アップル社のLAM2(Lightning to Audio Module)を初搭載!

iPhone 7にぴったり! パイオニアから電源不要で使えるLightning直挿しのノイズキャンセリングイヤホン「RAYZ」が登場

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パイオニアブランド初のLightning接続イヤホン「RAYZ」(写真はRAYZ Plusのブロンズ)

パイオニアブランド初のLightning接続イヤホン「RAYZ」(写真はRAYZ Plusのブロンズ)

2017年2月15日、オンキヨー&パイオニアイノベーションズから、パイオニアブランド初のLightning接続イヤホン「RAYZ」が発表された。発売は3月下旬で、ラインアップはRAYZとRAYZ Plusの2種類。いずれも、iPhoneやiPadなどのiOS搭載デバイスで使用できるノイズキャンセリングイヤホンで、Lightningコネクターから電源が供給されるため充電不要で利用できるほか、上位モデルのRAYZ Plusは、充電用のLightningコネクターを備え、充電しながら通話や音楽を楽しめる。また、専用アプリと組み合わせることで、さまざまなカスタマイズが行えるもの特徴となっている。さっそく実機を入手したので、RAYZの実力をレポートしたいと思う。

RAYZのラインアップ。左からRAYZ(オニキス/アイス)、RAYZ Plus(ブロンズ/グラファイト)

RAYZのラインアップ。左からRAYZ(オニキス/アイス)、RAYZ Plus(ブロンズ/グラファイト)

上位モデルのRAYZ Plusには、充電用のLightningコネクターを搭載

上位モデルのRAYZ Plusには、充電用のLightningコネクターを搭載

RAYZ Plus のLightningコネクターにLightningケーブルを接続することで、充電しながら音楽再生を楽しめる

RAYZ Plus のLightningコネクターにLightningケーブルを接続することで、充電しながら音楽再生を楽しめる

アップル社のLAM2を世界で初めて搭載し、ノイズキャンセリング機能を低消費電力で実現

iPhone 7からイヤホンジャックが廃止されてからというもの、Lightning接続タイプのイヤホンやヘッドホンがにわかに注目を集めてきている。RAYZもそんなLightning接続タイプの製品のひとつで、アクティブ・ノイズキャンセリング機能を備えたカナル型のイヤホンだ。

Lightning接続でアクティブ・ノイズキャンセリング機能を備えた製品というと、JBLから「REFLECT AWARE」という製品がすでに発売されている。今回のRAYZも製品のコンセプトとしては非常に近い製品となっているが、RAYZはほかのLightning接続イヤホンとは決定的な違いがある。それは、アップル社が提供する第2世代LAM(Lightning to Audio Module)「LAM2」を採用していることだ。

インラインリモコンの内部にLAM2は搭載されている

インラインリモコンの内部にLAM2は搭載されている

Lightning接続タイプのイヤホンやヘッドホンの場合、基本的にはアップルから提供されたLAMと呼ばれるチップが搭載されており、Lightningコネクターから出力されたデジタルオーディオ信号をLAMで受け取り、イヤホンやヘッドホン側でDA変換を行い、最終的にアンプでアナログ信号を増幅して音を出している。現在、世の中に流通するLightning接続タイプのイヤホンやヘッドホンで採用されているLAMは第1世代のものだが、今回RAYZでは、第2世代のLAM2が採用されているのだ。

他社に先駆けてLAM2を製品に採用できた背景には、LAM2をアップルと共同開発したAvnera社の存在がある。オンキヨーは2010年にAvnera社の増資を一部引き受けた関係にあり、今回のRAYZは、Avnera社と共同開発することで、いち早くLAM2を採用できたというわけだ。

LAM2採用によるメリットいくつかあるが、なかでもユーザーに一番恩恵があるのはノイズキャンセリング機能を低消費電力に実現できるということだろう。これまで提供されていたLAMでは、ノイズキャンセリング機能が提供されていなかったため、ノイズキャンセリング機能を実現するには、LAM以外にさらに独自のチップを実装しなければいけなかった。しかし、LAM2ではチップレベルでノイズキャンセリング機能をサポートしたことで、ワンチップでノイズキャンセリング機能を実現できるようになった。

Lightning接続タイプのイヤホンやヘッドホンは、iPhoneやiPadといったiOSデバイスと手軽に接続できる半面、これまでの3.5mmステレオミニ端子を用いたイヤホンやヘッドホンに比べると、消費電力が高いのがネックだった。RAYZのようなアクティブ・ノイズキャンセリング機能を備えた製品の場合だと、集音用のマイクの電源もLightningコネクターから給電するため、消費電力はさらに増加するというのは容易に想像できるわけだが、RAYZはワンチップのLAM2の採用により、消費電力がかなり低く抑えられている。同社の資料によると、RAYZの消費電力は、iPhone 7に付属している「EarPods with Lightning Connector」に比べて約50%低減されているという。

同社が独自に行ったバッテリー消費のテスト結果。ボリュームを最大にした状態で音楽再生を連続5時間行った際にどれだけバッテリーが減ったかテストをしたところ、RAYZはEarPods with Lightning Connectorの半分しかバッテリーを消費しなかったという

6基のマイクと専用アプリを組み合わせたスマート機能がスゴい!

