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フィルム写真の魅力を再発見! 自宅スキャン楽ちんスタートガイド

フィルム写真が、ここ数年静かなブームになっているのをご存じでしょうか。世界最大の写真投稿SNS「Instagram」では「#filmphotography」(フィルムフォトグラフィー)のハッシュタグが人気で、現時点の総投稿数は2,215万を超えています。比較のためにiPhone関連のメジャーなハッシュタグ「#shotoniphone」が付いた投稿数を見ると、その数は約1,364万でした。「#shotoniphone」より「#filmphotography」の方が約1,000万回も多く使われているとは、ちょっとおどろきです。

もちろん、iPhoneで撮影された写真の投稿数は、フィルム写真の投稿数を遥かに超えるでしょうし、「#filmphotography」のハッシュタグがついた写真のうち、少なからずは「フィルム写真のように加工するアプリ」を使用していることもあるはずです。とはいえ、フィルム写真に熱い注目が注がれていることは感じられる数字だと言えるのではないでしょうか?

今回はそんな魅惑のフィルム写真の世界の入り口として「ネガスキャン」の楽しみ方をご紹介します。

撮影済みのフィルム(ネガ)を探してみよう!

フィルム写真を楽しむなら、まずは、撮影と現像が済んだフィルム(ネガ)を用意しましょう。30代後半以上の人なら、ご自宅にフィルムが眠っているのではないでしょうか? また、若い世代の皆さんも家族に聞いてみれば、昔に撮影したフィルムが出てくるかもしれませんよ。

撮影済みのフィルムがないという場合は「写ルンです」での撮影がフィルム写真の入り口にはぴったり。カメラ本体が1,000円ちょっとと、お手軽です。

撮影後は、「写ルンです」をカメラのキタムラやヨドバシカメラ、ビッグカメラなどの家電量販店に持ち込めば、1,000円未満で現像ができます。ここで気を付けていただきたいのは、現像とセットでやってもらえるデータ化サービスは画質がそれほど高くないことです。データの解像度が150万〜300万画素程度になっているため、少し物足りなさを感じます。データ化(スキャン)の手間を省きたいならお店に頼むのとよいですが、画質(総画素数、dpi)にこだわるなら自分でスキャンをするほうがベターと言えるでしょう。

フィルムスキャン その1:手軽さ最優先ならアプリを使おう

すでに現像された写真を手軽にデジタル化したい場合は反射を自動で除去してくれるGoogleのアプリ「PhotoScan」(iOS/Android対応)が便利です。

PhotoScan

また、手軽にフィルム(ネガ)スキャンをしたいなら、iOS用の「FilmBox」が手軽なチョイスです。

FilmBox

写真のスキャンとアプリ内の閲覧のみであれば無料で使え、スキャンした写真をカメラロールに保存したりSNSに投稿するために書き出しをしたりする場合は月額650円(税込)のサブスクリプション契約をする必要があります。なお、有料プランが始まるまでに3日間の無料期間があるので、アプリを試してみるだけであれば最初は0円で使用できます。

「FilmBox」でネガをスキャンした結果です。解像度や色の表現はそれほどよいとは言えませんが、無料で使えることを考えれば「アリ」と言えるレベルです

※ 写真内の表示が’94年になっていますが、これは撮影当時のカメラ設定のミスです。本記事に掲載のあるほかの写真も含め、正しい撮影時期は2002年頃と思われます。

フィルムスキャン その2:画質にこだわるならフィルム専用スキャナーを使おう

アプリは手軽にフィルムスキャンを行えるのが魅力ですが、画像のクオリティを求めるなら、やはり専用のスキャナーを使いたいところです。フィルムを平置きする「フラットベッド・スキャナー」タイプの上位モデルであれば、エプソンの製品が新品で3〜5万円で販売されています。

さらに、大量のフィルムをスキャンするならPakonのドラム式スキャナーなどが有名ですが、こちらは中古品のみしか売られておらず、日本で入手するのは困難です。

今回の記事では「価格.com」のフィルムスキャナー・ランキングで1位の常連となっているケンコー製「KFS-14WS」をメーカーから借りて、実際にフィルムスキャンを試しました。

1万円後半と比較的手頃なお値段で、3200dpiの高解像度スキャンができるという人気製品の実力やいかに?

