レビュー

快適に乗れる太足系e-Bike! デイトナ「DE04」は自転車としての作りがいい

自転車やバイク好きのスタッフが開発を手掛ける「デイトナ」から登場した、極太タイヤを履いたe-Bike「DE04」。デイトナはこれまで小径タイプやクロスバイクタイプのe-Bikeをリリースしているが、“太足系”は初。どのような乗り味に仕上がっているのかを確かめてみた。

自転車らしいルックスに極太タイヤを融合

バイクのようなルックスの太足系e-Bikeの中には、見た目のインパクトを重視し、ペダルのこぎやすさを二の次にしているモデルもある。ペダルを踏み込むのに力が入りにくい着座位置でも、アシスト機能があるので走行に大きな支障はないが、スポーツタイプの自転車に乗り慣れた人はペダリングがしにくいと感じるかもしれない。その点、デイトナ「DE04」は小径自転車などによく用いられるミキストタイプのフレームを採用し、ペダリングしやすい設計にしているので違和感なく乗れる。

サイズは1,620(全長)× 580(全幅)× 950(全高)mmで、重量は23kg

サイズは1,620(全長)× 580(全幅)× 950(全高)mmで、重量は23kg

リンクルグリーン、リンクルレッド、リンクルイエロー、リンクルサファリの4色をラインアップ。価格は239,800円(税込)

リンクルグリーン、リンクルレッド、リンクルイエロー、リンクルサファリの4色をラインアップ。価格は239,800円(税込)

「DE04」はデイトナが初めて手掛ける極太タイヤのミニベロe-Bikeだが、リアタイヤの軸と一体化したハブモータータイプのドライブユニットを採用するほか、リアに装着された革ケースの中にバッテリーを収納するなど、車体構成はデイトナの既存のe-Bikeと共通だ。

太足系では一般的な20×3インチサイズの、ブロックのないタイヤを装着。前後ともフェンダーを装備している

太足系では一般的な20×3インチサイズの、ブロックのないタイヤを装着。前後ともフェンダーを装備している

ドライブユニットはデイトナ製e-Bikeでこれまでも採用されてきたハブモータータイプを搭載

ドライブユニットはデイトナ製e-Bikeでこれまでも採用されてきたハブモータータイプを搭載

革製のケースにバッテリーを収納しているのも、デイトナらしいスタイル。バッテリー容量は36V/9.6Ah(約345Wh)。充電時間は5〜6時間で、アシスト走行可能な最大距離は約50kmだ。スマートフォンなどを充電できるUSBポートも備えている

革製のケースにバッテリーを収納しているのも、デイトナらしいスタイル。バッテリー容量は36V/9.6Ah(約345Wh)。充電時間は5〜6時間で、アシスト走行可能な最大距離は約50kmだ。スマートフォンなどを充電できるUSBポートも備えている

フレームはアルミ製で、2本あるメインチューブはどちらも扁平構造。これもデイトナ製e-Bikeでは見慣れたものだ。また、表面にはリンクル(ちぢみ)塗装を施し、アウトドアっぽいイメージに仕上げている。サスペンション機構はないが、フロントフォークにクロモリを採用しているのは、地面からのショックの吸収性を考慮したセレクトだ。

