iTunes Store以外の映像配信サービスについては、「Apple TV 4K」向けに用意されたAppStoreからアプリをインストールしてアクセスすることができる。
特に人気のサービスは「YouTube」「Netflix」「dTV」「hulu」「DAZN」「AbemaTV」など。主要な事業者のアプリはほぼ網羅されており、「Apple TV 4K」をテレビでSVOD(定額見放題)を利用したい人のSTBとしても活用できる。
AppStoreからアプリをダウンロードすることで、各種映像配信サービスにアクセスできる
実際にいろいろな映像配信サービスを使ってみたが、なかでも「Apple TV 4K」との連携がよく作り込まれていると感じたのがNetflixだ。
Netflixのアプリをインストールしておけば、アプリを開くまでもなく「Apple TV 4K」のメニュー画面でSiriを利用して「○○(作品名)を検索」と声をかけると、デフォルトの検索対象にNetflixが含まれる。たとえば、「ブレイキング・バッドを探して」と声をかけると、Netflixの作品のリンク画面がヒットする。「Netflix」にアプリで再生中にも「10分から再生して」「字幕を表示して」とSiri経由のコマンドも有効だ。
なお、NetflixはiTunesStoreと同じく「DolbyVision」のHDR配信を開始しているサービス事業者だが、「Apple TV 4K」でもすでに「DolbyVision」として認識することもAVファンとして重要なポイントだろう。
Siriに直接作品名を呼ぶ
iTunes StoreではなくNetflixの作品も直接ヒット
Netflixの「DolbyVision」対応作品もしっかりと認識する
もうひとつしっかり連携機能が作り込まれていると感じたのがYouTubeだ。メニューからSiriで呼び出した際の直接音声の検索対象ではないが、「○○をYouTubeで探して」と声をかければ、直接YouTubeの検索画面へとジャンプできる。「10分飛ばして」といったシークも快適だ。
YouTubeならSiriに「○○をYouTubeで探して」と呼ぶ
YouTubeアプリでキーワード検索をした状態までジャンプ
ほかの映像配信のサービスについては、「○分から再生して」というシーク以外の連携はないが、テレビ操作用のユーザーインターフェイスはいずれも快適に動作する。特にAbemaTVはまったくストレスなく快適に動くので、日常的にAbemaTVを観る人のデバイスとしてもオススメしたい。
なお、取材時点ではAmazonプライムのアプリは提供されていないが、年内には公開される予定となっているとのこと。Amazonプライム会員は要注目だ。
AppStoreには映像配信以外のアプリも存在する。映像配信以外でテレビで使う実用的なジャンルとなるとゲームだ。
今回、基本無料で遊べるゲーム「怪盗グルーのミリオンラッシュ」は実際にプレイしてみたが、付属リモコン用に操作性が作られており、快適にプレイできた。これはこれでゲームの遊び方としてアリだと思う。ただし、当然ながら日本で流行のスマホゲームとはまったく別のカルチャーで、スマホの「有料ゲームアプリ」のテレビ版といった位置付けだ。実際の利用が進むにはキラーコンテンツの登場が待たれる。
「Apple TV 4K」はこうしたアプリ用に本体ストレージは64GBもあるが、当分足りなくなることもなさそうだ。
「怪盗グルーのミリオンラッシュ」もプレイ
以上、新「Apple TV 4K」を使ってみると、「4K+HDR」という高画質の魅力、Siriによる音声操作と、十分使えるデバイスになっている。「薄型テレビで映像配信を観るためのSTB」というカテゴリーの製品としてみても、4K/HDR対応はまだ少数。Apple TVは約2年のサイクルでモデルチェンジしていることを考えると、最新モデルが発売した今こそ絶好の買いのタイミングだ。
そして、実際に購入する上で改めて考えるのは「Apple TV 4K」はアップル製品であるということ。iPhoneユーザーなら写真やビデオもiCloudでシームレスに連携するし、AirPlayによるミラーリングもできる。将来的にはアップルによる「Apple HomeKit」でスマートホームにもつながる、アップルの機器連携の世界を形成するデバイスなのだ。映像配信のSTBとしてなら、性能を考えてもほかの選択肢もある。だが、付加価値としてアップル製品、そして今後さまざまな形でサポートの続くメジャーデバイスであることを考えると、「Apple TV 4K」は魅力的な存在と言えるだろう。