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ピタピタのウェアじゃなくても長距離ツーリングは楽しめる!

レーパンに抵抗がある人に! 普段着みたいなおしゃれで乗りやすい自転車用ウェア


ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツタイプの自転車に乗っていると、ちょっと遠くまで足を伸ばしたくなるもの。ただ、よく見かける“体にフィットしたウェア”を着るのに抵抗があり、諦めている人もいるのではないだろうか。しかし、自転車用ウェアはピタピタしたものだけではない! この特集では、夏場を中心に着られる普通の街着のような自転車専用ウェアを紹介する。

ある程度の距離を走るなら自転車用ウェアを着よう!

スポーツタイプの自転車に乗る際、近くの駅まで乗る程度ならズボンの裾がチェーンに巻き込まれないようにバンドで止めるくらいで問題ないが、長距離を走るとなると話は別。真夏でなくてもペダルを30分も漕げば汗が吹き出してくるので、綿のTシャツにジーンズで走行などしようものなら、服が汗でビショビショになるだけでなく、ズボンが張りついてヒザが動かしづらくなる。そんな事態を防ぐためにも、自転車専用のウェアを着たほうがいい。通気性が高いのはもちろん、汗を吸収してもすぐ乾く素材を使用しているため快適さが保たれる。すぐれたストレッチ性も備えているのでロードバイクのような前傾姿勢をとりやすく、動きも妨げられにくいため長時間ペダルを回し続けても疲れが少なくて済む。また、基本的に体にピッタリとフィットするデザインとなっているので、風でバタつくこともなく、スピードを出しても風の抵抗を最小限に抑えられる。

スポーツタイプの自転車に乗る際の自転車専用ウェアというと、多くの人がイメージするのはこのようなスタイルでは?

自転車に乗って長距離走る時の恰好といえば、上の写真のようなものが一般的だ。ピッタリとした上半身のジャージに、スパッツのようなパンツ。パンツのほうは「レーシングパンツ」(通称「レーパン」)と呼ばれるもので、サドルでお尻が痛くならないようにクッションが装備されている。

レーシングパンツは、お尻の部分にクッションを装備。異なる厚みのものがラインアップされている。ゲルやシリコン素材で立体的な構造とされたものもあり、より衝撃吸収性が高い

ピタピタじゃない自転車用ウェアもある!

自転車専用のウェアはとても理にかなった素材と形状でできているが、正直、体のラインがダイレクトに出る服は初心者には敷居が高かったりする。1日で100km以上の長距離を走ったり、本気でスピードを出したいのであれば前述のようなレーシングパンツとジャージを着たほうがいいが、そこまででなければ、もう少しゆったりとしたウェアでも問題はない。そんなシーンにうってつけなのが、普通の服と変わらないカジュアルなデザインの自転車専用ウェアだ。自転車専用なので、すぐれた通気性や速乾性、ストレッチ性を備えている。近年は、“自転車専用に見えないウェア”を手がけるブランドが増えており、人とかぶらないようにコーディネートもできるようになってきた。本気の人っぽく見えないので、マイペースに走りたい人にもうってつけだ。

普通の服に見えるが、自転車専用に作られたウェア。この恰好なら、自転車で出かけた先でお店に入るのも抵抗がない

レーパンじゃない自転車用パンツをピックアップ

特に抵抗感を覚える人が多いのが、体のラインが出るレーシングパンツ。今回ピックアップした自転車用パンツは、普通のハーフパンツやズボンに見えるものばかりだが、伸縮性のある素材が使われており、なかには動きを妨げないようにヒザ部分を立体構造にしているもあり、運動性は上々。もちろん、通気性や速乾性もバッテリだ。いろいろな丈のパンツがラインアップされており、丈の長いズボンの場合、裾がチェーンに巻き込まれないように裾を細くしたり、裾を止めるバンドが内蔵するなど工夫されている。前傾姿勢になった際に背中が露出するのを避けたい人は、ウエスト部のうしろ側が高い作りになっているモデルを選ぶといいだろう。

伸縮性はそれほどなさそうに見えるパンツだが、ヒザを曲げるのもラクラク!

伸縮性はそれほどなさそうに見えるパンツだが、ヒザを曲げるのもラクラク!

