2023年7月7日、七夕の日にキヤノンからRFマウント用の単焦点レンズ「RF28mm F2.8 STM」が発売されます。「RFレンズ」初のパンケーキレンズで、携帯性にすぐれるのが特徴です。
今回は、このレンズを、「EOS Rシリーズ」最小・最軽量のAPS-Cミラーレスカメラ「EOS R100」と組み合わせて使ってみました。その魅力をじっくり紹介します。
APS-Cミラーレスカメラ「EOS R100」と「RF28mm F2.8 STM」の組み合わせは、「EOS Rシステム」として最小・最軽量(2023年7月6日時点)です
「RF28mm F2.8 STM」を手に持った最初の印象は、月並みですが「小さくて軽い!」でした。
本レンズのサイズは最大径が約69.2mmで、全長が約24.7mm(レンズ収納時)。重量は約120gしかなく、2023年7月6日時点で「RFレンズ」最小・最軽量です。普段、重量約900gの標準ズームレンズ「RF24-70mm F2.8 IS USM」を使っている私には、「レンズキャップぐらい」と言うと大げさですが、本当にそのくらい小さく軽く感じられました。
「RF28mm F2.8 STM」の全長は約24.7mm(レンズ収納時)。非常に薄く、パンケーキと呼ぶにふさわしいレンズです。レンズ構成はPMo(プラスチックモールド)非球面レンズを含む6群8枚で、小型・軽量と描写性能を両立しています
「RF28mm F2.8 STM」の約120gという重量は、APS-Cミラーレス用の標準ズームレンズ「RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM」(約130g)よりも軽く、最も焦点距離の近い単焦点レンズ「RF24mm F1.8 MACRO IS STM」(約270g)と比べても半分以下です。これだけ軽いのなら、街スナップなど日常使いのレンズとして出番が多くなることでしょう。
「RFレンズ」のコンパクトな単焦点レンズとサイズを比較してみました。左から「RF50mm F1.8 STM」「RF28mm F2.8 STM」「RF16mm F2.8 STM」です。このなかで「RF28mm F2.8 STM」は頭ひとつ小さいことがわかります
本レンズの魅力として推したいのは、APS-Cミラーレス装着時に焦点距離約45mm相当(35mm判換算)の画角の標準レンズとして活用できること。もちろん、フルサイズ対応なのでフルサイズミラーレスと組み合わせて焦点距離28mmの広角レンズとして使えますが、小型・軽量なので、コンパクトなAPS-Cミラーレスとの相性がとてもいいんです。
今回、「EOS Rシリーズ」最小・最軽量のAPS-Cミラーレスカメラ「EOS R100」に本レンズを装着して使いましたが、撮影時の総重量は500gを切っていて約476gしかありません。2023年7月6日時点で、「EOS Rシステム」として最小・最軽量の組み合わせです。
パンケーキレンズの特性上、フォーカスリングはかなりスリムな設計に。フォーカスリングはコントロールリング兼用で、左側面のスイッチで切り替えます。なお、本レンズの最短撮影距離は0.23mで、最大撮影倍率は0.17倍です
「EOS R100」と「RF28mm F2.8 STM」の組み合わせは日常使いにぴったりです。
カメラとレンズを合わせても500gを切る重さと、小さなバッグにすっぽり収まってしまうほどのコンパクトさは、とにかく撮影中の負担が少ないです。今回、近所でスナップ撮影を行いましたが、一日中首から提げて歩き回ってもほとんど疲れませんでした。持ち運びやすいのは、日常使いにおいて何よりの魅力です。
さらに、焦点距離約45mm相当(35mm判換算)という、人間の視野に近い自然な画角は、日常を記録するのにとてもマッチしています。
「EOS R100」と「RF28mm F2.8 STM」の組み合わせで撮影した写真を見返したとき、その日1日、自分が何に惹かれてシャッターを切ったのかが飾らないカタチで残っているように感じられました。
路面電車の線路沿いにある和菓子屋さんの窓に鎮座する招き猫たち。ついつい招かれて入店してしまいます
EOS R100、RF28mm F2.8 STM、28mm(35mm判換算45mm相当)、F2.8、1/1250秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード
撮影写真(6000×4000、5.7MB)
今の季節ならではの紫陽花をイメージした上生菓子。餅米一粒一粒のツヤツヤとした質感が美しかったです
EOS R100、RF28mm F2.8 STM、28mm(35mm判換算45mm相当)、F2.8、1/160秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード
撮影写真(6000×4000、5.7MB)
EOS R100、RF28mm F2.8 STM、28mm(35mm判換算45mm相当)、F4.0、1/250秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード
撮影写真(6000×4000、5.0MB)
買い物中のご主人さまを待つ犬のお尻が道路にはみ出していたので思わずパチリ
EOS R100、RF28mm F2.8 STM、28mm(35mm判換算45mm相当)、F5.6、1/125秒、ISO160、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード
EOS R100、RF28mm F2.8 STM、28mm(35mm判換算45mm相当)、F2.8、1/400秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード
撮影写真(6000×4000、5.8MB)
