ハイセンスのテレビは、ここ数年で日本でのシェアを急拡大した注目の存在です。価格.comでも人気ランキング上位には常にハイセンス製品がある、と言っても過言ではありません。人気の理由は充実したスペックと画質、そしてコストパフォーマンスの高さ。ハイセンスがTVS REGZAを傘下に収めたのは2018年のこと。それ以来、開発を連携してテレビの品質を高めているのです。
ここでは、ハイセンスが日本市場で力を入れるmini LEDバックライト搭載液晶テレビを中心に、ハイセンス製テレビの選び方とおすすめモデルを紹介します。実際に見て、聴いて「これは買い!」という製品を選出したので、ぜひ購入の参考にしてみてください。
〈レビュー・監修〉ホームシアターコンシェルジュ 遠藤義人
ホームシアターのある暮らしをコンサルティングするfy7d(エフワイセブンディー)代表。ホームシアター専門誌「ホームシアター/Foyer(ホワイエ)」の編集長を経て独立、住宅・インテリアとの調和も考えたオーディオビジュアル記事の編集・執筆のほか、システムプランニングも行う。「LINN the learning journey to make better sound.」(編集、ステレオサウンド)、「聞いて聞いて!音と耳のはなし」(共著、福音館書店。読書感想文全国コンクール課題図書、福祉文化財推薦作品)など。
まずはハイセンスに限らない基本的なテレビの選び方を確認してみましょう。これから選ぶならば、まずは4Kテレビを検討すべきです。そのうえで高画質を求めるならば55V型以上がおすすめ。小さいテレビが欲しい場合の有力候補は43V型、さらに小さいテレビならば4Kよりも解像度が下がりますが32V型がおすすめです。
部屋のサイズや用途合ったサイズを選ぶのが基本ですが、サイズによって選べる製品が異なることに注意しましょう。
※データは2025年6月時点のもの
4Kテレビとは、水平(横)方向の解像度が4,000画素(実際には3,840)のテレビのこと。従来の一般製品で採用されていたフルHD(1,920×1,080)よりも約4倍細かく、高精細な映像を映し出せます。地デジ放送の解像度はHD(1,440×1,080)なので、4Kは必要ないと思われるかもしれません。それでもこれからテレビを購入するならば、4Kテレビがおすすめです。
その大きな理由は、42V型以上の最新テレビは、基本的にすべて4K解像度だから。あえて旧モデルなどの低解像度のテレビを選ぶ必要はありませんし、低解像度の大型テレビが安いということもありません。また、4K放送を見ないのであれば、専用アンテナの設置は不要です。
今やAmazonプライム・ビデオやNetflix、YouTubeなどでは4K解像度のコンテンツは珍しくありません。それらを100%楽しめるのが4Kテレビなのです。さらに、地デジ放送などHD以下の解像度コンテンツであっても、4Kテレビは映像の解像度を4Kに変換(アップコンバート/アップスケーリング)して高精細化します。
すぐれた映像処理能力を持っていることも4Kテレビのよいところ。4Kテレビに買い替えれば、何気なく見ていたいつものコンテンツをより楽しめるかもしれません。
テレビを選ぶときに真っ先に考えるのは、サイズのことではないでしょうか。
最新のテレビは画面周辺の額(ベゼル)が細くなっており、とても省スペース。もし10年ほど前のテレビからの買い替えならば、思っていたよりも大きなサイズが候補になるはずです。
具体的には、
・6畳ほどの部屋であれば43V型まで
・8〜10畳ほどの部屋であれば43〜60V型
・12畳以上の広い部屋出あれば60V型以上
がひとつの目安になるでしょう。
なお、サイズ選びには「適正視距離」から逆算するという考え方もあります。「適正視距離」とは、画面に近づいた場合にテレビのメッシュ状の画素が見えない(最短)距離のこと。たとえば、4Kテレビを視聴する位置が画面から1m程度の場合、55V型が「適正」となります。最も大きな没入感を得られる距離、ならびにサイズ選びの仕方とは言えるのですが、普段使いの距離としてはあまりに近くなります。推奨サイズも過度に大きくなりがちなため、実生活や部屋に合ったサイズから考えたが現実的でしょう。
※データは2025年6月時点のもの
