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知っておくとパンクを回避できる情報も!

ツーリング中のパンクが不安な人必見! 自転車のチューブ交換と修理の方法をプロに聞いてきた

ロードバイクやクロスバイクで長距離ツーリングに出かけたい! とは思っているけれど、パンクが心配という自転車初心者に、出先でのパンク対処法を紹介する。筆者が知る限り、もっともパンク修理が上手いであろうと思う自転車店のプロに、その極意やパンクを回避するコツなども聞いてきたので、すでに対処法を知っている経験者にも役立つはずだ。

今回レクチャーしてくれたのは、鳴木屋輪店の店主である鈴木啓之さん。スポーツバイクメカニック講師、自転車技師、安全組立整備師、サイクルマイスターなど多くの資格を持ち、さまざまな種類の自転車のメンテナンスに精通している

今回レクチャーしてくれたのは、鳴木屋輪店の店主である鈴木啓之さん。スポーツバイクメカニック講師、自転車技師、安全組立整備師、サイクルマイスターなど多くの資格を持ち、さまざまな種類の自転車のメンテナンスに精通している

鳴木屋輪店は、東京・上北沢で3代続く歴史のある自転車店。スポーツ自転車だけでなく生活自転車も取り扱っており、店舗に持ち込まれる自転車のパンク修理を行う件数は年間1,000件を超えるという。お客さんと一緒に長距離ツーリングに出かけ、そこでパンクの対処をすることも多いとのこと

鳴木屋輪店は、東京・上北沢で3代続く歴史のある自転車店。スポーツ自転車だけでなく生活自転車も取り扱っており、店舗に持ち込まれる自転車のパンク修理を行う件数は年間1,000件を超えるという。お客さんと一緒に長距離ツーリングに出かけ、そこでパンクの対処をすることも多いとのこと

鳴木屋輪店
東京都世田谷区上北沢5-8-1
営業時間:10〜20時 定休日:水曜日

外出先でのパンク対処はチューブを交換するのが一般的

パンク修理というと、タイヤ内部のチューブを取り出してパッチを貼るという昔ながらの対処法を思い浮かべるかもしれないが、ツーリングに出かけた先でチューブに空いた穴を特定し、パッチを貼るのはかなり難しいもの。パンク修理に慣れている鈴木さんでも、そのような方法はツーリング時に行うことはほぼないという。では、どのように対処するのかというと、チューブそのものを交換するのが一般的だ。自分の乗っている自転車のホイール径やタイヤの太さ、バルブの形式に適合するチューブを用意し、ツーリングに持参するアイテムの中に入れておこう。

販売されているチューブの1例。ホイール径とタイヤの太さは「26×2.10〜2.50」で、バルブ形状は「仏式バルブ」のチューブだ

販売されているチューブの1例。ホイール径とタイヤの太さは「26×2.10〜2.50」で、バルブ形状は「仏式バルブ」のチューブだ

なお、ロードバイクやクロスバイクに採用されるタイヤは700Cと表記されるものがほとんど。これはインチ表記では29インチと同サイズなので、29インチのチューブでも太さが合えば適合する。バルブの形状は仏式、米式、英式と分かれているが、ロードバイクやクロスバイクの大半は仏式。仏式バルブ用のリムには、米式や英式のバルブは入らないので注意しよう。ちなみに、今回使用する自転車も仏式だ。

チューブ交換の手順を紹介

ここからは、出先でパンクした時にチューブを交換する手順を解説していくが、実際にこの作業を行うのはツーリング中となるので、必要なアイテムは持参しておかねばならない。交換用のチューブと携帯ポンプ(空気入れ)、そして布は用意しておこう。必須ではないが、タイヤレバーがあるとチューブを取り外しやすくなる。

出先でチューブ交換できるように、交換用のチューブ(左下)と携帯ポンプ(上)、タイヤレバー(右下)を持参する。写真には写っていないが、布もあるといい。携帯ポンプは持ち運びやすい小型のものを用意しよう

出先でチューブ交換できるように、交換用のチューブ(左下)と携帯ポンプ(上)、タイヤレバー(右下)を持参する。写真には写っていないが、布もあるといい。携帯ポンプは持ち運びやすい小型のものを用意しよう

