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30万円で買える100インチテレビってどうなのよ! 実際に見て気になった3つのこと

100V型のチューナーレス4K液晶テレビ「Xiaomi TV Max 100 2025」。本体の幅は2,229mm

100V型のチューナーレス4K液晶テレビ「Xiaomi TV Max 100 2025」。本体の幅は2,229mm

Xiaomi(シャオミ)が100V型(インチ)のチューナーレス4K液晶テレビ「Xiaomi TV Max 100 2025」を発売した。市場想定価格は299,800円(税込)。昨今は100V型(インチ)のテレビが珍しいものではなくなってきたが、なんと30万円を切る価格で100V型(インチ)のテレビを購入できる時代が(急に)やってきたのだ。

主なスペックは以下のとおり。

「Xiaomi TV Max 100 2025」の主要スペック
・画面サイズ:100V型(インチ)
・解像度:3840✕2160
・パネル:倍速仕様(最大144Hz駆動対応)
・OS:Google TV
・HDR対応:HDR10、HDR10+、HLG、Dolby Vision
・スピーカー仕様:15W✕2(ツイーター+フルレンジの2ウェイ)
・備考:量子ドット技術採用

スペックはいたって凡庸な100V型(インチ)テレビ

2024年10月10日、Xiaomiは日本で展開する新製品の発表会を実施。そこでの目玉はライカ監修のカメラを搭載したスマートフォン「Xiaomi 14T/14T Pro」だったのだが、同時に「Xiaomi TV Max 100 2025」も発表された。

ライカと共同開発したカメラ性能が売りの「Xiaomi 14T」シリーズ。上位モデル「Xiaomi 14T Pro」SIMフリー版の価格は109,800円(税込)から

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Xiaomiといえば少し前に約8.5万円で購入できるmini LEDバックライト搭載液晶テレビ「Xiaomi TV S Mini LED 2025」シリーズなどを発表し、話題になったばかり。総合家電メーカーとして、日本での認知度を着実に高めている。今回発表されたのも同じくチューナーレステレビだが、mini LEDバックライト搭載モデルではない。

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チューナーレステレビをグローバルで一括展開することでローカライズの手間を省き、同一製品の大量生産によってコストダウンしていることは以前からの方策だろう。それにしても、という値付けである。価格は55/65V型(インチ)の最新有機ELテレビとほぼ同じと言ってよいレベル。予算だけで考えれば、100V型(インチ)テレビが手の届くところにある気がするではないか。

スペック詳細は上記のとおりで、言ってみればごく普通の4Kテレビだ。こうした何の変哲もなさは先行して発売された「Xiaomi TV S Mini LED 2025」「Xiaomi TV A Pro 2025」シリーズと同じコンセプトと見てよさそう。

とはいえ、とにかく安さだけを追求した4Kテレビかと言うと必ずしもそうではなく、量子ドット技術を採用し色域はDCI-P3比で94%のカバー率を謳うこと、144Hz駆動にも対応する倍速パネルであることは見所と言えるかもしれない。これは100V型(インチ)パネルの供給元の都合かもしれないが。

「QLED」つまり量子ドット技術を採用したテレビであることをアピール。mini LEDバックライトは非搭載だが、発表会会場での担当者によればLEDバックライトのローカルディミング(エリア/部分駆動)は行っているという

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スピーカーシステムはツイーター+フルレンジという2ウェイ構成のステレオ。実機を確認したところ、本体下向きに設置されているようだった

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OSはGoogle TV。YouTubeやNetflix、Amazonプライム・ビデオなどを自由に楽しめる

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シンプルなスティックタイプリモコンが付属。YouTubeやNetflix、Amazonプライム・ビデオのダイレクトボタンを備える

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ちなみに、「Xiaomi TV Max 2025」シリーズのグローバルサイトを見ると85V型(インチ)も展開されている模様だ。日本では2024年5月に「Xiaomi TV Max 86」が発売されたばかりという都合があっての100V型(インチ)発売なのかもしれない。スペック的には、「Xiaomi TV Max」シリーズのOSをAndroid TVからGoogle TVに改め、量子ドット技術を採り入れたアップデート版が「Xiaomi TV Max 2025」シリーズということのようだ。

「Xiaomi TV Max 100 2025」を見て気になった3つのこと

写真のとおり、発表会会場ではあるものの、「Xiaomi TV Max 100 2025」を確認できた。暗室などでじっくりと確認せずとも気になったことがあったので、ここで確認しておこう。

映り込みが気になる

まず気になったのは、映り込み(反射)が激しいこと。これは「Xiaomi TV Max 100 2025」の画質がどうこうということではなく、100V型(インチ)のテレビでは避けられないことだろう。「Xiaomi TV Max 100 2025」の表面はツルツルのグレアタイプではないのだが、ここまで画面が大きいとどうしても相対的に映り込みが気になってしまう。