1万円後半と比較的手頃なお値段で、3200dpiの高解像度スキャンができるという人気製品の実力やいかに?

ケンコー「KFS-14WS」のスペック

対応フィルムサイズ:35mm、110mm、126mm
スキャン解像度:3200dpi
センサーサイズ:1/2.33型 CMOS
有効画素数:1240万画素(35mmフィルム読み取り時)
保存形式:JPEG
記録メディア:SD カード
本体サイズ:124(縦)×136(横)×95(高)mm
ディスプレイ解像度:960×540(5インチ、プレビュー用)
本体重量:約305g

セット内容は、フィルムスキャナー本体に加え、電源ケーブル、HDMIケーブル、手袋、フィルムホルダー、清掃用ブラシ、フィルムアタッチメント、取扱説明書(日本語)など

フィルムスキャンの方法

電源をオンにしたら、スキャンしたいフィルムストリップを本体右側から挿入します

電源をオンにしたら、スキャンしたいフィルムストリップを本体右側から挿入します

ネガがリアルタイムでポジ(通常の写真と同じ見え方)になってディスプレイに表示されるので、「この写真(コマ)を読み込む」と決めたら、位置を合わせて本体丈夫の「OK」ボタンを押すだけで、スキャンが完了します

スキャン時間はわずか約1秒とスピーディーです。アプリでのスキャンはプレビューがイマイチ鮮明でなかったり、スマホのカメラがネガと平行になっていないと画像が歪んでしまったりと、失敗することも少なくなかったのですが、専用スキャナーの場合はそう言った心配は無用。写真をサクサク選んで、素早くスキャンできるのがフィルム専用スキャナーの長所です。

スキャンしたままのデータ(補正なし)です。撮影したのはかなり昔のことなので、機材が何だったのかは定かではありませんが、フィルム写真特有の色合いやシャープ過ぎない「味」はスキャン後でもしっかりと残っていました。なお、写真左下の隅に見える光の漏れのようなものは元のフィルムの状態によるもので、スキャン性能とは関係ありません

同じフィルム(ネガ)をスキャンしたデータでも、アプリと専用スキャナーではそのクオリティは段違いです。フィルムには想像以上に豊かなコントラストやカラーが記録されているので、その魅力を味わい尽くすには、それにふさわしい機材が必要になってきます

スキャン済みのデータはSDメモリーカードに保存されるので、 カードリーダー経由でPCやスマートフォンに読み込めば、デジタルでの編集やFacebookなどのSNSへの投稿も自由に楽しめます。また、スキャナーをHDMI経由で直接テレビなどに接続して、PCレスでスキャン画像のスライドショーとして見ることも可能です。

フィルムスキャンの魅力

今回スキャンを試したのは、筆者が写真や映像を仕事にするはるか昔、高校を卒業した直後に撮影した写真です。そのため、この記事をご覧になった人には平凡な写真に見えるかもしれませんが、私にとっては青春時代を過ごした街の光景にフィルム写真独特の雰囲気が重なった、たまらなくノスタルジックな写真です。ひと言で言えば、強烈に「エモい(感情を揺さぶられる)」のです。気がつけば、夢中でフィルムをスキャンしていました。

文章を書くことを生業としている人間としてははなはだ言いにくいことではありますが、そこには言語化、文章化できない「何か」が宿っているのです。そして、それこそがフィルム写真が「フィルム写真でしか記録し得ない力を持っている」ことの証左にほかなりません。

ご自身で撮影した写真であれ、別の誰かが撮ったものであれ、フィルムが残っていればぜひスキャンをして、現代によみがえらせてみてください。きっと、そこにはあなた自身を含め、見た人の心に強く訴えかける光景が収められているはずです。

これからは梅雨や、密集した場所を避けなければならないなどの事情で、外出して写真を撮りに行きづらい状況になる可能性もあります。そんな今こそ家に眠っている写真(ネガ)を発掘してみてはいかがでしょう?

Mr.TATE(Masahira TATE)

Mr.TATE(Masahira TATE)

世界50カ国以上を旅したバックパッカー。週刊アスキー編集部などを経て、AppBankに入社。「バイヤーたてさん」として仕入れとYouTubeを活用したコンテンツコマースに取り組み、上場時は広報として企業PRを担当。現在はフリーランスで活動中。

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