ツーリングで持ち運ぶ際にじゃまにならないように、修理道具はポーチなどにまとめおく

ツーリングで持ち運ぶ際にじゃまにならないように、修理道具はポーチなどにまとめおく

チューブ交換の作業はやり方を覚えればそれほど難しくないが、スムーズに行うにはいくつかのポイントがある。そうしたポイントを知らずに作業を進めると、交換する新しいチューブをダメにしてしまうことも(筆者は失敗した経験あり)。事前に知っていれば防げることも多いので、現場であわてないように覚えておこう。

まず、ホイールを自転車から取り外す作業からスタート。

自転車をひっくり返す。ハンドルとサドルで車体を支える状態となるが、けっこう安定している

自転車をひっくり返す。ハンドルとサドルで車体を支える状態となるが、けっこう安定している

ホイールを車軸から取り外す。今回使用したロードバイクはクイックリリース式なので、ホイールを支えている車軸部のクイックリリースのレバーを起こし、逆側のネジを回せばOK。最近はスルーアクスル形式を採用したモデルが増えており、その場合はやり方が異なる。事前に確認しておくと安心だろう

ホイールを車軸から取り外す。今回使用したロードバイクはクイックリリース式なので、ホイールを支えている車軸部のクイックリリースのレバーを起こし、逆側のネジを回せばOK。最近はスルーアクスル形式を採用したモデルが増えており、その場合はやり方が異なる。事前に確認しておくと安心だろう

あとは、ホイールを持ち上げれば車体から外れる。ここからの作業は、ホイールのみの状態で行う。

ホイールを車体から外したタイミングで、バルブのキャップと根元にあるナット(リムナット)を外しておく。この作業を忘れると、当然ながらチューブを取り外すことができない

ホイールを車体から外したタイミングで、バルブのキャップと根元にあるナット(リムナット)を外しておく。この作業を忘れると、当然ながらチューブを取り外すことができない

次は、チューブを取り外す作業へと移る。タイヤを外してからチューブを取り出すのだが、ここからの手順を理解しやすいように車輪の基本的な構造の解説しておく。

車輪には、下の写真のようなパーツが付いている。1番外側のゴムの部分がタイヤで、その内側(ホイールの外周部)にあるパーツがリム、そして、放射線状に伸びている細い複数の部品がスポークだ。ホイールを構成するパーツはほかにもあるが、今回の作業ではタイヤとチューブ、リムの関係を理解しておけばいい。


最初に行うのは「ビードを落とす」作業。タイヤは下の図のようにリムの内側に一部が入っており、リムと重なっている部分は「ビード」と称される。ビードはリムにピッチリと貼り付いた状態となっているので、まず、ビードをリムから剥がすことから始めなくてはならない。この作業を「ビードを落とす」と言う。

一般的な車輪の構造。リムの中に入っているタイヤの一部をビードと呼ぶ

一般的な車輪の構造。リムの中に入っているタイヤの一部をビードと呼ぶ

タイヤの側面を内側に押して、ビードを落としていく(リムから剥がす)。一般的には片側のビードを落とせば、もういっぽうも落ちるので、この作業は片側だけでいい

タイヤの側面を内側に押して、ビードを落としていく(リムから剥がす)。一般的には片側のビードを落とせば、もういっぽうも落ちるので、この作業は片側だけでいい

全周のビードを落としたら、タイヤを外す。外すと言っても完全に取り外すのではなく、ビードをリムの外側に出すだけでいい。タイヤの種類によっては手では外しづらいこともあるので(比較的、硬いタイヤは外しづらい傾向)、今回はタイヤレバーを使った方法を紹介する。

今回使用するタイヤレバーはSCHWALBE(シュワルベ)製(2021年5月27日時点の価格.comでの最安価格は3本セットで486円/税込)。1本でも作業できるが、初心者でも失敗しないように今回は2本使用する。他メーカー製のタイヤレバーも複数本がセットになっているのが一般的だ

今回使用するタイヤレバーはSCHWALBE(シュワルベ)製(2021年5月27日時点の価格.comでの最安価格は3本セットで486円/税込)。1本でも作業できるが、初心者でも失敗しないように今回は2本使用する。他メーカー製のタイヤレバーも複数本がセットになっているのが一般的だ