部屋の広さ以外にも、テレビのサイズ選びで重要なことがあります。高画質・高音質のテレビを求めるならば、メーカーの主力と言える55V型以上のモデルがおすすめです。
テレビは年々大型化していて、現在メーカーの主力サイズは55V型と65V型。高画質モデルはそもそも55V型もしくは65V型以上のモデルしか展開されていないこともよくあります。50V型以下のサイズを検討すると選択肢が減ってしまうため、コストパフォーマンスと高画質を考えるなら、いちばん有力になるのが55V型以上のサイズです。
ハイセンスのラインアップで言えば、後述するmini LEDバックライトを搭載した最上位(最高画質)モデル「U9R」シリーズは65V型から。こうした上位シリーズはスピーカーの品質も高く、音質的にも有利です。
55V型が大きすぎると考える人にちょうどよいのが43V型の4Kテレビ。4Kテレビとしては最小サイズであり、選択肢が多く、価格もリーズナブルです。
40V型よりも小さなサイズのテレビは、解像度がフルHD(1,920×1,080)以下になることには注意が必要です。それでも小さなテレビが欲しいという人には32V型フルHD解像度のテレビがおすすめ。小型テレビのなかでは高画質を期待できるため、一人暮らし向けやサブテレビとして人気があります。
また、テレビのサイズが小さくても、録画やネット動画の再生機能など、できることには大きな差がないことがほとんど。価格を抑えたいという場合にも、4Kならば43V型、フルHDならば32V型がそれぞれ狙い目のサイズと言えます。
高画質テレビの最新技術として注目されているのがmini LEDバックライトを搭載した液晶テレビです。
有機ELテレビには「焼き付き」と呼ばれる現象(※)や寿命の面で心配する声もあります。そこで、価格的に有利な液晶テレビのなかで高画質を実現するための技術が注目されているのです。実際に、mini LEDバックライトを搭載した液晶テレビは、有機ELテレビよりも安い(一般の液晶テレビよりは高い)ことがほとんど。画質とコストのバランスが取れた選択肢だと言えます。
※同じ画像を長時間表示し続けた場合、その部分に残像が生じたり、劣化が進行したりする症状のこと。最新製品での実使用上はそれほど気にする必要はありません。
液晶テレビは画面の裏に設置されたバックライト(光源)で映像の明暗を再現します。このバックライトを細かく区切り、エリアごとに別々に動かす(ローカルディミングする)ことで、コントラストの高い(明暗差がはっきりした)映像を表示できるのです。
ハイセンスは有機ELテレビを販売していないため、映画をじっくりと高画質テレビで楽しみたい、という人はmini LEDバックライトを搭載したテレビ「U7R」「U8R」「U9R」シリーズを選ぶとよいでしょう。
最新のテレビでは、外付け(別売)HDDを接続すれば地デジなどの番組を録画できます。テレビ番組を録画する方法としてはDVD・ブルーレイレコーダーを使う方法もありますが、録画番組をディスクに残したり、DVDなどのディスクを再生したりという予定がないならば、テレビだけでも十分でしょう。
DVD・ブルーレイレコーダーを使わずに録画機能を充実させたい場合は、3チューナーを搭載したテレビがおすすめ。3チューナーのテレビならば、テレビと外付けHDDを接続するだけで2番組の同時録画(と同時の別番組視聴)が可能。録画したい番組が重なる場合でも困ることがありません。
最新のテレビは、基本的にほとんどがネット動画の視聴に対応しています。つまりDVDプレーヤーやFire TV Stick、Chromecastなどのストリーミング端末がなくても、NetflixやAmazonプライム・ビデオ、YouTubeなどの動画を楽しめるということ。
上記3つはほぼすべての製品が対応していると思って間違いありませんが、TVerやDAZNなどに対応しているかどうかは製品次第。リモコンにショートカットボタンを搭載していることもあるので、自分が利用するサービスに対応しているかどうか、リモコンにボタンがあるかどうか、確認するとよいでしょう。
一昔前はこうした製品を「スマートテレビ」と呼びましたが、今ではそう呼ぶことは少なくなりました。世の中のテレビほとんどが「スマートテレビ」化したからです。
製品 価格.com最安価格 | 画像 | ショップリンク | 画面サイズ | 解像度 | 種類 | 地デジチューナー数 |