ウエスト部の後ろ側を前側より高くするだけでなく、前側を短くしたモデルは、体が前傾になった際に背中が見えづらくなるとともに、お腹がベルトで圧迫されにくくもなる

ただし、レーシングパンツとは異なり、お尻の部分にクッションは装備されていない。サドルに当たる個所をシームレス成形とするなど工夫はされているものの、レーシングパンツのクッションと比べると、長距離ライドでお尻が痛くならないようにする効果は少なめ。気になるようなら、下にレーシングパンツやパッド付の下着を重ね履きするといい。

レーシングパンツ+普通の服に見える自転車用のズボンを履いた状態。クッションが装備されているとはいえ、レーシングパンツは体にフィットした作りなので、それほどお尻の盛り上がりは気にならない

お尻の部分にパッドが入った下着にはメッシュ生地が採用されているものもあり、重ね履きするならレーシングパンツより、こちらのほうが快適かも。写真は、カペルミュール「メッシュインナーパンツ レギュラーパッド付き」

<パッド付下着をピックアップ>

ここからは、普通のハーフパンツ、7分丈パンツ、長ズボンにしか見えない自転車用パンツの紹介となる。運動性バツグンで見た目のいいモデルばかりなので、どれを選んでも満足できるはずだ。

・SWRVE「durable cigarette shorts」

LA発のサイクルウェアブランド「SWRVE」のハーフパンツ「durable cigarette shorts」は、高いストレッチ性と耐摩耗性を兼ね備えるデュラブルコットンファブリックを使用しており、サラッとした肌触りで履き心地はバツグンにいい。また、サドルと接する部分は縫い目をなくすことで、長時間乗っていてもお尻が痛くなりにくいようにしているほか、ポケットを中身の落ちにくい構造としたり、背面のベルトループ部にリフレクター素材を採用するなど、快適にサイクリングするための配慮が随所に見受けられる。スリムなシルエットなので自転車に乗らない時に履いても違和感はまったくない。

【素材】コットン55%、ナイロン38%、スパンデックス7% 【カラー】グレー、ブラック、ネイビー 【サイズ】W28(28インチ)、W30(30インチ)、W32(32インチ)、W34(34インチ)、W36(36インチ)

・リンプロジェクト「ストレッチサイクルショートパンツ(No.3015)」

ヒザの動きを妨げないストレッチ素材を採用し、前傾姿勢でお腹を圧迫せず、背中が見えにくいようウエスト部は前側を浅く、うしろ側に高さを持たせた設計。お尻の部分の生地を2重構造とし、汗のたまりやすい個所にはベンチレーションホールを装備しているほか、自転車に乗ったままでも手を入れやすいように太ももにあるポケットを斜めに配置するなど、随所に工夫が施されている。

同じ素材で、くるぶしまで長さのある「ストレッチサイクルロングパンツ」もラインアップされている。
【素材】コットン95%、ポリウレタン5% 【カラー】ベージュ、カーキ、ブラック 【サイズ】XS、S、M、L、XL、XXL

・リンプロジェクト「ステテコショートパンツ(No. 3033)」

お尻部分の2重構造をはじめ、ディテールは上で紹介した「ストレッチサイクルショートパンツ」と同じだが、本製品はその名のとおり、ステテコのように縦方向に細かいシワが入った楊柳(ようりゅう)生地を採用しているのが大きな特徴。肌に触れる面積が少ななく、薄い綿素材でできているのですぐれた通気性を発揮する。もちろん、高いストレッチ性を備えているほか、汗を吸った際に、ポリエステル素材などより汗くさくなりにくいというメリットも。収納ポーチも付属しており、パンツ自体の重量も240g(Mサイズ、収納ポーチ含む)と軽いので、着替えとして持ち運ぶのもいいだろう。

【素材】 綿100% 【カラー】ネイビー、ブラック 【サイズ】S、M、L、XL

【素材】 綿100% 【カラー】ネイビー、ブラック 【サイズ】S、M、L、XL

・リンプロジェクト「リンコウトラベルパンツ(No.3124)」

単体で履いてもまったく問題ないが、本製品はレーシングパンツで走り、輪行で電車に乗る際やお店に入る時などに普通のパンツを履きたいというニーズに応えられるように作られたハーフパンツ。ポケットを引き出し、パンツ本体を丸めるように入れれば収納できるバッカブル仕様となっており、ジャージのポケットに入れて携帯することも可能だ。前述の「ステテコショートパンツ」も軽量で持ち運びしやすいが、本製品のほうが40gほど軽く、収納ポーチに出し入れする手間もないので、素早く脱ぎ着できるだろう。収納ポーチを紛失する恐れがないものいいところ。なお、通気性やストレッチ性が高いほか、触るとヒンヤリと冷たく感じる「接触冷感」素材を採用しているので、快適さも申し分ない。