タイヤとリムの間にタイヤレバーを差し込み、テコの原理で起こすように動かす

タイヤとリムの間にタイヤレバーを差し込み、テコの原理で起こすように動かす

起こしたタイヤレバーをスポークに引っかける。大半のタイヤレバーはこのように引っかけられる構造となっているので、同じ方法で作業できるはずだ。この作業は、外に出したビードがリムの内側に戻らないようにするため。タイヤレバーを固定せずに作業を進めることもできるが、今回は失敗しないように基本的な方法で行う

起こしたタイヤレバーをスポークに引っかける。大半のタイヤレバーはこのように引っかけられる構造となっているので、同じ方法で作業できるはずだ。この作業は、外に出したビードがリムの内側に戻らないようにするため。タイヤレバーを固定せずに作業を進めることもできるが、今回は失敗しないように基本的な方法で行う

別の角度から撮影したため、前述の作業とは逆側に見えるが、タイヤレバーをスポークに引っかけた側で作業している。タイヤレバーをスポークに引っかけたところにはタイヤとリムの間に空間ができるので、そこに、もう1本用意しておいたタイヤレバーを差し込む。この際、タイヤレバーは、スポークに引っかけた時とは反対側をタイヤとリムの間に差して使用する

別の角度から撮影したため、前述の作業とは逆側に見えるが、タイヤレバーをスポークに引っかけた側で作業している。タイヤレバーをスポークに引っかけたところにはタイヤとリムの間に空間ができるので、そこに、もう1本用意しておいたタイヤレバーを差し込む。この際、タイヤレバーは、スポークに引っかけた時とは反対側をタイヤとリムの間に差して使用する

タイヤとリムの間にタイヤレバーを差し込み、ホイールを回すように動かして全周のビードをリムの外側に出していく。ちなみに、SCHWALBEのタイヤレバーはこの作業での扱いやすさがすぐれているという

タイヤとリムの間にタイヤレバーを差し込み、ホイールを回すように動かして全周のビードをリムの外側に出していく。ちなみに、SCHWALBEのタイヤレバーはこの作業での扱いやすさがすぐれているという

全周のビードがリムの外側に出たら、タイヤを外す作業は終わり。スポークに引っかけておいたタイヤレバーは取り外しておこう。次は、いよいよチューブを引き出す。

タイヤはホイールに付いたままだが、ビードが外に出ているので、これで外れた状態になっている。タイヤとリムの間に手を入れ、チューブを取り出す。なお、バルブから遠い部分から引き出していくと効率がいいという

タイヤはホイールに付いたままだが、ビードが外に出ているので、これで外れた状態になっている。タイヤとリムの間に手を入れ、チューブを取り出す。なお、バルブから遠い部分から引き出していくと効率がいいという

最後にバルブをリムから抜き、チューブ全体をホイールから取り外す。タイヤはホイールから外さなくてもOKだ

最後にバルブをリムから抜き、チューブ全体をホイールから取り外す。タイヤはホイールから外さなくてもOKだ

外出先ではチューブを交換してパンクを対処するが、新しいチューブに交換する前にパンクの原因を探っておいたほうがいい。まず、パンクしたチューブに空気を入れ、パンクした場所を特定する。

携帯ポンプを使い、取り出したチューブに空気を入れる。今回使用した携帯ポンプは仏式専用のBlackburn「AIR STICK SL」(参考小売価格3,190円/税込)。全長は約16cm(収納時)で、重量は59g。最大充填空気圧は160psだ

携帯ポンプを使い、取り出したチューブに空気を入れる。今回使用した携帯ポンプは仏式専用のBlackburn「AIR STICK SL」(参考小売価格3,190円/税込)。全長は約16cm(収納時)で、重量は59g。最大充填空気圧は160psだ

空気を入れたチューブに顔を近づけ、「シュー」と空気が抜ける音がする部分をチェック。音だけでなく、チューブから出る空気が顔に当たることでパンクした部分がわかることもある

空気を入れたチューブに顔を近づけ、「シュー」と空気が抜ける音がする部分をチェック。音だけでなく、チューブから出る空気が顔に当たることでパンクした部分がわかることもある