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| ![]() | Amazon楽天市場Yahoo! | 65V型(インチ) | 4K | 液晶(mini LED) | 3 |
| ![]() | Amazon楽天市場Yahoo! | 75V型(インチ) | 4K | 液晶(mini LED) | 3 |
| ![]() | Amazon楽天市場Yahoo! | 85V型(インチ) | 4K | 液晶(mini LED) | 3 |
| ![]() | Amazon楽天市場Yahoo! | 50V型(インチ) | 4K | 液晶(mini LED) | 3 |
| ![]() | Amazon楽天市場Yahoo! | 55V型(インチ) | 4K | 液晶(mini LED) | 3 |
| ![]() | Amazon楽天市場Yahoo! | 65V型(インチ) | 4K | 液晶(mini LED) | 3 |
| ![]() | Amazon楽天市場Yahoo! | 75V型(インチ) | 4K | 液晶(mini LED) | 3 |
| ![]() | Amazon楽天市場Yahoo! | 85V型(インチ) | 4K | 液晶(mini LED) | 3 |
| ![]() | Amazon楽天市場Yahoo! | 100V型(インチ) | 4K | 液晶(mini LED) | 3 |
| ![]() | Amazon楽天市場Yahoo! | 32V型(インチ) | フルHD | 液晶 | 2 |
| ![]() | Amazon楽天市場Yahoo! | 40V型(インチ) | フルHD | 液晶 | 2 |
| ![]() | Amazon楽天市場Yahoo! | 55V型(インチ) | 4K | 液晶(mini LED) | 3 |
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| ![]() | Amazon楽天市場Yahoo! | 75V型(インチ) | 4K | 液晶(mini LED) | 3 |
| ![]() | 楽天市場 | 85V型(インチ) | 4K | 液晶(mini LED) | 3 |
ここからは、ホームシアターコンシェルジュ遠藤義人さんが実際に見て聴いて、どのモデルが“買い!”なのかを紹介します。
確認したのは85V型の「85U9R」と75V型の「75U9R」。ハイセンスのテレビは全モデルを通じて絵作り(映像のトーン)が一貫しており、このトップモデルが絵も音も最もすぐれています。
映像は、誤解をおそれずひと言にすれば、「有機ELのよう」。赤を中心に鮮やかな色が目に飛び込み、黒がよく沈み、ハロ(光漏れ)もほとんど感じません。さらによく見ていくと、色使いが正確なことに気づきます。赤いドレスとドレープの影、一見黒に見える小豆色のくすんだズボンも明確に描き分けるのです。これは大型の85V型でより顕著でした。
放送波のような解像度とビットレートに制限のあるソースでも、過剰に映像を作ったり、輪郭を無理に誇張したりということがなく、穏当に処理しており好印象です。
低反射パネルの効果が強力で、部屋を明るくして見るテレビ番組でも映り込みがほとんど見られません。これは大型テレビになればなるほど重要なポイントです。視野角もスタンダードな有機EL並みに広いと言えます。
さらに特筆すべきは音質で、テレビにおいて重要なアナウンス、特に声が高めの男性と、野太い男性の声をきちんと描き分けました。映画でも、悩み苦しむ女性のうめき声がきちんと聞こえたのはこのモデルだけ。中域が充実している証拠です。
スピーカーの数やアンプの出力といったスペック値を“ウリ”にするだけでなく、こうした基本を押さえていることに好感が持てます。75V型よりも85V型のほうが音質は有利で、セリフやアナウンスも画面の中心に定位しました。
確認したのは100V型の「100U8R」と65V型の「65U8R」。最上級モデル「U9R」シリーズ譲りの映像と音ながら、価格をグッと抑えています。
絵作り自体は「U9R」シリーズと同様。クッキリした赤を中心とした正確な色の描き分けができています。「U9R」よりも絶対的な明るさは控えめですが、人肌の色は正しく自然に表現されています。
