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Ultra AL32 Processingなどこだわり満載! デノン単体ネットワークプレーヤー「DNP-2000NE」

デノンから、久々にハイグレードのフルサイズネットワークプレーヤー「DNP-2000NE」が登場する。発売は6月中旬を予定。メーカー希望小売価格は275,000円(税込)だ。

デノン「DNP-2000NE」(グラファイトシルバー)

デノン「DNP-2000NE」(グラファイトシルバー)

デノン「DNP-2000NE」(プレミアムシルバー)

デノン「DNP-2000NE」(プレミアムシルバー)

110周年記念モデル「A110」シリーズと組み合わせを想定し、プレミアムシルバーに加え、レギュラーモデルとして初めて「A110」シリーズにも採用されているグラファイトシルバーがラインアップされた

110周年記念モデル「A110」シリーズと組み合わせを想定し、プレミアムシルバーに加え、レギュラーモデルとして初めて「A110」シリーズにも採用されているグラファイトシルバーがラインアップされた

110周年記念モデルにも搭載された「Ultra AL32 Processing」など、こだわり満載の1台

音楽聴取スタイルはディスクメディアからデジタルファイルのダウンロードに移り変わり、今ではストリーミング形式が当たり前になりつつある。そんな昨今の音楽聴取のトレンドをしっかりとフォローするため、ネットワークオーディオプラットフォーム「HEOS」への対応を果たし、PCやNASなどの家庭内ネットワークに接続されたミュージックサーバーの楽曲再生はもちろん、Amazon MusicやSpotifyなどの音楽ストリーミングサービスにも簡単にアクセスできるなど、イマドキの使い方ができる本格的なクオリティを備えたネットワークプレーヤーとして開発されたのが「DNP-2000NE」だ。

ネットワークオーディオプラットフォーム「HEOS」を活用し、Amazon Musicのコンテンツを再生しているところ。スマートフォンやタブレットから手軽にストリーミングサービスの音源にアクセスできる

ネットワークオーディオプラットフォーム「HEOS」を活用し、Amazon Musicのコンテンツを再生しているところ。スマートフォンやタブレットから手軽にストリーミングサービスの音源にアクセスできる

PCやNASなどの家庭内ネットワークに接続されたミュージックサーバーの楽曲再生のほかに、PCと直接接続できるUSB Type-B、USBメモリーなどを接続できるUSB Type-A、光デジタルや同軸デジタルなど豊富なデジタル入力を用意しており、さまざまな機器と接続連携できる

PCやNASなどの家庭内ネットワークに接続されたミュージックサーバーの楽曲再生のほかに、PCと直接接続できるUSB Type-B、USBメモリーなどを接続できるUSB Type-A、光デジタルや同軸デジタルなど豊富なデジタル入力を用意しており、さまざまな機器と接続連携できる

そんな「DNP-2000NE」で「HEOS」対応とともに注目してもらいたい部分がある。それが、HDMI(CEC)の搭載だ。もちろんこれはテレビとの接続を想定したもの。オーディオ界隈では近年トレンドになりつつあるHDMI搭載だが、デノンのHi-Fiオーディオコンポーネントとしては「DNP-2000NE」が初のHDMI搭載となる。

本体背面にHDMI(ARC)×1が用意されており、手持ちのテレビとHi-Fiオーディオシステムを手軽に連携できるのも大きな特徴

本体背面にHDMI(ARC)×1が用意されており、手持ちのテレビとHi-Fiオーディオシステムを手軽に連携できるのも大きな特徴

ARC対応テレビと「DNP-2000NE」を接続することで、テレビ放送やテレビに搭載されているアプリの音声、テレビに接続されたプレーヤーやゲーム機の音声を再生できる。自宅に設置した本格的なHi-Fiオーディオシステムやテレビとデジタルオーディオ再生をつなげる橋渡し的な存在、メーカーのキャッチコピー“新時代の音楽体験を創造するHi-Fiデジタルミュージック・ハブ”という言葉がまさにぴったりの1台と言えるだろう。

