ゼンハイザーから、完全ワイヤレスイヤホンの最新モデル「CX True Wireless」が7月8日に発売される。ゼンハイザーのサウンドクオリティを楽しめるTWS入門機という位置付けで、市場想定価格は17,380円前後だ。
ゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホン最新モデル「CX True Wireless」
カラーバリエーションはブラックとホワイトの全2色
ゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホンは現在、MOMENTUMシリーズとCXシリーズの2つのラインがラインアップされている。前者はアクティブノイズキャンセリング機能を備えた高機能モデル、後者はノイキャンを省いてコスパを重視したモデルという立ち位置だ。
今回登場する「CX True Wireless」も後者に属するモデル。すでにCXシリーズには、2020年に「CX 400BT True Wireless」が投入されているが、「CX True Wireless」では、「CX 400BT True Wireless」に対していただいたユーザーの声を反映し、IPX4相当の防水性能や、低音を増強するBASS BOOST機能などが新たに搭載された。
IPX4に新たに対応。汗や突然の雨などでイヤホンが濡れたときも安心して使用できる
専用アプリ「Sennheiser Smart Control」の画面。BASS BOOST機能は、こちらからONにする形だ。イヤホンのタッチパネルにアサインする各種機能の切り替えにももちろん対応する
音質に関しては、ゼンハイザーのフィロソフィーである音質に一切妥協しないという部分はまったく変わっておらず、「CX 400BT True Wireless」同様、ドイツ ハノーファーの本社で開発した7mmドライバーを搭載。ゼンハイザーサウンドをしっかりと感じられるモデルに仕上げたそうだ。
イヤホン本体は、「CX 400BT True Wireless」とまったく同じデザインを採用。装着感に影響する内側のノズル部分の造形についても、「MOMENTUM True Wireless 2」「CX 400BT True Wireless」ですでに完成していたため、あえて変更しなかったそうだ。ビームフォーミング対応の2マイクや、タッチパネル操作部も「CX 400BT True Wireless」と共通。専用ケースもLEDの位置などが変わっているものの、「CX 400BT True Wireless」のデザインをほぼそのまま引き継いでいる。
「CX True Wireless」のイヤホン本体。タッチパネル部の表面加工が変わり、サラサラとした手触りに
内側のノズル部分の造形については、「MOMENTUM True Wireless 2」や「CX 400BT True Wireless」とまったく同じものとなっている
専用ケースのデザインも「CX 400BT True Wireless」をほぼ踏襲。LEDインジケーターはフロント側に移動した
内蔵チップについてもクアルコム社製チップという部分は同じ(詳細は非公表)で、コーデックのSBC、AAC、aptXのサポートやClass 1出力に対応など、「CX 400BT True Wireless」と共通部分は多いが、Bluetoothのバージョンは最新のBluetooth 5.2となり、イヤホン片側だけで利用できるようになるなどの機能も追加されたことなどから、内蔵チップは「CX 400BT True Wireless」と異なる世代のものが搭載されていることがわかる。
このチップの変更により通信性能が向上したことで「CX 400BT True Wireless」に搭載されていたLDSアンテナが廃止され、コスト低減につながっているようだ。また、省電力性能も向上したようで、バッテリー性能がイヤホン単体で最大9時間(CX 400BT True Wirelessは7時間)、ケース併用で最大27時間(CX 400BT True Wirelessは20時間)へと伸びている点も見逃せないポイントだろう。
「CX True Wireless」をAndroidスマートフォンと組み合わせて試聴
実際に「CX True Wireless」をAndroidスマートフォンとaptXコーデックで接続して聴いてみたが、最初は鳴りが硬い印象があったが、十数時間再生してみるとだいぶこなれてきた。クセのない自然な広がり感、高解像度だが耳にささらずに長時間でも聴けるクリアなサウンドは、これまで発売されたゼンハイザーTWSのサウンドキャラクターと通じるものがある。
「CX True Wireless」で追加されたBASS BOOST機能も試してみたが、元々ゼンハイザーのTWSは量感を伴った聴き心地のよい低域が出ていているので、プリセット設定を「ニュートラル」のままBASS BOOST機能をONにしても、楽曲のジャンルによっては気持ち低域の力強さが加わる程度だ。低域がブイブイ出るEDMだったり、プリセットを人の声にフォーカスした「ポッドキャスト」、動画視聴に最適な「ムービー」などに変更すればもう少し効果が感じられるが、ゼンハイザー自身もサウンドフィロソフィーを壊さない形でのBASS BOOST機能とうたっており、この辺りの加減はポリシーなのだろう。もっとも、低音が欲しいという人にはイコライザー調整機能も用意されているので、BASS BOOST機能と合わせて調整すれば問題ないだろう。
大ヒットした「CX 400BT True Wireles」のDNAをしっかりと受け継ぎつつも、IPX4相当の防水性能やバッテリー性能といった使い勝手に関わる部分をアップデートし、コストパフォーマンスを高めた「CX True Wireless」。ノイズキャンセリング機能や外音取り込み機能といった機能こそないものの、ゼンハイザーのサウンドクオリティをより身近に体験できるモデルとして、この夏の注目の1台と言えそうだ。