ソニーから、重低音に特化した新シリーズ「ULT POWER SOUND(アルトパワーサウンド)」が発表されました。海外では先行して発表されていましたが、日本市場ではワイヤレスヘッドホン「ULT WEAR(WH-ULT900N)」と、ワイヤレススピーカー「ULT FIELD 7(SRS-ULT70)」「ULT FIELD 1(SRS-ULT10)」の全3モデルの展開を予定。発売日は「ULT WEAR」と「ULT FIELD 1」が4月26日、「ULT FIELD 7」が5月24日となっており、市場想定価格は「ULT WEAR」が33,000円前後、「ULT FIELD 7」が66,000円前後、「ULT FIELD 1」が20,000円前後(いずれも税込)となります。
ソニー「ULT POWER SOUND」シリーズ
ソニーの重低音モデルと言えば「EXTRA BASS」が有名ですが、今回の新シリーズは“アリーナの最前列にいるような心震える臨場感”をコンセプトにした「EXTRA BASS」とは異なる新シリーズとなります。いずれも「ULTボタン」と呼ばれる専用ボタンが搭載されており、ボタンひとつで圧倒的な重低音サウンドを楽しめるのが特徴となっています。さっそく各モデルの特徴を詳しく見ていきましょう。
「ULTボタン」を押すだけで重低音サウンドを手軽に楽しめるのが「ULT POWER SOUND」シリーズ最大の特徴です
「ULT WEAR」は、ノイズキャンセリング機能を搭載したワイヤレスヘッドホンとなります。ノイズキャンセリング機能搭載で低音重視のワイヤレスヘッドホンと言えば「EXTRA BASS」シリーズの「WH-XB910N」がすでにラインアップされていますが、こちらはすでに市場在庫が少なくなってきており、価格帯的にも「ULT WEAR」が実質的な後継モデルとなりそうです。
ノイズキャンセリング機能を搭載したワイヤレスヘッドホン「ULT WEAR」
「ULT WEAR」のカラーバリエーション。人気のブラック(写真中央)に加え、フォレストグレー(写真左)、オフホワイト(写真右)の全3色をラインアップ
特徴としては、迫力のある重低音再生とクリアな高域再生を実現するために、ULT専用設計の口径40mmドライバーユニットを搭載したこと、そして「ULT POWER SOUND」シリーズの特徴である「ULTボタン」を搭載したことがあげられます。
ちなみに、「ULTボタン」に関しては、深い低音と低音に埋もれないクリアなボーカルを楽しめる「ULT 1」、「ULT 1」にパワー感をプラスした「ULT 2」、OFFの3種類のモードを切り替えて楽しめるようになっており、「ULT 2」モードに関しては、ソニー史上最高の重低音体験を実現*したそうです。
*ULT 2に設定の場合。2024年4月16日(火)時点。ソニー調べ
「ULTボタン」は左のイヤーカップに用意。ちなみに、デフォルトのサウンドモードは「ULT 1」に設定されています
「ULT WEAR」は独自アプリ「Sony | Headphones Connect」にも対応。サウンドモードの切り替えはアプリからも行えます
実際に「ULT WEAR」を試聴してみましたが、デフォルト設定の「ULT 1」は重低音の迫力をしっかりと楽しめるのにボーカルが埋もれることがなく、自然な音の広がりを楽しめるので音楽を心地よく楽しむことができました。「ULT 2」に関しては、まるでライブ会場のスピーカーの正面で音を浴びるかのような圧倒的なパワー感が印象的。楽曲のジャンルによってはビートソニックもしっかりと感じられるほどです。かなり重低音に振ったサウンドバランスのため多少好みが分かれそうですが、ボリュームを上げて音を浴びるように聴いて気分をスイッチしたいときに重宝しそうです。
ノイズキャンセリング機能については、ノイズキャンセリング機能搭載のフラッグシップモデル「1000X」シリーズにも使われている統合プロセッサー「V1」を搭載。4つのマイクを制御するデュアルノイズセンサーテクノロジーも備わっており、「WH-XB910N」よりもノイズキャンセリング性能が向上しているそうです。なお、ソニー独自のノイズキャンセリング性能比較表によれば、「ULT WEAR」は「WH-1000XM5」の星5つ、「WH-1000XM4」の星4つに次ぐ星3つの性能にあたるそうです。
