レビュー
手ブレと瞳AFが強化された三代目フラッグシップ

手持ち10秒でも安定のオリンパス「OM-D E-M1 Mark III」で足早に向かう夕暮れの銀座を撮る

「OM-D E-M1 Mark II」から約3年ぶりにモデルチェンジを果たした、オリンパスの新フラッグシップ「OM-D E-M1 Mark III」。先代の「OM-D E-M1 Mark II」から外見はほぼ変わらず、カメラバッグに入れるとどちらが新製品かわからなくなることもあるが、果たしてどれくらい変わったのか。スペックだけでは計り知れないその違いを、「OM-1」から使い続けて「OM-D E-M1 MarkII」を愛用するゴン川野が徹底比較した。

重さもグリップ感もほぼ同等のOM-D E-M1 Mark III とOM-D E-M1 Mark II。実はホットシューの色が異なる

重さもグリップ感もほぼ同等のOM-D E-M1 Mark III とOM-D E-M1 Mark II。実はホットシューの色が異なる

正面から見ると違いはないが、モードダイヤルは大きく変化

オリンパスユーザーにしてみれば、インターフェイスは変わらない方がありがたいのだが、背面のボタンの役割などが微妙に変化している。大きな違いは、上から見ればすぐにわかるモードダイヤルの変化だ。「iAUTO」と「ARTフィルター」が、「B(バルブ)」と」「C(カスタム)に」変更された。これは大歓迎である。プロ仕様なのにモードダイヤルにオートは不要だった。これがバルブになったのはありがたい。また、ARTフィルターもダイヤルで切り替える必要はなく、カスタムモードを増やしたのは正解だ。

正面にはE-M1Mark IIIのバッチが付いたが、これがないOM-D E-M1 Mark IIの方がプロっぽいと私は思う

正面にはE-M1Mark IIIのバッチが付いたが、これがないOM-D E-M1 Mark IIの方がプロっぽいと私は思う

モードダイヤルは「B」と「C4」に変更され実用性が向上した

モードダイヤルは「B」と「C4」に変更され実用性が向上した

さらに背面の十字キーがマルチセレクターに変更された。これでAF測距点移動がすばやく正確にできるようになった。元々この位置にあった「INFOボタン」は下に下がって、「MENUボタン」は左上に移動した。これにより左手親指でINFO、右手親指で選択、決定ができるようになったというわけだ。また、他社ではおなじみの撮影情報表示にも対応、今までなかったのが不思議とも言えるが。USB-C端子は電池残量10%以上あればUSB給電に対応、また電源OFF時にはモバイルバッテリーからの充電が可能になった。

背面はマルチセレクターが加わりレイアウトも変更、より使いやすくなった

背面はマルチセレクターが加わりレイアウトも変更、より使いやすくなった

星空AFとライブNDを搭載

メインの新機能を検証する前に触れておきたいのが、「星空AF」と「ライブND」である。星空AFとは名前の通り、星にピントを合わせてくれる機能。従来のAFは星には使えず、星空撮影はMFを使うのが常識だった。星空AFを使えば暗い星にもすばくピントが合うようになり、MFで拡大表示してからピントを合わせる作業が不要になった。また、「OM-D E-M1X」に搭載されたライブNDも使えるようになったのも見逃せない。ND効果を1EV〜5EVの中から選択することで昼間でもスローシャッターが使えるようになり、川の流れや噴水の水を止めずに表現できるようになった。

AF/MFの項目の中に星空AFが追加された。速度優先か精度優先かを選択できる

AF/MFの項目の中に星空AFが追加された。速度優先か精度優先かを選択できる

ライブNDは段数をND2からND32の5段階から選択できる

ライブNDは段数をND2からND32の5段階から選択できる

5軸シンクロ手ブレ補正機能で7.5段を実現

オリンパスといえば、5軸手ブレ補正の効きが強力なことで知られているが、OM-D E-M1 Mark IIIでは、これがさらに強化されて最大7.5段になった。7.5段が使えるのはレンズ内に手ブレ補正機能を内蔵した「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」のみで、通常はカメラ単体で最大7段となる。OM-D E-M1 Mark IIの手ブレ補正は最大6.5段、ボディ単体で5.5段である。今回は「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」を使って、OM-D E-M1 Mark IIIで7段、OM-D E-M1 Mark III で5.5段となる手ブレ補正効果を比較した。

撮影写真(スライド1、5184×3888、8.59MB)
撮影写真(スライド2、5184×3888、8.08MB)
撮影写真(スライド3、5184×3888、8.09MB)
撮影写真(スライド4、5184×3888、7.9MB)
撮影写真(スライド5、5184×3888、8.09MB)
撮影写真(スライド6、5184×3888、8.16MB)

手ブレ補正機能なしで撮影できる限界はレンズの焦点距離にもよるが1/8秒ぐらいだろうか。これが1秒まで撮れれば実用的に十分である。ということで手持ち1秒から、立ち位置で脇を締めて撮影開始。電柱の看板の文字がブレていないこと撮影後に確認しながら、シャッター速度を遅くしていく。結果は10秒までブレなかった。引き続き同じ条件でOM-D E-M1 Mark IIで撮影したが、これもブレない。ということで優劣付けがたい結果になった。試しに20秒で撮ってみたが、これはどちらもブレてしまい、文字がピンボケに見える。高感度に弱いフォーサーズにとってこれは強力な武器になる機能だ。三脚不要でこんなにスローシャッターが使えるなら撮影の可能性はかなり広がる。機会があれば今度は12-100mm F4.0レンズで検証してみたい。

E-M1MarkIIで撮影した画像。5.5段でも他社ミラーレスの手ブレ補正には負けていない
OM-D E-M1 Mark II、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO、12mm(35mm判換算24mm)、ISO200、F16、露出補正-0.3EV、10.0秒、絞り優先AE
撮影写真(5184×3888、8.13MB)

クルマのライトが光の軌跡を描く画像も手持ちで撮影できる
OM-D E-M1 Mark III、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO、25mm(35mm判換算50mm)、ISO200、F9、露出補正-1.0EV、2.0秒、絞り優先AE
撮影写真(5184×3888、8.11MB)

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