ジンバル(スタビライザー)とは、カメラで手ブレや揺れの少ない映像を撮るために使用する撮影機材のことです。ひと昔前までは映画やテレビの制作現場でしか使われていませんでしたが、小型、軽量かつ低価格なモデルが続々と登場し、誰でも入手しやすくなりつつあります。
そんな活況をみせるジンバル市場に、今回新たに登場したのがZHIYU(ジーウン)の「CRANE M2(クレーン・エム・ツー)」です。持ち歩きの負担を減らすコンパクトかつ軽量設計に加え、小型ミラーレスカメラやコンデジ、スマホが取り付けられるという汎用性の高さを併せ持ち、なおかつ3万円台で購入できるという製品です。
人気のミラーレスカメラ、ソニー「α6400」との相性もバッチリなので、今回はその組み合わせで使用しています。小型カメラの機動性を活かせる、小型軽量ジンバルの組み合わせの使い勝手やいかに?
今回はその実機をメーカーからお借りし、実際にアメリカ出張に持ち出して撮影をしてきました。
なお、「CRANE M2」は2019年8月15日に予約受付開始で、8月30日に発売、配送開始予定。価格は、税込32,400円(公式サイト実売価格。送料込み)です。
※筆者はZHIYUNのブランド・アンバサダーですが、本記事は広告ではありません。
・搭載重量:約130〜720g
・本体重量:約500g
・バッテリー駆動時間:最長約6時間
・バッテリー充電時間:最短約2時間
※ 上記スペックはすべて公称値
「CRANE M2」のパッケージの内容物は、本体のほかにUSB Type-C ケーブル、ストラップ、ミニ三脚、クイックリリースプレート&スクリュー(カメラ取り付け用ネジ)、スマートフォンホルダー、取扱説明書です。
内箱は耐衝撃性のある発泡素材でできており、このままトラベルケースとして使用可能です
ジンバルを折りたたむとフラットな状態にできます。カメラを載せた状態でも、総重量は1.22kgをこえることはないため、片手持ちでも問題なし。ちなみに、両手持ちの場合は、このままではグリップが短いので付属のミニ三脚を閉じた状態で使用しグリップを延長するのがおすすめです
グリップは細め、かつ、プラスチックの質感がはっきりとわかる作りのため高級感や堅牢さは感じられませんが、そこは軽さとのトレードオフといったところ
小型のディスプレイを備えモードやバッテリー残量の確認ができます
グリップの左側にはズームスイッチを備え、専用アプリを起動してワイヤレスで接続したカメラを操作できます。充電用のポートはUSB Type-Cで、最短2時間でフル充電が可能です
クイックリリースプレートを備えているのでカメラを素早く取り外せます。ただし、マンフロットやアルカスイスなどとの互換性はないため、外したカメラをプレートごとほかの三脚などに取り付けることはできません
3軸をロックすることで、持ち運び時に不意にレンズなどがアームと衝突する事故を予防できます
付属するミニ三脚は、バランス調整やタイムラプス撮影の際に便利
ミニ三脚とカメラクリップを組み合わせると、スマートフォン用の簡易三脚として使えます
「CRANE M2」は、幅広い種類のカメラやスマートフォンに対応する点が大きな特徴です。おもな対応ミラーレスカメラはソニー「α6400/α6500」やキヤノン「EOS M50」。対応コンデジは「RX100」シリーズ、「Power Shot G3/G5/G7」などです。さらに、付属のホルダーを使えばアップル「iPhone 7/7 plus/8/8 plus/X/XS/XS MAX/XR」やGoogle「Pixel 3/ 3XL」などの重量170g以上のスマートフォンを搭載でき、三脚穴付きのマウント(別売)を装着したGoPro「Hero5/6/7」シリーズなどのアクションカメラにも対応しています。
いっぽう、重量オーバーとなってしまう機種としてはパナソニック「GH 5」、ソニー「α7/9」、キヤノン「EOS R」、ニコン「Z6/7」などです。これらのカメラを使用したい場合には、より大きなジンバルが必要になります。
詳細は以下のメーカー公式対応カメラリストをご覧ください。
なお、上記のリストは2019年6月時点のデータです。ZHIYUN「CRANE M2」の最新対応カメラリストは、以下のページ「ユーザーマニュアル」から確認できます。
YouTubeやInstagram、TikTokなどの例を挙げるまでもなく、動画の共有はますますカジュアルで身近なものになっています。そんな中、旅先や出張先でも動画を撮りたい、そして「よりきれいな映像を撮りたい」というニーズは決してプロフェッショナルな映像制作者だけのものではなくなりつつあります。
ZHIYUNの「CRANE 2」は、まさにそういったカジュアルな動画撮影を強力にサポートしてくれるジンバルです。小型のミラーレスカメラが搭載できるジンバルとしてはクラス最小、最軽量のボディは持ち歩きがしやすく旅行やアウトドアでの使用に最適です。
今回、アメリカから日本へ帰国する際にバックパックに入れて持ち運んできたところ、これまでの一般的なジンバルに比べて格段に収納が楽で、重量もほとんど気になりませんでした。
ジンバルとしての機能面にも妥協は一切なく、P(パン) 、PF(パンフォロー) FF (フルフォロー)の基本機能に加えて、ロール(回転の動き)に追随するPOVやカメラを360°グルグルと回せるV(ヴォルテックス)といったダイナミックな動きが可能です。モーターのパワーに不安を感じることはなく、「α6400」にパンケーキレンズをのせたセットアップで、ジンバルをかなり振りながら撮影をしても挙動がおかしくなることはありませんでした。
また、専用アプリと連携させればモーションタイムラプスなどの撮影もできるので、旅先の風景を鮮やかに記録できます。
本格的な映像制作ではなく、カジュアルなシーンできれいな動画が撮りたいという人にはジャストフィットする製品となっているので、ぜひ、チェックしてみてください。
世界50か国以上を旅したバックパッカー。週刊アスキー編集部などを経て、AppBankに入社。「バイヤーたてさん」として仕入れとYouTubeを活用したコンテンツコマースに取り組み、上場時は広報として企業PRを担当。現在はフリーランスで活動中。