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JabraからDolby Atmos対応ノイキャンTWS「Elite10」登場。世界で最もタフな「Elite 8 Active」も

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GNオーディオが手がけるJabraブランドから、完全ワイヤレスイヤホンの新モデル「Elite10」と「Elite 8 Active」が発表された。いずれも発売は10月12日で、市場想定価格は「Elite 10」が39,600円前後(税込)、「Elite 8 Active」が32,780円前後(税込)だ。

Jabra「Elite10」。一般販売モデルはチタニウムブラック、クリーム、ココアの全3色。Amazon.co.jpではマットブラックのみ展開となる。Jabraオンラインストアでは全色購入可能だ

Jabra「Elite10」。一般販売モデルはチタニウムブラック、クリーム、ココアの全3色。Amazon.co.jpではマットブラックのみ展開となる。Jabraオンラインストアでは全色購入可能だ

Jabra「Elite 8 Active」。一般販売モデルはネイビー、ブラック、キャラメル、Amazon.co.jpではダークグレーのみの展開。こちらもJabraオンラインストアでは全色購入可能だ

Jabra「Elite 8 Active」。一般販売モデルはネイビー、ブラック、キャラメル、Amazon.co.jpではダークグレーのみの展開。こちらもJabraオンラインストアでは全色購入可能だ

ノイキャン性能は「Elite10」が上。世界で最もタフなイヤホンを謳う「Elite 8 Active」

2モデルの細かな仕様については、以下にまとめた内容をチェックしてほしいが、簡単に説明すると、「Elite10」は同社最高クラスのノイズキャンセリング機能、10mm径のドライバーユニットによる高音質、Dolbyヘッドトラッキング機能などの最新技術を詰め込んだ同社完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデル「Elite 8 Active」はタフネス性能を追求した“Active”を冠する完全ワイヤレスイヤホンの最上位モデルという位置づけだ。

●Jabra「Elite10」の特徴
・10mmスピーカー
・Dolby Atmosに最適化&Dolby Head Tracking搭載
・JabraアドバンストANC搭載(Jabra「Elite 4」搭載ANCの約2倍の性能)
・風切り音抑制ヒアスルー機能搭載
・ANCをオンにした状態で、イヤホン単体最長6時間、ケース併用で最長27時間のバッテリー性能
・充電ケースはワイヤレス充電、急速充電に対応
・イヤホン本体はIP57準拠の準拠の防塵・防水性能
・2台までのBluetoothマルチポイント、最大10台までのマルチペアリング
・対応コーデックはAAC、SBC(LC3、LC3plusコーデックにはファームウェアアップデートで対応予定)

●Jabra「Elite 8 Active」の特徴
・6mmスピーカー
・Dolby Audio対応
・アダプティブハイブリッドANC搭載(Jabra「Elite 4」搭載ANCの約1.6倍の性能)
・風切り音抑制ヒアスルー機能搭載
・ANCをオンにした状態で、イヤホン単体最長8時間、ケース併用で最長32時間のバッテリー性能
・充電ケースはワイヤレス充電、急速充電に対応
・イヤホン本体はIP68準拠、充電ケースはIP54準拠の防塵・防水性能
・MIL規格準拠(MIL-STD-810h)
・2台までのBluetoothマルチポイント、最大10台までのマルチペアリング
・対応コーデックはAAC、SBC(LC3、LC3plusコーデックにはファームウェアアップデートで対応予定)

いずれも、2つのマイクを使用するハイブリッドアクティブノイズキャンセリングを搭載し、周囲の環境に合わせてノイズキャンセリング強度を自動調整する点は同じ。ただし、「Elite10」はアルゴリズムに改良が加えられており、同社従来モデル「Elite 4」に搭載されているノイズキャンセリング機能と比較すると、ノイズキャンセリング性能は約2倍にまで引き上げられているという。ちなみに、「Elite 8 Active」は「Elite 4」比で約1.6倍だ。

