先進的なフラッグシップミラーレスが実現した2つの新機能

パナソニック「LUMIX GH5」の4K/60p動画&「6K PHOTO」撮影レポート

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パナソニックのミラーレス一眼「LUMIX G」シリーズの新しいフラッグシップモデル「LUMIX GH5」は、先進的な機能をふんだんに搭載する高速・高性能なモデルだ。本記事では、作例を交えながら、LUMIX GH5の大きな特徴である4K/60p動画記録と「6K PHOTO」をレビューする。

LUMIX Gシリーズの新しいフラッグシップLUMIX GH5

LUMIX Gシリーズの新しいフラッグシップLUMIX GH5(装着しているレンズはLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S.)

4K/60pに加えて10bit 4K/30pなどにも対応。高機能な4K動画撮影を実現

LUMIX Gシリーズは動画撮影に強いミラーレス一眼だ。2014年4月に発売になった従来のフラッグシップモデル「LUMIX GH4」は、ミラーレス一眼として初めて4K動画撮影を実現。その後登場した下位モデルも続々と4Kに対応し、現時点のラインアップでは、エントリー向けの旧機種「LUMIX GF7」を除くすべてのモデルが4K動画撮影機能を搭載。コンシューマー向けの一眼カメラの中では、もっとも4K対応モデルが充実したシリーズとなっている。

そんなLUMIX Gシリーズの新しいフラッグシップモデルLUMIX GH5は、動画撮影がさらに強化されている。最大の進化点は、撮像素子と画像処理エンジンの高速化によって、ミラーレス一眼として初めて4K/60p記録を実現したこと(※従来は4K/30p記録)。センサー全域からの読み出しにも対応するようになり、より高画質かつ広い画角での4K撮影が可能になった。

さらに、これまでは外部レコーダーを必要としていたYCbCr4:2:2 10bit記録(デジカメが一般的に対応するYCbCr4:2:0 8bitに比べて2倍の色情報を持つ記録方式)を本体内部で実現。YCbCr4:2:2 10bitの4K/30p動画を本体に挿入したSDメモリーカードに記録することができる。これらの基本スペックだけを見ても、コンシューマー向けの一眼カメラとして非常に高機能な動画撮影を実現していることがわかるはずだ。

音声記録では、ステレオマイクに加えて、本体内にノイズキャンセリングマイクを搭載。カメラ内部で発生するノイズ音や動作音を抑制することが可能だ。風音に対するノイズ低減も向上しているという。

8bitでの4K/60p記録に対応。4K/30pであれば10bitでの記録が行える

8bitでの4K/60p記録に対応。4K/30pであれば10bitでの記録が行える

動画撮影時のAFは駆動速度と追従速度をカスタマイズできる。本記事のまとめでも述べるが、LUMIX GH5の動画AFは非常に滑らかな駆動になっているので、気になるようであれば速度を高めるように設定したほうが使いやすいだろう

HDMI Type A端子を標準搭載。HDMIケーブルホルダーも同梱されている

HDMI Type A端子を標準搭載。HDMIケーブルホルダーも同梱されている

このほか、2017年夏のファームウェアアップデートによって、4K記録時に最大400Mpbsでの高ビットレート記録が可能な4:2:2 10bit ALL-Intra記録に対応する予定。HDMIモニタリングスルーで外部レコーダーを使用すれば、4:2:2 10bitの4K/60p記録が可能だ。

撮影機能では、スローモーションやクイックモーションでの再生が可能なVFR(バリアブルフレームレート)記録機能を搭載するのもトピック。4Kは30p/24p時に、2〜60fpsの記録フレームレートを選べる。フルHDは60p/30p/24p時に2〜180fpsを選択可能だ。

プロフェッショナル向けの撮影機能も充実しており、シネマスコープサイズへの編集・再生が可能な「アナモフィック(4:3)モード」のほか、4Kで撮影しながらFHD動画に変換することで、カメラを動かさずにパン/ズームイン/ズームアウトの処理を加えることが可能な「4Kライブクロップ」や、一定速度でフォーカスを自動で移動させるフォーカストランジションといった撮影機能を搭載。

操作系では、ゼブラパターンやピーキング、MFアシスト、センターマーカー、動画用コントロールパネル、タイムコード、カラーバー表示といった機能に加えて、8bit記録時に写真と同じ0-255の階調も選べる輝度レベル設定や、波形モニター・ベクトルスコープの表示機能などを追加。「Rec.709」と相関性の高いガンマカーブが得られる「709ライク」、高輝度の映像信号を圧縮して白トビを抑えるニーコントロールといった機能も搭載している。

左が波形モニター、右がベクトルスコープを表示した画面

左が波形モニター、右がベクトルスコープを表示した画面

4K/60p動画作例(※一部10bit 4K/30p、フルHDスローモーション動画)

