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Xシリーズミラーレス最強の新フラッグシップ! 富士フイルム「X-H2S」にいち早く触ってきた

富士フイルムは2022年5月31日、同社YouTubeチャンネルのオンラインイベント「X Summit OMIYA 2022」にて、APS-Cサイズの撮像素子を採用する、「Xシリーズ」のミラーレスカメラ「X-H2S」を発表した。「Xシリーズ」の新しいフラッグシップモデルで、プロユースに応える非常に高い高速性能を持つ、プロ・ハイアマチュア注目の1台だ。開発中のベータ機にいち早く触ってきたので、外観画像を交えながら、その特徴を紹介しよう。

ステッピングモーターによるパワーズームを採用した、新しい高倍率ズームレンズ「XF18-120mmF4 LM PZ WR」(2022年9月発売)を「X-H2S」に装着したイメージ。動画/静止画の両方で活用できるハイブリッドレンズだ

ステッピングモーターによるパワーズームを採用した、新しい高倍率ズームレンズ「XF18-120mmF4 LM PZ WR」(2022年9月発売)を「X-H2S」に装着したイメージ。動画/静止画の両方で活用できるハイブリッドレンズだ

シリーズ初の積層型「X-Trans CMOS 5 HS」と「X-Processor 5」を採用し、Xシリーズ史上最高性能を実現

富士フイルム「Xシリーズ」のミラーレスは、フラッグシップモデル「X-Hシリーズ」、ハイブリッドファインダーを搭載する「X-Proシリーズ」、一眼レフスタイルの高性能モデル「X-Tシリーズ」、ミニマルデザインの小型・軽量モデル「X-Eシリーズ」、ファインダー非搭載のエントリーモデル「X-Aシリーズ」の計5ラインが用意されている。

フラッグシップの「X-Hシリーズ」については、2018年3月に、「Xシリーズ」初のボディ内手ブレ補正搭載機「X-H1」が初代モデルとして登場。高性能かつ堅牢なミラーレスとして人気を集めた。ただ、それ以降、「X-H1」の後継モデルは登場しておらず、また2020年5月発売の「X-T4」にボディ内手ブレ補正が搭載したこともあって、「Xシリーズ」の中での「X-Hシリーズ」の存在感は薄れていた。「このままこのシリーズは廃止になるのでないか……」と思っていた人も少なくないだろう。

約4年の沈黙を破って登場した、「X-Hシリーズ」の新モデル「X-H2S」は、高速性能にこだわって開発されているのがポイント。肝となる基幹デバイスには、第5世代となる、約2616万画素の撮像素子「X-Trans CMOS 5 HS」と、画像処理エンジン「X-Processor 5」を採用した。「X-Trans CMOS 5 HS」はX-Trans CMOSとして初めて積層構造を採用し、従来比で約4倍の高速読み出しを実現。「X-Processor 5」は、プロセスの微細化により、低消費電力と高速処理を両立した。この第5世代の基幹デバイスによって、「X-H2S」は、静止画撮影と動画撮影の両方で「Xシリーズ」史上最高性能を実現している。

仕上がり設定の「フィルムシミュレーション」に待望の「ノスタルジックネガ」が追加された。ラージフォーマット機の「GFX100/GFX100S」には搭載されているが、「Xシリーズ」としては初搭載となる

仕上がり設定の「フィルムシミュレーション」に待望の「ノスタルジックネガ」が追加された。ラージフォーマット機の「GFX100/GFX100S」には搭載されているが、「Xシリーズ」としては初搭載となる

約40コマ/秒のブラックアウトフリー超高速連写を実現。AFは被写体検出に対応

「X-H2S」のハイパフォーマンスを象徴しているのが連写性能だ。APS-Cミラーレスとしては2022年5月31日時点で最速となる、電子シャッターでの約40コマ/秒超高速連写(AF・AE追従、ブラックアウトフリー)を実現している。120回/秒の高速なAF/AE演算も実現しており、高精度なAF/AE追従連写が可能だ。さらに、バッファメモリーを強化し、連写の持続性も向上。約40コマ/秒連写時の連続撮影可能枚数はJPEGが184枚、RAW+JPEGが138枚。メカシャッターでの約15コマ/秒連写時はJPEGが1000枚以上、RAW+JPEGが400枚となっている。バッファフル後も高い連写速度を維持し、JPEGでの約40コマ/秒連写時は、バッファフル後でも20コマ/秒で連写が継続するとしている。