アルミ製のメインチューブが2本、シートチューブが3本の構造は見るからに剛性が高そう。リンクル塗装がおしゃれだ

アルミ製のメインチューブが2本、シートチューブが3本の構造は見るからに剛性が高そう。リンクル塗装がおしゃれだ

メインチューブは剛性を高めるため2本とも扁平構造を採用

メインチューブは剛性を高めるため2本とも扁平構造を採用

変速ギアはマイクロシフト製で、リアのみの外装8段。e-Bikeには十分な段数だ

変速ギアはマイクロシフト製で、リアのみの外装8段。e-Bikeには十分な段数だ

フロントにはギアはない。チェーン落ちや裾の汚れを防ぐカバーが両側に装備されている

フロントにはギアはない。チェーン落ちや裾の汚れを防ぐカバーが両側に装備されている

歩道を走れる普通自転車の規格に収まる560mm幅のハンドルを装備。ベルは左側のブレーキレバーに一体化させている

歩道を走れる普通自転車の規格に収まる560mm幅のハンドルを装備。ベルは左側のブレーキレバーに一体化させている

ハンドルを支えるステム部分に高さ調整機構を搭載。もちろん、サドルの高さも840〜970mmの範囲で変えられる。適応身長は155〜185cm

ハンドルを支えるステム部分に高さ調整機構を搭載。もちろん、サドルの高さも840〜970mmの範囲で変えられる。適応身長は155〜185cm

前後ともに機械式のディスクブレーキを採用。ローター径はフロント160mm、リア140mmだ

前後ともに機械式のディスクブレーキを採用。ローター径はフロント160mm、リア140mmだ

街乗りで使いやすいようにスタンドを標準装備。2本足タイプなので安定感が高い

街乗りで使いやすいようにスタンドを標準装備。2本足タイプなので安定感が高い

スタンドの足は2本あるが、たたむとサイドにまとめられる

スタンドの足は2本あるが、たたむとサイドにまとめられる

ペダリングのしやすさ抜群! 荒れた道での安定感もいい

「DE04」で走り出す前に、自分がペダリングしやすい位置にサドルとハンドルを調整。太足系のe-Bikeの中には、サドルの高さが調整できないモデルもあるので、これだけでも乗りやすさや体への負担が変わってくる。筆者の体格でペダリングしやすい高さにして乗ってみると、乗車姿勢はやや前傾になった。

少しスポーティーなクロスバイクやミニベロなどに近い乗車姿勢だ

少しスポーティーなクロスバイクやミニベロなどに近い乗車姿勢だ

このライディングポジションだと太腿の裏側やお尻の筋肉を使ってペダリングができるので、かなり漕ぎやすい。アシストはパワフルだが、スタート時にグイグイ加速するようなフィーリングではなく、穏やかでペダルを回していくと段々とアシストが上乗せされてくるe-Bikeらしい制御だ。

アシストのオン/オフだけで出力の切り替え機能はないが、軽いギアを選ばなくても坂道をスムーズに登れた

アシストのオン/オフだけで出力の切り替え機能はないが、軽いギアを選ばなくても坂道をスムーズに登れた

太足系e-Bikeの中では細身のサドルも、ペダリングしやすい要因のひとつだ

太足系e-Bikeの中では細身のサドルも、ペダリングしやすい要因のひとつだ

ブロックのないタイプのタイヤなので、走行フィーリングはスムーズ。アシストをオフにしても、平地を流すくらいであればタイヤの抵抗はほとんど感じないくらいだった。砂利敷の道があったので走ってみると、タイヤが衝撃を吸収してくれるおかげで、体に伝わるショックは少ない。接地面が広いため、グリップも良好だ。マウンテンバイクほどの走破性があるわけではないが、まったく不安を感じることなく走行できた。

ちょっとした砂利道であれば、タイヤが滑ることもなく、手やお尻に衝撃も感じずに気持ちよく走れる

ちょっとした砂利道であれば、タイヤが滑ることもなく、手やお尻に衝撃も感じずに気持ちよく走れる

コーナリングを試してみると、接地面が広いタイヤのおかげで不安なくバンクさせられた

コーナリングを試してみると、接地面が広いタイヤのおかげで不安なくバンクさせられた

まとめ

アシストをオフにした状態でも普通に乗れる軽快さとバランスのよさを持ちつつ、見た目のインパクトは十分。日本の法規に対応していることを示す型式認定も取得している。太足系e-Bikeは、アシストがある前提でスタイルのインパクトを狙ったモデルが多く、それはそれで新しい乗り物として面白いと思っているが、「DE04」に試乗して“自転車としてよくできている”ことは大きな魅力であると感じた。

奇をてらわないデザインだが、フレームのリンクル塗装のおかげもあって、クルマでいうとオフロード向きのオーバーランダーのような雰囲気がある。街乗りで使っても目立ってくれそうだが、オフロードの走破性もあるので、普段は街中で乗りつつ、たまに未舗装路に踏み込んで自然の中を探検するような使い方が合っていそうだ。

●メインカット、走行シーン撮影:松川忍

増谷茂樹
Writer
増谷茂樹
カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。
記事一覧へ
中村真由美(編集部)
Editor
中村真由美(編集部)
モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。気づけば15年以上、生活家電の情報を追い、さまざまな製品に触れています。
記事一覧へ
記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
SPECIAL
ページトップへ戻る
×