速乾性も高いので、水着代わりに使う人もいるという。
【素材】表地:ナイロン76%、ポリウレタン24%、裏地:ポリエステル100% 【カラー】ブラック、ネイビー、カーキ 【サイズ】 S、M、L、XL

・カペルミュール「ストレッチ脚長クロップドパンツ」

縦横2方向に伸びる2WAYストレッチ仕様の本製品は、スラッとしたシルエットながらペダリングのしやすさも上々。サドルが当たる部分の生地を2重構造にして耐久性を高めるなど、自転車用ウェアとしての基本的な装備をしっかりと押さえた作りとなっている。

【素材】ナイロン90%、ポリウレタン10% 【カラー】ブラック、ネイビー、アシッドベージュ、モスグリーン 【サイズ】XS、S、M、L、XL、XXL

・CCP「ホボレーパン(PS-EA06)」

細身の7分丈パンツだが、縦横自在に伸縮するナイロン4WAYクロス素材を使用しており、レーシングパンツ並みの動きやすさを実現。撥水加工を施し、肌に触れるとひんやりと感じる生地は快適性が高いだけでなく、耐久性もバツグンでハードに使用してもくたびれにくい。また、右足の裾をひと折りするとリフレクターが露呈するような作りもおもしろい名作パンツだ。

ベルトなしでも腰まわりにフィットするように深めの股上としている。
【素材】ナイロン88%、ポリウレタン12% 【カラー】チャコール、ブラック 【サイズ】S、M、L、L+

・SWRVE「transverse downtown trousers」

伸縮性や耐久性にすぐれる4WAYストレッチファブリック素材を使用しているほか、立体的な形状で作られているので運動性をしっかり担保。長いズボンはこの時期暑そうに思われるかもしれないが、通気性も高いのでムレ感はない。かつ、少々の雨なら浸透しない撥水性を備え、速乾性も上々なので、ツーリング中に雨が降ったとしても長時間不快な状態は続かないのも◎。すっきりしたスラックスタイプなので、自転車通勤するのに履いて、そのまま仕事場で過ごすのも違和感はなさそうだ。

【素材】ナイロン94%、スパンデックス6% 【カラー】グレー、ブラック 【サイズ】W28(28インチ)、W30(30インチ)、W32(32インチ)、W34(34インチ)、W36(36インチ)

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サイクルジャージには見えない自転車用シャツをピックアップ

サイクルジャージはレーシングパンツ同様に体にフィットする作りとなっているだけでなく、派手なカラーやロゴが入っているものが多い。今回は、ピッタリ設計や派手なデザインといった部分を排除した、普通の服に見える自転車用シャツを紹介する。ストレッチ性、通気性、速乾性が高いのは当然のことながら、脇下などに汗ジミができにくい素材を採用しているのもいいところ。また、手ぶらでも出かけられられ、かつ、前傾姿勢になっても入れたものが落ちないように背面にポケットが付いているものが大半となっている。ただし、夏用モデルは大半が半袖なため、日焼けが気になる人は一般的なサイクルジャージの長袖を選ぶか、自転車用アームカバーを併用しよう。

背面だけでなく、胸や肩にポケットを備えていることも。なかには、より落下防止しにくいようにボタンやファスナーが付いているものもある

・カペルミュール「半袖ポロシャツ」

夏物のポロシャツに使われることが多い鹿の子編みを採用した本製品は、生地表面に凸凹ができる編み方であるため、肌に触れる面積が少なく、通気性バツグン。前傾姿勢になった時に背中が出ないように後ろ側の丈をやや長くしているほか、背面に配置されたポケットには中のものが落下しにくいように出入口にボタンが装備されている。

【素材】ポリエステル100% 【カラー】ヴィンテージカーキ、ヴィンテージネイビー、ピンク、杢グレー 【サイズ】XS、S、M、L、XL、WL、WXL

・リンプロジェクト「ミリタリーポロ(No.2124)」

従来のポリエステル生地よりも速乾性やストレッチ性にすぐれ、耐久性も高い東レの「Primeflex」素材を使った本製品は、しなやかでソフト。汗をかいてもすぐ乾くのでサラリとした着心地が望めるだろう。機能性としては、背面に3分割のポケットを備えているほか、左肩にもポケットがあるのがポイント。ICカードが入るサイズ感なので、輪行時には特に役立つ。

