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水分やエネルギー補給のタイミングやベストな成分も紹介!

夏に自転車で長距離走行する人に! 熱中症やハンガーノックにならないための基本対策


厳しい暑さが続く、今夏。この時期、ロードバイクなどのスポーツタイプの自転車に乗る人に気をつけてほしいのが、熱中症と、エネルギー切れで起こる極度の低血糖状態「ハンガーノック」だ。熱中症を防ぐことを第一に考えれば、正直なところ、夏季の昼間には自転車に乗らないのが最善策ではあるが、長期の休みが取れる夏はロングライドする人も多くなる。そこで、この特集では、夏場の自転車ライフで起こりうる危険を回避するためのノウハウを紹介しよう。

熱中症にならないために、水分+ミネラルを補給しよう

自転車で走っている時は風を受けているため気付きにくいが、大量の汗をかいており、体は水分が少なくなった状態になっている。そこで行うべきは、熱中症対策の基本中の基本「水分補給」なのだが、喉が渇く前に飲むようにしてほしい。人間の体はのどが渇いたと感じた時にはすでに多くの水分が失われており、急いで飲んでも必要な部位に水分が届くのには時間がかかるため、事前の補給が大切。ただ、初心者のうちは乗ることに夢中になって水分補給を忘れてしまいがちなので、10分に1回(夏場なら5分に1回でもいいかもしれない)は水分を補給すると決めておくといいだろう。その際、1回に飲む量は少なくてかまわない。のどをうるわせる程度で十分で、それよりも、サイクリング中はつねに口の中が湿っているくらいひんぱんに水分補給したほうがいい。

バイクパッキング用のステムバッグを用意しておくと便利。写真のアイテムは、レベレイトデザイン「フィードバッグ」

<あると便利なステムバッグを厳選ピックアップ!>

ロードバイクやクロスバイクのフレームに設けられているボトルケージというネジ穴に装着するタイプもある。写真のアイテムは、キングケージ「アイリス」

<あると便利なボトルケージを厳選ピックアップ!>

ただし、補給するのは「水」だけでは不十分。汗をかくと水分と同時に体内のミネラルも排出されてしまうため、塩分(ナトリウム)をはじめとするミネラルも一緒に摂らないと体は水分を保つことができない。また、ミネラル不足の状態が続くと足などがつりやすくなる。このようなことから、効率よく水分補給するにはスポーツドリンクが最適。ミネラル分が含まれているうえに、体内の水分と近い浸透圧とされているため吸収が速い。ただ、運動中に飲むと味が濃く感じる人もいるようなので、氷を入れたボトルにスポーツドリンクを入れて適度に薄めるというのも手。なお、どうしてもスポーツドリンクが苦手という人は、体に必要な塩分を含んだアメやタブレットで代用してもOKだ。

「ポカリスエット」や「アクエリアス」などのスポーツドリンクは体への吸収力も高く、効率よく水分とミネラル補給ができる

毎回ペットボトルのドリンクを購入してもいいが、コストを抑えたいなら、粉末タイプを選ぶのも賢い手。ただし、ステンレス製のボトルに入れる場合、スポーツドリンクの塩分でサビてしまうことがある。スポーツドリンク対応の容器を選ぶようにしよう

2018年9月1日発売予定の象印のステンレスマグ「TUFF」はフッ素コートで塩分にも強く、スポーツドリンクに対応。ステンレス真空2重のまほうびんなので保冷・保温もバツグンで、容量0.6Lの「SM-TA60」の場合、4℃の冷水が6時間後でも8℃以下をキープできる

塩分のタブレットはビタミンやカルシウム、クエン酸など、汗とともに失われやすい成分が含まれているので備えておくといい。また、昔ながらの塩飴も塩分補給には効果的だ

クールダウンさせることも大切!

水分補給は信号待ちのタイミングでもできるが、日光を直に浴び続けている体は相当熱を持ってしまうため、こまめに日陰で休憩して体をクールダウンすることも忘れないでほしい。そして、保冷力のあるボトルに水分を入れておけば、体の中から冷やすこともできる。水やドリンクが温まってしまっても体に補給される効果は変わらないが、冷たいほうが気分的にもスッキリするのは間違いない。最近は、自転車のボトルケージに挿せる保冷ボトルがたくさんリリースされているので、1本用意しておくと快適さは大きく向上する。主にステンレス製とプラスチック製の保冷ボトルがあり、保冷力はステンレス製のほうが高い。ただし、前述のとおり、ステンレス製のボトルにスポーツドリンクを入れる際には、ボトル自体が対応しているかを確認しておこう。

保冷力を求めるなら、長時間保温保冷が可能なステンレスボトルを用意しよう。写真のクリーンカンティーン「インスレートクラシックボトル」は真空断熱構造となっており、容量946mlタイプの場合、90時間保冷が期待できる。ただし、スポーツ飲料に対応とは記されていない