IRコントロールケーブルを使用して対応するデノン製品と連携させれば、テレビリモコンでシステム全体の電源やボリューム調整を操作することもできる

IRコントロールケーブルを使用して対応するデノン製品と連携させれば、テレビリモコンでシステム全体の電源やボリューム調整を操作することもできる

そんな「DNP-2000NE」の中身だが、“110周年記念モデルのSACDプレーヤー「DCD-A110」からディスクドライブ機構を省いたモデル”という表現がしっくりくるかもしれない。というのも、最大1,536MHzへのアップサンプリングと32 bitへのビット拡張処理を行う最新のアナログ波形再現技術「Ultra AL32 Processing」や、「Ultra AL32 Processing」の恩恵を最大限に生かすQuad-DAC構成、DACの出力を受けるフルディスクリートI/V変換アンプ回路など、「DCD-A110」と共通する部分がとても多いのだ。

110周年記念モデルのSACDプレーヤー「DCD-A110」にも搭載された最新のアナログ波形再現技術「Ultra AL32 Processing」

110周年記念モデルのSACDプレーヤー「DCD-A110」にも搭載された最新のアナログ波形再現技術「Ultra AL32 Processing」

DACチップを左右チャンネルにそれぞれ2基(4ch)ずつ、合計で4基(8ch)使用したQuad-DAC構成

DACチップを左右チャンネルにそれぞれ2基(4ch)ずつ、合計で4基(8ch)使用したQuad-DAC構成

やや異なる点があるとすれば、Quad-DAC構成で用いられるDACチップだろうか。「DCD-A110」ではTI製「PCM1795」を左右チャンネルにそれぞれ2基(4ch)ずつ、合計で4基(8ch)使用していたが、「DNP-2000NE」ではDACチップの回路構成こそ踏襲しているものの、製品の安定供給の観点からDACチップがESS製「ES9018K2M」に変更されている。製品開発途中でのDACチップ変更となったそうだが、デノン製品のサウンドを統括するサウンドマスターの山内慎一氏によれば、ESS製「ES9018K2M」はキャラクターが素直で、チューニングはやりやすかったという。

ちなみに、「DCD-A110」では、「Ultra AL32 Processing」を用いることで、理論値で-3dB、実機検証では最大で-6dBほどのSN比が改善しているそうだが、今回の「DNP-2000NE」では、DACチップの変更もあり、「Ultra AL32 Processing」の効果は理論値の-3dBに近い値になっているそうだ。

「DNP-2000NE」の内部構成

「DNP-2000NE」の内部構成

写真左が最終製品版の基板、写真右が開発初期段階の基板。実装されているコンデンサーなどが大きく変わっていることがおわかりいただけるだろう

写真左が最終製品版の基板、写真右が開発初期段階の基板。実装されているコンデンサーなどが大きく変わっていることがおわかりいただけるだろう

ほかにも、電源トランスに「DNP-2500NE」で実績のある高出力EIコアトランスをベースにカスタマイズされた専用品を採用したほか、アナログオーディオ用電源回路にサウンドマスター・山内慎一氏が音質チューニングを施した専用の大容量(3,300μF)カスタムブロックコンデンサーを採用したり、ハイエンドSACDプレーヤー「DCD-SX1 LIMITED EDITION」や110周年記念モデル「DCD-A110」などで採用実績のある最高級のPPSC-Xコンデンサーをアナログオーディオ出力回路に投入するなど、デノン独自のカスタムパーツを多数投入。

デジタル特有のノイズ対策にも気を配ったそうで、デジタルオーディオ回路から発生する高周波ノイズのアナログオーディオ回路への流入を排除するアイソレーション回路の搭載や、フレキシブル・フラットケーブルへの銅テープの追加など、こだわりが随所に盛り込まれている。