こちらも低反射パネル(50V型を除く)ですが、「U9R」ほど強力ではありません。それでも明るい部屋でも映り込みが少なく快適。視野角はとても広く、「U9R」とさほど遜色ありませんでした。
スピーカーシステムは「2.1.2」chのサラウンド仕様。広がりは感じますが、セリフがややこもり気味なのが残念。もっとも、映画の戦闘シーンでの爆発音などは迫力があります。65V型よりも100V型のほうが、アクションシーンでのガラスが割れる音や発砲音といった効果音が刺激的でした。
・鮮やかな映像は本当に華麗
・Siriのように音声操作できるのがとても便利
・映り込み防止に過度な期待はできない
※2025年8月8日時点の、価格.com「65U8R」の製品ページに寄せられたユーザーレビューの一部を抜粋・編集しています。
確認したのは32V型の「32A4N」。フルHD解像度(32V型と40V型のみ)の安定したスタンダード画質で、これ一台でネット動画なども快適に楽しめる希有な存在として、おすすめ製品に取り上げました。
映像を見ると、液晶パネル特有の黒浮き、スポーツ映像で気になりがちな白い尾引き、人の輪郭や流れるテロップ周りのノイズなどがうまく抑えられています。何より人の肌色が健康的に映るので、多くのコンテンツを安心して見られました。
ただし、「A4N」シリーズは上位モデルのようにmini LEDバックライトや色を鮮やかにする量子ドット、低反射広視野角パネルを使っているわけではありません。高級モデルと比較すればやや赤がくすんで、引きの絵での解像度不足は否めません。
・価格を考えると高画質
・音はそこそこ
・ネット動画をサクサク楽しめる
※2025年8月8日時点の、価格.com「32A4N」の製品ページに寄せられたユーザーレビューの一部を抜粋・編集しています。
おすすめ3選のほかにも、ハイセンスのテレビには多くのラインアップが用意されています。ここからは、シリーズ間での選び分け方をどう考えるべきか? どういう人がどれを選ぶべきか? 解説します。
ハイセンスは2025年現在日本で有機ELテレビを展開せず、mini LEDバックライトを搭載した液晶テレビに注力しています。特に推しているのは、mini LEDバックライトを搭載した「U9R」「U8R」「U7R」の3シリーズ。性能と価格のバランスがよい「U8R」シリーズは、50V型から100V型まで充実のラインアップを誇ります。
すべてTVS REGZAと共同開発のAIエンジンを搭載し、画質・音質の最適化を図っていることもポイント。独自OS「VIDAA(ヴィダー)」を採用し、ログインなどの手間なく、誰でも手軽に使えることをアピールしています。
実際に各製品を見ると、絵作り(画質の傾向)に一貫性が見られました。ひと言で表せば「有機ELっぽい絵」。ハロ(光漏れ)や黒浮きを防ぐためのバックライトの分割駆動(ローカルディミング)や、赤を鮮やかかつ正確に見せる量子ドットといった技術が定着している印象で、まったく無理が感じられないのです。
それが顕著に表れていたのが、おすすめとしてあげた最上位モデル「U9R」シリーズ。下位モデルになるにしたがって価格は下がるので、あとは予算との相談になります。「U9R」シリーズは絶対的な輝度が高い(明るい)のですが、そこまで必要ないという人は「U8R」シリーズで十分満足できると考えます。
サウンドも、サウンドバーなしでも満足できるように音質を追求しており、特に「U9R」シリーズはセリフが明瞭。テレビのアナウンスになると背景の前に声がフッと浮かび上がります。
以下で、おすすめにあげた以外の最新モデルについてコメントしています。
確認したのは55V型の「55U7R」。上位モデル「U8R」シリーズと比べると、明らかに視野角が狭く(斜めから見ると色が変わりやすく)、バックライト全体の白浮きも感じました。せっかくなら頑張って「U8R」シリーズを購入したほうが満足度が高いはず。
もっとも、正確な発色や自然な動き、斜線の処理や輪郭表現自体は、「U9R」「U8R」シリーズと遜色ない「ちょっと有機ELっぽい絵作り」。部屋を暗くして、テレビの真正面に陣取って映画を見るのならば、視野角の狭さは気になりません。
正面から見る使い方に限定されますが、安価で「有機ELっぽい絵作り」を手に入れたいならば「U7R」シリーズを選ぶとよいでしょう。
