ジメジメとして、何となく気分がスッキリしない梅雨の季節。湿度が高くなると頭皮が蒸れて不快になるばかりか、かゆみや抜け毛の原因になることも。実は、30代半ばの筆者(男性)も最近、抜け毛や薄毛が気になっている。そんな時に目についたのが、価格.comマガジンの女性編集者がレビューした「頭皮エステ」。電動で動くブラシが頭皮を洗浄してくれ、かなり爽快感が得られるようだ。そこで、男性が抱える頭皮の悩みをスッキリさせれくれそうなヘアーケアアイテムを利用してみることに。セレクトしたのは、パナソニック「音波頭皮ブラシ EH-HM25」と「頭皮エステ EH-HM76」。どちらも、皮脂洗浄を目的にしているのがポイントだ。両機のどちらが、男性に向いているのかを調査してみた。
メーカーが男性向けと明言しているのは「音波頭皮ブラシ EH-HM25」(左)のみだが、「頭皮エステ EH-HM76」(右)も皮脂洗浄の効果を強く打ち出したモデルだ
今回セレクトした「音波頭皮ブラシ EH-HM25(以下、音波頭皮ブラシ)」と「頭皮エステ EH-HM76(以下、頭皮エステ)」は、どちらも電動のブラシが頭皮の汚れを掻き出して除去するヘアーケアアイテム。両機とも主な目的は同じだが、洗浄方法が異なる。「音波頭皮ブラシ」は、極細の毛を高速で動かすことで“手洗いでは再現できない”洗いを目指したもの。いっぽう「頭皮エステ」は、ヘッドスパで施術される“指の動きを再現した”洗浄を行う。その仕組みと手法を順にチェックしていこう。
音波頭皮ブラシ
「音波頭皮ブラシ」の洗浄の肝は、細いブラシと音波によるブラシストローク。指とは比較にならないほどの密度と高速振動で洗うことで、頭皮の汚れを掻き出す。
サイズは、6.5(幅)×14.7(高さ)×8(奥行)cm。しずくのような形をした部分を握って操作する。充電台を兼ねたスタンドには立てかけておけるため、収納の幅も取らない。バッテリー残量がゼロの状態から満充電になるには、約1時間かかる
2つのパーツに分かれたブラシ(白い部分)が、互いに逆方向に動く。ブラシは頭皮に届きやすいように山切りカットされており、中央に向けて低くなるように配置することで頭部にフィットしやすくしている。ちなみに、ブラシを囲むようにあるグレーの突起は過度な押しつけを防ぐための施策。ツボ押し効果を発揮するものだと思ったが、違ったようだ……
硬めの歯ブラシのような手触りで、反発力もたっぷり。ブラシの毛はかなり細く、毛穴の汚れも取れそう
極細の毛ブラシが頭皮に対して平行に動く。指でゴシゴシと洗う動きの高速版といった感じだ。この速さは、とても人にはマネできない。適度な刺激を受けつつ、細やかに洗えそう
ブラシの動く速さは2段階で用意されており、「SOFT」の際は1分間に7,500ストローク、「NORMAL」にすると9,000ストロークになる
頭皮エステ
ヘッドスパの施術の動きを再現した「頭皮エステ」には「音波頭皮ブラシ」ほどの細い毛ブラシは装備されていないが、役割の異なる2種類のブラシが搭載されている。おおまかにたとえると、指でやさしく円を描くように引き上げながら洗うようなイメージだ。これは言葉で説明しても非常にわかりづらいので、詳細は下の写真解説や動画でチェックしてほしい。
サイズは、8.9(幅)×11.5(高さ)×8.9(奥行)cm。「音波頭皮ブラシ」とは異なり、指を通すためのアーチが装備されている。充電に必要な時間は、「音波頭皮ブラシ」と同様に約1時間
4つに分類されたブラシ部が独立して円を描くように回転すると同時に、伸び出ているブラシがホウキでゴミを掃くように頭皮の汚れを掻き出す。ブラシの先端には32本の小さな突起があり、これらが頭皮への圧力を分散することで、やさしい洗い上がりを実現する
「音波頭皮ブラシ」の“こする”ような動きとは違い、まるで“揉んでいる”かのよう。指の動きを再現したというのが、イメージできる
ゴム製のブラシは適度な硬さがあるが、指でつまむとくにゃりと曲がる柔軟さがある。反発力もあるので、刺激が足りないということはなさそうだ
運転モードは、1分間に170回転する「HIGH」、120回転の「LOW」、そして任意の速度に調整できる「お好みスピードモード」が用意されている
洗浄方法の違いを理解したところで、実際に使って洗い心地の差をチェックしてみよう。使用シーンは、ユーザーの利用頻度が高いと思われるシャンプー時だ。どちらも運転は4分で自動停止するようになっている。
音波頭皮ブラシ
筆者は身長174cmで普通体型だが、手への収まりはいい。重心が本体上部にあるため、手首を軽く振るだけでスムーズに動かせる
頭皮に押し付けなくても、ブラシの高速振動が伝わってくる。ブラシの動きを見て想像していたように、ゴシゴシとブラッシングするような心地よさだ。「SOFT」でも十分に頭皮がスッキリするが、「NORMAL」のほうがブラシの振動が頭皮により強く伝わってくるので“洗っている感”がある。また、本体を握るスタイルは、櫛で髪をすくように扱えるため小回りが利く。とくに、後頭部へのアクセスは「音波頭皮ブラシ」のほうがいい。頭皮全体をまんべんなく洗浄するのもいいが、汚れのたまりやすい襟足やうなじ、皮脂の多く出る頭頂部などをピンポイントで洗うのもありだ
頭皮エステ
アーチに指を通して使用するため、フィット感がいい。重量は「音波頭皮ブラシ」より90g重い約295gだが、負担には感じなかった
ゆっくり回転するブラシは、まるで人間の手でていねいに洗浄されているよう。最初はくすぐったい感覚があったが、すぐに慣れて気持ちよさへと変わっていった。単純にグリグリと回して洗っているのではなく頭皮が引き上げられる感覚があり、通過した部分がマッサージされた時のようにスッキリ。血行もよくなりそうだ
「頭皮エステ」は、使用中に指が届く所にボタンが配置されている。洗っている最中に気分にあわせて、サッとモードが変えやすい
人の指ではマネできない速さを実現する「音波頭皮ブラシ」は、指で洗うよりも毛穴の汚れが取れる感じがする。硬めの極細ブラシが毛穴の奥まで届き、高速振動によって汚れを掻き出すような感覚がある。後部や側部へも動かしやすいので、“洗う”という点にフォーカスすると、「音波頭皮ブラシ」のほうが向いているように思う。
しかし、洗った後の爽快感は「頭皮エステ」も申し分ない。人の指の動きを再現した「頭皮エステ」は、美容院でシャンプー後に頭部のツボをマッサージしてもらったような気持ちよさが洗浄と同時に得られる。筆者は体験したことがないが、これがヘッドスパ感覚というものなのかもしれない。このような心地よさは、ヘッドスパに行かない男性にはあまり体験できないことだ。さらに、両機ともシャンプーだけでなくヘアトニックをつけても使用できるので、暑さが増すこれからの時期にピッタリ。父親や彼氏にプレゼントすれば、きっと喜ばれるだろう。