レビュー

いかついルックスなのに“安心”して乗れるYADEAの太足系e-Bike「TRP-01」

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インパクトのあるルックスが人気の太足系e-Bikeの中でも、安心して選べる&乗れることを意識したYADEA「TRP-01」を紹介しよう。乗車位置が少し低めなので、足付き性の問題でこのタイプのe-Bikeが選べなかった人もチェックしてみてほしい。

2種類の型式認定を取得

「YADEA(ヤディア)」は中国に拠点を置く、世界最大手の電動二輪モビリティメーカー。e-Bikeや電動キックボードのほか、近年は電動バイクなどを手掛けており、ユーザーは5,000万人を超えるという。海外メーカーの製品は修理などの対応が懸念されるが、脚立の製造で知られる長谷川工業が輸入代理店となっており、修理対応してくれる。

また、海外モデルの中にはアシスト比率が道路交通法の基準外のものもあるが、今回紹介する「TRP-01」は、日本国内の法規に対応した電動アシスト自転車であることを示す型式認定を取得している。

バイクっぽい見た目のe-Bikeは型式認定を取得していないものも多いが、「TRP-01」は問題なし! サイズは1,690(全長)×600(全幅)×1,040(全高)mm

バイクっぽい見た目のe-Bikeは型式認定を取得していないものも多いが、「TRP-01」は問題なし! サイズは1,690(全長)×600(全幅)×1,040(全高)mm

さらに、普通自転車としての型式認定も取得している。普通自転車とは道路交通法で定められた用語で、ざっくり言うと「自転車及び歩行者専用」の看板がある歩道を走行してもいい自転車のこと。長さ190cm以下、幅60cm以下で、歩行者に危害を及ぼす恐れがある鋭利な突出部がないなどの規定がある。この規定を満たしていれば型式認定を取得していなくても普通自転車として扱われるが、型式認定を取得していればユーザー側としての安心感は高い。

このような標識のある自転車通行可能な歩道であっても、普通自転車の枠からはずれる自転車の走行は禁止されている。ハンドル幅が広い自転車は60cmを超えていないか確認しよう

このような標識のある自転車通行可能な歩道であっても、普通自転車の枠からはずれる自転車の走行は禁止されている。ハンドル幅が広い自転車は60cmを超えていないか確認しよう

バイクっぽさ感じさせる車体構成

「TRP-01」の車体を見ていこう。

太めのタイヤと前後のサスペンション、バイクのガソリンタンクに当たる位置にバッテリーを搭載するなどの構成は、この種のe-Bikeの中でも“バイクっぽさ”をより高めている。ドライブユニットは、リアホイールに組み込まれたハブモータータイプ。定格出力の数値は500Wとパワフルだが、型式認定を取得しているので問題ない。

「BLACK」と「BEIGE」の2色を用意。メーカー希望小売価格は297,000円(税込)

「BLACK」と「BEIGE」の2色を用意。メーカー希望小売価格は297,000円(税込)

タイヤは前後とも20×4インチで、低めのブロックタイヤを採用。倒立タイプのフロントサスペンションも装備している

タイヤは前後とも20×4インチで、低めのブロックタイヤを採用。倒立タイプのフロントサスペンションも装備している

リムには軽量化のための穴が開いている。ファットバイクでは、よく見られる手法だ

リムには軽量化のための穴が開いている。ファットバイクでは、よく見られる手法だ

シート下にリアサスペンションを装備。デザイン的にもバイクを思わせる部分だ

シート下にリアサスペンションを装備。デザイン的にもバイクを思わせる部分だ

ハンドル形状はBMXを思わせるようなアップライトなもの

ハンドル形状はBMXを思わせるようなアップライトなもの

バッテリーはLG製で、48V/20Ah(960Wh)と大容量。フレームのトップに搭載されているので重心位置は高そう。最大アシスト距離は196km。バッテリーは取り外して充電することも可能だ。バッテリー残量ゼロの状態から満充電まで6時間かかる

バッテリーはLG製で、48V/20Ah(960Wh)と大容量。フレームのトップに搭載されているので重心位置は高そう。最大アシスト距離は196km。バッテリーは取り外して充電することも可能だ。バッテリー残量ゼロの状態から満充電まで6時間かかる

リアホイールのハブに組み込まれたタイプのドライブユニットはYADEA製

リアホイールのハブに組み込まれたタイプのドライブユニットはYADEA製

ブレーキはe-Bikeらしく前後とも油圧のディスク式を採用し、車重やパワーに応じた制動力を確保。変速機構は搭載されていない。また、ライトやスタンド、フレーム中央のボックスなどの装備から実用性への配慮も感じられる。

