特別企画

一眼カメラの新製品から「2022年のカメラ業界」を振り返る

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国内メーカーが発売した注目度の高いカメラを紹介しながら「カメラ業界の1年」を振り返る、年末恒例の企画。2022年は、2021年に引き続いて半導体不足の影響を受けたものの、マイクロフォーサーズシステム規格(以下、マイクロフォーサーズ)のフラッグシップモデルが2機種そろって登場するなど、話題性の高い一眼カメラがいくつか登場した。

マイクロフォーサーズのフラッグシップ2機種や、富士フイルムのダブルフラッグシップなどが発売された2022年

マイクロフォーサーズのフラッグシップ2機種や、富士フイルムのダブルフラッグシップなどが発売された2022年

2022年に登場した一眼カメラ(国内メーカー製)は計13モデル

2022年に登場した国内メーカー製の一眼カメラは、一部仕様を変更したマイナーチェンジモデル2機種を含めて計13モデル。2020年が19モデル、2021年が15モデル、2022年が13モデル(※価格.comマガジン調べ)と、直近3年間は徐々に新製品の数が減っているのが気になるところだが、世界的な半導体・部品不足によって開発・発売のスケジュールが遅れているのがその大きな原因だろう。

2022年発売の新製品は、製品のカテゴリーによらず、全体的にAFや連写などの性能が底上げされたのがトピック。AFは被写体検出機能が進化し、より多彩な被写体をカメラが自動で検出できるようになった。連写はエントリーモデルでも20コマ/秒を超える連写性能を持つものが出てきている。

キヤノン
EOS R6 Mark II(2022年12月15日発売) より多彩な被写体検出を実現したフルサイズミラーレス
EOS R7(2022年6月23日発売) 約3250万画素センサーを搭載するAPS-Cミラーレス上位機
EOS R10(2022年7月28日発売) 上記機のAF性能を継承した小型・軽量なエントリーモデル

ニコン
Z 30(2022年8月5日発売) 動画撮影機能を重視した小型・軽量なエントリーモデル

ソニー
α7R V(2022年11月25日発売) AF性能が大幅に進化した約6100万画素フルサイズミラーレス

富士フイルム
X-H2S(2022年7月14日発売) 40コマ/秒の超高速連写を実現した高速フラッグシップ
X-H2(2022年9月29日発売) 約4020万画素センサー搭載の高解像フラッグシップ
X-T5(2022年11月25日発売) チルト液晶を採用する小型・軽量な約4020万画素モデル

OMデジタルソリューションズ
OM SYSTEM OM-1(2022年3月18日発売) 約2037万画素・裏面照射積層型センサー採用のフラッグシップ
OM SYSTEM OM-5(2022年11月18日発売) 「E-M1 Mark III」の基本性能を搭載したスタンダードモデル

パナソニック
LUMIX GH6(2022年3月25日発売) 充実した動画撮影機能を持つフラッグシップ
LUMIX G99D(2022年10月20日発売) 有機ELモニターを採用するマイナーチェンジモデル

リコーイメージング
PENTAX KF(2022年11月25日発売) 「K-70」の基本性能を継承した一眼レフ

マイクロフォーサーズのフラッグシップ2機種が相次いで登場

2022年に発売された一眼カメラの中で大きなトピックとして紹介したいのが、OMデジタルソリューションズとパナソニックからマイクロフォーサーズのフラッグシップモデルが登場したことだ。

OMデジタルソリューションズは2022年3月18日に「OM SYSTEM OM-1」を、パナソニックは2022年3月25日に「LUMIX GH6」をリリースした。ほぼ同じタイミングの2022年3月に発売されたことで、マイクロフォーサーズは大きな盛り上がりを見せた。

「OM SYSTEM OM-1」は、“人生にもっと冒険を”をブランドメッセージに掲げる新ブランド「OM SYSTEM」の第1弾モデル。OMデジタルソリューションズの今後を占うフラッグシップとして発売前から期待を集めたが、その期待を裏切らない高性能を実現。特に、有効約2037万画素の裏面照射積層型Live MOSセンサーと新開発の画像処理エンジン「TruePic X」を採用し、大幅な画質向上を実現したのが特徴だ。

「OM SYSTEM」の新しいフラッグシップモデル「OM SYSTEM OM-1」

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OMデジタルソリューションズは、スタンダードモデル「OM SYSTEM OM-5」も2022年に発売した(2022年11月18日発売)。「OM SYSTEM」のロゴを冠する初のモデルで、防塵・防滴・-10℃耐低温設計の小型・軽量ボディに旧フラッグシップ「E-M1 Mark III」の基本性能を搭載している。