「Elite10」のノイズキャンセリング機能は、アルゴリズムが改良された「Jabraアドバンストアクティブノイズキャンセリング」という最新のものを搭載。性能は「Elite 4」比で約2倍に向上しているという

「Elite10」のノイズキャンセリング機能は、アルゴリズムが改良された「Jabraアドバンストアクティブノイズキャンセリング」という最新のものを搭載。性能は「Elite 4」比で約2倍に向上しているという

イヤホン本体・充電ケースのデザインに関しては、同社従来製品とイメージは近いが、細かい部分をブラッシュアップしている。具体的には、「Elite10」は、新開発の楕円形イヤージェルによるセミオープンデザインで、長時間装着時の快適さ重視にシフトしている。

「Elite 10」のイヤホン本体と充電ケース。パッと見た感じのデザインは同社従来製品とほぼ同じだが、イヤホン本体やイヤーピース部分に細かな改良が加えられており、長時間装着時もより快適に使えるようになったという

「Elite 10」のイヤホン本体と充電ケース。パッと見た感じのデザインは同社従来製品とほぼ同じだが、イヤホン本体やイヤーピース部分に細かな改良が加えられており、長時間装着時もより快適に使えるようになったという

「Elite 8 Active」については、“Active”を冠したモデルらしく、リキッドシリコーンラバーでイヤホンをコーティングして装着安定性を重視した路線を継承。さらに、米国MIL規格に準拠し、IP68準拠の防塵・防水性と耐汗性を実現するなど、タフネス仕様をさらに強化したのがポイントだ。同社は世界で最もタフなイヤホン*とアピールする。

*FORCE Technologyによる検証(2023年6月)

「Elite 8 Active」はタフネス仕様をさらに強化し、イヤホン本体はIP68準拠、充電ケースはIP54準拠の防塵・防水性能に。イヤホンは温度40度、湿度93%の環境下でのテストを2時間→40度での熱乾燥テストを15分→塩水噴霧テスト15分を1サイクルで行う加速腐食試験(HACT)を10サイクル以上合格するなど、汗にも強いという

「Elite 8 Active」はタフネス仕様をさらに強化し、イヤホン本体はIP68準拠、充電ケースはIP54準拠の防塵・防水性能に。イヤホンは温度40度、湿度93%の環境下でのテストを2時間→40度での熱乾燥テストを15分→塩水噴霧テスト15分を1サイクルで行う加速腐食試験(HACT)を10サイクル以上合格するなど、汗にも強いという

発表会会場では、「Elite 8 Active」のタフネスさを示す展示も行われていた

発表会会場では、「Elite 8 Active」のタフネスさを示す展示も行われていた

Dolbyの技術を使った注目の空間オーディオ機能。「Elite10」と「Elite 8 Active」でなにが違う?

今回発表された2モデルの機能面で最大の特徴となっているのが、Dolby社の技術を活用した空間オーディオ機能を搭載し、完全ワイヤレスイヤホンでもイマーシブオーディオを楽しめること。空間オーディオ機能の内容は、「Elite10」がDolby Atmos空間サウンドへの最適化とDolby Head Tracking、「Elite 8 Active」がDolby Audioとなっている。

「Elite10」の空間オーディオ機能はDolby Atmos空間サウンドへの最適化とDolby Head Tracking

「Elite10」の空間オーディオ機能はDolby Atmos空間サウンドへの最適化とDolby Head Tracking

「Elite 8 Active」の空間オーディオ機能はDolby Audio

「Elite 8 Active」の空間オーディオ機能はDolby Audio

ただ、2モデルとも“互換性および利用可能条件は、デバイス、アプリケーション、コンテンツによって異なります”という注釈があり、ユーザーとしてはどのようなコンテンツで、どういった使い方をすればベストな体験が得られるか気になるところ。

今回、東京のDolby Japanで行われた「Elite10」「Elite 8 Active」新製品発表会でこの技術の詳細が明らかにされたので、ここからは2モデルで共通する部分と違う部分について詳細をレポートしていきたい。

