寝具のハウスダストによる健康や不眠への影響が注目されるようになり、日本でもスタンダードになりつつあるふとんクリーナー。今回は、強力なのにコードレスで手軽に使える東芝「トルネオ V コードレスベッドスタイル VC-CLF1」(以下、VC-CLF1)の使い勝手や吸引力をチェックしてみた。
サイズは270(幅)×210(高さ)×450(奥行)mm
布団を叩きながら吸引する一般的なふとんクリーナー同様に、VC-CLF1も21cm幅の吸込口に装備されたプレートで約1,600回転/分の振動を与えながら汚れを除去。アレル物質の除去率は99%以上だという。また、この広い吸込口と高速振動は布団への吸い付きを防ぐ働きもある。そして、サイクロン部に同社のサイクロン掃除機にも搭載されている“フィルターレス”の「バーティカルトルネードシステム」を採用しているのもポイントだ。遠心力だけでゴミと空気を分離するため吸引力が99%以上持続できるほか、ダストカップ内のゴミが約1/2の容量まで圧縮されるのでゴミ捨て時のホコリの舞い上がりが低減される。このような清掃性能を備えながらも、コードレス方式で使いやすさを追求。ハンディクリーナーのような構造なので、ヘッド部を付属のブラシやノズルと交換すれば細かい部分やソファーなどの掃除に活用できる。
走行をサポートする車輪(@)と振動させることで寝具への吸い付きを抑えるプレート(A)、同じく生地に吸着して動かしづらくならないようにするローラー(B)で“軽い力で動かせる”を実現
ヘッドと本体の接続部分は上下に角度を変えられるので、状況に応じて持ちやすい角度で操作可能。また、布団の起伏にヘッドが密着しやすい工夫でもある
毎分約1,600回転するプレートの動きは、下の動画で見ていただきたい。この高速振動で布団の奥に潜むアレル物質を表面に叩き出すとともに、吸込口が生地に貼り付いてしまう状況を低減してくれる。
吸い込まれた空気は、まずダストカップ内の上部(青い囲み部分)で遠心分離され、下部(赤い囲み部分)でゴミが圧縮される
次に、ダストカップの最上部にある8つの気筒で排気と微細じんをさらに分離。この2段の遠心分離により空気とゴミが99%分離できるため、フィルターは不要なのだ
ダストカップに溜まったゴミは一般的なサイクロン掃除機同様に、本体からダストカップを外して中身を捨てる
布団以外の掃除ができるようになる、2種類のアタッチメントを付属
すき間ノズルを装着すれば、ヘッドボードの上やマットレスのすき間にたまったホコリも取り除ける
刷毛状になったブラシは繊維の奥のゴミを掻き出しながらキレイにできるので、目の粗い素材のソファーなどにうってつけ
VC-CLF1には3つの掃除モードが用意されている。もっとも使用頻度が高いであろう「自動モード」は、強い吸引と振動でゴミを除去。加えて、ゴミがある所では自動で吸引力をアップするのが特徴だ。残る2つの「かけふとんモード」と「羽毛モード」は吸引力が控えめとなるほか、「羽毛モード」では振動(叩き)も停止し、羽毛を傷めないように配慮している。また、赤外線で布団に残るゴミを検知するセンサーを搭載しており、取り残しがあるとランプで知らせる機能も装備。
さっそく、VC-CLF1の除去力をチェックしてみよう。まずは、広い吸込口と高速振動で、どれほどゴミが取れるのかを小麦粉を撒いた布団で試してみた。
賞味期限切れの小麦粉を布団に撒き、一往復してみる
掃除モードは「自動」で実行!
