何だかんだ言っている間に、新型コロナウイルスによる最初の緊急事態宣言が出てから、もう8か月が経つわけです。在宅テレワークも、だいぶなじんできた頃合いじゃないでしょうか?
僕は、フリーランスという立場なので、最初っから完全在宅ワーカーだし、何も変わらないな〜と思っていたんですが、いや、ひとつ変わったことがありました。仕事の打ち合わせの99%が、リモートになったということです。
リアル会議ですと1時間ぐらいかけて話し合いしていたので、割と細かくノートを取っていたんですが、リモート会議は気軽なこともあって、10分、15分ぐらいでスパッと終わることも多くて(ありがたい!)。そうなると、「う〜ん、何だかこれぐらいでノートのページを消費するの、もったいなくね?」って気分になってくるんですよね。
ということもあって、最近気になっているのが、ページを消費しない無限ノート。
そんな夢みたいなノートはないだろ、と言うなかれ。たとえば、ノート型のホワイトボードを使えば、大事な部分だけ書き写したら、後で消しちゃえばいいわけですし。要するに、気軽に書き消しできる機能があれば済むんですよね。実際、僕と同じことを感じている人も多いらしく、最近はこの手の書き消し無限タイプのノート/メモの新製品が立て続けに発売されています。
書き消し無限タイプのノート/メモの新製品を紹介!
まず、学研ステイフルから発売されている「Write White」を紹介しましょう。
これは、ボードマーカーで書き消しできる特殊加工紙4枚をリングで綴じたノート型ホワイトボードです。ラインアップはB5とB6の2サイズ。ノートとして使うならB5、ちょっとしたメモ書きならB6、という使い分けが基本になるでしょう。
ノート型ホワイトボードとしては、最後発となる学研ステイフル「Write White」
ただ、特に今回オススメしたいのはB6サイズのほうなんです。このサイズ、実は「Zoom」などを使ったリモート会議用のホワイトボードとしてめちゃくちゃ優秀。自分が映っているフレームの中にヒョイと入れ込んでも紙面全体が視認できて、それでいて自分の顔は完全に隠れない、程よい感じなんですよ。
リモート会議ツールにはホワイトボード機能が付いているモノもあるんですが、思ったより使いづらい。普通に手書きできる小さなノート型ホワイトボードのほうが、圧倒的に便利だと思います。
リモート会議の進行ボードは、B6サイズが最適サイズ
もちろん、「Write White」は普通に書いて消せるメモとしても重宝しますが、もうひとつありがたいのが、表紙の端に付いているゴムの滑り止め。
たとえば、1日のToDoを書いたら、表紙を折り返して置くだけできちんと自立するんです。デスクの端などに立たせておけば、いつでも視界に入るので忘れにくい。これも地味に便利な機能でしょう。
B6サイズは自立するので、忘れたくないメモを目立たせておくのに便利
そして忘れちゃいけないのが、付属の専用ボードマーカーです。
ベースは、コクヨの細字ボードマーカーなんですが、「Write White」用にカスタムされており、チップがものすごく細い! ここまで細い字が書けて、きれいに消せるボードマーカーって、市販品でもほとんどありません。もしかしたら、このマーカーのためだけに「Write White」を購入するのもアリじゃね?と思うレベルですよ。
付属の専用マーカーは、線幅0.8mmほど。現行品の中ではトップクラスに細い!
ノート型ホワイトボードは、罫線があったほうがいいと思う人はいるはず。また、マーカーじゃなくてボールペンで書きたいって人もいるでしょう。
それはつまり、ホワイトボードからもうちょいノート寄りの製品が欲しい、ってことですよね。であれば、今の大本命は、クラウドファンディング展開中(2021年4月9日まで)のバタフライボード「notesX」だと思います。
クラウドファンディング開始10日で、達成率3,500%超えのバタフライボード「notesX」
こちらは、以前にもクラファンで発売されたノート型ホワイトボード「notes」のバージョンアップ版。
いろいろと従来モデルにはなかった機能を持っていますが、最も特徴的なのが、合成樹脂と天然鉱物を主原料としたシンセティックペーパー製のページでしょう。
普通のホワイトボードはツルツルした手触りで、かなりテカリがありますが、シンセティックペーパーはほぼ紙のような手触りとマットさを持っています。
で、5mm方眼が印刷されたこのページは、消せるボールペンでおなじみのパイロット「フリクションボール」で書き込むことが可能なんです。
普通のホワイトボードは表面が平滑過ぎて、ボールペンは使用できません。これは「notesX」ならでは!
