カメラ初心者のライター・大木亜希子がカメラについて勉強していく連載「亜希子のデジカメ学園」。
本連載はこれまで数々のカメラをご紹介してきましたが、今回が最終回になります。
4年にわたりさまざまなカメラ製品を検証してきたことで、私なりにカメラを選ぶ際のゆずれない3つポイントが見つかりました!
■1つ目
ボディが重くないこと
→機器が重いと持ち運びに不便。
■2つ目
レンズキットの価格が安いこと
→10万前後で収めたいところです。
■3つ目
操作方法が難しくないこと
→撮影後も簡単にモード設定ができるとうれしい!
この点がクリアになれば、あとはデザインや機能を比較しながら選べばよいということがわかってきました。
そこで、今回もカメラマニア歴数十年のライターの先輩・ゴン川野さんにご相談。
「上記の条件を叶えてくれるカメラを教えてほしい」と無茶ぶりしたところ、キヤノン「EOS Kiss」シリーズの実質的な後継機種を教えてくれました。
その名は「EOS R50」!さっそく検証していきましょう。
まずは、ボディのチェックからいきましょう。
カラー展開はホワイトとブラックの2種ですが、今回はホワイトを使っていきます。
重量はボディ単体で約376g。今回使用したレンズキットの付属レンズ「RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM」と組み合わせた状態でも500mlペットボトルほどとかなり軽量で、片手に乗せることもできちゃいます。
コロンとした見た目がかわいらしく、サイズ感も小ぶりでバッグに入れ持ち運ぶ際にも便利ですね。
気になる価格ですが、ボディ単体で約11万円、レンズキットで約12万円、ダブルズームキットで約15万円。10万円前後の予算からはちょっとだけオーバーしていますが、レンズキットなら十分選択肢に入ると思います。
背面のボタンもシンプル設計で、グリップ部分が絶妙にくびれているため持ちやすいです。
ちなみに今回、私たちが「EOS R50」の作例を撮りにやってきたのは、若者の聖地・東京・渋谷。
色とりどりのポップな服やコスメが街中にあふれる中、果たしてどれだけ簡単に、そしてきれいに写真が撮れるのでしょうか。
最初に試してみたのは、「クリエイティブブラケット」という機能。こちらは通常の写真に加え、パラメーター別で複数枚を自動記録してくれる便利な機能です。
カメラが明るさや色合いを変えて自動で提案してくれるため、お気に入りの1枚を見つけることができます。実際に、ファッションビル「109」にあるお菓子屋さんで撮影した作例をご覧ください。
クリエイティブブラケット作例1オリジナル(6000×4000、8.03MB)
クリエイティブブラケット作例2オリジナル(6000×4000、7.8MB)
クリエイティブブラケット作例3オリジナル(6000×4000、6.22MB)
クリエイティブブラケット作例4オリジナル(6000×4000、7.31MB)
1枚目が通常撮影した写真、その後、カメラが自動提案してくれた作例が続きます。撮影時「少し光が足りなかったかな」と思ったのですが、それを生かしてムードのある写真や、通常時より明瞭度が少しフンワリしたカットなどを提案してくれました。
ス、スゲー優秀じゃないかッ!
SNSに写真を投稿する際も、気に入ったカットをすぐにセレクトすることができそうです。
続いて、人物も撮影してみました。作例はこちら!
クリエイティブブラケット人物作例1オリジナル(6000×4000、9.05MB)
クリエイティブブラケット人物作例2オリジナル(6000×4000、8.52MB)
クリエイティブブラケット人物作例3オリジナル(6000×4000、7.91MB)
クリエイティブブラケット人物作例4オリジナル(6000×4000、9.25MB)
通常撮影した写真に加え、雰囲気が異なる3パターンを提案してくるのはとても便利ですね。ただ、「カメラにお任せ」な機能は便利ないっぽうで、自動提案された写真に若干物足りなさを感じることも……。
そんな時も大丈夫。「EOS R50」には、「クリエイティブアシスト」という好みの効果を自分で追加できる機能も搭載されています。スマートフォン向けのカメラアプリにも似たような機能が搭載されていますが、「EOS R50」はこういったカメラアプリのような機能も利用できちゃうんです。
クリエイティブアシスト作例1オリジナル(6000×4000、5.79MB)
クリエイティブアシスト作例2オリジナル(6000×4000、4.66MB)
明るさやコントラストに加え、背景ぼかしや絶妙な色合いの提案に至るまで、かゆいところに手が届いている印象。専用アプリ「Camera Connect」を使えばスマホにもすぐ転送できるので、写真をシェアしたい時にも使い勝手がよさそうです。
「EOS R50」の絵作り機能は「クリエイティブアシスト」だけではありません。もうひとつ「明瞭度パラメーター」という画面のメリハリを調整できる機能もぜひ注目したい機能です。
効果の具合は撮影した写真を見てもらうのがいちばんだと思います。まずは、明瞭度パラメーターを変更していない素の状態の作例がこちら。
明瞭度パラメーター作例1オリジナル(6000×4000、8.35MB)
続いて、明瞭度パラメーターをマイナス方向の最大値まで振った状態で撮影した作例です。渋谷で撮影したのですが、幻想的でどこかファンタジーな世界観に。髪の毛の1本1本に至るまでやわらかい風合いになり、全体的にやさしい印象になりました。
明瞭度パラメーター作例2オリジナル(6000×4000、8.44MB)
今度は明瞭度パラメーターをプラス方向の最大値まで上げてみると、一気にパキッとした印象に! 輪郭が強調されて、まるで油絵の世界のようなアートな印象です。
明瞭度パラメーター作例3オリジナル(6000×4000、9.12MB)
ここまで渋谷の「映えスポット・映えカフェ」で作例をいろいろと撮ってみました。しかし、このカメラのすごいところは、まだまだあるんですッ!