まず、前提として伝えておきたいのが、「Elite10」「Elite 8 Active」でなくても、スマートフォンやPCといったDolby Atmosのデコーダーを搭載した対応機器でDolby Atmosに対応するコンテンツを再生すればDolby Atmosを楽しめるということ。

日本国内でもDolby技術に対応した配信サービスは徐々に増えてきている。映像配信サービスではDolby Vision+ Dolby Atmos、音楽配信サービスはDolby Atmosが主に使われており、再生するデバイス側にデコーダーがあれば、これらのサービスで使われているDolby技術をフルに体験できる

日本国内でDolby技術に対応した配信サービスの一覧

日本国内でDolby技術に対応した配信サービスの一覧

では、「Elite10」のDolby Atmos空間サウンドへの最適化、「Elite 8 Active」のDolby Audioではなにをやっているか? 結論から言うと、Dolby Atmosに対応した信号が入ってきた場合はそのままDolby Atmosの体験を提供し、もし再生機側にDolby Atmosのデコーダーがなかったり、Dolby AtmosのデコーダーがあってもDolby Atmos対応ではないコンテンツを再生した場合はDolby Atmosみたいに聴こえる空間に音を広げる処理を実施し、Dolby Atmosライクな体験を提供する。

ここで若干ややこしくしている存在が、Dolby Atmosのデコーダーの存在だ。Dolby Atmosのデコーダーというと対応スマートフォンやタブレット端末などを想像しがちだが、こういったハードウェアに統合されている場合もあるし、ハードウェア側が対応していなくても、Windows PC向けに提供されているDolby Accessのようにアプリやソフトウェア側に実装されていて使える場合もあるという。これが、“互換性および利用可能条件は、デバイス、アプリケーション、コンテンツによって異なります”という注釈が付いていることの理由だ。

とはいえ、結果的にはDolby Atmosコンテンツを使った体験もDolby Atmos以外のコンテンツを使った体験も、目指しているゴールはDolby技術を使ったイマーシブオーディオ体験であり、「Elite10」と「Elite 8 Active」で大きな違いはないということになる。では、「Elite10」と「Elite 8 Active」の違いはなにかというと、Dolby Head Trackingの対応有無だ。

「Elite10」では、Dolby社の提供するSDKを使ったヘッドトラッキング技術が搭載されている。音の聴こえる位置が頭の動きに合わせて変化するヘッドトラッキングは、同社がiOS/Android向けに提供している「Jabra Sound+」と連携動作することで実現しており、このヘッドトラッキング技術によってより臨場感や没入感のある体験ができるようになっているという。単純な音楽リスニングよりもスマートフォンで映像コンテンツ視聴する場合など、1か所を集中して見るような使い方のほうがより高い没入感を得られて相性がよいとのことだ。

Dolby Head Trackingへの対応有無という違いはあるが、空間オーディオ機能は「Elite10」と「Elite 8 Active」でほぼ同等ということもあり、本稿前半で触れたノイズキャンセリング機能とイヤホン・充電ケースのデザインの違いでどちらを選ぶかになるだろう。2モデルとも市場想定価格で3万円オーバーのハイエンドモデルということもあり、機能面での不足は少なく、セオリーどおりでいくならノイズキャンセリング機能重視なら「Elite10」ジョギングなどのスポーツシーンでの利用がメインなら「Elite 8 Active」といったように、利用するシーンに応じて選ぶのがよさそうだ。

遠山俊介(編集部)
Writer / Editor
遠山俊介(編集部)
2008年カカクコムに入社、AV家電とガジェット系の記事を主に担当。ポータブルオーディオ沼にはまり、家にあるイヤホン・ヘッドホンコレクションは100オーバーに。最近はゲーム好きが高じて、ゲーミングヘッドセットにも手を出している。家電製品総合アドバイザー資格所有。
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