スピーカーは2.1chのスタンダードな仕様。アクション映画では方向感が出てなかなか健闘しています。これはAIエンジンの最適化のおかげかもしれません。
本記事ではハイセンスのテレビを紹介しましたが、そのほかにも国内外さまざまなメーカーがテレビを発売しています。できることがまったく違う、ということはありませんが、メーカーごとに個性があることは間違いありません。以下に主要メーカーの特徴を紹介しましょう。
TVS REGZAは、REGZA(レグザ)ブランドでテレビやブルーレイレコーダーなどを販売するメーカーです。かつては東芝映像ソリューションという名称でしたが、現在の社名はTVS REGZA。中国ハイセンスグループの傘下にありますが、環境に合わせて画質を常に最適化する「おまかせ」機能などは「東芝」から継承されています。高級モデルに搭載されている「タイムシフトマシン」(全録)機能もREGZAならでは。指定した放送チャンネルの番組をすべて録画できるというほかにない特徴を持っています。
ハイセンスグループはTVS REGZAの親会社にあたります。両社はテレビ作りで協業しており、ハイセンスの映像処理エンジンはTVS REGZAと共同開発されています。ハードウェアのベーシックな部分は共用と思われますが、REGZAとハイセンスはあくまで別ブランド。TVS REGZAは有機ELとmini LEDバックライト搭載液晶テレビ両方を展開するいっぽう、ハイセンスはmini LED“推し”。明るさを生かした自然な映像再現性が特徴で、質のよいmini LEDテレビが手ごろな価格で手に入ります。
総合家電メーカーパナソニックはVIERA(ビエラ)というブランド名でテレビを販売しています。プラズマテレビの時代から自発光デバイスにこだわり、高級モデルでは画質を追求してきたため、現在も最上位モデルは自発光デバイスの有機ELテレビ。暗室で映画を見るための「ディスプレイ」としても定評があります。2024年モデルからはOSにFire TVを搭載したことがトピック。Amazonプライム・ビデオなど、サブスクの動画サービスとの親和性が高いテレビをラインアップしています。
ソニーのテレビはBRAVIA(ブラビア)というブランドで展開されています。認知特性プロセッサー「XR」などの映像処理エンジンを搭載することが特徴で、再生する映像を分析しつつ、表示の最適化を図ります。安定した品質が魅力ですが、価格設定が高めではあります。また、液晶テレビ、有機ELテレビともにラインアップしていますが、日本での製品リリースは鈍化しており、他社比較で必ずしも「最新」仕様でないことには留意しましょう。
シャープも日本でおなじみのテレビメーカーのひとつです。テレビ向けの液晶パネル生産は終了しましたが、テレビの展開はしっかり継続しています。シャープの製品で注目したいのは有機ELテレビ。最上位モデルには、発色のよさが特徴の量子ドット技術を使った有機ELパネル「QD-OLED」を採用しているのです。このパネルで毎年最新製品をリリースしているのは、日本国内ではシャープだけです。
TCLは、中国を本拠とする総合家電メーカーです。日本での知名度は高くありませんが、グローバル市場を見れば日本発祥のメーカーよりも大手だと言えます。そのスケールメリットを生かした製品価格、関連会社で液晶・有機ELパネル製造も行う技術力がTCLの特徴。ハイセンス同様にmini LEDバックライトを搭載した大画面テレビを手の届きやすい価格で多数展開し、日本でも少しずつシェアを拡大しています。高コントラストの映像がほしいけれど、価格は抑えたい、という人が注目するとよいでしょう。
韓国のLGエレクトロニクスは、すでに日本でおなじみの家電メーカーになったと言ってよいでしょう。グループ会社にLGディスプレイという液晶・有機ELパネルのメーカーを持つメリットを生かし、最新仕様のパネルを製品化し続けています。特に力を入れているのは有機EL。テレビだけでなく、PCモニターでも多くの有機EL製品を展開するメーカーとして注目される存在です。チューナー部分が別体となった「トゥルーワイヤレス」テレビシリーズなど、独自の製品企画にも積極的なため、有機ELテレビを検討するならば一度ラインアップを確認してみるとよいでしょう。