望遠ズームレンズのLEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm/F4.0-6.3 ASPH./POWER O.I.S.を使って、レンズ焦点距離400mm(動画撮影時の画角は35mm判換算で871mm)で食事をする猿を手持ち撮影した動画。シャッタースピードは1/125秒で、絞り値はF6.3、感度はISO250。風で揺れる猿の毛がとても細かく表現されている。また、LUMIX GH5は、ボディ内とレンズ側の手ブレ補正を連動させる最新の「Dual I.S.2」を搭載するのもトピック。今回の撮影では、超望遠での動画撮影時でも手ブレを抑えた安定した映像を撮ることができた。

レンズ焦点距離400mm(動画撮影時の画角は35mm判換算871mm)で水浴びをするペンギンを手持ち撮影。シャッタースピードを1/250秒にして、落ちてくる水がある程度粒立って見えるようにした。絞り値はF4、感度はISO250。近くにいる鳥のさえずりがきれいに収録されている点にも注目してほしい。

浮き橋を渡るワオキツネザルをレンズ焦点距離400mm(動画撮影時の画角は35mm判換算871mm)で手持ち撮影。AFの駆動速度と追従速度をもっとも速い設定にすることで、すばやく動く被写体にピントを合わせながら撮ることができた(初期設定のままではピントが追従しなった)。シャッタースピードは1/125秒、絞り値はF6.3、感度はISO250。

レンズ焦点距離100mm(動画撮影時の画角は35mm判換算217mm)で、ゆっくりと動くカメレオンを手持ち撮影。ウエストレベルで比較的被写体と近い距離で撮影しているためか、やや手ブレが目立つ。シャッタースピードは1/60秒、絞り値はF4、感度はISO400。仕上がり設定のフォトスタイルはヴィヴィッドにした。

草を食べるプレーリードッグをレンズ焦点距離195mm(動画撮影時の画角は35mm判換算425mm)で手持ち撮影。シャッタースピードは1/60秒、絞り値はF5、感度はISO400。プレーリードッグの細かい動きが再現されている。

こちらはVFR記録機能を使ってフルHDのスローモーション動画として撮影したもの。4Kだと30p/24p時に2〜60fpsのフレームレートの選択となるため、60p記録の滑らかな映像でよりゆっくりとした動きにしたく、この動画では1080/60pで180fpsの3倍スローモーションを選択した。

標準ズームレンズのLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S.を使って、離陸する飛行機を手持ちで追従撮影。レンズ焦点距離は56mm(動画撮影時の画角は35mm判換算122mm)。強風の中、カメラ内蔵マイクで撮影しているため、風切り音が入ってしまっている。

タキシング中の飛行機を手持ちで撮影。レンズ焦点距離は150mm(動画撮影時の画角は35mm判換算326mm)。こちらの動画も風切り音が入っている。

駅に進入してくる新幹線をレンズ焦点距離400mm(動画撮影時の画角は35mm判換算871mm)で手持ち撮影。しっかりとカメラを持つことで手ブレを抑えて撮ることができた。陽炎が立ってしまっているが、太陽の光を反射する車両の様子がリアルに再現されている。

走行中の新幹線をレンズ焦点距離12mm(動画撮影時の画角は35mm判換算26mm)の広角で手持ち撮影。カメラを水平にパンして撮っているが、気になるような歪みは発生していない。

レンズ焦点距離60mm(動画撮影時の画角は35mm判換算130mm)で、風で揺れるハス畑を撮影。カメラは三脚で固定している。絞り値をF4の開放にして、斜め後ろから光が差す半逆光で撮ることで立体感のある映像に仕上がった。

こちらの動画はYCbCr4:2:2 10bitの4K/30pで記録したもの。レンズ焦点距離は400mm(動画撮影時の画角は35mm判換算871mm)。

18Mの画像サイズで30コマ/秒の高速連写が可能な「6K PHOTO」

LUMIX GH5で新たに搭載された高速連写機能「6K PHOTO」も注目の機能だ。従来からあった「4K PHOTO」は、約8.3Mの4Kサイズで記録した動画データから静止画を切り出す機能だが、6K PHOTOは動画データが約18Mの6Kサイズに画素数が向上。電子シャッターにはなるものの、約18Mの画素数で、30コマ/秒の高速連写が行えるのが魅力だ。AFの追従にも対応している。

さらに、6K PHOTOは、前後のフレームを使用した画像合成処理(ポストリファイン機能)によって、高感度でもノイズを抑えた静止画切り出しが可能。切り出し時にローリングシャッター現象の歪み(ローリング歪み)を補正することもできる。

また、6K PHOTOは、撮影方法として、シャッターボタンを押している間に連写を行うモードのほか、シャッターボタンを押すと連写撮影を開始し、もう一度押すと終了するモードと、押した瞬間の前後約1秒(計約2秒間)を連写・記録できるプリ連写モードが用意されている。