同じ箇所で前後に動かしてみたところ、VC-CLF1が通過した部分の小麦粉はほぼ取りきれた。吸込口の幅である約21cmが、ムラなく吸引できることを確認
吸引力は上々であることが小麦粉の検証で確認できたので、続いてはリアルな布団の掃除機がけにトライ。“軽く動かせる”を謳う操作性は事実なのだろうか。筆者宅は、綿布団を使用しているので敷き布団は「自動モード」、掛け布団では「かけふとんモード」で実行してみた。ちなみに、連続運転時間は「自動モード」が約6〜約25分、「かけふとんモード」が約18分、「羽毛モード」が約25分となっている。なお、同社の調べでは布団1枚(片面)を80秒で掃除できるという。
「自動モード」で敷布団の掃除機がけスタート。VC-CLF1は本体全体を布団上に滑らせるタイプではないため手首に重量の負荷がかかると思ったのだが、スムーズに走行させることができた。布団に吸い付いて動かしづらいということもない
また、コードレスで取り回しやすさバツグン! 片手で難なく動かすことができるため、もう片方の手で枕を持ち上げたりしながら掃除がサクサクと進められる。約1.8kgの重量を負担に感じることなく扱えた
キレイになっただろうと思ってもゴミが残っていることを知らせるランプが点灯すると、掃除機がけが止められない。赤く光らなくなるまで、つい必死に掃除してしまう。途中で吸引力が強くなったり弱くなったりするので、電力消費のムダも抑えられていることを実感。バッテリー駆動の場合、効率のよいエネルギーの使い方ができることは重要だ
排気は本体の下から出るため、身体にかからない。また、排気にハウスダストが漏れにくいように内部にフィルターが装備されており、ニオイも気にならなかった
敷布団の表面のみ掃除機がけした結果、砂塵のような微細なゴミが多く取れた
続いては、「かけふとんモード」で掛け布団をキレイにしてみよう。「かけふとんモード」は「自動モード」よりも吸引力が控えめになるということだが、ゴミの取れ具合も低下してしまうのだろうか。
ふわふわとした掛け布団では引っかかりを感じやすいが、VC-CLF1は本体の角度を変えられるためかスムーズに動かすことができた。試しに吸引力が強い「自動モード」で掃除機がけしてみると、カバーが吸い付く感が増し、少々動かしづらくなったので掛け布団には「かけふとんモード」を利用するほうが快適だ
吸引力が「自動モード」よりも少し弱いながらも、掛け布団の表面を1回掃除機がけしただけでこれだけのゴミが取れた。敷布団よりも綿ホコリが多い
上で紹介した掃除後のダストカップを見てもらうと、細かいゴミがたくさん付着していることがわかる。ダストカップは分解して水洗いできるので、定期的に洗浄するようにしよう
なによりも、取り回しのよさがバツグン! コードレスなので手元でぶらつくケーブルの煩わしさがないだけでなく、ハンディクリーナーのようなフォルムで使い勝手が非常にいい。このような使いやすさが光るコードレス仕様だが、バッテリーの持ちを懸念される人もいるはず。VC-CLF1の連続運転時間は約6〜25分と限られるものの、吸込口が広いため一度に広範囲を掃除できる。今回、シングルサイズの布団1組(敷布団と掛け布団それぞれ1面ずつ)を「標準モード」と「かけふとんモード」でじっくり掃除できた。メーカーによると、布団1枚(2m×1mの敷布団片面)を約80秒で掃除できるという。1往復でもゴミの取れ具合は上々だったので、1回の充電で複数の布団を掃除機がけできるのではないだろうか。
また、筆者がこれまで使用した数々のふとんクリーナーよりも微細なゴミが大量に取れることに驚いた。アタッチメントを装着すれば、マットの溝なども細かく掃除できるところも魅力。扱いやすくて汎用性も高く、ゴミの取れ具合もよい優秀な掃除機だと言える。
充電スタンドも立てかけるスタイルなので、引き抜いてサッと掃除機がけできる。充電中のヘッド部分の汚れが気になる場合は、カバーを着けることも可能(写真右)。バッテリー残量ゼロの状態から満充電にするには、約5時間かかる
なによりも、取り回しのよさがバツグン! コードレスなので手元でぶらつくケーブルの煩わしさがないだけでなく、ハンディクリーナーのようなフォルムで使い勝手が非常にいい。このような使いやすさが光るコードレス仕様だが、バッテリーの持ちを懸念される人もいるはず。VC-CLF1の連続運転時間は約6〜25分と限られるものの、吸込口が広いため一度に広範囲を掃除できる。今回、シングルサイズの布団1組(敷布団と掛け布団それぞれ1面ずつ)を「標準モード」と「かけふとんモード」でじっくり掃除できた。メーカーによると、布団1枚(2m×1mの敷布団片面)を約80秒で掃除できるという。1往復でもゴミの取れ具合は上々だったので、1回の充電で複数の布団を掃除機がけできるのではないだろうか。