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「LUMIX GH6」は「Gシリーズ」のフラッグシップで、新開発の有効2521万画素センサーと新世代の画像処理エンジン「ヴィーナスエンジン」を搭載し、基本性能が大幅に向上。プロ仕様の充実した動画撮影機能を搭載するのが特徴で、“コーデックモンスター”という開発キーワードが示すように、5.7K/60p、5.8K-A/30p、C4K/120p 60p、4K/120p 60p、4.4K-A/60p、フルHD/240p 120p 60pといった多彩な動画をクロップレスでカメラ内に記録することが可能だ。

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富士フイルムがダブルフラッグシップをリリース。小型・軽量な「X-T5」も登場

2022年に最も積極的な動きを見せたのが富士フイルムだ。ダブルフラッグシップと銘打ち、「Xシリーズ」の第5世代フラッグシップモデルとして、「X-H2S」と「X-H2」の2つのAPS-Cミラーレスカメラをリリースした。

「X-H2S」は、2022年7月14日に発売された“高速”フラッグシップ。「Xシリーズ」では初となる積層構造を採用した約2616万画素の撮像素子「X-Trans CMOS 5 HS」と新開発の画像処理エンジン「X-Processor 5」を搭載し、APS-Cミラーレスとしてはクラス最高レベルの高性能を実現。約40コマ/秒のブラックアウトフリー超高速連写を実現したほか、6.2K/30p記録やProRes記録など充実した動画撮影機能を備えるのも見逃せない特徴だ。

積層構造の新センサーを搭載し、大幅な性能向上を実現した「X-H2S」

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「X-H2」は、“高解像”フラッグシップで、2022年9月29日に登場。APS-Cミラーレスとして初めて“4000万画素”の大台に乗った、有効約4020万画素の裏面照射型「X-Trans CMOS 5 HR」センサーを採用し、大きな話題を集めた。高画素センサーを生かし、約1.6億画素の高画素画像を生成する「ピクセルシフトマルチショット」を搭載するほか、「X シリーズ」初の8K/30p動画撮影にも対応している。

「X-H2」は有効約4020万画素の高画素センサーを採用。8K/30p動画の撮影も可能だ

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さらに、富士フイルムは2022年11月25日に、「X-H2」と同じ有効約4020万画素の裏面照射型「X-Trans CMOS 5 HR」センサーを搭載した、「X-Tシリーズ」の新モデル「X-T5」もリリースした。3方向チルト液晶が復活するなど静止画撮影を重視したモデルで、ボディ内5軸手ブレ補正機能を備えながら、従来モデル「X-T4」より50g軽い小型・軽量ボディを実現しているのが魅力だ。

フラッグシップ「X-H2」と同じ有効約4020万画素センサーを搭載する「X-T5」

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フルサイズミラーレスはソニー「α7R V」とキヤノン「EOS R6 Mark II」が登場

2022年に発売されたフルサイズミラーレスカメラは、ソニーの「α7R V」とキヤノンの「EOS R6 Mark II」の2台。ニコンのフラッグシップモデル「Z 9」や、ソニーのフラッグシップモデル「α1」、キヤノンのハイスペックモデル「EOS R3」といった注目度の高いモデルが登場した2021年と比べると新製品の数が少なく、やや盛り上がりに欠ける1年であった。

ソニーの「α7R V」は、2022年11月25日に発売された、高画素モデル「α7Rシリーズ」の第5世代機。従来モデル「α7R IV」の有効約6100万画素・裏面照射型「Exmor R」CMOSセンサーを継承しつつ、AI技術を活用して開発した「AIプロセッシングユニット」を新たに搭載したのがトピックだ。このユニットによって、人物が複雑な姿勢でいたり、後を向いていたりしても高精度に追尾できる、高度な被写体認識を実現している。

「AIプロセッシングユニット」を搭載し、AFが大幅に進化した高画素フルサイズミラーレス「α7R V」

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キヤノンの「EOS R6 Mark II」は、同社のラインアップの中ではスタンダードモデルに位置する「EOS R6」の後継機で、2022年12月15日に登場。新開発の有効最大約2420万画素CMOSセンサーを採用したほか、被写体検出AFが「馬」「鉄道/飛行機」に新たに対応するなど、全方位で着実に進歩した正統進化モデルだ。動画も6Kオーバーサンプリングでの4K/60p記録に対応。デジタルテレコンや「動体優先」のHDRモードといった機能も追加されている。

「EOS R6 Mark II」はフルサイズミラーレスの新しいスタンダードモデル。画質やAF、動画などで着実な進歩を実現している

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高性能なエントリーモデル「EOS R10」や、動画撮影を意識した「Z 30」なども登場