ここまでRAYZの最大の特徴であるLAM2について触れてきたが、RAYZにはもうひとつ特徴がある。それが、搭載マイクと専用アプリを組み合わせたさまざまなスマート機能だ。RAYZには、イヤホンにフィードフォワードマイクとフィードバックマイクをそれぞれ2基、インラインリモコンに2基の計6基のマイクが搭載されているのだが、この6基のマイクと専用アプリを組み合わることで利用できるスマート機能が非常に便利なものとなっている。

RAYZのハウジング部。穴のあいている部分の奥にフィードフォワードマイクが配置されている

RAYZのハウジング部。穴のあいている部分の奥にフィードフォワードマイクが配置されている

フィードバックマイクはノズル部分の中に配置されている

フィードバックマイクはノズル部分の中に配置されている

イヤホン部の2基のマイクは、音質面に配慮し、できるだけ大口径のドライバーユニットを搭載できるように、筺体にはわせるように配置したとのこと

インラインリモコンの裏側にも2基のマイクが搭載されている

インラインリモコンの裏側にも2基のマイクが搭載されている

そんなスマート機能の代表例が、「スマートノイズキャンセリング」だ。多くのアクティブ・ノイズキャンセリング機能搭載イヤホンでは、特定の環境を想定して一定のアルゴリズムでノイズキャンセリング処理を行っているため、低域部分のノイズ削減には効果が高いものの、高域部分のノイズ低減で効果が弱かったという。RAYZでは、こういった課題を解決するため、ハウジング部に搭載されているフィードフォワードマイクで集音した周囲の環境音と、ノズル部分に搭載されているフィードバックマイクで集音した鼓膜から反射する音をリアルタイムに計算。ユーザーの使用環境に最適なノイズキャンセリング効果を実現したという。

スマートノイズキャンセリングでは、イヤホン部の2基(両耳合計4基)のマイクをフル活用し、ユーザーの使用環境に最適なノイズキャンセリング効果を提供する

実際にさまざまな環境でスマートノイズキャンセリングの効果を試してみたが、スマートノイズキャンセリングはかなり効果的に働いてくれている印象を受けた。静かなビルから、環境騒音が比較的大きい交通量の多い道路沿いに出たときも、違和感のない自然な感じで追従してくれる。さすがに地下鉄のドア付近などでは、外の環境音が目立ってくるが、ノイズキャンセル効果はこの手の製品としてはかなり高いといっていいだろう。

専用アプリと組み合わせ、スマートノイズキャンセリングの効果をテストした

専用アプリと組み合わせ、スマートノイズキャンセリングの効果をテストした

ノイズキャンセリング関連では、キャリブレーション機能も見逃せない。イヤホンを装着する際にキャリブレーション用の音源を再生し、鼓膜から反射する音をノズル部分に搭載されているフィードバックマイクで集音。イヤホンの装着状態を的確に把握することで、ノイズキャンセリング効果をさらに高めてくれるという。キャリブレーションにかかる時間もほんの一瞬なので、RAYZを使う際はぜひこまめに設定しておきたい。

キャリブレーション機能を実行すると、オルガンの音色が流れ、数秒でキャリブレーションが完了する

キャリブレーション機能を実行すると、オルガンの音色が流れ、数秒でキャリブレーションが完了する

フィードフォワードマイクを使って周囲の環境音を集音し、イヤホンを装着した状態でも周囲の音を確認できるという「HearThruモード」もかなり優秀だ。単純にノイズキャンセリングをオフにした時よりも周囲の音をはっきりと確認できるので、特に屋外でRAYZを使うときは積極的に活用したいところだ。

イヤホンを装着した状態でも周囲の音を確認できるHearThruモード。ノイズキャンセリングイヤホンは外の音が聞こえなくなるから怖いという人にうってつけの機能だ

このほか、イヤホンを外すと自動で音楽再生を停止し、イヤホンを装着すると自動で音楽再生を再開してくれる「オートポーズ」も便利だ。アップルの「AirPods」にも同様の機能が搭載されているが、AirPodsが専用のセンサーを使用して判断しているのに対し、RAYZはフィードバックマイクの反響音で判断しているという。

イヤホンの装着を自動で判断して、音楽や動画を自動で再生/停止してくれるオートポーズ機能。iPhoneのミュージックアプリだけでなく、サードパーティ製の楽曲再生アプリ、YouTubeやSpotifyといったアプリでもちゃんと動作してくれる