気温35℃を超える炎天下に2時間放置しておいたが、氷はかなり残っている。水温は2℃だった

保冷力はステンレスボトルに劣るものの、握るだけで給水できるタイプもあり、ステンレス製よりも安めの価格も魅力のプラスチック製ボトル。写真のアイテムはCAMELBAK「ポディウムチル」

ステンレスボトルと同条件で保冷力を検証してみたが、プラスチック製の「ポディウムチル」は2時間後には氷がすべて溶けてしまい、水温も17℃になっていた。ただ、これでもペットボトルよりは高い保冷力がある

この検証結果からもわかるように、ステンレス製とプラスチック製のボトルでは大きな差がある。ただ、プラスチック製のサッと飲める手軽さは魅力だ。もちろん、今回検証した2製品以外にもボトルはいろいろあるので、飲みやすさと保冷力を兼ね備えたものもある。

自転車専用マグとして開発されたサーモス「真空断熱ストローボトルFFQ-600」なら、装着のしやすさ、飲みやすさ、保冷力すべて間違いなし! メーカーの検証によると、室温35℃でボトルに入れた水が10℃以下の温度を6時間キープできたそう

また、最近は凍らせることができるペットボトルやハンディパックのスポーツ飲料もリリースされている。凍らせたまま持ち運ぶには保冷バッグなどが必要だが、少しずつ溶かしながら飲むのもいい。また、凍らせて飲むことを前提とした製品であれば、シャーベット状態のドリンクを味わうことができる。

アクエリアスのハンディパックは冷凍してOK。液体のアクエリアスを凍らせただけなのでシャーベット状にはならないが、フタがついているので溶かしながら飲むのに適している

2018年7月12日〜8月31日までの期間限定で販売されている「ポカリスエット アイススラリー」は、凍らせて飲むのが通常スタイルなので、シャーベットを飲む感じでクールダウンできる

  • ポカリスエット アイススラリー

  • 参考価格 -

  • 2018年8月5日 12:31 現在

ちなみに、ロードバイクに乗っている人の多くが、飲むためのドリンクとは別に体にかけるための水も用意している。頭から水をかけて走ると風を受けて体が冷やされるので、2本持ちはかなり有効だ。

サッと取れる場所に飲む用と体にかける用の2本を装備しておくと便利

サッと取れる場所に飲む用と体にかける用の2本を装備しておくと便利

突然やってくるハンガーノックは糖分の補給で防ぐ!

水分とミネラルの補給で熱中症対策してもエネルギー補給がおろそかになると、何の前触れもなく突然体が動かなくなることがある。軽快に走っているとそれほど疲れていないように感じるが、サイクリングはかなりのエネルギーを消費しているため、こまめにエネルギーを補給していないと低血糖になり、「ハンガーノック」症状になってしまうのだ。ハンガーノックにならないようにするには、すぐに運動エネルギーとなる糖分を摂るのが効果的。水分と同様に、お腹がすいていなくても摂ることを心がけてほしい。目安としては、30分に1回。糖分は脳のエネルギーでもあるため、不足状態が続くと判断能力も低下してくる。携帯食を取り出しやすい場所に用意しておこう。

洋菓子よりも脂分が少なく消化がよいことから、ロードバイクに乗っている人たちには和菓子系の携帯食が人気。この時期にはチョコレートは溶けやすいので、和菓子はうってつけといえるだろう。写真のお菓子は、押すだけで開封できる井村屋「スポーツようかん」

Enemoti「クルミ餅」は、餅とはいっても、喉にへばりつくほどの粘度はないので食べやすい。ゆっくり吸収されるパラチノースが主成分なので、長距離を走るような場合でもエネルギー切れを起こしにくいメリットがある

効率よくエネルギーを摂取するなら、摂取した後にのどが渇きにくいジェルがベスト。5種類の味がラインアップされたPowerBar「パワージェル」は、1パック41gという軽さながら120kcalのエネルギーが補える

食べるというよりも「飲む」補給食、梅丹本舗「メイタン・サイクルチャージ・カフェインプラス200」も、1つ40gという軽さながら109kcalのエネルギーを摂取可能。ナトリウムやカリウムも配合されているほか、カフェインも入っているので、疲れた際にシャキッとさせてくれる

最後に

暑い日が続き、熱中症による死亡者のニュースを耳にすることも多い昨今。自転車に乗るのであれば、水分や塩分などの補給を怠らないようにするのは当然だが、同時に、身につけるウェアは通気性がよく、即乾性の高い生地で作られたものを用意し、体調管理には万全を期してほしい。

日焼けすることでも体力を消耗するので、メッシュ素材の長袖のウェアを着るほうがいいかも

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増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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