チューブのパンクした個所がタイヤ接地面にあった場合、タイヤ自体に異物が刺さっている可能性が高い。その状態で新しいチューブに交換すると再びパンクする可能性があるので、パンクの原因となった異物を取り除いておこう。

チューブを取り出してしまうと、チューブに空いた穴とタイヤとの位置関係がわからなくなることも。そうした事態を防ぐため、チューブを取り付ける際はバルブをタイヤのロゴに合わせるなど、目印になるように装着するといい

チューブを取り出してしまうと、チューブに空いた穴とタイヤとの位置関係がわからなくなることも。そうした事態を防ぐため、チューブを取り付ける際はバルブをタイヤのロゴに合わせるなど、目印になるように装着するといい

タイヤに異物があった場合は、布などでこすって取り除く。視認できるからといって素手で触るとケガをする恐れもあるので、布を使うようにしよう。もし布がない時は、グローブで代用することもできる

タイヤに異物があった場合は、布などでこすって取り除く。視認できるからといって素手で触るとケガをする恐れもあるので、布を使うようにしよう。もし布がない時は、グローブで代用することもできる

なお、パンクの原因は異物が刺さることだけではない。空気圧が低いと、段差などを乗り越えた際にリムと段差の間にチューブが噛み込まれて(「リム打ち」という)パンクしたり、タイヤの中でチューブが動いてすり切れて穴が空く場合もある。ツーリングに出る前は、必ず空気圧のチェックをしておこう。

パンクの原因となった異物を取り除いたら、新しいチューブをタイヤに入れる。この際のポイントは2つ。ひとつは、チューブに少し空気を入れてから装着すること。少しふくらませておくことで、タイヤの中に入れる作業が断然やりやすくなる。そして、もうひとつのポイントは、新しいチューブを地面に触れさせないことだ。砂や小さな石などが付着すると、それが原因となり、再び、パンクしてしまう可能性が高まるので注意してほしい。

新しいチューブに空気を入れ、軽くふくらんだ状態にしておく。バルブのリムナットも忘れずに外しておこう

新しいチューブに空気を入れ、軽くふくらんだ状態にしておく。バルブのリムナットも忘れずに外しておこう

最初にバルブをリムの穴に通し、そこを基点に、順にタイヤ内にチューブを収めていく。この際、前述のとおり、バルブとタイヤのロゴが同じ位置になるようにしておくと、パンクした個所を探す時に便利

最初にバルブをリムの穴に通し、そこを基点に、順にタイヤ内にチューブを収めていく。この際、前述のとおり、バルブとタイヤのロゴが同じ位置になるようにしておくと、パンクした個所を探す時に便利

チューブ全周を押し込む。リムの間にはめ込むというよりも、タイヤの中に収めるように作業したほうがスムーズに行える

チューブ全周を押し込む。リムの間にはめ込むというよりも、タイヤの中に収めるように作業したほうがスムーズに行える

続いて、チューブを取り出す際にタイヤレバーを使ってリムの外に出したビードをリムの内側に入れる。ちなみに、鈴木さんはバルブからもっとも遠い部分から入れていくという

続いて、チューブを取り出す際にタイヤレバーを使ってリムの外に出したビードをリムの内側に入れる。ちなみに、鈴木さんはバルブからもっとも遠い部分から入れていくという

最後に、バルブ部分のビードを入れる。少々力が必要だが、グッと押し込もう

最後に、バルブ部分のビードを入れる。少々力が必要だが、グッと押し込もう

ビードをリムの中に入れ終えたら、正しくセットされているかを確認していく。まずは、バルブがリムに対してまっすぐ入っているかをチェックする。バルブを下の動画のように上下に動かし、スムーズに出し入れできればOKだ。斜めに入っているとチューブの根元に負担がかかり、パンクの原因になることもあるのできちんとセットしよう。

次は、タイヤとリムの間にチューブが噛み込まれていないかを確かめる。

タイヤとチューブを中央に軽く押し、写真のようにリムが見えればOK。1か所だけでなく、全周チェックしよう

タイヤとチューブを中央に軽く押し、写真のようにリムが見えればOK。1か所だけでなく、全周チェックしよう

リムとタイヤの間にチューブが噛まれたダメな例。この状態で空気を入れると、最悪の場合、チューブが破裂することがある(筆者は経験あり)