変速機構がないシングルスピード。シンプルな見た目に寄与する

変速機構がないシングルスピード。シンプルな見た目に寄与する

前後とも油圧式のディスクブレーキを採用

前後とも油圧式のディスクブレーキを採用

バッテリーから給電されるタイプのヘッドライトとテールライトを標準装備。どちらもブランドロゴの形状でデザインされている

バッテリーから給電されるタイプのヘッドライトとテールライトを標準装備。どちらもブランドロゴの形状でデザインされている

1本足のサイドスタンドだが、36kgある車体をしっかり支える

1本足のサイドスタンドだが、36kgある車体をしっかり支える

フレーム中央にボックスがあるので、飲み物などちょっとしたものを入れられる

フレーム中央にボックスがあるので、飲み物などちょっとしたものを入れられる

パワフルだがe-Bikeらしい自然なアシストフィーリング

筆者はこれまで、バイクっぽいスタイルのe-Bikeにいくつも試乗してきたが、前後にサスペンションを装備したモデルは初めて。シングルスピードということもあり、どのような乗り味か楽しみだ。

身長175cmの筆者の場合、サドルに座ると足の裏がべったり接地する。足付き性はかなりいい

身長175cmの筆者の場合、サドルに座ると足の裏がべったり接地する。足付き性はかなりいい

このタイプのe-Bikeは、シート高の高さを調整できないものが多い。「TRP-01」も調整できないが、着座位置が低めなので小柄な人でも乗りやすいだろう。その半面、ペダリングでは膝がかなり曲がる。ロードバイクなどのように脚を伸ばしてペダリングするタイプの自転車に乗り慣れている人だと、少し気になるかもしれない。ただ、アシスト機能があるのでペダルを強く踏み込む必要はないため、脚への負担を感じることはなかった。

膝はかなり鋭角に曲がるが、ペダルは回すだけなのでつらさは感じない

膝はかなり鋭角に曲がるが、ペダルは回すだけなのでつらさは感じない

アシストは強力だが、出だしに押し出される感覚は弱め。e-Bikeらしい制御だ。36kgの車重や、抵抗の大きいタイヤの負荷は、走行には影響せず。ただ、アシストモードは平坦な道でもフルパワーの「3」が快適だった。バッテリーの消費が大きくなるが、それでも125kmのアシスト走行が可能なので普段使いする分には問題ないだろう。

変速機構がないため、あまり激しい坂は登れないが、ある程度の斜度なら平坦な道を走るのと同じ感覚でスイスイ登れる

変速機構がないため、あまり激しい坂は登れないが、ある程度の斜度なら平坦な道を走るのと同じ感覚でスイスイ登れる

前後のサスペンションは、またがってもほとんど沈み込まず、ペダリングをしていても動いている感覚はない。フワフワとした乗り心地でもなく、段差などを乗り越えたときにだけ動くようなセッティングのようだ。サスペンションは下手に動くと抵抗になることもあるので、街乗り向けモデルなら、このセッティングは正解だろう。そもそも、エアボリュームの大きいタイヤを履いているので段差以外では、サスペンションの効果がなくても快適だ。

タイヤのグリップ感は高く、コーナリングもバイクのようなフィーリング。街中の交差点を曲がるのも楽しい

タイヤのグリップ感は高く、コーナリングもバイクのようなフィーリング。街中の交差点を曲がるのも楽しい

【まとめ】

太めのタイヤを履いたバイクのような見た目のe-Bikeはいまや珍しくはないが、2種類の型式認定を取得し、安心して乗れるモデルあることを打ち出しているのは好感が持てる。また、このタイプのe-Bikeはペダリング時に膝がフレームに当たる構造のものも少なくないが、「TRP-01」は適度にフレームが絞られているおかげで膝がぶつからず、ガニ股でこがずに済む。

フレームのトップにバッテリーを搭載しているため膝が当たるのではないかと思っていたが、自然な脚の開き具合でペダリングできた

フレームのトップにバッテリーを搭載しているため膝が当たるのではないかと思っていたが、自然な脚の開き具合でペダリングできた

着座位置が低いことも含め、これまで足付き性やこぎ方を理由にバイクルックスのe-Bikeを選べなかった人の可能性を広げてくれるモデルと言えるだろう。

●メインカット、走行シーン撮影:松川忍

増谷茂樹
Writer
増谷茂樹
カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。
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中村真由美(編集部)
Editor
中村真由美(編集部)
モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。気づけば15年以上、生活家電の情報を追い、さまざまな製品に触れています。
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