レビュー

ゲオ限定の5,478円4Kコンデジを買って試してみた! スマホ代わりに使える?

今回は、価格.com新製品ニュースで取り上げて話題を集めた、ゲオ限定のコンパクトデジタルカメラ「BM-DC01」をレビューします。5,478円(税込)の低価格ながら4K動画撮影に対応するなど、なかなか充実した機能を持つ製品です。

ゲオ限定のコンパクトデジタルカメラ「BM-DC01」。5,478円(税込)の激安モデルです

ゲオ限定のコンパクトデジタルカメラ「BM-DC01」。5,478円(税込)の激安モデルです

週間アクセスランキング1位の注目製品

「BM-DC01」は、ゲオが2023年10月26日に発表・発売した低価格なコンパクトデジタルカメラ。公式サイト「ゲオオンラインストア」と全国のゲオショップで取り扱っている、ゲオ限定のオリジナルブランドモデルです。

今回このカメラを取り上げるのは、価格.com新製品ニュースで本製品を紹介したところ、週間アクセスランキングで1位を獲得したからです。

<価格.com新製品ニュース>
5,478円で4K撮影に対応、本体重量約99gのコンデジ「BM-DC01」ゲオ限定で発売
5,478円で4K動画撮影対応のゲオ限定コンデジ「BM-DC01」、今週のランキング1位に

多くの人が注目する製品なわけですが、その理由は“安さ”に尽きるでしょう。5,478円(税込)という価格ながら4K動画撮影など充実したスペックを搭載しています。

「BM-DC01」の主な特徴

・販売価格:5,478円(税込)
・有効画素数:約800万画素(最大記録画素数4400万画素)
・動画記録:4K(4K/30p)対応
・重量:約99g(本体のみ)
・AF(オートフォーカス):対応
・デジタルズーム:16倍
・液晶モニター:2.4型IPS液晶
・インターフェイス:USB Type-C端子(充電・給電、Webカメラ対応)

本体サイズは98(幅)×58(高さ)×23(奥行)mmで、重量は約99g(本体のみ)/約117g(バッテリー、microSDメモリーカードを含む)。プラスチックボディなのでとても軽量です。胸ポケットなどに入れて気軽に持ち運べます

本体サイズは98(幅)×58(高さ)×23(奥行)mmで、重量は約99g(本体のみ)/約117g(バッテリー、microSDメモリーカードを含む)。プラスチックボディなのでとても軽量です。胸ポケットなどに入れて気軽に持ち運べます

4K動画撮影以外にも、AFや16倍デジタルズーム、背面液晶モニターなどカメラとしてひととりの機能を搭載しています。しかも、約99g(本体のみ)/約117g(バッテリー、microSDメモリーカードを含む)の軽量ボディ。USB Type-C端子を装備しているのも見逃せないポイントですね。

こうしたスペックを見ると、「普通にデジタルカメラとして使えそう」「スマートフォンのカメラ代わりになるのでは?」と思う人もいることでしょう。筆者もそのひとりです。そこで、「どのくらい使えるのか」をチェックするため、実際に購入して試してみました。

なお、「BM-DC01」はゲオ限定モデルをうたっていますが、外観には製造元と思われる「Bluemake(ブルーメイク)」のロゴが入っているので(Bluemakeは起動時の画面にも表示されます)、間違いなくOEM製品でしょう。Amazon.co.jpでは他ブランドから「BM-DC01」と同じデザイン・スペックの製品が販売されています。

5,478円(税込)という価格は、Amazon.co.jpで販売されている同等スペック品と比べて少し安いです。この点を踏まえても、やはり価格面で魅力のある製品と言えます。また、ゲオが取り扱っている(発売元は高橋国際商事)ということで、保証を含めて安心して購入できるのも押さえておきたいですね。

デジタルカメラらしく十字ボタンや決定ボタン、メニューボタン、再生ボタンといった背面の操作系を搭載。ズームボタンも備わっています。液晶モニターのサイズは2.4型

デジタルカメラらしく十字ボタンや決定ボタン、メニューボタン、再生ボタンといった背面の操作系を搭載。ズームボタンも備わっています。液晶モニターのサイズは2.4型

上面に電源ボタンとシャッターボタンを搭載

上面に電源ボタンとシャッターボタンを搭載

右側面にストラップホールドを用意。低価格なポータブルBDプレーヤーなどでも知られるBluemakeのロゴが書かれています

右側面にストラップホールドを用意。低価格なポータブルBDプレーヤーなどでも知られるBluemakeのロゴが書かれています

左側面にはUSB Type-C端子が備わっています

左側面にはUSB Type-C端子が備わっています

底面には三脚取り付け用の穴が用意されています。記録メディアはmicroSDメモリーカード(最大128GB)

底面には三脚取り付け用の穴が用意されています。記録メディアはmicroSDメモリーカード(最大128GB)

撮影時のモニター画面。バッテリー残量やズーム倍率、露出補正値などが表示されます

撮影時のモニター画面。バッテリー残量やズーム倍率、露出補正値などが表示されます

スマホと比べて画質はどう?