リムとタイヤの間にチューブが噛まれたダメな例。この状態で空気を入れると、最悪の場合、チューブが破裂することがある(筆者は経験あり)

新しいチューブがきちんと入っていることを確認したら、チューブに空気を入れる。

バルブのリムナットを装着する。根元までではなく、途中で固定しておく

バルブのリムナットを装着する。根元までではなく、途中で固定しておく

携帯ポンプを使ってタイヤ(チューブ)に空気を入れる。空気圧が低いとパンクしやすくなるため、タイヤを押しても凹まないくらい空気を入れよう

携帯ポンプを使ってタイヤ(チューブ)に空気を入れる。空気圧が低いとパンクしやすくなるため、タイヤを押しても凹まないくらい空気を入れよう

今回使用したような携帯ポンプは、写真のように携帯ポンプのアタマをブロックなどに固定すると作業が少しラクになる

今回使用したような携帯ポンプは、写真のように携帯ポンプのアタマをブロックなどに固定すると作業が少しラクになる

ちなみに、今回使用した携帯ポンプは、鈴木さんが普段ツーリングに持参しているもの。コンパクトで軽量な分、1回のポンピングで入れられる空気の量は少なく、チューブ内を高圧にするには時間がかかり、体力もけっこう削られる。どちらかというと上級者向けの製品だ。携帯ポンプを選ぶ際は、そうした労力も考慮し、小型・軽量という部分だけにとらわれず、空気を入れる際の使いやすさと携帯性のバランスを考えてチョイスしよう。なお、筆者が使っている携帯ポンプは、仏式、米式、英式に対応するパナレーサー「ミニフロアポンプ BFP-AMAS1」。全長約33.5cm(収納時)で、重量200gと鈴木さんが使用しているBlackburn「AIR STICK SL」より大きくて重いが、最大充填空気圧は800 kPa(英式は500kPa)と多いので、その分、ポンピングの回数も少なくて済む。

パナレーサー「ミニフロアポンプ BFP-AMAS1」は収納時の状態で全長は30cm以上あるが、トップチューブに装着する「フレームバッグ」にも入れられるサイズ感なので、ツーリング時の携帯性に不便は感じない

パナレーサー「ミニフロアポンプ BFP-AMAS1」は収納時の状態で全長は30cm以上あるが、トップチューブに装着する「フレームバッグ」にも入れられるサイズ感なので、ツーリング時の携帯性に不便は感じない

ミニフロアポンプ BFP-AMAS1には、折りたたみ式のフットステップが装備されている。小型ではあるが普通の空気入れに近い感覚で使えるのがいい。水平にポンピングするよりも、この方法のほうが手や腕への負担は抑えられる

ミニフロアポンプ BFP-AMAS1には、折りたたみ式のフットステップが装備されている。小型ではあるが普通の空気入れに近い感覚で使えるのがいい。水平にポンピングするよりも、この方法のほうが手や腕への負担は抑えられる

