決まっている!

ホットプレートで焼きそばを作ると、たまにプレートの端で焼きそばの破片がカリカリに焦げていることがあるでしょう。あれがこのサイズでパリパリになりました。ウマいに決まっている!

プレス機能があるとどうしてもギュウギュウに押し潰したくなるものですが、ハンドルを適度に加減して押さえつけてやれば、「具材の上下から加熱ができるホットプレート」としても機能します。たとえば、買ってきたものの、うっかり食べ忘れて冷めたハンバーガーとか、相当にもの悲しいですよね。そのまま食べるのもキツいですが、かといって電子レンジで温めると、バンズだけ妙にベショベショに湿気ったり、逆にカチカチに硬くなったり……。このままでは勝ち筋はありません。

冷めて固くなったハンバーガー&ポテトの侘しさときたら。これをなんとかおいしく復活させたい!

冷めて固くなったハンバーガー&ポテトの侘しさときたら。これをなんとかおいしく復活させたい!

ハンバーガーのリベイクは潰しすぎないよう、軽く圧をかけて押さえる程度に

ハンバーガーのリベイクは潰しすぎないよう、軽く圧をかけて押さえる程度に

しかし、バンズを軽く湿らせてから上下のプレートで軽く押さえつつリベイクしてやれば、圧による全体的な一体感のアップと、ほどよくカリッとした香ばしさで見事に復活。というか元のハンバーガーとはまたひと味違ったおいしさになります。

ちなみに一緒に買ったポテト(冷めてる)は、ギュウギュウに強めプレスしてやると、ガリガリザクザクの超ハード食感ポテトスナックに転生します。これはこれでアリ!

バンズの表面はサクッと、中はパテとなじんでしっとり。ハンバーガーとは微妙に違う、でもおいしいヤツになりました

バンズの表面はサクッと、中はパテとなじんでしっとり。ハンバーガーとは微妙に違う、でもおいしいヤツになりました

潰されたポテトはみずから出た油で二度揚げされて、ガリガリとかなりハード食感に。つまみによさそう

潰されたポテトはみずから出た油で二度揚げされて、ガリガリとかなりハード食感に。つまみによさそう

プレス中は厚めのミトンが必須です

おやつ製造マシンとしても、リベイクヒーターとしてもなかなか面白いツールなんですが、使ってみたうえでの注意点というか、自業自得で痛い目をみたので、その点はお知らせしておきます。

プレスしているときは厚めのミトンが必須ということ。とにかくハンドルを押し付けている間は手がずっと高温の蒸気にさらされているので、素手でやっていると割と簡単に火傷します。もちろん説明書にもハッキリ「素手NG!」と書いてあったんですが、撮影時にうっかり素手でやってしまい、結構熱い思いをしました。

この高温蒸気、100均で買える程度のペラペラなミトンぐらいは余裕で貫通してくるので、できればシリコン製の耐熱グローブぐらいあったほうがよさそうです(前腕部までカバーできる長さのグローブだとより安全)。

生ものを焼くと高熱の蒸気が大量に上がって危険! 写真のミトンでもかなり熱いです

生ものを焼くと高熱の蒸気が大量に上がって危険! 写真のミトンでもかなり熱いです

使用後の清掃に関しては、丸洗いは当然ダメ。電源を切ってプレート面がしっかり冷えるのを待って、水で濡らしたペーパータオルかウェットティッシュで拭いてやりましょう。

鶏皮など大量に油脂が出るものを焼いたあとは、いったん冷えてからプレートに少し差し水をし、上下を合わせた状態(ただしハンドルで押し付けない)で加熱して蒸気を発生させてやると、拭き取りやすくなります。また、プレートをつなぐヒンジ部分に油や汚れが流れ込むので、忘れずにしっかり拭いてください。

使用後は、プレートがしっかり冷めてからウェットティッシュで拭き取ります。ヒンジの隙間まで油が飛ぶことがあるので、ケアはちょっと面倒かも

使用後は、プレートがしっかり冷めてからウェットティッシュで拭き取ります。ヒンジの隙間まで油が飛ぶことがあるので、ケアはちょっと面倒かも

【まとめ】スペシャルおやつが作れる! 楽しさ満載の調理家電だ

使ううえでちょっと面倒くさそうなことを書きましたが、しかし、いつもとは違うスペシャルおやつを作れるというポテンシャルは、かなりデカいと感じました。

普通のフライパンとかホットプレートでは難しい焼き方だけに、もしプレスせんべいが手軽に食べたいのであれば、これを買うしかないわけです。なにより、友達を呼んでの宅飲みの場とかにこれが一台あると、最高に盛り上がる気がするんですよ。酒のつまみに最高のせんべいをその場でギュー! ジュワー! って焼くの、楽しくないわけがない。

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2024/10/25 11:00
きだてたく
Writer
きだてたく
最新の機能派文房具から雑貨・ファンシー系のオモシロ文房具まで、何でも徹底的に使い込んでレビューする文房具ライター。雑誌・WEBで文房具の最新情報や使いこなし記事を執筆するほか、文房具の楽しさを伝えるトークライブやワークショップなども全国各地で精力的に行う。最近は掃除機業界にも進出中!
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金原望弥(編集部)
Editor
金原望弥(編集部)
大学卒業後、出版社にて月刊誌の編集に従事。その後、カカクコムに入社し、ファッションメディア「TASCLAP」を経て、「価格.comマガジン」へ。腕時計やアウトドアを担当するZ世代エディターです。
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