近年、「テレビがつまらなくなった」という声がよく聞かれますよね。実際どうなのかについては多くの議論があるでしょう。しかし確実に言えるのは、インターネットが普及しひとり1台スマートフォンを持つのが当たり前になった今、私たちが楽しむエンターテインメントにたくさんの選択肢が増えたということ。
コンテンツの種類が拡充したことで、相対的にテレビの存在感が下がったという面は大きいでしょう。テレビが問答無用でエンタメの中心にある時代ではなくなりました。では逆に、そんな今こそ買う価値のあるテレビとは? そんな観点で東芝のテレビ「REGZA」に注目したいと思います。
REGZAが長年追求し続けてきた全録機能「タイムシフトマシン」の魅力は、インターネット時代にこそ改めて実感できるもの。2019年6月発売予定のREGZA新モデル「Z730X」で体感した、最新の「タイムシフトマシン」の楽しさをレポートしましょう!
「タイムシフトマシン」自体は昔からありますが、今こそその魅力を再実感しました! 簡単に結論から言いますと……“自分の好きなタイミングで見られるなら”テレビは今もおもしろい
筆者がここで「タイムシフトマシン」に改めて注目したい理由には、最近の「テレビとネット記事の関係」があります。昨今、インターネットで発信される情報の速報性が上がっていく中で、「テレビがネット記事の情報ソースのひとつになっている」という動向がありますよね。
最近よくありませんか? お昼休みにスマホで何気なく「Yahoo!」や「スマートニュース」を見ていたら、当日の夜に放映されるテレビ番組の内容を元にしたニュースが載っていて、ものすごく気になっちゃうこと。ここで起こるんです、「予約録画しておけばよかった!」という後悔が。
ネットニュースのネタとして当日の放送番組を知ったとしても、忙しい現代を生きる我々には「放送時間までに帰宅できない」ということがザラに起きます。「事前に知っていれば予約録画してきたのに…!」と悔やむ状況になったことのある人も多いのでは?
気になる番組の放送を後から知って、「うわ−、この番組録画したかった!」という状況になったとき、筆者はひとり暮らしで家族にも頼めないのでアウト。しかし、イマドキは夫婦共働きが増えている時代ですから、家に誰もいないことは多いはず。同居の家族がいたとしてもこういった状況はよくあると思います
さらに、よくあるのがコレ。最近は、放送済みの番組内容を元にしたネット記事が増えています。加えて、何かのテレビ番組が話題になると、放送後に関連キーワードがTwitterのトレンドワードに入るという流れもお約束。そう、多くの場合、テレビ番組の本当のコンテンツ力(=視聴者への影響力)がわかるのは、「放送されたあと」なのです。
「残業後の帰宅中にふと電車の中でTwitterを開いたら、その日に放送されたテレビ番組がかなり話題になっている! どうしても見たいので、帰宅後にネットにアップロードされていないかこっそり探してしまう……」なんていう経験がある人は多いでしょう。
スマホを見ててふと目につくネット記事。テレビ番組で有名人がした発言をネタにしたニュースとかが増えていますよね。話題性がある内容であればあるほど、実際の放送映像が見たくなってしまいます
民放番組の場合は、見逃し配信サービス「TVer」を利用するのもひとつの手ですが、過去番組が全て配信されているわけではありません。なお、NHKも含めて過去番組の多くは各局の公式VODサービスなどで有料配信されています。でも正直、お金を払ってまでというよりは「もっと軽い気持ちで見たいんだよな……」という感じじゃありませんか?
民放キー局5社参加の見逃し配信「TVer」では、期間限定で過去番組の一部を無料視聴できます。電車の中などでも楽しめる点はかなり便利
というわけでお待たせしました! そんなインターネット時代にこそテレビの楽しさを満喫できるのが、東芝REGZAの「タイムシフトマシン」機能なのです。テレビ本体に外付けしたUSB-HDDに、好きなチャンネルの放送番組を丸ごと録画しておいてくれる“全録”機能です。
放送当日に知った気になる番組も、帰宅後にさかのぼって視聴できます。ネットのニュースで知った気になるあの番組について、「予約録画しておけばよかった」なんていう後悔はもう生まれません。最初からテレビがずっと録画しておいてくれてますから! 今こそ、全力で使いまくりたい機能です。
「タイムシフトマシン」が、インターネット時代のテレビっ子を救ってくれると言っても過言ではない!