タイヤ(チューブ)に空気を十分入れたら、バルブを締める。

バルブの途中で固定しておいたリムナットを根元まで締める

バルブの途中で固定しておいたリムナットを根元まで締める

小ネジも締め、キャップもはめておこう。バルブ先端の破損を防ぐためにも、キャップは装着しておくほうがいい

小ネジも締め、キャップもはめておこう。バルブ先端の破損を防ぐためにも、キャップは装着しておくほうがいい

あとは、ホイールを車体に取り付ければ作業完了だ。

クイックリリースのレバーのあるほうとは逆側のネジを締める際は、バネの向きに気をつけよう。細いほうが内側になるように入れるのが正しい

クイックリリースのレバーのあるほうとは逆側のネジを締める際は、バネの向きに気をつけよう。細いほうが内側になるように入れるのが正しい

クイックリリースのレバーは前に向いたままにしておくと何かに引っかかって開いてしまう恐れがあるので、必ずフォークに添わせておく

クイックリリースのレバーは前に向いたままにしておくと何かに引っかかって開いてしまう恐れがあるので、必ずフォークに添わせておく

パンクしたチューブの修理方法

出先でパンクした時は、ここまで紹介したチューブを交換する方法を実践すれば困ることはない。ただ、パンクするたびにチューブを捨てるのはもったいないので、穴が空いたところにパッチを貼って再利用する手順もお伝えしておく。もちろん、チューブが劣化している場合は、再利用に適さないこともあるので状態の確認は必要だ。なお、ツーリング中にパッチを貼って修理することもできなくはないが、短時間でキレイに仕上げるのは鈴木さんでも難しいとのことなので、基本的にパッチで対処するのは帰宅後と思っておいたほうが無難だろう。

チューブに空いた穴の位置を特定する。バケツなどに水を張り、そこにチューブを入れて出てくる気泡を頼りに位置を確認することもあるが、タイヤがぺちゃんこになるほどの場合は、大きな穴が空いているので目視でわかる場合が多い

チューブに空いた穴の位置を特定する。バケツなどに水を張り、そこにチューブを入れて出てくる気泡を頼りに位置を確認することもあるが、タイヤがぺちゃんこになるほどの場合は、大きな穴が空いているので目視でわかる場合が多い

平らなところにチューブを置き、パッチの貼り付きをよくするため、穴の周囲を紙ヤスリでならす。300番くらいの粒度の紙ヤスリを使うといいだろう(紙ヤスリでなく金属ヤスリでもかまわない)

平らなところにチューブを置き、パッチの貼り付きをよくするため、穴の周囲を紙ヤスリでならす。300番くらいの粒度の紙ヤスリを使うといいだろう(紙ヤスリでなく金属ヤスリでもかまわない)

ヤスリがけしたゴムの面が黒々としてきたら、パッチを貼り付けるためにノリを塗る。今回使用したのは、マルニ「ゴムのり」

ヤスリがけしたゴムの面が黒々としてきたら、パッチを貼り付けるためにノリを塗る。今回使用したのは、マルニ「ゴムのり」

パッチの面積を十分カバーできるだけの範囲にノリを塗り、できるだけ薄く伸ばしておく

パッチの面積を十分カバーできるだけの範囲にノリを塗り、できるだけ薄く伸ばしておく

ノリを乾かす(うちわなどであおぐと早く乾く)。右の写真くらいまで乾かすのだが、筆者が予想していたよりも乾いた状態だ

ノリを乾かす(うちわなどであおぐと早く乾く)。右の写真くらいまで乾かすのだが、筆者が予想していたよりも乾いた状態だ

パッチの銀紙を剥がし、チューブに空いた穴の上にパッチを載せる。タイヤレバーなどを使ってパッチをこすり、しっかり貼り付いたら表面のビニールを剥がす

パッチの銀紙を剥がし、チューブに空いた穴の上にパッチを載せる。タイヤレバーなどを使ってパッチをこすり、しっかり貼り付いたら表面のビニールを剥がす

チューブとパッチが一体化するくらい貼り付いていたらOK

チューブとパッチが一体化するくらい貼り付いていたらOK

最後にチューブを水に入れ、修理した部分から空気が漏れていないかを確認しておこう

最後にチューブを水に入れ、修理した部分から空気が漏れていないかを確認しておこう

なお、今回はノリで貼り付けるタイプのパッチを使用したが、パッチ裏に溶着剤が付着したタイプ「スーパーパッチ」も販売されている。鈴木さんもツーリングに持参するのは、スーパーパッチだという。ノリで貼るタイプより価格は高いが、出先で使うならスーパーパッチのほうが断然ラク。開封済みのノリが乾く心配もないので、パンク修理の頻度があまり高くないなら、スーパーパッチを選んだほうがいいかもしれない。

Park Tool「スーパーパッチ GP-2C」。透明なシールがパッチだ。ノリで貼り付けるタイプ同様に、パッチを貼り付ける前にチューブをならす必要があるので、紙ヤスリが同梱されている

Park Tool「スーパーパッチ GP-2C」。透明なシールがパッチだ。ノリで貼り付けるタイプ同様に、パッチを貼り付ける前にチューブをならす必要があるので、紙ヤスリが同梱されている

