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クラシックバイクのようなe-Bike! マイケル・ブラスト「アウトサイダー」は街中もちょっとした未舗装路もイケる

近年、バイクに見えるくらい太いタイヤを履いたタイプが、e-Bikeの中でひとつのカテゴリーを形成するくらい増えている。そのなかから、今回はオーストラリアのe-Bikeブランド「MICHAEL BLAST(マイケル・ブラスト)」の「Outsider(アウトサイダー)」を紹介しよう。

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2024/02/01 07:00

1970年代のダートトラッカーのようなデザイン

マイケル・ブラストのe-Bikeは、クラシックなバイクにインスピレーションを受けたデザインが特徴。「アウトサイダー」は、ティアドロップ型のガソリンタンクを模したバッテリーケースや、バイク用のダブルクレードルフレームをイメージさせるメインチューブ、ゼッケンプレートなど、1970年代のアメリカを中心に行われていた未舗装路を走るダートトラックレースのマシンを再現している。

サイズは1650(全長)×690(全幅)×1,000(全高)mmで、重量は23kg

サイズは1650(全長)×690(全幅)×1,000(全高)mmで、重量は23kg

ブラック(写真左)、ベージュ(写真中央)、イエロー(写真右)の3色展開。価格は385,000円(税込)

ブラック(写真左)、ベージュ(写真中央)、イエロー(写真右)の3色展開。価格は385,000円(税込)

20×4インチの幅広タイヤは、車体カラーに合わせたものを装着。今回試乗した「ベージュ」には、ダート走行に対応したブロックパターンが採用されている

20×4インチの幅広タイヤは、車体カラーに合わせたものを装着。今回試乗した「ベージュ」には、ダート走行に対応したブロックパターンが採用されている

フレームはクロモリ(鉄)製。バイクの世界では1970年代に一般化したダブルクレードルを思わせる構造を採用している。パイプを2本並べたメインチューブは剛性が高そう。ドリンクホルダーを装着できるボルト穴も装備

フレームはクロモリ(鉄)製。バイクの世界では1970年代に一般化したダブルクレードルを思わせる構造を採用している。パイプを2本並べたメインチューブは剛性が高そう。ドリンクホルダーを装着できるボルト穴も装備

クラシックバイクのガソリンタンクのようなデザインのバッテリーケース。この中にバッテリーが収納されている

クラシックバイクのガソリンタンクのようなデザインのバッテリーケース。この中にバッテリーが収納されている

バッテリーは取り外せないため、バッテリーケースに付属のプラグを差し込んで充電する。充電時間は約4時間

バッテリーは取り外せないため、バッテリーケースに付属のプラグを差し込んで充電する。充電時間は約4時間

シートはフレームの最後部に装備。その下にあるのが、クラシカルな雰囲気をかき立てるゼッケンプレートだ

シートはフレームの最後部に装備。その下にあるのが、クラシカルな雰囲気をかき立てるゼッケンプレートだ

砲弾型のメッキケースがクラシックバイクっぽさを作り出しているが、光源はLED

砲弾型のメッキケースがクラシックバイクっぽさを作り出しているが、光源はLED

バッテリーから給電されるタイプのテールライトも装備。リアフレームがループ処理されているのもかっこいい

バッテリーから給電されるタイプのテールライトも装備。リアフレームがループ処理されているのもかっこいい

アップタイプのハンドルに装着されているグリップやバーパットはレザー製。細部に渡り、レトロな感じを演出している

アップタイプのハンドルに装着されているグリップやバーパットはレザー製。細部に渡り、レトロな感じを演出している

e-Bikeの心臓部であるドライブユニットは、後輪の車軸と一体となったハブモータータイプ。フレームデザインの自由度が高くコストが低いため、エントリータイプのe-Bikeや、バイクのようなデザインのe-Bikeで採用が進んでいる。

ハブモーターユニットはバーファン製

ハブモーターユニットはバーファン製

フロントには路面からの衝撃を吸収するサスペンションフォークを装備し、信頼性の高いシマノ製の「Altus」グレードの変速コンポーネントを採用。このタイプのe-Bikeでは機械式が多いが、油圧式のディスクブレーキを装備しており、重量のある車体をしっかりと止めるストッピングパワーを確保しているのもポイントだ。

変速機構はリアのみで、フロント側には搭載しない。変速段数は7速。チェーンガードが付いているので、ズボンなどの裾の巻き込みが防げる

変速機構はリアのみで、フロント側には搭載しない。変速段数は7速。チェーンガードが付いているので、ズボンなどの裾の巻き込みが防げる

制動力とコントロール性にすぐれた油圧式のディスクブレーキを採用。ディスク径は前後とも180mm

制動力とコントロール性にすぐれた油圧式のディスクブレーキを採用。ディスク径は前後とも180mm

サスペンション機構はフロント側にだけ装備

サスペンション機構はフロント側にだけ装備

コンプレッション(圧側)の調整機構を備えているので、フロントサスペンションの沈み込む動きの速さを調整できる。サスペンションを固定するロックアウト機構は非搭載

コンプレッション(圧側)の調整機構を備えているので、フロントサスペンションの沈み込む動きの速さを調整できる。サスペンションを固定するロックアウト機構は非搭載

街中で走行性能をチェック!

