ティアックは、ドイツ・ベルリンで開催された展示会「IFA 2022」に出展。USB DAC内蔵プリメインアンプ「AI-303」を参考展示した。「AI-303」はティアックが展開するコンパクトなオーディオ製品群「Reference300」シリーズの新製品。いまのところ日本での発売日などは未定だ。
横幅215mmのいわゆる「ハーフサイズ」。プリメインアンプとしてはとてもコンパクトにまとめられている
明かされている製品スペックは以下のとおり。仕様は発売時に変更の可能性があるとのこと。
・定格出力は50W×2(4Ω)、25W×2(8Ω)
・入力端子はアナログ音声×2系統、デジタル音声×4系統
・出力端子はスピーカー端子のほか、ヘッドホン出力、サブウーハー用プリアウト
・ARC/eARC対応のHDMI端子を搭載
・Bluetooth対応
・MQAフルデコーダー内蔵
・デジタル信号の対応は最大でDSD11.2MHz、PCM384kHz/32bit
・寸法:215(幅)×61(高さ)×254(奥行)mm
・質量:3.3kg
「Reference300」シリーズのプリメインアンプと言えば、生産終了の「AI-301DA-Z」など、ハーフサイズ(幅215mm)ながらPCと接続してデジタル音声信号を再生できるUSB DAC機能を備え、高機能で人気を博している。旧製品「AI-301DA-Z」のスペックと比較すると、「AI-301DA-Z」の定格出力は28W×2(4Ω)。アンプの出力値が大幅にアップしていることもわかる。
本体色はシルバーのほか、ブラックも用意される
「AI-303」の何よりのポイントは、「ARC/eARC」対応(※ARC/eARCの詳細はこちら)のHDMI端子を搭載したこと。これはテレビとの接続性が飛躍的に向上したことを意味する。HDMIケーブルで「AI-303」とテレビをつないでおけば、放送波やYouTube、Amazon Prime Videoなどテレビで再生した音声をアンプで再生できるという便利な機能だ。
あとは「CEC」(Consumer Electronics Control)機能による連携で音量や入力切り替えを自動で行ってくれればテレビとの相性は完璧! なのだが、この機能を持っているかどうかはわからない。発売時のスペックに期待したい。
ARC/CEC機能に対応したHDMI端子を持つプリメインアンプは珍しいが、利便性はサウンドバーと同等と言ってよい。それでいて好みのスピーカーを選べるので、特に音質やシステムのたたずまいにこだわりたいユーザーに注目していただきたい。同機能を持った製品の代表として挙げられるのは、マランツの「NR1200」。Amazon MusicやSpotifyなどの音楽ストリーミングにも対応することで人気のモデルだ。
マランツの「NR1200」は、HDMIの入出力端子を持った珍しいプリメインアンプ
「NR1200」のHDMI入出力端子。右端が「ARC」に対応した端子だ
「AI-303」は音楽ストリーミングサービスに直接アクセスはできないが、USB DAC機能を搭載しているため、Bluetooth以外のハイファイ志向の音楽再生にも対応できる。「NR1200」のオルタナティブとして、大いに注目すべき製品だ。
AVの専門誌を編集して10年超。「(デカさ以外は)映画館を上回る」を目標にスピーカー総数13本のホームシアターシステムを構築中です。映像と音の出る機械、人が一生懸命つくったモノに反応します。