レビュー

45分の超スタミナ! 家じゅう掃除してもまだ使える高機能スティック型掃除機

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筆者が家事のなかで一番面倒だと思うのが、“掃除機かけ”です。ところが、そんな筆者の家は、ペットの犬のために床の半分はタイルカーペット。そのため、フローリングワイパーは利用できず、掃除機を使用せざるえません。

いったい、掃除機を使うことの何が面倒なのかと考えてみたところ……、第1に電源コードの取り回しが面倒。第2に片手でヘッドを操作しながら、後ろからついてくる本体をあしらいが大変。そして、最後に収納場所からの出し入れに手間がかかることが原因なのだと思いました。特に筆者が面倒なのは、階段の掃除! 2階のコンセントにプラグを差し、掃除機を抱えながら階段を一段一段掃除し、もう一度2階にもどってプラグを抜き、一階に降りてプラグを挿しなおし……、と、書いているだけでも疲れてきますね。とはいえ、掃除機がけをサボって数日すると階段の隅に犬の「毛玉」が! あっという間に、友人も呼べない家になってしまいます。

そこで、筆者が目を付けたのが、最近はやりの充電式スティック型掃除機。充電式ならばコードの取り回しが必要ありませんし、掃除時の「本体」に振り回されることもありません。そして、前述したとおり、我が家には犬がいるので、できれば抜け毛を一掃できるような吸引力の高い機種を選択したいところです。

標準モードなら、「45分」のスタミナ運転が可能

さて、上記の条件を考えた結果選択肢にあがるのは、いわゆる“高機能コードレススティック掃除機”。そのなかから筆者が選択したのは、エレクトロラックスの「エルゴラピード ZB3114AK」(以下、ZB3114AK)です。

充電台にセットしたZB3114AK。本体サイズは、フロアユニット使用時で、263(幅)×150(奥行き)×1070(高さ)mm、重量は約2.6kg。色は「ローズゴールド」

本体をフロアユニットから取り外すことで、ハンドクリーナーとしても利用できます。ハンドユニット時は、サイズが117(高さ)×120(奥行き)×450(幅)mm。重量は1.2kg

この機種を選択した最大のポイントは、何といってもバッテリーのもちのよさ。「標準」モードならば約45分も連続運転ができます。コードレス掃除機の連続試用可能時間といえば、一般的に、標準モードで20分。スタミナタイプと言われる掃除機でも30分程度です。そのなかにあって45分というのは、かなり魅力的な長さといえるでしょう。
また、収納スタンドに「立てるだけで充電」できるのも、選択理由の1つ。実は筆者は以前、安価なコードレス掃除機を使用していたことがあります。その掃除機で意外に面倒に感じたのが、「本体にプラグを挿して充電」という“ひと手間”。最近の高機能コードレス掃除機は、収納スタンドが充電器としても利用できるものと、バッテリーを取り外して充電するものの2タイプがほとんど。面倒くさがりな筆者は「バッテリーを抜く」という手間のない、充電スタンド式を選択しました。

そして、我が家ではZB3114AKをメインの掃除機として利用したいので、当然ながら掃除機としての性能も重要。ZB3114AKは、ゴミ除去率が98%(フローリング時)という点にも惹かれました(※)。

※2015年3月時点で、ストックホルムラボにて国際規格IEC60312に基づくゴミ除去テスト結果

充電スタンドは床置きタイプ。壁掛け式と異なり、どこにでも移動できるので、普段はリビングに置き、来客時は脱衣所に移動といった使い方が可能

また、よく利用する隙間ノズルとブラシノズルはスタンドに収納できるようになっています

また、よく利用する隙間ノズルとブラシノズルはスタンドに収納できるようになっています

本体にあるオレンジ色のLEDで電池の残量がひと目でわかる。ライト3つ点灯は“75%以上電池残量がある”ということ。「まだ掃除できるかな?」と緊張しながら掃除しないでよいのはうれしい

フロアユニットのヘッドのブラシはV字に配置されており、力強くゴミを掻き出してくれます。また、ヘッド前部のキャスターによりスムースにヘッドが動くのも特徴です

基本操作は手元のスイッチ2つだけで行う。上部スイッチで電源のON/OFF、下スイッチで「標準」と「パワー」モードを切り替えられます

ダストカップは、ボタン1つで本体から分離。容量も500mlとスティック掃除機のなかでは大きい部類。使用後はかなり汚れるものですが、ダストカップはもちろんフィルター類もすべて水洗いできるので、清潔に保つことができます

掃除機が変わるだけで、“お掃除”はグンとラクになる!

