レビュー

高くても売れるワケは? バルミューダ扇風機の新モデル「GreenFan Japan」を使ってみてわかったこと

2010年。当時、扇風機としては驚愕の3万円台という高価格ながらも大ヒットとなり、“高級扇風機”という新ジャンルを開拓したバルミューダの「GreenFan」。ヒットの要因は、これまでの扇風機ではありえなかった“自然に近いやさしい風”を実現していたからだ。

その後も「GreenFan」は、“自然に近いやさしい風”はそのままに、さまざまなバリエーションで人気を得、この革新が一過性のものではないことを証明してみせた。それが証拠に、大手家電メーカーが「GreenFan」を意識したかのような製品をこぞって投入。もはや、高級扇風機というジャンルは定番となってしまった。

そんななか、ついに「GreenFan」シリーズの最新モデルである「GreenFan Japan」が発売され、今、話題となっている。これまでの「GreenFan」を知っている方なら、右の写真を見るほどに“あれ? 前のモデルから変わってなくない?”と思うかもしれない。ところが、この「GreenFan Japan」、“自然に近いやさしい風”がより進化した“完全リニューアルモデル”に仕上がっているのだ。

では、どこがどう変わったのか。

そこでここでは、実際に使った感想とともに、「GreenFan Japan」の進化ポイントを中心に紹介していこう。価格は、正直なところ筆者にとってはかなり“お高い”といわざるを得ないレベル。はたして、この価格に見あう満足感は得られるのかどうか。そのあたりもシビアにチェックしていきたいと思う。

ちなみに、本体カラーは、今回検証した「ホワイト×ブラック」のほか、「ホワイト×グレー」の全2色展開となっている。

本体サイズは、330(幅)×320(奥行き)×871(高さ)mm、重量は約4.1kg。基本的なシルエットやスタイルは大きく変わっていないが、風だけでなく、より静かになったり、コードレス扇風機として使えるようになったりと、見た目にはわからない部分がかなりブラッシュアップされた

ショートサイズにした場合、高さは497mm

ショートサイズにした場合、高さは497mm

これまでの扇風機にはなかった“自然に近いやさしい風”は、どうやって生まれた?

新モデル「GreenFan Japan」をチェックする前に、業界に革新をもたらした「GreenFan」の“自然に近いやさしい風”について、少しおさらいしておきたい。

実は、扇風機は、日本で第1号が発売されてから100年以上も経っていたのに、初代GreenFanが誕生するまで、基本的な構造とスタイルはほとんど変わっていなかった。そこに目を付けたのが、同社だった。扇風機という物の構造とスタイル、そして、本当は皆がどういう風を求めているのかということを1から考え直し、これまで“あたり前”と思われていた部分をすべて変え、生まれたのが「GreenFan」。従来の扇風機からの大きな変更点は、製品の根幹ともいえる「モーター」と「羽根」だ。

「GreenFan Japan」の羽根

「GreenFan Japan」の羽根

DCモーターの搭載と、この、枚数の多い2重構造の羽根が最大の革新となった

DCモーターの搭載と、この、枚数の多い2重構造の羽根が最大の革新となった

“自然に近いやさしい風”を生み出すために、それまで主流だったAC(交流)モーターから、回転数を細かく制御できる「DC(直流)モーター」に変更。また、羽根は、これまでの扇風機の常識を覆す独自開発の“二重構造の羽根”を採用した。この二重構造の羽根は、外側からは速い風、内側からは遅い風、という、速度の違う2種類の風を送り出す。外側の風が速度の速い内側の風に引き込まれ衝突すると風が渦を巻かなくなり(この渦が、扇風機の風を“不快”と感じる原因だという)、やわらかなゆっくりと流れる風になるという。これが、同社の特許技術「グリーンファンテクノロジー」であり、「GreenFan」の“自然に近いやさしい風”の正体なのだ。

この「グリーンファンテクノロジー」による“自然に近いやさしい風”は、もちろん、「GreenFan Japan」にそのまま継承されている。では、前モデルとどこが違うのか? 次からは、「GreenFan Japan」のブラッシュアップされた部分を中心にチェックしていこう。

部屋のどこにいても“自然に近いやさしい風”が!