仕事場の本棚に置いている電球オブジェに照らされたにぶい反射がきれいだなと思った1枚
EOS R100、RF28mm F2.8 STM、28mm(35mm判換算45mm相当)、F2.8、1/60秒、ISO2000、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード
撮影写真(6000×4000、5.0MB)
EOS R100、RF28mm F2.8 STM、28mm(35mm判換算45mm相当)、F2.8、1/60秒、ISO4000、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード
撮影写真(6000×4000、7.5MB)
EOS R100、RF28mm F2.8 STM、28mm(35mm判換算45mm相当)、F2.8、1/80秒、ISO6400、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード
撮影写真(6000×4000、7.7MB)
「RF28mm F2.8 STM」の性能面で特に印象に残ったのは、AF性能の高さと、絞り開放時のやわらかなボケ味です。
本レンズは、起動・停止時のレスポンスや制御性にすぐれるSTM(ステッピングモーター)を採用することで、レンズの小型化とあわせてスムーズなレンズ駆動を実現しています。AFは高速かつ正確で、狙った瞬間を逃さずにフォーカスしてくれました。
また、本レンズの開放絞り値はF2.8で、APS-Cミラーレス装着時のボケ量は35mm判換算でF4相当になりますが、絞り開放時のピント面前後のボケ感がとても心地よかったです。ボケがやわらかく、それでいてピントのシャープさが損なわれないのが好印象でした。
以下に、絞り開放で撮影した写真をいくつか掲載します。
EOS R100、RF28mm F2.8 STM、28mm(35mm判換算45mm相当)、F2.8、1/1000秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード
撮影写真(6000×4000、4.2MB)
EOS R100、RF28mm F2.8 STM、28mm(35mm判換算45mm相当)、F2.8、1/2000秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード
撮影写真(6000×4000、4.0MB)
EOS R100、RF28mm F2.8 STM、28mm(35mm判換算45mm相当)、F2.8、1/500秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード
撮影写真(6000×4000、6.0MB)
EOS R100、RF28mm F2.8 STM、28mm(35mm判換算45mm相当)、F2.8、1/400秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード
撮影写真(6000×4000、6.9MB)
EOS R100、RF28mm F2.8 STM、28mm(35mm判換算45mm相当)、F2.8、1/400秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード
撮影写真(6000×4000、5.7MB)
EOS R100、RF28mm F2.8 STM、28mm(35mm判換算45mm相当)、F2.8、1/80秒、ISO5000、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード
撮影写真(6000×4000、7.2MB)
「RF28mm F2.8 STM」の携帯性の高さを生かすには、「EOS R100」などのAPS-Cミラーレスがベストな印象を受けましたが、本レンズはフルサイズ対応なので、フルサイズ機と組み合せることでレンズそのものの画角(焦点距離28mmの画角)を楽しめます。
本レンズをフルサイズ機で使うなら、コンパクトな「EOS R8」がおすすめです。「EOS R6 Mark II」や「EOS R3」といった上位モデルに装着してもバランスは悪くないので、ボディキャップ代わりに活用するのもいいかもしれませんね。
フルサイズミラーレス「EOS R8」に「RF28mm F2.8 STM」を装着
左が「EOS R8」で、右が「EOS R100」です
以下の2枚の写真は、「RF28mm F2.8 STM」を使って、同じ位置からAPS-Cミラーレス「EOS R100」とフルサイズミラーレス「EOS R8」で撮影したものです。画角の違いをご確認ください。
EOS R100、RF28mm F2.8 STM、28mm(35mm判換算45mm相当)、F2.8、1/160秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード
撮影写真(6000×4000、5.0MB)
EOS R8、RF28mm F2.8 STM、28mm、F2.8、1/100秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード
撮影写真(6000×4000、4.3MB)
「RFレンズ」初のパンケーキレンズ「RF28mm F2.8 STM」は、軽量コンパクトなデザインと、単焦点ならではのやわらかく大きなボケ味が魅力の、いつでもどこでも持ち歩きたくなるレンズです。
フルサイズ対応ではありますが、その携帯性の高さを生かすには、「EOS R100」などコンパクトなAPS-Cミラーレスとの組み合わせが断然おすすめです。
気軽にどこへでも一緒に出かけられるレンズとしてぜひ使ってみてください。
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