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オーディオテクニカが新製品発表会を開催! フルデジタル伝送BluetoothヘッドホンやIMシリーズ後継のイヤホンなどを一挙発表

2016年10月13日、オーディオテクニカは東京都内で新製品発表会を開催し、ヘッドホンやイヤホン、ターンテーブルなど、この冬発売予定の新製品を一挙発表した。ここでは新製品の特徴と、注目モデルのファーストインプレッションをお届けする。

この冬発売のヘッドホンはBluetooth対応モデルが充実! 注目はフルデジタル伝送&aptX HD対応の「ATH-DSR9BT」「ATH-DSR7BT」

同社はこの冬発売のヘッドホンの新製品として、「ATH-DSR9BT」「ATH-SR9」「ATH-DSR7BT」「ATH-AR5BT」「ATH-AR5」「ATH-AR3BT」「ATH-AR3」「ATH-AR1」の一挙8機種を発表した。いずれも、“原音再生”“高解像度”“高レスポンス”をコンセプトとした「Sound Reality series(サウンドリアリティ シリーズ)」として展開される。iPhone 7でのイヤホンジャックの廃止で、注目度が高まっているBluetooth対応モデルを8モデル中4モデルラインアップするなど、Bluetoothモデルに注力しているのが特徴だ。

この冬発売のヘッドホン製品は、8機種すべてポータブルタイプで、そのうち4機種がBluetooth対応モデルだ

この冬発売のヘッドホン製品は、8機種すべてポータブルタイプで、そのうち4機種がBluetooth対応モデルだ

なかでも注目したいのが、ATH-DSR9BTとATH-DSR7BTの2機種だ。いずれも、Bluetoothで送られるワイヤレスのデジタル音声信号をドライバーまでフルデジタル伝送する新技術「Pure Digital Drive」を搭載。電気回路内にTrigence Semiconductorが開発したデジタル信号処理技術「Dnote技術」を採用し、デジタルデータをアナログ信号に変換せず、デジタル信号をそのまま振動板を振動させる力にダイレクトに変換して駆動させることで、冴え冴えとした鮮明な音を再現できるのが特徴となっている。2014年に発売された「ATH-DN1000USB」というヘッドホンでは有線によるフルデジタル伝送を実現していたが、今回発表された2機種は、Bluetoothで送られるワイヤレスのデジタル音声信号をフルデジタル伝送できるというのがウリで、ワイヤレスヘッドホンとしてフルデジタル伝送を実現したのはこの2機種が世界初だという。

今回発表されたポータブルヘッドホンで最上位モデルとなるATH-DSR9BT。同社の高音質技術を惜しみなく投入し、Bluetoothでも高音質を追求した意欲作だ

Dnote技術を使った有線でのフルデジタル伝送技術を、ワイヤレスのデジタル音声信号にまで拡大したのがPure Digital Driveと呼ばれる新技術だ

また、Bluetoothのコーデックとして、24bit/48kHzまで伝送可能なaptX HDをサポートしているのも大きな特徴だ。Astell&KernのハイレゾDAP「AK380」「AK320」「AK300」「AK70」などの対応DAPや、LGのスマートフォン「LG G5」(日本未発売)といったaptX HD対応デバイスと組み合わせることで、従来のBluetoothヘッドホンに比べて高音質で楽しめる。SBC、AAC、aptXと合わせて4つのコーデックに対応しているが、どのコーデックで接続されているかは、ハウジング部に設けられているLEDイルミネーションの光る場所と色で確認することが可能だ。

24bit/48kHzまで伝送可能なaptX HDを初サポート。対応デバイスはまだ少なく、利用機会が増えてくるにはもう少々時間がかかりそうだが、こういった最新技術にいち早く取り組む姿勢には好感が持てる

ATH-DSR9BTとATH-DSR7BTは、SBC、AAC、aptX、aptX HDの4種類のコーデックをサポートしているが、どのコーデックで接続されているかは、ハウジング部に設けられたLEDイルミネーションで確認可能。aptX HDの場合は、一番右のLEDイルミネーションが紫色に点灯する

今回展示されていた対応プレーヤーの場合、aptX HDで接続されるとaptX HDのロゴが表示される

今回展示されていた対応プレーヤーの場合、aptX HDで接続されるとaptX HDのロゴが表示される

上位モデルのATH-DSR9BTは、専用に新開発したという45mm径の「トゥルー・モーションD/Aドライバー」を搭載。4芯撚り線構造の高純度7N-OFCショートボイスコイルにより、デジタル信号の豊富で精細な情報量を余さず振動板へ伝達するという。また、駆動力を極限まで引き出すために、純鉄一体型ヨークを採用した高性能磁気回路を搭載。振動板には、剛性にすぐれた「DLC(Diamond Like Carbon)コーティング」を施し、高域特性を飛躍的に向上させているという。なお、高性能磁気回路やDLCコーティングといった技術は、同時発表のATH-SR9にも採用されている。