実際にZB3114AKを使用すると、サイズに反して意外なほど手にかかる重量が軽くて驚きます。手に負担がかからないため、長時間掃除をしてもまったく疲れません。むしろ、あまりりも軽いので、素早くヘッドを動かしすぎてしまい、何度も「ゆっくり動かさないと」と自分を戒める必要がありました。

ただし、階段を掃除するときなど、本体を持った時はかなり「重い」と感じます。フロアユニット装着時の本体重量は2.6kgなのですが、通常使用時の負荷があまりにも軽いためか、見た目よりもかなりズッシリと感じます。我が家でフロアユニットごと本機を持ち上げるのは10段程の階段だけですが、段差だらけの家の場合は注意が必要かもしれません。

床掃除中は、本体の重さをほとんど感じないといっていいほど、手に負荷がかかりません。あまりにも手ごたえがなく、最初はゴミを吸っているのか不安になったぐらい

「持ち上げる」動作では、全重量2.6kgが手にかかり重く感じます。階段掃除は少々体力がいりました。とはいえ、電源コードの取り回しがないので短時間で済み、面倒くささはあまりありません

また、使用していて非常に使いやすかったのが、ヘッドの自由度の高さ。ヘッドは90度角度を変えることも可能で、少し力を入れるだけで面白いくらい行きたい方向にグネグネと曲がります。体感重量の軽さもあり、掃除中は本当にストレスレスでした。バーは、180度倒すことはできないものの水平近くまで倒せるので、我が家ではベッドの下も掃除できました。さらに、どこでも自立するので、いちいち壁に立てかける必要がありません。急な電話や来客があっても、掃除の一時中断や再開がスムースに行えます。

ヘッドの横にひねる自由度が高く、少し力を入れただけでスイスイ思った方向に曲がるのも、掃除中に疲れなかった理由でした

もうひとつ便利だったのは、ヘッドにLEDがついていること。運転時はLEDでヘッド前方を照らしてくれるので、前述したベッドの下や、机の下など薄暗い場所でもゴミを確認しながら掃除ができます。

そして、個人的に何よりも重宝したのが「ブラシロールクリーン」機能です。筆者はロングヘアなので、今までロールブラシ付きの掃除機を使う時は常にカッターを携帯。掃除機を使うときは、10分ごとにロールに巻き付いた髪を切る、という作業が欠かせませんでした。しかし、ZB3114AKはブラシに絡んだ髪の毛などのゴミを、ヘッドにあるスイッチを踏むだけで自動的にカットしてくれます。ロングヘアの家族がいるなら、この機能のために本製品を購入してもよいのでは!? と思うほど便利な機能です。

水平方向への傾き。本体の厚みがあるため完全に床と水平にはなりませんが、かなり平たい状態にまで倒すことができます。ソファやベッドの下の隙間が狭いなら、このあたりのサイズは気にしておいたほうがよいでしょう

運転中は、ヘッド先頭にあるLEDライトが点灯します。家具の下など、暗い場所も照らしてくれるので、ゴミが残っていないか視認しやすいのがうれしい

ヘッドのブラシロールクリーンスイッチを踏みながらZB3114AKを動作させることで、ブラシに絡んだ糸や髪を自動処理。ただし音と振動は大きく、最初は近所で工事が始まったかと思ったほど

ロールクリーン使用前と使用後のブラシを比較。写真はロールクリーン前の状態

ロールクリーン使用前と使用後のブラシを比較。写真はロールクリーン前の状態

ロールクリーン後。黒髪でわかりにくいが、ガッチリと巻き付いていた髪が7秒ほどボタンを踏んだだけで綺麗に処理されているのがわかる

ロールクリーンで取りきれないゴミがある場合は、ブラシを丸ごと外せるのも便利。いつでもヘッドを清潔に保てます

気になる吸引力は?