では、いよいよ、新機能を中心に実際に際に使ってみたようすをレポートしよう。 前モデルからの機能面においての大きな変更点は、「首振り範囲を調節可能になった」「風が15m先まで届くようになった」「コードレスで使えるようになった」という3つ。「GreenFan」といえば、“自然に近いやさしい風=気持ちよい風”が大きな特徴であるが、今回は、さらに、“その風がどこから吹いてくるのが気持ちがよいか”ということにもこだわった。その結果、開発されたのがこれらの新機能だという。

首振り範囲を自在に調節できるようになった

「GreenFan Japan」の首振り機構は、従来のモデルよりも広い最大150°という振り幅を実現。さらに、首振り範囲を、左右合計30〜150°の範囲で、手動で調節できるようになった。これ、一瞬、さほどたいした機能ではないように思えるが、ものすごく便利!
例えば、“首振りモードにした際に、ヘッドが違う方を向いている間が妙に長く無駄な時間に感じる。しかも、自分はその間暑い!”などという経験はないだろうか。筆者は何度もある。そんなイライラをカンタンに解消できてしまうのだ。設定方法が簡単なのも◎。自動首振り運転中に、手でヘッドを持って動いて欲しい範囲に動かすだけ。以下の動画を見ていただければおわかりになるかと思うが、これが実に手軽で使いやすいのだ。また、電源を切るとヘッドが自動で正面に戻り、再び電源を入れると、電源を切る前に設定した位置に戻るという、なんとも繊細な機能も備えている。

首振り範囲が、従来モデル「GreenFan2+」よりも広い最大150°となった(「GreenFan2+」では、自動で左右40°ずつ)

左右75°ずつの振り幅となっている

左右75°ずつの振り幅となっている

左右合計30〜150°の範囲で、首振り範囲を手動で調節可能。ヘッドを動かすだけで、始点と終点を設定できる

左右合計30〜150°の範囲で、首振り範囲を手動で調節可能。ヘッドを動かすだけで、始点と終点を設定できる

上への可動域は、19°

上への可動域は、19°

下は11°の可動域

下は11°の可動域

可動範囲内で、手動で無段階に角度を変えられるので微調整しやすい

可動範囲内で、手動で無段階に角度を変えられるので微調整しやすい

コードレス扇風機としても使える“2way仕様”

コードレスで使用するには別売りの「バッテリー&ドック」が必要となるのだが、コードレスという自由度の高さは、実際に使ってみると非常に便利なもので、筆者が一番気に入った部分。1回約8時間の充電で、約20時間コードレスで使うことができる。「バッテリー&ドック」の価格は8,900円(税抜)となるが、その価値は十分にあると思う。

別売りの「バッテリー&ドック」は、本体ベース部の裏側に装着できるようになっている

別売りの「バッテリー&ドック」は、本体ベース部の裏側に装着できるようになっている

付属のドックの上に本体を置くだけで充電が開始されるので非常に使い勝手がよい

付属のドックの上に本体を置くだけで充電が開始されるので非常に使い勝手がよい

持ち運びや充電のたびに電源コードを抜き差しするといった手間がない

持ち運びや充電のたびに電源コードを抜き差しするといった手間がない

コードレスなので、家中どこでも簡単に移動ができる。充電もカンタンで、これ、すごい便利!

コードレスなので、家中どこでも簡単に移動ができる。充電もカンタンで、これ、すごい便利!

風が15m先まで届くようになった

ガードなどのパーツを見直すことで、「グリーンファンテクノロジー」によって生まれる風が、最大15m先まで届くようになった。15mといえば、日本の一般的な住宅であれば、部屋のどこにいても、ほぼ心地よい風を感じられる範囲ではないだろうか。また、「GreenFan Japan」の風は、本体から離れるほど広くやさしい風になるので、涼やかさを求めるだけでなく、サーキュレーターとしても大いに活躍してくれるはずだ。

モーターや羽根は従来と変更はないが、羽根を囲むガードなどを見直し、設置位置や距離を改良することでエネルギー効率を高めることに成功したという

横から見た様子

横から見た様子

後ろから見た様子

後ろから見た様子

「GreenFan Japan」の前にオーガンジー素材の布を置き、風をイメージしてみた。フワフワとやさしい風が遠くまで届いている。15mの距離は取れなかったが、かなり遠くにいる人にも心地よい風が吹いているのがわる(髪がかすかになびくが、目が乾燥する感じはないやさしい風)

15mまで風を届けることができる

15mまで風を届けることができる

一般的な住宅であれば、部屋のどこに置いても心地よい風を感じることができる

一般的な住宅であれば、部屋のどこに置いても心地よい風を感じることができる

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