レビュー
プラットフォーム刷新で操作性も大きく変更

レグザ独自の機能はどうなった? Android TV化した4K有機ELレグザ「X8900K」全方位チェック

レグザのオリジナル画面には未実装の機能も

「X8900K」シリーズはAndroidプラットフォームに刷新されていることもあって、「MyChoice」「NetTV」「レグザナビ」「ざんまい」とあまり聞き慣れない機能が4つもある。

まず、リモコンの映像配信のボタンの上段中央にある「My.Choice」。こちらは、ショットカットボタンが用意されていないAndroid TVにインストールされているアプリを登録できるというもの(ボタンに登録できないアプリもあり)だが、現在は未実装。将来のアップデートで対応するというメッセージが出るだけで、現在は起動できない。

続いて「NetTV」。現時点でアナウンスされているのは、20チャンネル以上の番組をいつでも無料で見ることができるということだけ。こちらも未実装で、現在はデモ画面のみ表示される。イメージ的にはライブ放送スタイルのネット番組を想定しているようだ。ただ、日本ではテレビ的なライブ配信というと「AbemaTV」や「DAZN」くらいしか浮かばないが、どのような運用がなされるのかはまだまだ未知数といったところ。

「NetTV」は現在ではデモ画面が存在するのみ

「NetTV」は現在ではデモ画面が存在するのみ

続いて「レグザナビ」。これは過去のレグザの「みるコレ」のテレビ番組に関するものをまとめた新UIで、録画パックと関連していて、録画済みの番組などを探したり、パック登録が可能となっている。

レグザの「みるコレ」に関連するメインUI的な存在

レグザの「みるコレ」に関連するメインUI的な存在

それから「ざんまい」。これはレグザには以前から存在する機能で、放送画面を視聴しながらアクセスできる、放送番組や録画番組の“ながら検索”的なものだ。ジャンル検索やパックで番組を探すもので「タイムシフトマシン」付きの機種で本領発揮する機能だが、レグザもパックの自動録画でもある程度は機能する。

「ざんまい」は視聴画面下からポップアップする操作画面

「ざんまい」は視聴画面下からポップアップする操作画面

Android TV採用でGoogleアシスタントも一体化

映像配信を中心としたネット関連についてはAndroid TVという劇的な変化が訪れた。これによってGoogle Playを通してアプリ導入もできるし、音声検索のGoogleアシスタントも一体化されていて、YouTubeとの連動もかなりよくなっている。

実際にいろいろと触れてみると、基本的にプレーンなAndroid TVのUIに近いことがわかる。リモコンに専用ボタンも用意されている「プライム・ビデオ」「YouTube」「Hulu」「U-Next」「YouTube」「AbemaTV」のアプリ以外にも、標準でアプリが入らない「TVer」や「DAZN」、他社サービスでは対応例の少ない「Disensy+」「dアニメ」「TELASA」などのさまざまなサービスに対応できることは大きなメリットだ。ただし、「Netflix」は非対応で、アプリ導入やバージョンアップ対応も不可能というところは契約者にとっては残念なところ。

映像配信系アプリはリモコン上にまとめられている

映像配信系アプリはリモコン上にまとめられている

Google Play対応でさまざまなアプリを入れられるというのは大きなメリットだ

Google Play対応でさまざまなアプリを入れられるというのは大きなメリットだ

利用頻度がかなり高いYouTubeについては、アプリ起動速度が初回起動で約4.7秒、2回目以降は約1.4秒なので十分高速だ。また、Googleアシスタントを一体化しているのでYouTubeとの連動がかなりよくなっていた。たとえば、マイクのボタンを押して「価格ドットコムマガジンの動画を見たい」と声をかけると、一気にYouTubeの動画検索にジャンプするといった具合だ。ちなみに、Googleアシスタントによる操作はテレビ系の操作とは完全に切り離されており、番組表や録画番組を検索するといったことはできないので、あくまでネット系機能ととらえるべきだろう。

リモコンのGoogleアシスタントボタンから音声操作を呼び出せる

リモコンのGoogleアシスタントボタンから音声操作を呼び出せる

音声認識の精度はGoogleアシスタントだけあって問題なし

音声認識の精度はGoogleアシスタントだけあって問題なし

YouTubeの動画再生にスムーズに遷移できる

YouTubeの動画再生にスムーズに遷移できる

「オーケー、グーグル」で起動するハンズフリー操作による音声操作も可能だ。ただ、これはレグザに限った話ではないが、誤認識でいきなり反応し始める(テレビ視聴が中断される)ことがあるので、大目に見てやる必要がある。「オーケーグーグル、NHKを見たい」とチャンネルを操作したり、電源オフの状態から「オーケーグーグル、テレビをつけて」といった基本操作は、リモコンが手元になくても操作できて便利だ。

