選び方・特集
各メーカーを代表する高性能モデルをピックアップ

ミラーレス用の大口径・標準レンズ5本をガチ比較!

高画質な一眼カメラで撮影を楽しむなら、定番として1本は持っておきたいのが標準レンズだ。撮影の基本となる画角(焦点距離50mm)で、ポートレートやスナップ、風景など幅広いシーンで活躍するレンズである。最近では、非常にすぐれた描写性能を持つ、ミラーレスカメラ用の大口径・標準レンズの新作が続々と登場して話題となっているが、それらの写りの違いを横並びで見てみたいというカメラファンも多いはず。そこで今回、開放F1.2/F1.4の明るさを持つ大口径・標準レンズを徹底比較。同じシーン・被写体で撮り分けることで、計5本(キヤノン、ニコン、ソニー、パナソニック、シグマ)の描写性能を詳しく検証した。

※記事中の価格表記は、2021年1月25日時点での価格.com最安価格を参考にしています。

有効画素数が4000万画素台のフルサイズミラーレスと組み合わせて、計5本の大口径・標準レンズを試した

有効画素数が4000万画素台のフルサイズミラーレスと組み合わせて、計5本の大口径・標準レンズを試した

取り上げるレンズの価格やサイズの違い

ミラーレスカメラ用の大口径・標準レンズとして今回ピックアップしたのは以下の5本。各レンズの詳細は記事の最後にまとめるが、ひとまず、簡単な特徴を紹介しておこう。

RF50mm F1.2 L USM(キヤノン)
キヤノンRFマウント 2018年10月25日発売 約29万円
NIKKOR Z 50mm f/1.2 S(ニコン)
ニコンZマウント 2020年12月11日発売 約27万円
Planar T* FE 50mm F1.4 ZA(ソニー )
ソニーEマウント 2016年7月29日発売 約17万円
LUMIX S PRO 50mm F1.4(パナソニック)
ライカLマウント 2019年3月23日発売 約26万円
50mm F1.4 DG HSM(シグマ)
ライカLマウント 2019年8月23日発売 約10万円

左からRF50mm F1.2 L USM、NIKKOR Z 50mm f/1.2 S、Planar T* FE 50mm F1.4 ZA、LUMIX S PRO 50mm F1.4、50mm F1.4 DG HSM

左からRF50mm F1.2 L USM、NIKKOR Z 50mm f/1.2 S、Planar T* FE 50mm F1.4 ZA、LUMIX S PRO 50mm F1.4、50mm F1.4 DG HSM

発売日
Planar T* FE 50mm F1.4 ZA は2016年で、その他4本は2018年〜2020年。ただし、50mm F1.4 DG HSMは一眼レフ用の製品(2014年発売)をライカLマウントに最適化したもの。光学設計的には、RF50mm F1.2 L USM、NIKKOR Z 50mm f/1.2 S、LUMIX S PRO 50mm F1.4の3本が新しく、次いでPlanar T* FE 50mm F1.4 ZA、50mm F1.4 DG HSMという順になる。

価格
50mm F1.4 DG HSMは約10万円で、Planar T* FE 50mm F1.4 ZAは約17万円。その他最新の3本はいずれも25万円オーバー。50mm F1.4 DG HSMは価格帯が異なるため、ほかの4本を比べるのは少々酷ではある。この後に掲載する検証結果は価格も考慮してチェックしてほしい。

開放F値
RF50mm F1.2 L USMとNIKKOR Z 50mm f/1.2 Sは開放F値がF1.2、その他3本は1/3段暗いF1.4。いずれも、各マウントのAF対応標準レンズとして最も大口径なもののひとつだ。

サイズ
RF50mm F1.2 L USM 89.8×108mm/950g
NIKKOR Z 50mm f/1.2 S 89.5×150mm/1090g
Planar T* FE 50mm F1.4 ZA 83.5×108mm/778g
LUMIX S PRO 50mm F1.4 90×130mm/955g
50mm F1.4 DG HSM 85.4×123.9mm/890g
※約表示は省略。サイズは最大径×全長

高性能な大口径レンズだけあってどれも鏡筒は大きめ。特に、NIKKOR Z 50mm f/1.2 SとLUMIX S PRO 50mm F1.4の2本は全長が長く、サイズ感も大きい。最も小さくて軽いのはPlanar T* FE 50mm F1.4 ZA。50mm F1.4 DG HSMも最新の3本に比べるとコンパクト。

比較作例の撮影と掲載について

作例を掲載する前に、今回の撮影で使用したカメラボディ、ならびに撮影設定などについてまとめておこう。

使用したカメラボディ
RF50mm F1.2 L USM:キヤノンEOS R5(有効約4500万画素)
NIKKOR Z 50mm f/1.2 S:ニコンZ7 II(有効4575万画素)
Planar T* FE 50mm F1.4 ZA:ソニーα7R III(有効約4240万画素)
LUMIX S PRO 50mm F1.4:パナソニックLUMIX S1R(有効4730万画素)
50mm F1.4 DG HSM:パナソニックLUMIX S1R(有効4730万画素)