REGZAは6チャンネル分の地上デジタル放送を全録可能。2TBのUSB-HDDを接続し、1日中ずっと録画しておく設定で、最大約3日分を保存できます。容量を超えると、古い番組から順次上書きされていく仕組み
ちなみに今回筆者が自宅で使用した「Z730X」は、東芝4K液晶テレビの最上位に位置づけられるシリーズ。簡単に言うと、搭載する4K液晶パネルには新開発の全面直下型LEDバックライトを備え、映像処理エンジンには「レグザエンジンProfessional」を採用、スピーカー部には豊かな低音を鳴らす「レグザ重低音バズーカオーディオシステムPRO」を内蔵するという全部入り仕様です。
4K液晶REGZAの最上位モデル「Z730X」シリーズ。65/55/49/43型という豊富な4サイズをラインアップ(写真は55型で、IPSパネル採用)。新4K衛星放送受信チューナーを2基搭載した「4Kダブルチューナーウラ録対応」仕様で、4K対応もしっかり強化
まあ、REGZAの基本的な魅力はオーディオ&ビジュアルにくわしい方ほどよくご存知だと思うので、ここでは割愛します。2019年新モデルの特徴詳細については、ぜひ以下の折原一也氏による速報レポートでご確認ください!
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それでは、筆者が自宅で最新の「タイムシフトマシン」を使って実感した楽しさをレポートしていきましょう。改めて、Z730Xの「タイムシフトマシン」機能は、地上デジタル放送を最大6チャンネル分全録できます。今回は2TBのUSB-HDDを接続し、「平日:PM19:00〜翌日AM1:00/土日:AM8:00〜翌日AM1:00」の設定で使ってみました。
下準備としては、REGZA背面にある「タイムシフトマシン録画」用のUSBポートにUSB-HDDを接続します
設定メニューの「タイムシフトマシン録画」で「する」を選択。その上の「かんたんタイムシフトマシン設定」を選ぶことで、初期設定をものすごく簡単に行えます
録画チャンネルは、地デジの中から最大6チャンネルまで任意で選択可能
タイムシフト録画する時間帯も設定できます。2TBのUSB-HDDを接続し、「平日:PM19:00〜翌日AM1:00/土日:AM8:00〜翌日AM1:00」の設定にしたところ、約8〜10日分を保存しておくのが可能ということに。設定中に録画可能日数の目安が表示されるのも便利
REGZAの「タイムシフトマシン」といえば、やはり「過去番組表」が使い勝手の肝でしょう。リモコンの「過去番組表」ボタンを押すと、REGZAの外付けUSB-HDDに全録(タイムシフトマシン録画)された過去の番組表を表示させることができます。そこから見たい番組を選んですぐに視聴をスタート。一般的な電子番組表から番組を選ぶのと同じように、すぐ過去番組に飛べるというのがとにかく使いやすい!
リモコンのまん中にある「過去番組表」ボタンを押すだけで、タイムシフト録画されている過去番組を表示できます
普通の電子番組表は、過去番組を表示させることは不可能なので、フシギな感覚。まさに、タイムマシンに乗って過去にさかのぼっているよう(※画像の番組表はぼかし処理しています)。番組名やキーワードで検索もできるので、お気に入り番組を探すのも簡単
「タイムシフトマシン」を使い続けていると、過去の番組を視聴できることが普通になってきて、いつの間にか「録画をしている」という感覚すらなくなってきます。視聴者が能動的にしなくてはならなかった、「番組の放送時間を調べて、予約録画メニューを設定する」という手順からの解放……!「勝手に全部録画しておいてくれる」というのは本当に快適です。
筆者は、平日仕事を終えて帰宅したら、とりあえずテレビをつけてタイムシフトマシンの過去番組表を表示させ、「今日はどんな番組があったかな〜」とザッピングするのが日課みたいになっちゃいました。絶対多くの人がこうなるはず。
ちなみに筆者は使っている間に「平日昼間の番組も見たい!」と思うようになってきて、途中から「毎日:AM8:00〜翌日AM1:00」で全録する設定に切り替えました。その日のネット記事になっていた番組も、Twitterで話題になっていた番組も、見逃さずに楽しめます。タイムシフトマシン録画した中で、ずっと保存しておきたい番組があれば、そのままUSB-HDDの録画領域に保存設定することも可能。気に入った番組だけをムダなく「あとから録画」している感じです。
お行儀が悪くてすみません、平日仕事を終えて帰宅した筆者の図です。2TBのUSB-HDDを接続した場合、「毎日:AM8:00〜翌日AM1:00」で全録する設定にしても、5日間くらいは番組を保存できます。週末になったら、まとめてその週の放送番組をチェックするという視聴スタイルもアリ
さて、「タイムシフトマシン」で全録している番組を、見やすく満喫できる機能があるのもREGZAのイイところです。続いては、そんな便利な視聴機能を2つ紹介しましょう。
まずは「始めにジャンプ」。現在放送中の番組を視聴しているときに、リモコンの「始めにジャンプ」ボタンを押すと、その番組の冒頭部分へ一気にジャンプして最初から視聴できるというものです(タイムシフトマシン録画している番組のみ)。ボタンひとつで「追っかけ再生」。これがもう本当に便利!