明るく鮮やかで地デジもネット動画も高画質。サウンドも優秀

最後に「X8900K」シリーズの画質・音質もチェックしていこう。

まず画質については、今回検証したレグザ「48X8900K」では48V型有機ELパネルを搭載、そして高画質エンジンも新規開発の「レグザエンジンZRT」となっている。エンジンも含めて新プラットフォームといったところだが、レグザ最大の特徴である視聴環境やソースに応じた画質自動調整の「おまかせAIピクチャーZRT」を搭載しているので、基本的に映像モードは「おまかせAI」の設定だけで済む。

映像モードは「おまかせAI」を利用可能

映像モードは「おまかせAI」を利用可能

実際に「48X8900K」で地デジを視聴してみると……なかなかの高画質だ。特徴としては有機ELパネルとは思えないほどに平均輝度が高く、画面全体が明るくはっきりしていること。となりに設置した4K有機ELレグザの2000年モデル「X9400」シリーズと比べてもかなり明るく、まるで4K液晶テレビのハイエンド機を見ているようだった。地デジのテロップなどの色の鮮やかさもあるが、人肌などバランスは崩さない。「X9400」シリーズの奥行き感を出す画質と比べると、「X8900K」シリーズは輪郭もはっきりしていてメリハリ重視といったところか。地デジのノイズ処理でテロップのノイズや画面の荒れは抑えていて、地デジ用のチューニングもしっかりと行われている。昨年来レグザが搭載しているクラウドデータと連携する地デジ高画質化技術「クラウドAI高画質」が働いていることもあるだろう。有機ELパネルなので視野角がとても広いというところも、液晶にはないメリットだ。

明るく鮮やかでノイズをしっかり抑えた画質(写真はYouTubeで撮影)

明るく鮮やかでノイズをしっかり抑えた画質(写真はYouTubeで撮影)

サウンドについては、72Wのマルチアンプダブルパッシブラジエーターを組み合わせたダブルレンジスピーカー、クリアツイーターなど合計6個のスピーカーを搭載。スピーカーは下向きアンダースピーカーなのでハイエンドを狙ったものではないが、Dolby Atmos対応、「レグザサウンドプロセスVIR」によるデジタル補正が取り入れられている。

実際に地デジ番組を視聴すると、テレビの画面位置と音の聴こえる位置が一致しているところがサウンドの特徴だ。地デジのワイドショーやスポーツ中継を見ても、出演者の声やアナウンサーの実況が画面に合った上で強調感なく聴こえる。出演者の声にも厚みがあるし、音の厚みと広がりと立体感もある。テレビ用の割り切ったサウンドチューニングではなく、広い帯域で音を聴かせてくれるので、YouTubeで音楽ビデオをBGM代わりに流してみるものよさそう。低音もリズムの刻みがしっかりしていて、この音質なら合格点だ。

最後にPlayStation5と接続して4K/120Hzも体験しよう…‥と思ったのだが、この機能はソフトウェアダウンロードで2021年秋に対応予定なので現時点では確認できなかった。ちなみに、4K/60p信号については、ゲームモードに切り替えた際の「4K HDMI Video Signal Lag Tester」を利用した入力遅延テストは9.7msと、現時点でも優秀であることを報告しておこう。

PlayStation5と接続して4K/120Hzは秋のアップデート待ち

PlayStation5と接続して4K/120Hzは秋のアップデート待ち

まとめ

僕自身も今回のレグザ「48X8900K」のレビューで初めて実機を目にしたレグザ「X8900K」シリーズ。未完成・未実装の部分もまだまだ残っていたり、現時点ではまだまだ発展途上の製品という印象を受けた。ただし録画機能や番組再生機能は従来のレグザよりも賢く扱いやすくなっているし、画質・音質は十分実用レベルになっているので、一般的な用途ではすぐに購入しても大きな問題はない。将来のアップデートを残しているところも含めて、「X8900K」シリーズはじっくり評価するべきモデルといったところだろうか。

折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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