電子シャッター時に約40コマ/秒ブラックアウトフリーの超高速連写が可能

電子シャッター時に約40コマ/秒ブラックアウトフリーの超高速連写が可能

AFも進化しており、「X-T4」と比べて高速連写時の読み出し速度が3倍に高速化したことで、より高精度なAFを実現。AFアルゴリズムも新規に開発し、特に動く被写体への予測や、小さい被写体の捕捉などの性能が改善しているという。さらに、ディープラーニング技術を用いて開発した被写体検出AFを新たに搭載。人物の顔・瞳だけでなく、「動物」「鳥」「クルマ」「バイク&自転車」「飛行機」「電車」の検出が可能になった。

「動物」「鳥」「クルマ」「バイク&自転車」「飛行機」「電車」の被写体検出に対応

「動物」「鳥」「クルマ」「バイク&自転車」「飛行機」「電車」の被写体検出に対応

CFexpress Type BカードとSDカードのデュアルスロットを採用

CFexpress Type BカードとSDカードのデュアルスロットを採用

一般的なハイエンド機に近い操作系を採用。ファインダーも倍率0.8倍に進化

「X-H2S」では、操作性も大きく見直されている。シャッタースピードダイヤルや感度ダイヤルを使った富士フイルム独自の仕様ではなく、撮影モードダイヤルを採用するなど、一般的なハイエンド機に近い操作系にまとまっている。

ボディ上面では、左肩に撮影モードダイヤルを備え、右肩にサブ液晶モニターや感度ボタン、ホワイトバランスボタンなどを搭載。前面では、フォーカスモード切り替えレバーがファンクションボタンになり、カスタム登録が可能になった。また、多くのボタンでゴムキーを採用し、より確実なボタン操作を実現しているのも特徴だ。

ボディ上面。撮影モードダイヤルや情報表示パネルなどを見ると、コンパクトな1億画素機「GFX100S」に比較的近い操作系という印象。ストラップ取り付け部は形状が変更になっている

ボディ上面。撮影モードダイヤルや情報表示パネルなどを見ると、コンパクトな1億画素機「GFX100S」に比較的近い操作系という印象。ストラップ取り付け部は形状が変更になっている

前面のフォーカスモード切り替えレバーはファンクションボタンになった

前面のフォーカスモード切り替えレバーはファンクションボタンになった

背面。フォーカスレバーは形状と配置を変更。AF-ONボタンはより大きな形状になっている。コマンドダイヤルのクリック感も向上している

背面。フォーカスレバーは形状と配置を変更。AF-ONボタンはより大きな形状になっている。コマンドダイヤルのクリック感も向上している

シャッターボタンは、ストローク調整を行っていない初期状態の「X-H1」と比べると半押し/全押しのストロークが長くなっている。「X-H1」ほどのフェザータッチではなく、適度な押し込み量があるため、より確実な操作が可能な印象。シャッター動作の衝撃もかなり抑えられており、「X-T4」以上の良質なフィーリングだと感じた次第だ。

シャッターボタンのフィーリングも「X-H1」から変更

シャッターボタンのフィーリングも「X-H1」から変更

さらに、「X-H2S」の操作性では電子ビューファインダー(EVF)の性能にも注目してほしい。倍率0.8倍(35mm判換算)、約576万ドット、120fps表示対応の高性能なファインダーを搭載している。すべて非球面レンズの新規光学系を採用したのもポイントで、中心から周辺までクリアな見えを実現している。また、アイセンサーの反応時間を約半分に短縮するなどして、細かいところの使い勝手も向上した。

光学系にもこだわった倍率0.8倍(35mm判換算)、約576万ドットのEVF。アイポイントは約24mm

光学系にもこだわった倍率0.8倍(35mm判換算)、約576万ドットのEVF。アイポイントは約24mm

ボディ内手ブレ補正はアルゴリズムの改良により、ブレ検出精度が向上。「Xシリーズ」最高性能となる、最大7段分の手ブレ補正性能を実現している。動画撮影時の手ブレ補正については、パンニング時の挙動を改善したほか、電子手ブレ補正の「あおり補正」が追加されている。

「X-H2S」のボディサイズは136.3(幅)×92.9(高さ)×84.6(奥行、最薄部42.8mm)mmで、重量は660g(バッテリー、メモリーカード含む)。「X-H1」と比べると、全体的にコンパクトになったうえ、重量も13gほど軽い。小型・軽量化を図りながら、防塵・防滴・耐低温-10℃の高い信頼性も確保した。

防塵・防滴・耐低温-10℃仕様の縦位置バッテリーグリップ「VG-XH」(別売オプション)を装着したイメージ。別売オプションとしては、縦位置グリップとしても使用できるファイルトランスミッター「FT-XH」も用意している