【素材】ポリエステル100% 【カラー】カーキ、グレー、ネイビー 【サイズ】S、M、L、XL

【素材】ポリエステル100% 【カラー】カーキ、グレー、ネイビー 【サイズ】S、M、L、XL

・CCP「サイクルポロ(ST-EA06)」

スポーツウェアにも採用されることの多い、しなやかなストレッチ性を持つ高機能素材「プライムフレックス」を採用。薄手の作りとなっており、速乾性もバツグンで、心地よい肌触りも兼ね備える。自転車用シャツの定番であるポケットは、背面でなくサイドに装備。エリにボタンがないスキッパータイプのポロシャツである本製品は、カジュアルながらも洗練された大人っぽさを感じさせる。

UVカットの効果を発揮する加工も施されている。
【素材】ポリエステル100% 【カラー】OXチャコール、ブラック 【サイズ】S、M、L、L+

・リンプロジェクト「4ポケットT(No.2152)」

ここまでポロシャツばかりだったので、機能性の高いTシャツもひとつ紹介しておこう。本製品は、異なる色の糸をひねり合わせた糸「杢糸(もくいと)」を採用し、生地を単色ではなくムラが出る風合いとすることで、丸首Tシャツでありがちな“肌着っぽい”イメージを払拭。デザインのポイントとして、ICカードがすっぽり入るサイズ感の胸ポケットも装備されている。ただし、前傾姿勢となる乗車時は中身が落ちる可能性があるので、背面にある3つのポケットを利用するようにしよう。

【素材】綿70%、ポリエステル30% 【カラー】カーキグレー、 ネイビー 【サイズ】S、M、L

【素材】綿70%、ポリエステル30% 【カラー】カーキグレー、 ネイビー 【サイズ】S、M、L

・リンプロジェクト「サイクリストアロハ」

最後に紹介するのはアロハシャツ! 背面に3分割のポケットがあるほか、「iPhone8」も入る胸ポケットも装備されている。リーフ柄(No.2146)とハイビスカス柄(No.2149)が用意されており、リーフ柄の素材は綿、ハイビスカス柄は綿とレイヨンを使用。どちらも、ストレッチ性や速乾性はないが、ゆったりとしたシルエットなのできゅうくつさを感じることなく自転車に乗れるだろう。中に自転車用のTシャツを着て、本製品を羽織るという着方もできる。

リーフ柄。【素材】綿100% 【カラー】オレンジ、ブルー 【サイズ】S、M、L

リーフ柄。【素材】綿100% 【カラー】オレンジ、ブルー 【サイズ】S、M、L

ハイビスカス柄はレーヨンを加えることで発色をよくし、アロハシャツっぽい質感に近づけているのだそう。【素材】綿60%、レーヨン40% 【カラー】ホワイト(色名はホワイトだが、実際はベージュ系)、ネイビー 【サイズ】S、M、L

最後に……

体にフィットしたサイクルジャージとレーシングパンツのほうがサイクリングには快適なのは間違いないが、今回紹介した普通の服に見えるような自転車用ウェアが不快なワケではない。快適性も動きやすさも問題はない。懸念点はお尻部分にクッションが装備されていないことだが、必要か否かは走る距離や個人差による。もし必要な場合でも、クッション付きの下着やレーシングパンツを重ね着すればいいので、問題視するほどのことではないだろう。現に、筆者は、走行時間8時間40分、走行距離140kmというコースをロードバイクタイプの電動アシスト自転車で走った際、普段着っぽい自転車用ウェアとクッション付き下着で挑んだが、お尻が痛くなることはなかった。電動アシスト機能があるとはいえ、座りっぱなしの状況は普通のロードバイクと変わらない。くるぶしまである長いズボンだったが、ストレッチ性にすぐれるのでペダリング時の動きもスムーズで、ウェアによる不満は一切なかった。

上は一般的なサイクルジャージだが、下は今回紹介したような自転車専用パンツ

上は一般的なサイクルジャージだが、下は今回紹介したような自転車専用パンツ

このような格好なら、恥ずかしがらずにツーリングに出かけられるのでは?

このような格好なら、恥ずかしがらずにツーリングに出かけられるのでは?

実は、こういった自転車用ウェアがあることを知らない人も多い。見た目のカジュアルさ以上に機能性も高いので、十分満足できるはずだ。普段着としても着られるので、損することはないだろう。

【この記事も見ておきたい!】
・自転車に乗って出かけるなら熱中症やハンガーノックに注意しよう!
・約140kmをロードバイクタイプのe-Bikeでガチ走行したレビュー記事はこちら!

増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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