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ニッチなヒット商品「ポメラ」 最新モデルは6.0型電子ペーパー&観音開きの折りたたみ式

キングジムは2018年5月15日、テキスト入力に特化したデジタルメモ「ポメラ」の新モデルとして、電子ペーパーディスプレイを採用した「DM30」を6月8日に発売すると発表した。市場想定価格は43,000円(税別)。新機構の折りたたみ式キーボードを搭載することで、17mmのキーピッチと持ち運びやすいコンパクトボディを両立している。

6.0型の電子ペーパーディスプレイを搭載するDM30

6.0型の電子ペーパーディスプレイを搭載するDM30

10周年の節目で折りたたみモデルが復活

ポメラはテキスト入力に特化した、デジタルメモ専用デバイス。電源を入れるとすぐに起動し、スムーズに文章作成が行えるのが特徴だ。テキスト入力しかできないニッチなデバイスでありながら、2008年の初代モデル発売から今年で10周年を迎え、その歴史は意外にも長い。初代モデルは、議事録を取ったり、移動中にメモを取ったりするといった用途を想定していたが、モデルチェンジを繰り返すごとに高性能化を進め、小説家やライターといった文章のプロにも使われるデバイスへと成長。累計販売台数は約35万台を超える、ニッチなヒット商品に育った。

歴代のポメラ。初代モデルは2008年に発売された「DM10」。数量限定だが、「機動戦士ガンダム」とコラボレーションしたモデルなどもあった

今回のDM30は、初代モデルと同じ折りたたみ式キーボードを採用。2016年に発売した「DM200」はストレート式キーボードを採用していたが、折りたたみ式キーボードを望むユーザーの声に応え、初代モデルと同じ折りたたみ式となっている。

折りたたみ機構は新開発の観音開き式。開閉と連動し、格納式のキーフット(足)が自動的に出ることで、安定したタイピングを実現している。初代モデルなどはスライドしてキーボードが展開する、トリッキーな機構だったが、シンプルな観音開き式にすることで、機構自体の剛性も向上しているという。また、観音開き式にすることで、横が17mm、縦が15.6mmというノートパソコン並みのキーピッチを確保。キーストロークは約1.4mmで、DM200よりも深く、しっかりとした打鍵感となっている。

折りたたみ時の本体サイズは約156(幅)×126(奥行)×33(高さ)mm。重量は約450g(電池含まず)

折りたたみ時の本体サイズは約156(幅)×126(奥行)×33(高さ)mm。重量は約450g(電池含まず)

ディスプレイを開くとキーボードが折りたたまれているのがわかる

ディスプレイを開くとキーボードが折りたたまれているのがわかる

キーボードを開くと、キーフット(足)が自動的に出てくる仕組み。これにより入力時の安定性が高まる

キーボードを開くと、キーフット(足)が自動的に出てくる仕組み。これにより入力時の安定性が高まる

Escキーの下に半角/全角キーを移動し、一般的なキーボードに近い配列に変更されている

Escキーの下に半角/全角キーを移動し、一般的なキーボードに近い配列に変更されている。以前はEscキーの右側にあった

DM30のスケルトンモデル(左)とDM10(右)。どちらも折りたたみ式だが、DM30のほうがディスプレイやキーボードは大きい

目が疲れにくい電子ペーパーディスプレイを搭載

ディスプレイは6.0型(800×600)の電子ペーパーディスプレイ。電子書籍端末などにも使われているE Ink社の電子ペーパー「E Ink」をポメラシリーズとしてはじめて採用した。E Inkのメリットは、紙に印刷されたようにくっきりと文字が表示されるので、目にやさしく、長時間作業しても疲れにくいこと。

実物を見ると、確かにくっきりとした表示で見やすい。表示のタイムラグもほとんど感じられなかった。ただ、一度入力した文字を消すと、残像が残るのが気になる。F12キーに画面のリフレッシュ機能が割り当てられており、気になる場合はF12キーを押すといいだろう。menuを2度押しても画面はリフレッシュされる。また、バックライトがないため、真っ暗な状態では画面が見えないという。

6.0型の電子ペーパーディスプレイ

6.0型の電子ペーパーディスプレイ

電子ペーパーならではの、紙に近いくりっくりとした表示

電子ペーパーならではの、紙に近いくっきりとした表示

文字を消すと残像が残る

文字を消すと残像が残る

画面のリフレッシュをすると、文字の残像は消える

画面のリフレッシュをすると、文字の残像は消える

電源は乾電池2本

電源は単3形アルカリ乾電池(2本)を使用し、約20時間利用できる。内蔵バッテリーと違い、外出先でもすぐに交換できるのが魅力だ。

日本語入力にはジャストシステムの「ATOK for Pomera」を搭載。「DM100」に搭載されていたATOKがベースだが、辞書の更新、補助辞書の追加などでバージョンアップが図られている。

このほか、DM200と同様、見出しと本文の編集画面をわけて表示するアウトライン機能や、作成したテキストファイルをQRコードに変換し、スマートフォンにテキストを移動できる機能などを備える。無線LAN機能付きSDメモリーカード「FlashAir」を使って、専用アプリで直接読み込みすることも可能だ。

乾電池はヒンジ部分に収まる。左側はSDメモリーカードスロット

乾電池はヒンジ部分に収まる。左側はSDメモリーカードスロット

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

ガジェットとインターネットが好きでこの世界に入り、はやいもので20年。特技は言い間違いで、歯ブラシをお風呂、運動会を学芸会、スプーンを箸と言ってしまいます。お風呂とサウナが好きです!

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