オートポーズの判定には、専用チップを実装する形ではなく、ノイズキャンセリング機能で使っているフィードバックマイクを活用している

なお、これまで紹介した機能は、専用アプリであらかじめ設定を行っておくことで、インラインリモコンに用意されたスマートボタンを使ってワンタッチで起動することが可能となっている。また、専用アプリには、このほかに5バンドイコライザー機能などが用意されているが、いずれもアプリで設定した内容は、RAYZ本体のフラッシュメモリーに保存されるため、アプリがインストールされていないiPhoneにRAYZを接続した際も、設定がしっかりと引き継がれる。

専用アプリの画面。スマート機能のほかにイコライザー機能なども用意されている。イコライザーの設定内容などもRAYZ本体のフラッシュメモリーに保存される仕組みだ

RAYZのインラインリモコン。一番下のスマートボタンは、専用アプリでカスタマイズ可能だ

RAYZのインラインリモコン。一番下のスマートボタンは、専用アプリでカスタマイズ可能だ

ちなみに、専用アプリは今後のアップデートで機能が追加されていくという。直近では、通話などでマイクを利用する際、話しかけていないときにマイクを自動でミュートにする「スマートミュート」機能の提供を予定しているという。こういったアプリとともに機能アップして進化していくところもRAYZならではの魅力といえるだろう。

RAYZは、発売以降も専用アプリのアップデートで新機能を追加していく。直近では、スマートミュート機能が実装される予定だ

装着感や音質は?

今回、新製品をいち早く手に入れて試用することができたので、ここからは試用レポートをお届けしたいと思う。試用環境はもちろんiPhoneだ。今回は、CD音源やハイレゾ音源だけでなく、音楽ストリーミングサービスや動画配信サービスでも使ってみた。

iPhone 7と組み合わせ、RAYZ Plusの装着感や音質をチェックしてみた

iPhone 7と組み合わせ、RAYZ Plusの装着感や音質をチェックしてみた

まずは装着感から。バッテリーが搭載されていないノイズキャンセリングイヤホンとはいえ、マイクを6基も搭載している関係で、ケーブルがやや太く、インラインリモコンも用意されているということで、初めて装着する前は装着感に多少不安があったのだが、実際に付けてみると、かなり軽い付け心地で驚いた。耳への収まりも普通のカナル型イヤホンとそん色なく、これにマイクが搭載されているとは思えない軽快な付け心地が印象的だった。いっぽうで、ノイズキャンセリング機能をオンにするとやや印象が異なり、ノイズキャンセリングイヤホン特有の耳の鼓膜を圧迫するような感じが多少あった。このあたりは他のノイズキャンセリングイヤホンと同じ傾向だ。

ドライバーユニットが9.2mm径と比較的小型なこともあり、耳にもすっぽりと収まる

ドライバーユニットが9.2mm径と比較的小型なこともあり、耳にもすっぽりと収まる

サウンドについては、密度の高い中低域が印象的で、アタックの切れもなかなか。解像度も聴き疲れしない絶妙な具合のバランスだ。ダイナミック型ドライバーらしい厚みのある心地いいサウンドを楽しませてくれる。静かな環境で聴いていると、若干低域が強く感じられたが、屋外など比較的騒音のある場所で聴いている分にはほとんど気にならないだろう。

音漏れについては、iPhone標準のEarPodsよりは少ないものの、一般的なカナル型イヤホンに比べると多めだ。フィードフォワードマイク用の穴が空いているという製品の構造上、多少の音漏れは仕方ないが、ボリュームを上げるときは、周囲の環境に配慮する必要がありそうだ。

まとめ

パイオニアブランド初のLightning接続イヤホンとなるRAYZ。バッテリー充電を行うことなく、iPhoneに挿すだけでノイズキャンセリングイヤホンとして使える手軽さや、iPhoneでの音楽生活を便利にしてくれる多彩なスマート機能、専用アプリでどんどん進化する点などは、イヤホンジャックがなくなったiPhone 7ユーザーはもちろん、イヤホンジャックのあるiPhoneユーザーにとっても魅力的に映るはず。

市場想定価格は、RAYZが12,000円前後、RAYZ Plusが16,000円前後(いずれも税別)とアナウンスされている。特に上位モデルのRAYZ Plusは、iPhone 7のイヤホンでの音楽再生と充電を同時にできない問題を解決してくれる画期的な製品として大きな注目を集めそうだ。

RAYZ/RAYZ Plusスペック

タイプ:ダイナミックノイズキャンセリング
ユニット:9.2mm径ダイナミック型ドライバー
周波数特性:10Hz〜22kHz
入力コネクター:Lightningコネクター
ケーブル長:1.2m
重量:5g(ケーブル除く)
付属品:シリコンイヤピース(S/M/L)、コードクリップ

遠山俊介(編集部)

遠山俊介(編集部)

PC・家電・カメラからゲーム・ホビー・サービスまで、興味のあることは自分自身で徹底的に調べないと気がすまないオタク系男子です。最近はもっぱらカスタムIEMに散財してます。

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2017.6.26 更新
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