今度は池袋に場所を移して、新たな機能を検証していきますね。
やってきたのは、「あうるぱーく フクロウカフェ池袋」。
こちらのお店ではかわいいフクロウやミミズク、ハリネズミ、イグアナ、白蛇などに触れることができます。今回は同店にご協力をいただき、「EOS R50」の実力を検証をしていきます。
わざわざフクロウカフェにやってきた理由は、「EOS R50」の瞳AFをチェックするため。「EOS R50」の瞳AFには、犬や猫、鳥の瞳に合わせてAFを合わせてくれる「動物優先」モードが付いており、人間以外の生き物の撮影にもガンガン使っていけるそう。
それなら実際に検証してみようということで、今回こちらのお店にやってきた次第です。とはいえ、フクロウって普段おっとりしていても飛ぶ時は猛スピードで空を舞うイメージ。本当に、大丈夫なんでしょうか。
エサやり体験をしながら連写モードに設定し、実際に空を舞うフクロウにAFが合うか試してみました。まず数メートル離れた場所に人間が立ちます。その後、片手に専用グローブをはめて、もう片方の手でピンセットに挟んだエサを持ちます。
そのまま、エサを目当てに飛んでくるフクロウを「EOS R50」で撮影してみました。羽根周辺はちょっとだけブレているものの、かわいらしい顔にはしっかりとAFが効いています。
瞳AF動物優先モード作例1オリジナル(6000×4000、7.69MB)
飛んでいる最中だけではなく、私の片腕で一息つくショットもご覧のとおりバッチリ!
瞳AF動物優先モード作例2オリジナル(6000×4000、7.67MB)
「EOS R50」の瞳AFは思った以上によくできていました。子どもなどの人物はもちろんですが、動物が素早い動きを見せた場合も、自動でトラッキングしてくれるのはやっぱり便利。ワンちゃんやネコちゃんと一緒に暮らしている人にも、ぜひこのAFを体験してもらいたいと思いました。
ここまで「EOS R50」の絵作り機能やAF性能などを見てきました、「EOS R50」の魅力はほかにもあります。
たとえば、背面液晶モニターはタッチ操作対応&バリアングル仕様なので、自撮りもご覧のとおり楽々。
また、専用アプリ「Camera Connect」を使えば、スマートフォンの画面でライブビュー撮影も可能。離れた場所でも構図を確認しながら撮影できるのは意外と便利ですね。
被写体の思いっきり近くにカメラを置き、スマートフォン経由で撮影すれば、普段撮影が難しいクローズアップ撮影も簡単にできちゃいます。もちろん、ミラーレス一眼カメラなので、ご覧のとおり、毛並みの細部までしっかりと確認できるくらい高画質なのもうれしいところ。
ニシアメリカオオコノハズクの「まじゅ」。つぶらな瞳が、とってもかわいいですね。
最終回である今回は、キヤノンの最新ミラーレス一眼カメラ「EOS R50」を取り上げました。
カメラボディも小さくて軽量、瞳AFも高性能だし、いろいろと使える便利な絵作り機能も満載。かなり理想に近いカメラに出会うことができました……。
本連載は今回で終了しますが、私個人の「カメラの旅」は続けていきたいと思います。初心者の皆さんが、今後もご自身の好みにマッチしたカメラに出会えますように!
今まで4年にわたり、本連載にお付き合いをいただき本当にありがとうございました♪
ドラマ『野ブタ。をプロデュース』で女優デビュー数々のドラマに出演後、2010年SDN48として活動開始。2015年、しらべぇ編集部に入社しPR記事を担当する。2018年、独立。Twitterはコチラ。