「アウトサイダー」のようなフレーム形状のe-Bikeは、シートの高さが変えられない。またがる部分のフレームも幅が広いため、思ったより足が接地しないこともある。可能なら、購入前にまたがって足付き性を確かめておくほうがいいだろう。

身長175cmの筆者の場合、両足のかかとはしっかりと接地するが、膝は伸びきった状態で余裕はない。165cmくらいまでの身長なら問題なさそうだが、それより低いと足付きに余裕はなさそうだ

身長175cmの筆者の場合、両足のかかとはしっかりと接地するが、膝は伸びきった状態で余裕はない。165cmくらいまでの身長なら問題なさそうだが、それより低いと足付きに余裕はなさそうだ

アシストモードを「3」にして街中を走ってみた。中間のモードだが、グイグイ進んで行くので平地では「3」で十分そう。ゆっくり走るのであれば、「1」や「2」でもいいかもしれない。

アシストモードは5段階で切り替えられる。最大約80kmのアシスト走行が可能

アシストモードは5段階で切り替えられる。最大約80kmのアシスト走行が可能

着座位置は、この手のタイプのe-Bikeの中でもかなり後方。リアタイヤの真上に乗るようなライディングポジションだ。ハンドルは手前に配置されているが、グリップを握ると肘は伸びきり、相対的にペダルは前に向けて踏み降ろすような姿勢となるため、体重をかけてペダルは踏めない。効率のいい踏み方ではないが、アシストがパワフルなので脚に負担は感じなかった。

横から見ると、前方に踏み降ろすようにペダリングしているのがわかりやすい

横から見ると、前方に踏み降ろすようにペダリングしているのがわかりやすい

後方に着座する分、フロントの荷重は不足気味。慣れていないとこぎ出しでフロントが不安定に感じることがあるかもしれない。ただ、走り出してしまえば車体は安定する。フロントにサスペンション機構があるため、段差などを乗り越えても車体が振られることはなかった。

坂道でも、パワフルなアシストのおかげでペダルを回しているだけで登っていく。ただ、車体の構造的に立ちこぎはしにくいため、ペダルを強く踏んで進むのではなく、軽いギアに入れてクルクルと回し続けるペダリングが最適。やや慣れが必要かもしれないが、そのコツさえ理解していればかなり斜度のある登り坂でも苦労することはないだろう。

結構な斜度があり、長く続く坂道だが難なく走破できた。アシストモードは「5」にしておくほうがいい

結構な斜度があり、長く続く坂道だが難なく走破できた。アシストモードは「5」にしておくほうがいい

まとめ

古きよき時代のバイクが好きな人や、クラシックなルックスが好きな人に「アウトサイダー」は刺さるはず。“目立ち度”もかなり高いので、注目されるのが好きな人にもうってつけだ。普通の自転車なら脚への負担が大きいライディングポジションや太いタイヤでも、アシスト機能があるから楽に走行できる。e-Bikeだからこそ実現できたスタイルだと言えるだろう。

フロントの荷重がやや不足しているのは気になったが、サスペンション機構のおかげで走行時の安定性はバッチリ。試しに、ちょっとした未舗装路を走ってみたが、問題なく走行できた。坂道をスルスルと登れるアシストパワーも備えているので、走行性能は心配しなくてよさそう。日本国内の法規に準拠していることを認める型式認定を取得しているのも評価できるポイントだ。

サイドスタンドを標準装備しているので、普段使いしやすい。フレームにマウントがある強い構造のタイプで、しっかり車体を支えてくれる

サイドスタンドを標準装備しているので、普段使いしやすい。フレームにマウントがある強い構造のタイプで、しっかり車体を支えてくれる

●メインカット、走行シーン撮影:松川忍

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2024/02/01 07:00
増谷茂樹
Writer
増谷茂樹
カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。
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中村真由美(編集部)
Editor
中村真由美(編集部)
モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。気づけば15年以上、生活家電の情報を追い、さまざまな製品に触れています。
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