「フリクションインキ」なので、もちろん書いた文字はボディ後部の専用ラバーでこすれば消えます。でも、それでは紙のノートと同じだし、ホワイトボードとは言えないですよね。
ということで、ページ全体をまとめて消したい時は、ウェットティッシュなどで表面を拭くと以下のとおり、きれいにインクを拭き取ることができました。拭くのが面倒なら、ページを水道水で丸洗いもOK! 豪快ですが、耐水性のあるシンセティックペーパーはこういう荒技も可能です。
書いた文字は、ウェットティッシュなどで軽く拭き取れます
「フリクションボール」のインクは水に弱い性質を持っているので、きれいに洗い流せるという仕組み
もうひとつ面白いのが、表紙と6枚のページを綴じる、ノド側のマグネットジョイント。
それぞれに極薄のマグネットを内蔵しているので、普通のノートのようにペラペラとめくれますが、必要な時は1枚だけサッと外してスチール面に貼る、なんて使い方もできます(丸洗い時も外すとラク)。
ノートとしても使いやすいし、単体のボードとしても使える。好きな形で書き込めるのは、なかなか魅力的。ただ、お値段高め(一般販売予価7,920円)なので、気軽に試してみようって感じではないんですけども。
2か所のマグネットで固定されているだけなので、引っ張れば分離可能。もちろん戻すのも一瞬です
ホワイトボードは“消せる”ことが重要なので、筆記跡を消すのがラクというのは大きなポイントになります。水洗いで消せるのは、かなり優秀と言えるでしょう。
でも、ボタンを押せば一瞬で消せるキングジムの電子メモパッド「ブギーボード BB-14」(以下、BB-14)にはかないませんよ。
「ブギーボード」シリーズの最新版、キングジム「BB-14」
付箋サイズの「BB-12」と、手帳サイズの「BB-14」。用途によって使い分けたいですね
黒いボード面に付属のスタイラスペンで書けて、消去ボタンを押すだけでオールクリアになる「ブギーボード」シリーズは、すでにかなりの人気アイテム。役所などで筆談用に採用されていたりするので、見たことがあるという人もいるでしょう。
これまでは、10インチ前後のタブレットサイズばかりがラインアップされていたんですが、一昨年に付箋サイズ(3.9インチ)の「BB-12」が出て、これがなかなかの好評。実は、僕も卓上メモとして愛用していました。
鮮やかな蛍光色の線は、筆圧によってある程度の強弱コントロールが可能
消したい時は消去ボタン1発。内蔵ボタン電池1個で、約3万回の消去が行えます
ただ、小さいタイプは小回りがきいてよいんだけど、もうちょっとだけ画面が大きいのも欲しいな……と思っていたのも事実。そこへ登場したのが、2020年1月に発売されたA6手帳サイズ(6インチ)の「BB-14」というわけです。
おおー、このサイズ感はめっちゃいい! 「BB-12」は伝言用や電話受けなどのちょっとしたメモに最適だったんですが、少し大きな「BB-14」はより使い道が増えました。日常メモによし、ショートミーティングの進行ボードによし、とかなりオールマイティなやつです。
裏面にマグネットを内蔵しているので、冷蔵庫に貼って家族間の伝言ボードにするのもアリ
そして、「BB-14」発売とタイミングを合わせてリリースされたのが、スマホ用アプリ「Boogie Board SCAN」です。
「ブギーボード」の画面に向けると、それを認識して自動で撮影、さらに白黒反転・二値化して画像保存してくれるというものなので、残しておきたいメモなどはこれで撮っちゃえば簡単でしょう。
たまに、画面のテカリまで黒く残っちゃったり、認識がややスローだったりと、完璧とは言えないのは残念なところですけども。
最新機能系から雑貨系おもちゃ文具まで、何でも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は大手文房具店の企画広報として企業ノベルティの提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。