ところで本製品使用時は、あまりにも掃除機を持っている手に抵抗がないため、最初は「ヘッドを転がしているだけなのでは……?」という気分になりました。こうなると、気になるのがゴミの吸引力です。最初は「ゴミ除去率98%」といううたい文句に惹かれましたが、本当にそれだけの力があるのでしょうか。

そこで、一辺30cmタイルカーペットにゴミを撒き、半分を段ボールで隠してZB3114AKを使用してみました。結果は、以下の通り非常に優秀! 30cmを5秒ほどかけて、かなりゆっくりと掃除しましたが、当初はカーペットを往復した結果を実験するつもりが、一度ヘッドが通っただけでゴミはほぼ除去できました。

犬の抜け毛。5秒かけてゆっくりとヘッドを動かした結果、一度カーペットを通過しただけで、ほとんどの抜け毛が掃除できていました

粒子の荒い粗塩を、砂の代わりにカーペットに撒いて擦り付けてみましたが、しっかり掃除できているのがわかります

ホコリの代わりに小麦粉を撒いてこすりつけたカーペットを用意。さすがに手こずるかとおもったが、一度のヘッド通過でほぼゴミが見えなくなっている

6種類のアクセサリーで布団もすっきり

じつは、ZB3114AKは同梱されるアクセサリーも実用的で◎です。アクセサリーは、本体からハンディタイプの本体を引き出して装着します。

アクセサリーの種類は5種類。先に毛がついた「ブラシノズル」と、布団掃除に利用できる「布団ノズル」、狭い場所を掃除する「隙間ノズル」と、奥まで掃除できる「ロング隙間ノズル」、ソファーやクッション、洋服などの埃も掃除できる「布用ノズル」。さらに、それらと組み合わせて使える「ホース」も付属。前述したように、本製品はフロアユニット使用時は完全には水平にバーを倒せません。そのため、狭いすき間の奥はホースとノズルを利用して掃除する必要があります。

とはいえ、ブラシノズル以外のアクセサリーは物置などに収納する必要があり、掃除のたびに出してくるのは少々面倒。フロアマットとブラシノズルだけでも、家のほとんどの部分は掃除できるため、じつは筆者は豊富なアクセサリーを使いこなせていません。ただし、そんな筆者も非常に気に入ったのが布団ノズルです。これは、その名の通り布団掃除用のノズル。ギュギュっと布団に吸い付くのですが、布を巻き込むことなくスムースにベッドを掃除できる構造になっています。2台分のベッドを掃除したあとにカップを確認すると、かなり大量の謎のゴミが溜まっていて驚きました。最近は、布団用掃除機も発売されていますが、これだけゴミを取ってくれるならば本製品でも十分に代用できるはずです。

豊富な付属アクセサリーも本製品の特徴。左上からブラシノズル、隙間ノズル、布用ノズル、布団ノズル、ロング隙間ノズル、ホース。隙間ノズルとブラシノズルのみ、充電スタンドに収納可能

布用ノズルは、本来は布製ソファやクッションに利用するらしい。しかし、我が家では犬の抜け毛がついてしまった黒い服の抜け毛取りとして重宝

高い場所や、狭いすき間を掃除するのに適しているロング隙間ノズルは、ホースと組み合わせることで1m近い長さに延長できます

アクセサリーで一番よく利用したのは、布団用ノズル。ベッドにかけたシーツを吸い込むことなく、強力にゴミを吸い取ってくれる優れものでした

2台分のベッドのマットレスと羽根かけ布団を掃除したところ、怖いくらいゴミが取れました。謎の灰色の粉は見ているだけでアレルギーになりそう……(笑)

まとめ

掃除時は軽くて、犬の抜け毛が多い我が家でも満足の吸引力。さらに、ロングヘアの方にうれしいブラシロールクリーン機能を搭載。今回使用したところ、筆者にはZB3114AKの不満点は持ち上げたときに重い点しかありませんでした。そして、何よりバッテリーが長持ちする点は、非常に安心感があります。本製品が使いやすいので「ついでに寝室も、書斎も」など、掃除するエリアを広げて掃除してしまうことも多いのですが、そんなときは45分のスタミナバッテリーが力を発揮します。何より、掃除しながら「まだ次の部屋くらいは掃除できるかな?」と不安を抱きながら掃除機をかける必要がありません。

スタンドに置くだけの充電や自立する本体など、「掃除をストレスに感じさせない」工夫が随所にあり、掃除が今までの数倍ラクに楽しくなりました。高機能クラスのモデルのため、決して安い買い物とは言えませんが、掃除が面倒という人こそ買って損をしない掃除機だと感じました。

倉本 春
Writer
倉本 春
パソコン雑誌編集者からドッグカフェオーナーという、異色の経歴を経た家電ライター。家電を活用することで、いかに家事の手を抜くかに日々頭を悩ませている。
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