また、最近はロードバイクでも、チューブを入れずに使うチューブレスのタイヤが普及してきている。チューブの代わりにシーラント剤を入れ、それがタイヤ内の空気を保持する構造となっているのが一般的だ。チューブがない分、軽くなり、タイヤのしなやかさも発揮されるのでロードバイクとは相性がいい。そんなチューブレスタイヤは、パンク対策としても有効。チューブを使わないのでリム打ちパンクの心配がなく、異物で穴が空いた場合でも小さなものならシーラント剤が防いでくれる。パンクしてしまっても、修理剤を入れることで直すことが可能だ(パンクの度合いによっては修理できないこともある)。

チューブレスタイヤを履いている場合、ツーリング時に交換用チューブは持って行かなくてもいい。チューブレス用のパンク修理剤と携帯ポンプを用意しておくだけで、パンク対処ができる

チューブレスタイヤを履いている場合、ツーリング時に交換用チューブは持って行かなくてもいい。チューブレス用のパンク修理剤と携帯ポンプを用意しておくだけで、パンク対処ができる

まとめ

本記事では、チューブ交換の方法とパッチを使った修理方法を紹介してきたが、そもそもパンクはしないに越したことはない。今回、自転車店の鈴木さんにレクチャーを受けている時に、「パンクの9割はタイヤの空気圧を適正に保っていれば防げる」と教えてもらった。鈴木さんの店(鳴木屋輪店)に持ち込まれるパンク修理案件の内、ガラス片などによってパンクしたケースは1割程度で、9割はタイヤの空気圧不足によるパンクなのだそう。

空気圧不足で走行していたチューブは、表面がただれたようになってしまっている

空気圧不足で走行していたチューブは、表面がただれたようになってしまっている

空気圧が低い状態で走り続けると、タイヤの中でチューブが写真のようにねじれることも。この状態で空気を入れてもねじれは解消されない

空気圧が低い状態で走り続けると、タイヤの中でチューブが写真のようにねじれることも。この状態で空気を入れてもねじれは解消されない

タイヤには、それぞれ適正な空気圧が設定されている。タイヤのサイドに記載されているので、空気圧を測るゲージやゲージ付きのフロアポンプ(空気入れ)を用意し、ロードバイクの場合は1週間に1度、できれば乗る前は毎回空気圧をチェックしておこう。「自転車に乗っている人すべてが、空気圧のチェックを正しく行うようになると、うちみたいな店はつぶれるかもしれないですけどね」と鈴木さんは話しながら笑っていたが、とても大切なことなのでセルフチェックを心がけてほしい。

タイヤサイドに記されている空気圧は、PSIやBARなど複数の単位で上限値と下限値が書いてあることが多い。写真のタイヤは上限値のみしか明記されていないが、80psiまで入れられるということがわかる

タイヤサイドに記されている空気圧は、PSIやBARなど複数の単位で上限値と下限値が書いてあることが多い。写真のタイヤは上限値のみしか明記されていないが、80psiまで入れられるということがわかる

ただし、上限値になるまで空気を入れなくてもいい。乗る人の体重やフレームの設計や素材、タイヤの種類などによって心地よく乗れる値は違ってくるからだ。下限値と上限値の間で、自分にピッタリの空気圧をゲージで調べておこう

ただし、上限値になるまで空気を入れなくてもいい。乗る人の体重やフレームの設計や素材、タイヤの種類などによって心地よく乗れる値は違ってくるからだ。下限値と上限値の間で、自分にピッタリの空気圧をゲージで調べておこう

自分に合う空気圧が決まったら、空気を入れたタイヤを指で押し、潰れ方や手応えをチェック。この感覚を覚えておけば、出先でゲージがなくても適切な空気圧で空気を入れることができる

自分に合う空気圧が決まったら、空気を入れたタイヤを指で押し、潰れ方や手応えをチェック。この感覚を覚えておけば、出先でゲージがなくても適切な空気圧で空気を入れることができる

ゲージ付きのフロアポンプを用意しておくと、適正な空気圧で空気を効率よく入れられるので便利

ゲージ付きのフロアポンプを用意しておくと、適正な空気圧で空気を効率よく入れられるので便利

増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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