シーリング照明一体型のプロジェクターでおなじみの「Aladdin X」シリーズに新製品が登場。超短焦点プロジェクター「Aladdin Marca(アラジン マルカ)」が発表された。メーカー希望小売価格は149,800円(税込)。すでにオンライン販売が開始されており、店頭でも2023年10月31日から販売される。
超短焦点プロジェクター「Aladdin Marca」。テレビ台に置いて壁に投写したり、写真のように超短焦点プロジェクター専用のスクリーンと組み合わせたり、ニーズに応じた設置ができる
「Aladdin Marca」の基本スペックは以下のとおりで、壁から24cmの距離で100インチ画面の投写が可能な超短焦点プロジェクター。スタイリッシュな本体デザイン、harman/kardon製2.1chスピーカーによるトータルでの品質を訴求している。
「Aladdin Marca」の主なスペック
●方式:DLP
●解像度:水平1,920×垂直1,080画素(フルHD)
●光源:LED+レーザー
●明るさ:1,000ルーメン(ANSI)
●接続端子:HDMI入力2系統(うち1系統はeARC対応)、ほか
●寸法:427(幅)×263(奥行)×119(高さ)mm
●重量:5.31kg
●スピーカー出力:8W×2(高域)+15W(低域)
●HDR対応:HLG、HDR10
●Wi-Fi対応:2.4GHz/5GHz 802.11a/b/g/n/ac
●備考:自動壁色補正機能、凹凸自動補正機能、オートフォーカス、自動台形補正機能対応
本体はファブリックに覆われていて、どんなインテリア性にもなじみやすいベージュっぽい色合い
HDMI入力を2系統装備。1系統はeARCに対応するので、サウンドバーやAVアンプとの連携も可能。拡張性も確保されている
専用の操作リモコン。XGIMI製品と共通デザインのものが付属する
ご存じの人もいるはずだが、「Aladdin X」という会社は2022年に「popIn Aladdin」事業を譲渡された新しい企業だ。
2022年6月、すでにシーリング照明一体型のプロジェクターで人気だった「popIn Aladdin(ポップインアラジン)」事業をXGIMI(エクスジミー)が買収。そのプロジェクター事業を担う新会社として「Aladdin X」が設立された。そして、この「Aladdin Marca」は「Aladdin X」設立後始めての製品となる。
「Aladdin Marca」の発表会が開催され、製品と会社についての説明が行われた。XGIMIには研究開発施設、自社工場があり、XGIMIならびにAladdin Xの製品はここで生み出されるという。研究開発施設と工場は約300億円をかけて建築されたそうで、24万平方メートルの広さを誇る
さて、「Aladdin X」と言えば、冒頭のとおりシーリング照明一体型のプロジェクター「Aladdin X2 Plus」などが人気だが、新製品「Aladdin Marca」は新形態と言える超短焦点プロジェクターだ。そこには、以前からの価値である「Aladdin Xの魔法」をさらに広く普及したいという思いがあるという。
「存在感のなさ」「大画面」「豊かな空間」それらが一体になって生み出すのが「Aladdin Xの魔法」。そのコンセプトを踏襲したのが超短焦点プロジェクター「Aladdin Marca」だ
「Aladdin X2 Plus」にも明白な弱点がある。それはダウンライトを使う部屋や斜め天井の部屋では使えないということ。そこで誰にでも使えるよう提案されたのが、超短焦点プロジェクターというわけだ。「Aladdin Marca」は、「大画面」「視聴体験」(画質・音質)、「価格」これらすべてが満たされるように企画されたという。
「Aladdin X2 Plus」は、天井設置型の照明の代わりに使う仕様のため、部屋によっては使えないこともあった
転換期となったのは短焦点レンズを搭載した「popIn Aladdin 2」(2020年4月)。これによってより多くの人々にリーチできたが、使用できない部屋があるという問題は解決できていなかった。そこで次の手として提案されたのが、超短焦点プロジェクターだ
「Aladdin Marca」の希望小売価格は149,800円(税込)。確かに、テレビの代わりとして考えても悪くない価格だと言えるだろう。それでは「大画面」「視聴体験」(画質・音質)の要素はどのように満たされているのだろう。各要素を紹介しよう。
「大画面」はもちろん手軽に大画面の投写ができること。投写面(壁など)から24cmで100インチの投写が可能だ。投写できる画面サイズの範囲は80〜120インチ
解像度がフルHDで、光源はLEDとレーザーをハイブリッドで使った「Dual Light」。光源の寿命については言及されていないが、かなりの長寿命であることが想定される。テレビのように使っても、光源の寿命を心配する必要はないだろう
スピーカーは2.1ch構成。Dolby Audio、DTS-HD Master Audioのデコードに対応するほか、DTS Virtual:Xによるバーチャルサラウンド再生も可能だ
昨今のプロジェクターで定番となっているオートフォーカスや自動台形補正機能だけでなく、自動壁色補正機能、凹凸自動補正機能も搭載。壁紙補正も凹凸補正も、主に壁投写時に役立つ機能だ。どちらも実測後に逆補正をかけておくような仕組み
また、「Aladdin X」シリーズは独自OSで動き、オリジナルコンテンツを搭載していることも特徴だ。その代表のひとつが、現在話題になっている「スイカゲーム」。この1か月半ほど(9月上旬から10月29日まで)の間に300万ダウンロードを突破するほどの人気だという。
発表会では、そのほかにも親子で楽しめるコンテンツを多数用意していることがアピールされた。もちろん、YouTubeやTVer、U-NEXT、Amazonプライム・ビデオ、Netflixなど各種アプリも使えるので、映画ファンも安心。とにかく使いやすさをフォローし、ワンストップで各種コンテンツの再生までをまかなえる親切さが「Aladdin Marca」ならではの魅力と言えそうだ。
「焚き火」など、流しっぱなしにしておくための“BGV”的な素材もプリインストールされている
普段は時計を投写しておくこともできる。アナログ/デジタルなどさまざまな表示方式が用意されていた
Nintendo Switchにも移植された「スイカゲーム」。元々は「Aladdin X」シリーズのための独自コンテンツだった。もちろん、「Aladdin Marca」でもプレイできる
本当に「テレビのように」使うのならば、専用の耐外光型スクリーンは必須。明るい部屋でしっかりしたコントラストの映像を得られないからだ。発表会ではXGIMIオリジナルの立ち上げ式耐外光型スクリーン(日本未導入)が使用されていた
本体の「モード切り替え」には「テレビモード」があり、推奨テレビチューナーをつないでこのモードにしておけば、スイッチを入れるとテレビ視聴画面になる。「テレビ代わり」としても完成度を高める工夫がされているのだ
画質を調整するための「映像モード」には「ゲーム」も用意される。このときの遅延は28msとのこと