6K PHOTOはドライブダイヤルで選択する

6K PHOTOはドライブダイヤルで選択する

6K PHOTOは、4:3もしくは3:2の画像横縦比を選択した場合に利用可能。4:3時の静止画切り出しサイズは4992×3744

シャッターを切った前後約1秒(計約2秒間)記録するプリ連写にも対応している

シャッターを切った前後約1秒(計約2秒間)記録するプリ連写にも対応している

再生画面で6K PHOTOで撮影した動画データを選択すると、連写した一連のコマが読み込まれて表示される。スライドバーを使ってコマを選択して保存を選択することで静止画として記録される仕組みだ。秒単位でシーンをピックアップできるほか、マーキング機能も利用できる

静止画の切り出し時にローリング歪みの補正が行える(画像左、※撮影条件によっては補正が実行されないこともある)。まとめて切り出せる一括保存も可能だ(画像右)。なお、PC用の専用ソフトウェア「PHOTOfunSTUDIO 10.0 XE」でも、一括保存を含めた6K PHOTOの静止画切り出しに対応している

このほか、4K PHOTOも性能が向上しており、従来の倍のスピードとなる60コマ/秒の高速連写に進化。ポストリファイン機能にも対応する。画素数が約8.3Mで16:9や1:1の横縦比を選べること以外、基本的な使い勝手は6K PHOTOとほぼ同様だ。

6K PHOTO作例

6K PHOTOを使って、飛行機が月に重なる瞬間を撮影した。およそ3秒強の時間(約100コマ)連写している。30コマ/秒の高速連写によって、ちょうど飛行機がきれいに重なった一瞬を収めることができた。感度をISO1600まで上げたが、ノイズが気になるようなことはなく、キレイに切り出されている。なお、この作例の撮影ではズーム倍率がアップする「EXテレコン」を使用したかったが、残念ながら6K PHOTO使用時には選択不可となっている
LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm/F4.0-6.3 ASPH./POWER O.I.S.、400mm(35mm判換算800mm)、F6.3、1/320秒、ISO1600、ホワイトバランス:オート、フォトスタイル:スタンダード
撮影写真(4992×3744、2.3MB)

上の作例の撮影で、飛行機が月の光の内側に重なったのはこの5コマ(※重なりをわかりやすくするため写真を縦横半分にトリミングしています)。時間にすると重なったのは0.2秒を切っている。こうした一瞬を確実に高画素で撮影したい場合に6K PHOTOは非常に有効だ

駅に進入してくる新幹線を6K PHOTOで追従撮影した作例。通常の連写でも撮れる写真ではあるが、6K PHOTOを活用することで、ここまで画面いっぱいに車両を収めたものを記録できた。C-AFを選択しているが、6K PHOTO 撮影時のAFの追従性は、動画撮影時と同じようにややレンズの動きが遅く、通常の静止画撮影の高速AFとは異なる動きをする。この作例ではフォーカスエリアを絞って先頭車両がエリアに入ってくるのを待って撮っている
LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm/F4.0-6.3 ASPH./POWER O.I.S.、250mm(35mm判換算500mm)、F6.3、1/800秒、ISO250、ホワイトバランス:オート、フォトスタイル:スタンダード
撮影写真(4992×3744、6.7MB)

まとめ ローリング歪みを抑えて撮れる4K/60p動画撮影。決定的な瞬間を捉えるのに便利な「6K PHOTO」

LUMIX GH5で撮影した4K/60p動画をパナソニックの4K液晶テレビ「VIERA TH-49DX850」で鑑賞してみたが、コンパクトなミラーレスで撮ったとは思えないほどの精細感と、60pならではの滑らかな動きの映像を確認することができた。ローリング歪みも抑えられており、カメラを高速に動かしたとき以外で歪みが気になることもない。動物や、空港内の飛行機、駅に進入する新幹線などの動く被写体を撮ってみたが、歪みはまったく問題ないレベルだ。動画撮影で気になったのはAFの動きが滑らかすぎること。動く被写体を撮る場合は、AF速度を高速側にカスタマイズして撮りたいと感じた。また、風音のノイズ低減も向上してはいるものの、内蔵マイクではどうしても風切り音が入ってしまう。今回は使用していないが、外付けのガンマイクは必須のアクセサリーだ。

もう1つの注目機能、6K PHOTOのいいところは、30コマ/秒で連写が続けられること。AFの動きがやや遅いのが気になるところではあったが、昆虫や野鳥の撮影など、決定的な瞬間を捉えるのにとても便利だと感じた。約18Mの高画素で記録できるので作品作りに十分に生かせる機能である。

LUMIX GH5をHDMIケーブルでパナソニックの4K液晶テレビ「VIERA TH-49DX850」に接続して撮影した4K動画を鑑賞。精細感が高く、滑らかな映像を体験できた

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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2017.10.16 更新
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