ほかにも、ノイキャン・外音取り込み・通話中の風ノイズをより低減させた新規設計のマイク周辺機構の採用、静電センサー方式の装着検出機能の搭載、最大30時間(ノイキャンONの場合、OFFの場合は最大50時間)のロングバッテリー、3分で1.5時間再生/10分で5時間再生の急速充電機能、圧縮音源をCD音源相当までアップスケーリングする「DSEE」、LDACコーデックのサポート、ソニー独自の「360 Reality Audio」への対応、マルチポイント接続対応など、ソニーのワイヤレスヘッドホンらしい充実の機能性を有しています。
イヤーパッドは耳周りの空間を広く確保することで、装着性にも配慮
スイーベル・折りたたみにも対応。キャリングケースに収めてコンパクトに持ち運びできます
「ULT WEAR」はHi-Fiサウンドとは異なる重低音特化のサウンドチューニングではありますが、強烈な重低音で屋外でも迫力あるサウンドを楽しめるワイヤレスヘッドホンを探しているなら間違いなく選択肢のひとつになりそうです。
「ULT FIELD 7」と「ULT FIELD 1」は、バッテリーを内蔵したワイヤレススピーカーになります。ちなみに、両モデルともマルチレイアウトデザインを採用しており、縦置き・横置き両方のスタイルに対応可能。IP67の防水・防塵に加え、ソニーのワイヤレススピーカーではおなじみの防錆(ぼうせい)性能も有しており、海辺の砂浜などに持ち出して使用することもできます。
中型モデルの「ULT FIELD 7」。横置き時の本体サイズは512(幅)×222(奥行)×224(高さ)mm、重量は6.3kgとそれなりに大きいですが、両端にハンドルが用意されており、持ち運びは思ったよりも苦になりません
小型モデルの「ULT FIELD 1」は、ブラック(写真中央手前)のほか、オレンジ(写真左奥)、オフホワイト(写真中央奥)、フォレストグレー(写真右奥)の全4色のカラーバリエーションをラインアップ。横置き時の本体サイズは206(幅)×76(奥行)×77mm(高さ)mm、重量は約0.65kgとなります
「ULT FIELD 7」「ULT FIELD 1」ともにIP67の防水・防塵と防錆(ぼうせい)性能を有しており、海辺の砂浜などでも使用できます
「ULT FIELD 7」は、約114mm×114mmのX-Balanced Speaker Unitを搭載した矩形ウーハーとデュアルパッシブラジエーターに加え、直径約46mmの広帯域ツイーターを搭載することで、迫力の音圧・重低音とクリアなボーカル再生の両立を実現。「ULT POWER SOUND」シリーズの特徴である「ULTボタン」ももちろん搭載されており、深い低音を強調した「ULT 1」、「ULT 1」にパワー感をプラスした「ULT 2」、OFFの3種類のモードを楽しめるようになっています。なお、デフォルト設定は「ULT 2」になるとのことです。
また、大きめの筐体サイズを生かし、マイク/ギター入力端子やオーディオ入力端子、キーコントロールやマイクエコーなどの便利な機能を搭載。イルミネーション機能も備わっており、屋外でのイベントやパーティーなどにも活躍してくれそうです。なお、バッテリー駆動時間は最大約30時間となります。
ギターなどの楽器やマイクも接続でき、カラオケなどにも活用できます
本体横置き時側面にあたる部分にイルミネーション機能が用意されています
「ULT FIELD 1」は、マルチウェイストラップでフックなどに引っ掛けて使えるのが大きな特徴です。持ち運びに便利なコンパクトな筐体サイズですが、デュアルパッシブラジエーターで低域を強化するとともに、Bluetoothを活用したソニーの小型ワイヤレススピーカーとして初めて2ウェイスピーカーユニット構成を採用することで、重低音だけでなくクリアでパワフルなサウンドを楽しめるように仕上げたそうです。
「ULT FIELD 1」はマルチウェイストラップを使い、フックなどに引っ掛けて使用できるのもポイント。マルチウェイストラップはユーザー自身で長さなどを調整することができます
なお、「ULT FIELD 7」では「ULTボタン」の切り替えで3つのサウンドモードが楽しめますが、「ULT FIELD 1」のサウンドモードは「ULT」とOFFの2種類のみ。「ULT FIELD 1」の筐体サイズと利用シーンを考えたうえであえてこの2種類に絞ったとのことです。バッテリー駆動時間は最大約12時間です。