明るい映像では気にならないのだが、黒みの多い映像になると、何かが映り込んでいる面積が大きくなり、それが気になるのだ。

これを回避するには真っ暗な部屋で使えばよいわけだが、映り込みがゼロになるような全暗環境は、普通の家ではなかなか作りにくい。たとえ夜であっても、外から街灯が差し込むこともあるし、遮光カーテンを使ったら使ったで、少しの明かりとその反射が気になってきてしまうものなのだ。

なお、ピクチャーモード(映像モード)は写真の5種類。周囲の明るさに応じた明るさ調整を行う「環境光検知」機能もある。この写真でも、周囲の人が映り込んでいるのがわかる

なお、ピクチャーモード(映像モード)は写真の5種類。周囲の明るさに応じた明るさ調整を行う「環境光検知」機能もある。この写真でも、周囲の人が映り込んでいるのがわかる

画面の均一性も気になる

次に気になったのは、画面の均一性だ。やはりこれも画面が大きくなったことによる副作用で、同一系統の色が画面全体に映った場合に特にわかりやすい。どこをとっても同じ色というわけにはいかず、画面内の部分ごとにムラが出てしまうのだ。

暗室でじっくりと画質をチェックしたわけではないのだが、発表会会場で「ピクチャーモード」を「標準」や「FILMMAKER MODE」にしても根本的に解決するわけではなかった。こうした均一性は工業製品としてのクオリティを突き詰めていけば緩和できる問題ではある。ただし、それを期待できるのは相当な高級品のみ。「Xiaomi TV Max 100 2025」に求めるのは酷というものだろう。

「もしかしたら、そういうの気になっちゃうかも」と思う人は、「Xiaomi TV Max 100 2025」の検討は避けたほうが無難だ。

搬入経路が心配

最後に気になったのは、搬入経路のこと。設置場所のことは誰もが考えるだろうが、意外と抜けてしまうのがそこにいたる経路のことなのだ。幅は2,229mm、重さは約59.6kg(スタンド含む)という本体をどう設置場所まで通すか、搬送業者はどこまで作業をしてくれるのか、もし購入を検討する場合はしっかりとシミュレーションと問い合わせをしていただきたい。

なお、箱に入った場合のサイズはさらに大きく、2,449(幅)✕1476(高さ)✕262(奥行)mm(76kg)だ。

本体裏には頑丈そうなハンドルが取り付けられていた

本体裏には頑丈そうなハンドルが取り付けられていた

まとめ:100インチ大画面の最高画質はなかなか得られないが……

Xiaomiでは「ホームシアターへ、ようこそ」というキャッチを付けて「Xiaomi TV Max 100 2025」をプッシュしていくようだ。確かに、(設置さえできれば)100インチ大画面を簡単に、しかもほどほどの価格で実現できる方法であることは間違いない。

100インチ大画面を実現する方法としてはプロジェクターもありうるが、こちらを明るい部屋で使おうとすると、映像の明るさを確保するのが非常に難しい。その点、100V型(インチ)テレビは明るさで困ることは考えにくい。

ただし、いっぽうで映り込みや画面均一性の問題は避けられない。このことは覚えておいたほうがよいだろう。

厳しいことを言ったように感じられるかもしれないが、100インチ大画面実現のために「Xiaomi TV Max 100 2025」を購入するのは、“アリ”だと思う。搬入と設置の労力次第だが、「とにかく画面がデカい」ことは些末なことがどうでもよくなるほどのインパクトがあるからだ。

筆者の経験則でしかないのだが、映像作品への没入度が劇的に高まる画面サイズのスレッショルド(変化のポイント)は、100インチ前後にあるのではないかと思っている。65V型のテレビでもそれ以下のサイズとは一味違う没入感があるが、80V型前後(77V型や86V型)でまた一味違い、100V型で最も大きな変化があるのではないか……。

というわけで、“大きいことはいいこと”なのだ。ただし、ムラがあるとか、黒が沈まないとかは言いっこなし! 気になる場合はプロジェクターで100インチをぜひ検討していただきたいし、この製品がそのきっかけになればよいと思う。

柿沼良輔(編集部)
Writer / Editor
柿沼良輔(編集部)
AV専門誌「HiVi」の編集長を経て、カカクコムに入社。近年のAVで重要なのは高度な映像と音によるイマーシブ感(没入感)だと考えて、「4.1.6」スピーカーの自宅サラウンドシステムで日々音楽と映画に没頭している。フロントスピーカーだけはマルチアンプ派。
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