フラッグシップモデルやハイエンドモデルの影に隠れがちだが、2022年は、エントリー向けのミラーレスカメラもいくつか登場した。

なかでも、性能の高さで話題を集めたのが、キヤノンの「EOS R10」(2022年7月28日発売)。発売直後から高い人気をキープする上位機「EOS R7」(2022年6月23日)と並んで、「EOS Rシリーズ」初のAPS-Cミラーレスとしてラインアップに追加されたモデルで、同シリーズ最小・最軽量のコンパクトボディに、フルサイズミラーレス「EOS R3」ゆずりの高性能AFを搭載。電子シャッター時で最高約23コマ/秒の高速連写も実現している。

「EOS R10」はハイエントリーからローミドルに位置するモデル。クラスを超えるような高性能が特徴だ

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2022年は大きな動きのなかったニコンだが、8月5日にエントリー向けのAPS-Cミラーレス「Z 30」を発売している。このモデルは、電子ビューファインダーを省略し、バリアングル液晶を採用するなど、Vlogなどの動画撮影を重視した小型・軽量機。大型のステレオマイクのほか、大きくて視認性の高い動画撮影ボタンや「RECランプ」も備わっており、これまでの「Zシリーズ」にはなかった特徴を持つカメラだ。

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まとめ 半導体不足の影響が続いた1年。出荷数量は徐々に回復

2022年のカメラ業界は、2021年に引き続いて半導体・部品不足の影響を受けた1年だった。2022年の前半は全体的に品薄状態が続き、特に人気の高いモデルはなかなか手に入らない状況が続いた。ただ、直近では半導体・部品不足は徐々に解消してきているのか、ニコンのフラッグシップ「Z 9」など、これまで予約待ちだったモデルも「在庫あり」のショップが増えてきている。

また、円安の影響によって、カメラ製品の販売価格が見直されたのも2022年の見逃せないトピック。多くのメーカーが販売価格を改定し、モデルによっては1年前から1〜2割弱程度価格が上昇しているものもある。さらに、円安の影響と、エントリーからミドルクラスの製品の性能が底上げされたことによって、一眼カメラの価格が全体的に上がっているのも見逃せない。2022年に発売されたモデルを見ると、ボディ単体の価格が10万円を切っているのはニコンの「Z 30」のみだ。

新製品のリリースの減少、品不足、販売価格の高騰と、あまりよいニュースがない年だったが、直近の一眼カメラの出荷数量は決して悪くない。CIPA(一般社団法人カメラ映像機器工業会)が公開しているデータを見ると、下げ止まりとまでは言えないかもしれないが、2022年5月〜10月の出荷数量は前年同月を上回っている。

2020年〜2022年のレンズ交換式デジタルカメラの出荷数量グラフ(2022年10月まで)。黒線が2021年、オレンジが2022年だ。2022年5月以降は前年同月を上回る水準で推移している(出典:一般社団法人カメラ映像機器工業会)

2020年〜2022年のレンズ交換式デジタルカメラの出荷数量グラフ(2022年10月まで)。黒線が2021年、オレンジが2022年だ。2022年5月以降は前年同月を上回る水準で推移している(出典:一般社団法人カメラ映像機器工業会)

来年2023年は、半導体・部品不足が大幅に解消されることを前提にすると、2022年よりも新製品の数が増えることが予想される。

フルサイズミラーレスでは、キヤノンから「EOS RP」の後継に位置するようなエントリー機や、ずっと噂されている高画素モデルの登場に期待したい。フラッグシップミラーレスの開発発表が行われる可能性もある。また、ニコンからは「Z 9」の性能を継承した下位モデルや、「Z 7II」や「Z 6II」の後継機の登場に期待したいところ。クラシカルデザインの「Z fc」のフルサイズ版が出たら大きな話題になる。ソニーは、おそらく「α9シリーズ」の新モデルを準備していることだろう。

APS-Cミラーレスでは、富士フイルムのラインアップに注目だ。第5世代の撮像素子・画像処理エンジンをどう展開していくのか、「X-Pro4」の登場はあるのか興味は尽きない。

また、動画撮影機能のニーズの高まりを受け、2023年以降は、製品のグレードによらず、静止画撮影と動画撮影のハイブリッドを謳うミラーレスがさらに増えることだろう。クリエイター向けの本格モデルだけでなく、ミドルレンジからエントリーでも、高性能な電子手ブレ補正などを搭載した、動画撮影の使い勝手にすぐれるモデルが登場するかもしれない。

真柄利行(編集部)
Writer / Editor
真柄利行(編集部)
フィルム一眼レフから始まったカメラ歴は、はや約30年。価格.comのスタッフとして300製品以上のカメラ・レンズをレビューしてきたカメラ専門家で、特にデジタル一眼カメラに深い造詣とこだわりを持っています。フォトグラファーとしても活動中。パソコンに関する経験も豊富で、パソコン本体だけでなく、Wi-Fiルーターやマウス、キーボードなど周辺機器の記事も手掛けています。
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