Sonova Consumer Hearing Japanは、ゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホンの最新フラッグシップモデル「MOMENTUM True Wireless 4」を発表しました。カラーバリエーションは、Black GraphiteとWhite Silverの2色展開。発売は2024年3月頃を予定しており、価格はオープンプライス、市場想定価格は現時点では未定となっています。
ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless 4」
初代モデルの登場から約5年が経過し、今回ついに4世代目となった「MOMENTUM True Wireless」シリーズ。先代の「MOMENTUM True Wireless 3」もハイブリッド方式のノイズキャンセリング機能の搭載やaptX Adaptive対応など機能面で大きな進化を遂げたことで話題となりましたが、今回の「MOMENTUM True Wireless 4」はそれらをさらに上回る進化を遂げたといいます。
進化ポイントはいくつかありますが、まず注目したいのがイヤホンの核である音質でしょう。今回の「MOMENTUM True Wireless 4」でも歴代の「MOMENTUM True Wireless」シリーズ同様、自社開発の口径7mmのダイナミック型ドライバー「TrueResponse(トゥルーレスポンス)トランスデューサー」1基というドライバー構成を引き続き採用していますが、「TrueResponseトランスデューサー」自体は改良された最新版になっています。最新版では3~5KHzあたりをよりクリアに、8kHzあたりのピーキーな部分は従来よりもマイルドになるように調整したそうで、その結果、空間の広がりなど、明瞭なサウンドステージをより感じられるようなサウンドに仕上がっているそうです。
「MOMENTUM True Wireless 4」のイヤホン本体。自社開発の口径7mmのダイナミック型ドライバー「TrueResponse(トゥルーレスポンス)トランスデューサー」1基というドライバー構成は先代の「MOMENTUM True Wireless 3」と同じです
ノイズキャンセリング機能についても、さらなる進化を遂げたといいます。周囲のノイズレベルに合わせて自動でノイズキャンセリングレベルを調整する「ハイブリッドアダプティブノイズキャンセリング」仕様、片側3基、計6基というマイク構成などは先代の「MOMENTUM True Wireless 3」と同様ですが、ノイズ低減マイクを新たに採用したほか、ノイズフィルターのデザインをアップデートしたことで、音質を損なうことなくより自然で効果の高いノイズキャンセリング機能を実現したそうです。また、ノイズ低減マイクの採用は外音取り込み機能にも大きく寄与。先代の「MOMENTUM True Wireless 3」に比べ、ホワイトノイズの少ないより自然な外音取り込み機能を楽しめるようになったそうです。
さらに、今回の「MOMENTUM True Wireless 4」は、Bluetooth対応コーデックが大きく拡充されている点も見逃せません。クアルコム製のBluetoothチップとノイズキャンセリング機能などを統合した独自のDACチップを組み合わせた2チップ構成は「MOMENTUM True Wireless 3」と共通ですが、クアルコム製のBluetoothチップをSnapdragon Soundプラットフォーム準拠・Bluetooth 5.4対応の最新のものへとアップデートしたことで、SBCやAAC、aptX、aptX Adaptiveといったコーデックに加え、次世代オーディオコーデックのLC3や、CDと同等の44.1kHz/16bitのワイヤレス伝送が可能なaptX Losslessにも対応を果たしました。
通話性能に関しては、AIの最適化で自分の声を正確に拾い上げることができるようになり、より鮮明に届けられるようになったほか、ビジネスコミュニケーション分野で開発された「コールバーチャル技術」と呼ばれる新技術を搭載したのがポイント。通話相手の声に独自のアルゴリズム処理を施し、相手の声が頭の中ではなく自分の目の前で聴こえるようにすることで、長時間の会話でも疲れにくくなっているそうです。
「MOMENTUM True Wireless 3」にも搭載されているノズル部に搭載されているイヤーチャンネルマイクで低音を拾い、体の中の騒音を低減することで通話品質を高めるというアプローチは「MOMENTUM True Wireless 4」にもしっかり受け継がれています
イヤホン本体はIP54の防塵・防滴に対応。ノイズキャンセリング機能オフの状態のバッテリー性能は、イヤホン単体で最大7.5時間、充電ケース併用で最大30時間。ノイズキャンセリング機能オンでもイヤホン単体で最大7時間は駆動できるそうです。また、長期間使ったときでも、パフォーマンスが低下しにくいバッテリープロテクション機能や、8分の充電で約1時間の音楽再生が可能な急速充電、ワイヤレス充電にも対応しています。
「MOMENTUM True Wireless」シリーズのアイコンにもなっているファブリック素材を使用した充電ケース。ワイヤレス充電にもしっかりと対応しています
音質だけでなく、ノイズキャンセリング機能や外音取り込み機能の強化、LC3やaptX Losslessへの対応など、全方位で着実な進化を遂げてきた「MOMENTUM True Wireless 4」。発売時期がまだ先ということで、市場想定価格が未定となっているのが少々気になるところではありますが、音質重視の完全ワイヤレスイヤホンの新たな選択肢として要注目なのは間違いありません。