防塵・防滴・耐低温-10℃仕様の縦位置バッテリーグリップ「VG-XH」(別売オプション)を装着したイメージ。別売オプションとしては、縦位置グリップとしても使用できるファイルトランスミッター「FT-XH」も用意している

対応バッテリーは「GFX100S」や「X-T4」などと同じ「NP-W235」。「X-Processor 5」の省電力制御によって、「X-T4」と比べて約20%の撮影可能枚数の増加を実現している

対応バッテリーは「GFX100S」や「X-T4」などと同じ「NP-W235」。「X-Processor 5」の省電力制御によって、「X-T4」と比べて約20%の撮影可能枚数の増加を実現している

6.2K/30p記録やProRes記録など充実した動画撮影機能

「X-H2S」の動画撮影機能は、カメラ内での高画質収録が可能なのがポイント。4:2:2 10bitでの6.2K/30p記録(3:2のオープンゲート)、4K/120p記録などに対応し、ハイフレームレート記録以外のほとんどのモードがクロップなしの仕様となっている。ProRes内部記録にも対応した。4:2:2 12bitでのHDMI RAW出力も可能となっている。また、最大14+stopの広いダイナミックレンジを実現した「F-Log2」も新たに搭載。撮像素子を刷新し、動画撮影時の読み出し速度が1/180秒に向上したことで、シネマカメラクラスの極小ローリングシャッター歪みを実現しているのも特徴だ。

6.2K/30p動画のカメラ内記録が可能。ProResコーデックにも対応している

6.2K/30p動画のカメラ内記録が可能。ProResコーデックにも対応している

4K/120p記録も可能

4K/120p記録も可能

HDMI端子はType A仕様

HDMI端子はType A仕様

別売オプションの外付け冷却ファン「FAN-001」を背面に装着したイメージ。高温環境下でも長時間撮影を可能にするオプションだ。カメラボディと同様、防塵・防滴・耐低温-10℃仕様となっている

別売オプションの外付け冷却ファン「FAN-001」を背面に装着したイメージ。高温環境下でも長時間撮影を可能にするオプションだ。カメラボディと同様、防塵・防滴・耐低温-10℃仕様となっている

冷却ファンの設定画面。ファンの動作音を抑えることを優先する「AUTO1」、カメラの温度上昇を抑えることを優先する「AUTO2」などの設定が用意されている

冷却ファンの設定画面。ファンの動作音を抑えることを優先する「AUTO1」、カメラの温度上昇を抑えることを優先する「AUTO2」などの設定が用意されている

35mm判換算で焦点距離229〜914mmの画角に対応する超望遠ズームレンズ「XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR」も発表になった。インターズーム仕様で重量は1605g。比較的取り回しのよい超望遠ズームだ。2022年7月14日の発売予定

35mm判換算で焦点距離229〜914mmの画角に対応する超望遠ズームレンズ「XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR」も発表になった。インターズーム仕様で重量は1605g。比較的取り回しのよい超望遠ズームだ。2022年7月14日の発売予定

まとめ 静止画と動画の両方がハイレベル。本格的な動体撮影で威力を発揮するカメラ

約4年ぶりのリニューアルとなった「X-H2S」は、静止画撮影と動画撮影の両方が非常に高性能なハイブリッドカメラに仕上がっている。特に連写を中心とした高速性能については、2022年5月31日時点で、APS-Cミラーレスとして最高性能を誇る1台と言っていいだろう。静止画撮影では、野鳥や動物、スポーツ、航空機、鉄道といった、本格的な動体撮影で威力を発揮するカメラである。また、本記事では触れなかったが、画質も、第5世代の基幹デバイスの採用によって、低感度での解像度向上と高感度でのノイズ抑制を実現しているとのこと。発売は2022年7月14日で、ボディ単体の市場想定価格は350,000円前後(税込)。

なお、富士フイルムは、「X-Hシリーズ」のもうひとつの新モデルとして、APS-Cミラーレスとしては初となる4000万画素センサー「X-Trans CMOS 5 HR」を採用する高解像モデル「X-H2」の存在も明らかにした。2022年9月の発表が予定されている。このほか、「XFレンズ」のレンズロードマップも更新しており、「XF56mmF1.2の後継」「XF30mmF2.8 R Macro」「XF8mmF3.5」の3本が新たにロードマップに加わった。

真柄利行(編集部)

真柄利行(編集部)

フリーランスから価格.comマガジン編集部に舞い戻った、カメラが大好物のライター/編集者。夜、眠りに落ちる瞬間までカメラやレンズのことを考えながら生きています。

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