たとえば、平日夜遅くに帰宅して、放送中のニュース番組を途中から見始めることってありますよね。「今日のトップニュース何だったんだろう」と思っても、もう終わってしまっている状態。しかし、そこで「始めにジャンプ」ボタンを押せば、一気に番組の冒頭に飛べるので、トップで取り上げられたニュースから見始めることができるわけです。インターネット放送のアーカイブを再生しているような感覚で、放送中のテレビを見られるんですよ。
放送中の番組冒頭へ一気に戻れる「始めにジャンプ」。ボタンひとつで「追っかけ再生」できるのが快適です。REGZAのある生活をスタートすると、このボタンの使用率がめちゃくちゃ高いです
もうひとつが「ざんまい」機能。タイムシフトマシン録画された過去番組表の中から、お目当ての番組を見つけるのはなかなか大変です。しかし、そんなときはリモコンの「ざんまい」ボタンを押せばOK! タイムシフトマシン録画した膨大な番組をカテゴリーごとにリストアップしてくれるので、とっても探しやすいんです。「ドラマ」「アニメ」など、毎週見逃したくない番組のカテゴリーで特に使用率の上がる機能でしょう。
「今週放送分の中から、未視聴のドラマを探したいな」という場合など、カテゴリー全体で見逃したくない番組があるなら、リモコンの「ざんまい」ボタンを押せばOK! 過去番組だけではなく、放送中の番組もリストアップしてくれます。勝手に録画しておいてくれるだけでなく、それをユーザー側からも「探しやすい」というのがポイント
ちなみに「全録」という機能だけに注目すると、世の中には全録機能を搭載したレコーダー機器もあります。高画質マニアやアニメファンの方など、録画品質や機能にこだわるならこういった録画専用機のほうが適しているかも。「全録できるのが6チャンネル分だと足りない」という人も、7〜8チャンネル分を全録できるレコーダー「REGZAサーバー」や「REGZAタイムシフトマシン」がよい選択肢になります。
最大7チャンネルの全録に対応した3TBブルーレイレコーダー「REGZAタイムシフトマシン DBR-M3009」
しかし、「メインのチャンネルをひとまず全録しておきたい」「ネットで話題になっている番組があったら見たい」というくらいのニーズなら、そこまでのこだわり仕様がなくてもOK。「テレビ+USB-HDD」のセットで完結できるREGZAの「タイムシフトマシン」が、手軽でちょうどイイんです。
というわけで、繰り返しになりますが、忙しい現代社会を生きる私たちは、「見たいテレビ番組の放送時間までに帰宅できない」ことがザラ。それに、テレビ以外のエンターテインメントが充実しているこの時代に、「決まった放送時間にテレビの前にいなくてはならない」という放送視聴ならではのしばりは少々面倒です。そりゃ「若者のテレビ離れ」とか言われちゃいますよね。
しかし「タイムシフトマシン」を使うことで、ネットで知ったテレビ情報を自分のペースで満喫することができるようになります。特に筆者はひとり暮らしなので、自分が帰宅していない時間に放送している番組を、自分の好きなタイミングで見られるというのが本当に快適!
そして、もちろん家族世帯でも「タイムシフトマシン」は便利だと思います。夫婦共働きで、子どもも習い事や塾通いで忙しい昨今は、家族の帰宅時間がバラバラのことも多いはず。帰宅時間の早いお子さんが「今日、たまたまテレビをつけたら放送していたこの番組がおもしろかったよ!」と言って、遅く帰ってきたお父さんと一緒にタイムシフトマシン録画されている番組を見るということも可能です。昔のように、家庭の中心にテレビを置いた家族のコミュニケーションができるというわけ。
つまり現代においても、「放送時間にしばられない」という条件がクリアされれば、昔みたいにテレビを楽しみやすくなるのではないでしょうか。そして、テレビ本体でそれを実現できるのがREGZAの「タイムシフトマシン」。そんなわけで、REGZAはインターネット時代に買う価値のあるテレビのひとつだと思うんです。
オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。