Aladdin X(アラジンエックス)が、照明一体型プロジェクターの新製品「Aladdin X2 Light」を発売した。メーカー希望小売価格は99,800円(税込)。型番が示すように、現行品「Aladdin X2 Plus」の“ライト”バージョンで、基本機能を継承しつつ、より手軽に「Aladdin X」シリーズを楽しめるようにと価格が抑えられた製品だ。
なお、「Aladdin X2 Plus」のメーカー希望小売価格は129,800円(税込)。両製品は併売される。
シーリングライトのソケットに取り付けて使う、照明一体型プロジェクター「Aladdin X2 Light」。プロジェクターとしてのスペックをひと言で表せば、LEDを光源とした単板式のDLPプロジェクターだ
「Aladdin X2 Light」の使用イメージ。一般的なシーリングライトのソケットに設置するだけで、照明としても、プロジェクターとしても利用できる
「Aladdin X」シリーズとは、Aladdin X社が展開する照明、プロジェクター、スピーカーが一体となった製品のこと。2018年に「popIn Aladdin」(ポップインアラジン)として製品をデビューさせて以来、同タイプの製品をブラッシュアップし続けている。
「Aladdin X2 Light」でのブラッシュアップのポイントは、大まかに言えば3つ。照明器具としての機能性アップと、本体の小型化、そして10万円を切る価格だ。
旧popInがXGIMI(エクスジミー)の傘下に収まり、新たに設立された会社がAladdin X。現在はXGIMIと技術を共有しているようだ。XGIMI「HORIZON S Max」のニュース記事で紹介したように、XGIMIはグローバルでのホームプロジェクター出荷量世界1位(※)であるという。※2023年1月〜12月 出典:Runto Technology 2023年グローバルプロジェクター市場分析報告
「Aladdin X」シリーズをより手軽に楽しめるように企画された「Aladdin X2 Light」
AndroidベースのオリジナルOSを搭載。さまざまなアプリをインストールして、「Aladdin X2 Light」単体で動画コンテンツやゲームを楽しめる
「Aladdin X2 Light」は「Aladdin X2 Plus」よりも“ライト”になった製品なのだが、照明器具としての機能性はむしろ上がっている。内蔵したLEDライトモジュールの性能向上によるところが大きいようだが、照明器具としての明るさ(光束)が向上して5,500ルーメンとなった。最大で14畳の広さに対応するとしている。
また、色温度や色の変更など調光、調色に対応し、4パターンのプリセットを登録しておける。50色に変更可能なLEDライトを搭載したことが「Aladdin X2 Light」でのポイント。音楽に合わせて明るさや色を変える「ミュージックモード」にも対応する。
いっぽうで本体は小型化している。これは設置のしやすさのためというよりは設置時の圧迫感を考慮してのことだろう。
左が「Aladdin X2 Plus」で、右が「Aladdin X2 Light」。照明としてより明るく、より小さくなっている
調光・調色した結果は4パターンのプリセットとして記憶しておける。色温度の高い昼光色、色温度の低い電球色などを簡単に切り替えて使える
付属リモコンもリニューアルされたポイント。調光・調色などのキーが配置され、照明のリモコンとしての機能性が上がっている
そのほか、“ライト”になった主要部分は、プロジェクターとしての映像の明るさだ。「Aladdin X2 Plus」が900(ANSI)ルーメンであったところ、「Aladdin X2 Light」は700(ANSI)ルーメン。元々控えめの明るさなので、この点には留意したほうがよいだろう。少なくとも、プロジェクターとして使う場合はカーテンで外光をさえぎる工夫は心掛けたい。
明るさの数値が700(ANSI)ルーメンであること以外の基本機能は、「Aladdin X2 Plus」とほぼ同じ。映像素子はフルHDで、8W×2のステレオスピーカーを搭載する点も同じだ。ただし、本体が小さくなっているので、音質は「Aladdin X2 Plus」に分があると思ったほうがよいだろう
最後に、気になったのはレンズなどの細かな仕様について。小型化をしたこと、少し映像の明るさが少し控えめになったことが「Aladdin X2 Plus」との違いなのだが、実は表示素子であるDMDも0.33インチ素子から0.23インチ素子に変更されている。
レンズも異なるようで、「Aladdin X2 Plus」は1.78mで約100インチ画面の投写が可能なのに対して、「Aladdin X2 Light」では2mで約100インチ。レンズの上下可動域は「Aladdin X2 Plus」が最大32度に対して「Aladdin X2 Light」では最大19度に変更されている。
そういうわけで、設置性という意味では必ずしも「Aladdin X2 Plus」よりもすぐれているわけではなさそうだ。シーリングライトのソケットは位置が固定されていることが普通だろう。検討の際は投写場所などを入念に確認したい。
画質という意味でも、表示素子とレンズの違いは無視できない。両機を比較できてはいないが、それなりに暗い部屋で、“ライト”な使い方をするためのプロジェクターだと心得たい。
上下のレンズ可動域は最大19度。便利な機能ではあるが、可動域を広げるほど台形補正の幅も大きくなる、つまり画質が下がることに直結することには注意したい。レンズを動かさない場合、写真のように壁の上端から映像が映る形になる