ソニーからは有効約6100万画素の最新モデルα7R IVも用意されているが、4000万画素台でそろえるためα7R IIIを選択した。

共通の撮影設定
記録モード:JPEGの最高画質
シャッター方式:メカシャッター(電子先幕オフ)
仕上がり設定:スタンダード系
コントラスト感の調整機能:オフ
周辺光量補正:オンもしくはオート(効果を選択できる場合は標準)
歪曲収差補正:オンもしくはオート
色収差補正:オン(効果を選択できる場合は標準)
回折補正:オンもしくはオート(効果を選択できる場合は標準)
※EOS R5のデジタルレンズオプティマイザは「標準」を選択

撮影は、できる限り同じ条件になるように設定をそろえて行った。レンズの光学補正機能は、カメラによって自動的に色収差補正や歪曲収差補正が入るものがあるため、基本的にすべてオンにしている。

作例の掲載
・掲載する作例は、すべてJPEG形式の最高画質で撮影したもの(JPEG撮って出し)。段階的に露出を変えて撮影したものの中から、レンズごとに明るさのバラつきがないように、できる限り、写真として露出感がそろったものを選定
・同じ絞り値での作例の掲載順は、RF50mm F1.2 L USM、NIKKOR Z 50mm f/1.2 S、Planar T* FE 50mm F1.4 ZA、LUMIX S PRO 50mm F1.4、50mm F1.4 DG HSM
・データ数が多いため、縮小していない撮影写真についてはハイライトとなるものに限定
・切り出し画像は、等倍ではなく、写真の長辺を7000ピクセルに縮小したものから900×675ピクセルで切り出したものになる

比較1 屋外・静止物(絞り開放〜F8)

撮影状況・設定
状況:晴天夕方(日没の約1時間30分前)。被写体までの距離(ピント位置)は約1.2m
絞り値:F1.2/F1.4〜F8
感度:ISO100
シャッタースピード(F1.4時):キヤノン1/5000秒、ニコン1/6400秒、ソニー1/4000秒、パナソニック1/3200秒、シグマ1/3200秒
ホワイトバランス:オート(雰囲気優先、ウォーム)

RF50mm F1.2 L USM(キヤノン)の撮影写真(F1.2)
NIKKOR Z 50mm f/1.2 S(ニコン)の撮影写真(F1.2)

RF50mm F1.2 L USM(キヤノン)の撮影写真(F1.4)
NIKKOR Z 50mm f/1.2 S(ニコン)の撮影写真(F1.4)
Planar T* FE 50mm F1.4 ZA(ソニー)の撮影写真(F1.4)
LUMIX S PRO 50mm F1.4(パナソニック)の撮影写真(F1.4)
50mm F1.4 DG HSM(シグマ)の撮影写真(F1.4)

レビュー
・オートホワイトバランス(ウォーム系)で撮影しているが、夕暮れ前の雰囲気をうまく再現しているのは、カメラボディにLUMIX S1Rを使用したライカLマウントの2本。NIKKOR Z 50mm f/1.2 S+Z 7IIはやや青みが強く、Planar T* FE 50mm F1.4 ZA+α7R IIIはアンバー寄りになった。
・それぞれに階調の出方が異なっており、RF50mm F1.2 L USM+EOS R5は明るめの仕上がり。NIKKOR Z 50mm f/1.2 S+Z 7II はコントラストが高く、ハイライトも伸びる傾向にある。Planar T* FE 50mm F1.4 ZA+α7R IIIは独特で、中間調を上げながらハイライトを抑えるようだ。ライカLマウントの2本は、いずれもハイライトを抑えることでしっとりとした感じになっている。
・周辺光量落ちは、どのレンズも開放付近だとやや目立つ。特に、Planar T* FE 50mm F1.4 ZA+α7R IIIは周辺光量落ちが大きく、開放付近だと露出決定でやや悩むこともあるだろう。LUMIX S PRO 50mm F1.4+S1Rはボディ側での補正具合が強いようだ。
・どのレンズも大口径らしい大きなボケが得られているが、全体的に特に滑らかな感じがするのはNIKKOR Z 50mm f/1.2 S+Z 7II。Planar T* FE 50mm F1.4 ZA+α7R III はややボケが小さく見える。
・余談になるが、画角はLUMIX S PRO 50mm F1.4+S1Rが最も広い。各レンズで撮像基準マークの位置をできる限りそろえるようにしたが、RF50mm F1.2 L USM+EOS R5やNIKKOR Z 50mm f/1.2 S+Z 7IIと比べると、ひと回りとまではいかないが、使っていて違いがわかる程度に広く撮れる。

※次ページでは比較1の切り出し画像を用いて描写性能をレポートします。

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