ATH-DSR9BTに搭載されている専用設計のドライバーの分解図

ATH-DSR9BTに搭載されている専用設計のドライバーの分解図

有線接続タイプのポータブルヘッドホンの最上位モデルとなるATH-SR9。ATH-DSR9BTはこちらがベースになっており、高性能磁気回路やDLCコーティングといった技術は、ATH-SR9にも搭載されている

ATH-DSR7BTは、「ATH-MSR7」がベースの製品となっており、ATH-DSR9BT と同じ名前の45mm径の「トゥルー・モーションD/Aドライバー」を搭載しているが、ボイスコイルは4芯ではなく、1芯のショートタイプのボビン巻きボイスコイルとなっている。

ATH-DSR7BT。2014年発売のATH-MSR7がベースとなっている

ATH-DSR7BT。2014年発売のATH-MSR7がベースとなっている

このほか、ATH-DSR9BTとATH-DSR7BTはUSB接続によるデジタル有線接続にも対応しており、USBデジタル接続時は最大24bit/96kHzまでのハイレゾ音源を再生可能となっている。アナログ有線接続は非対応だ。

ちなみに、USBデジタル接続に対応しているということなので、iPhoneやAndroidスマホなどのスマートデバイスと組み合わせて利用できるかが気になる人も多いと思うが、こちらは残念ながら非対応となっている。ATH-DSR9BTとATH-DSR7BTは、USB接続時に内蔵バッテリーへ自動で充電する仕組みとなっているため、USB接続した際にスマートフォン側からの給電能力が足りないというのがその理由だ。また、USB接続時のUSBケーブルは専用ケーブルとアナウンスされているが、これはヘッドホン側のmicroUSBポートがやや深い位置に配置されており、一般的なmicroUSBケーブルだとUSBポートに端子が届かないため、このようなアナウンスになっているという。

今回、短い時間ではあったが、ATH-DSR9BTとATH-DSR7BTのaptX HD接続時の音質をチェックすることができた。一聴してまず驚いたのがSNのよさ。これまでのBluetoothヘッドホンと比べると、SN感が非常によく、ベールを一枚剥いだかのようなかなり見通しのよいサウンドだった。AACとaptX HDも聴き比べてみたが、aptX HD のほうが明らかに情報量が多く、細かなニュアンスもしっかりと聴き分けられ、音の広がり方や余韻がかなり自然に聴こえた。

ATH-DSR9BTとATH-DSR7BTを聴き比べてみると、ATH-DSR9BTはダイナミックレンジが広く、ATH-DSR7BTに比べると高域はスッと伸び、低域にも密度感がある印象だ。分離感も非常に良好で、音場空間も立体的。特にアコースティックな楽曲では、音の奥行き表現が素晴らしく、女性ボーカルの余韻も非常に気持ちよく聴こえた。いっぽうのATH-DSR7BTは、低域はある程度出ているがややタイトなため、中高域の密度の高さが印象的だった。今回は有線接続での音質チェックは行えなかったが、“Bluetooth接続でもここまで高音質に音楽を楽しめる”というオーディオテクニカの本気度を改めて感じることができたのは確かだ。

ATH-DSR9BTは、詳細非公表の

対応プレーヤー(詳細非公表)と組み合わせてaptX HDの音質をチェックした

製品型番にATH-ARを冠したヘッドホンは、「Sound Reality series」のコンセプトを踏襲しつつ、いい音をいつでも気軽に持ち運んで、さまざまなライフスタイルにフィットすることをコンセプトにして開発されたラインアップということで、カラーバリエーションが非常に豊富なのが特徴。ATH-AR5BT(有線接続時のみ)とATH-AR5はハイレゾにも対応している。

エントリークラスのATH-AR1は、ブラック、ターコイズブルー、メタリックレッド、シルバーホワイトの4色をラインアップ

また、Bluetooth接続対応のATH-AR5BTとATH-AR3BTは、Bluetoothのコーデックとして、aptXとAACの両方をサポート。ヘッドバンド部分にはNFCも搭載しており、対応スマートフォンであればかざすだけでペアリングできる。

Bluetooth接続対応のATH-AR5BT。連続再生最大30時間という長時間バッテリーを実現している

Bluetooth接続対応のATH-AR5BT。連続再生最大30時間という長時間バッテリーを実現している

市場想定価格は、ATH-DSR9BTが60,000円前後、ATH-SR9が50,000円前後、ATH-DSR7BTが33,000円前後、ATH-AR5BT20,000円前後、ATH-AR5が15,000円前後、ATH-AR3BTが10,000円前後、ATH-AR3が6,000円前後、ATH-AR1が4,000円前後。いずれも、11月25日発売となる。

【関連リンク】
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