電源トランスには、デジタル回路とアナログ回路の電源をトランスから完全に独立させた2トランス構成を採用し、相互干渉やノイズの回り込みを徹底的に排除

電源トランスには、デジタル回路とアナログ回路の電源をトランスから完全に独立させた2トランス構成を採用し、相互干渉やノイズの回り込みを徹底的に排除

サウンドマスター・山内慎一氏が音質チューニングを施した専用の大容量(3,300μF)カスタムブロックコンデンサー。ターミナルも削り出しのものが使われている

サウンドマスター・山内慎一氏が音質チューニングを施した専用の大容量(3,300μF)カスタムブロックコンデンサー。ターミナルも削り出しのものが使われている

銅テープを巻いたFFCケーブル。信号が通らなくなる場合もあるため、厚みや貼り付け面積にもこだわったという

銅テープを巻いたFFCケーブル。信号が通らなくなる場合もあるため、厚みや貼り付け面積にもこだわったという

今回、デノンの試聴室にて「DNP-2000NE」を試聴させてもらったが、特に印象的だったのがS/Nのよさ。クラシック『アンドレア・バッティストーニ指揮/イーゴリ・ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」』は、CDクオリティの音源をネットワーク経由で再生したとは思えないほど演奏の細かな音まで明瞭に聴こえてくる。大貫妙子「Cosmic Moon」は、入力をUSB-DACに切り替えてハイレゾ音源版を試聴させてもらったが、これが本当に2ch音源なの?と疑ってしまうほどの広大な音のパノラマが広がる。幅広く使える“Hi-Fiデジタルミュージック・ハブ”として、デジタル音源であってもディスクメディア音源とそん色ないクオリティで楽しめるような方向性でチューニングしたというのも頷ける。

デノンの試聴室で「DNP-2000NE」を体験。組み合わせたスピーカーはB&W「802 D3」

デノンの試聴室で「DNP-2000NE」を体験。組み合わせたスピーカーはB&W「802 D3」

入力端子については、HDMI(ARC)×1のほかに、PCと直接接続できるUSB Type-B×1、USBメモリーなどを接続できるUSB Type-A×1、光デジタル×2、同軸デジタル×1などを用意。出力端子も、アンバランス出力×2(ボリューム固定/可変)、ヘッドホン出力×1、光デジタル×1、同軸デジタル×1が用意されており、多彩な機器との連携が可能だ。

ネットワーク周りは、有線LANのほか、IEEE 802.11a/b/g/n/ac対応無線LANも搭載。Bluetoot 5.2(SBCコーデック)も用意されている。ネットワーク再生は5.6MHz DSD、192kHz/24bit PCMまで、USB-DAC部は11.2MHz DSD、384kHz/32bit PCMまで対応する。

「DNP-2000NE」の背面インターフェイス

「DNP-2000NE」の背面インターフェイス

昨今、ネットワークプレーヤーはSACDプレーヤーやプリメインアンプとの複合機が主流で、単機能モデルに絞ると安価なエントリーモデルが多くなってきている。自宅に設置した本格的なHi-Fiオーディオシステムと組み合わせた際にも十分なクオリティを楽しめる、ネットワークプレーヤー専用機だからこそできる高音質と信頼性を追求したフルサイズのネットワークプレーヤーとして「DNP-2000NE」はとても貴重な存在だ。自宅のHi-Fiオーディオシステムに見合う本格派のネットワークプレーヤーを探している人は、ぜひ「DNP-2000NE」に注目してほしい。

遠山俊介(編集部)

遠山俊介(編集部)

PC・家電・カメラからゲーム・ホビー・サービスまで、興味のあることは自分自身で徹底的に調べないと気がすまないオタク系男子です。PC・家電・カメラからゲーム・ホビー・サービスまで、興味のあることは自分自身で徹底的に調べないと気がすまないオタク系男子です。最近はもっぱらカスタムIEMに散財してます。

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