「BM-DC01」を選ぶ人にとって気になるのは、「実際どのくらいの画質で撮れるのか」ということではないでしょうか。そこで、「BM-DC01」とiPhone(iPhone 13 mini)の標準カメラを使って、同じ被写体をオート設定で撮影して画質を比べてみました。

「BM-DC01」で撮影

「iPhone 13 mini」の標準カメラ(1.3倍ズーム)で撮影

「BM-DC01」で撮影

「iPhone 13 mini」の標準カメラ(1.3倍ズーム)で撮影

「BM-DC01」で撮影

「iPhone 13 mini」の標準カメラ(1.3倍ズーム)で撮影

「BM-DC01」で撮影

「iPhone 13 mini」の標準カメラ(1.3倍ズーム)で撮影

「iPhone 13 mini」の標準カメラ(1.3倍ズーム)で撮影

「BM-DC01」で撮影

「iPhone 13 mini」の標準カメラ(1.3倍ズーム)で撮影

「BM-DC01」は価格を考慮するとよく撮れていると思います。

ただ、こうして見比べると両者で色合いが異なっていることがわかります。iPhone(iPhone 13 mini)は屋外でも屋内でも自然な色ですが、「BM-DC01」は全体的に少しマゼンタ側(青や赤)に色被りしていますね。また、「BM-DC01」には階調を補正する機能がないため、ハイライトとシャドーでつぶれている部分が見られます。

この違いをどう判断するかは人それぞれだと思いますが、率直に言えば、「BM-DC01」を使ってみて「この画質ならスマホで撮ればいい」と思いました。「BM-DC01」は素直な画像処理で決して悪くはないのですが、パッと見の仕上がりでは、スマホのカメラのほうが「明るくてキレイに撮れる」と感じることが多いと思います。

なお、「BM-DC01」が搭載するレンズのスペックは、焦点距離が7.36mmで絞り値がF3.2です。記録画像の横縦比は4:3。35mm判換算での焦点距離は、実際に撮影した画像から読み取ると33mm前後。スマホの標準レンズよりも少し狭い画角ですね。

レンズ部には、焦点距離7.36mmで絞り値F3.2のレンズを搭載していると表示されています

レンズ部には、焦点距離7.36mmで絞り値F3.2のレンズを搭載していると表示されています

少し気になるのは、レンズの焦点距離が7.36mmという点です。このレンズ焦点距離と実際の画角(35mm判換算で焦点距離33mm前後)から計算すると、スペック上は1/1.7〜1/1.8型(かそれ以上の大きさ)に相当する撮像素子を搭載していることになりますが、撮影した画像のクオリティを見ると、さすがにそこまでの大きさではないように思います。

ちなみに、実際に撮影した画像のExif(カメラ・レンズの種類やスペック、撮影設定などを画像に保存できるデジタルカメラ用のフォーマット)を見ると、焦点距離は2.28mm(絞り値はF2.6)と記録されています。仮にExifが正しいとして計算すると、撮像素子の大きさは一般的なスマホのカメラよりも小さい1/5型未満になります。

有効画素数は約800万画素。画素補間で最大4400万画素のデータとして記録することもできますが、画素補間は画質的にメリットがなく、microSDメモリーカードの容量も圧迫するため、特に理由がない限りは800万画素記録(8M)でよいと思います。初期設定は4400万画素(44M)なので使い始めに変更しておきましょう

有効画素数は約800万画素。画素補間で最大4400万画素のデータとして記録することもできますが、画素補間は画質的にメリットがなく、microSDメモリーカードの容量も圧迫するため、特に理由がない限りは800万画素記録(8M)でよいと思います。初期設定は4400万画素(44M)なので使い始めに変更しておきましょう

注目の4K動画撮影の使い勝手は?

「BM-DC01」は、4K動画撮影に対応しているのが大きな特徴です。4K/30pで記録できます。さすがに、滑らかな動きで記録できる60pのフレームレートには非対応ですが、5,478円(税込)のカメラで4K動画を楽しめるのは魅力的ですね。

動画は4K/30p記録やフルHD/60p記録が可能です

動画は4K/30p記録やフルHD/60p記録が可能です

使ってみた限り、動画記録中でもAFは動作するようで、それなりに撮れるという印象です。ただし、4K記録とはいえ映像の解像感はさほど高くないです。

機能面では、一般的なスマホとは異なり、手ブレ補正機能は搭載していません。カメラをラフに持って撮るとブレが目立つ映像になるので、極力カメラを動かさずに撮る必要があります。

「BM-DC01」で撮影した4K/30p動画

この動画は手持ちで撮影しています。4K解像度ですが解像感はそれほど高くないです。

細かい点では、上面のシャッターボタンを押すことで動画の記録・停止が行われる仕組みなのですが、停止時にシャッターボタンをゆっくり押してしまうとAFが誤動作してしまいます。動画記録をスムーズに止めるには、一気に押し込むようにしましょう。

充実した撮影機能を搭載

「BM-DC01」は、意外と言っては何ですが、撮影機能が充実していています。AFやホワイトバランス、16倍デジタルズームといった機能以外にも、定常光機能(スペック上はフラッシュ機能)、セルフタイマー、連続撮影などを搭載。笑顔を検出すると自動的に画像を記録する笑顔検出機能なども利用できます。

「BM-DC01」の主な撮影機能(静止画撮影)

・16倍デジタルズーム
・定常光機能
・セルフタイマー
・連続撮影
・笑顔検出機能
・フィルタリング機能(グレー、レッド、グリーン、ブルー)

近接撮影時に便利な定常光機能を搭載。シャッターボタンを押した際に発光する設定も可能です(※フラッシュ発光ではありません)

近接撮影時に便利な定常光機能を搭載。シャッターボタンを押した際に発光する設定も可能です(※フラッシュ発光ではありません)

笑顔を検出して自動的に記録する笑顔検出機能も利用できます

笑顔を検出して自動的に記録する笑顔検出機能も利用できます

動画撮影機能は、音声なしで記録するサイレント録画、秒数を設定できるタイムラプス動画(コマ送り動画)などに対応しています。

「BM-DC01」の主な撮影機能(動画撮影)

・サイレント録画
・タイムラプス録画
・ループ録画
・スロー録画

タイムラプス動画などの撮影も可能

タイムラプス動画などの撮影も可能

「BM-DC01」で撮影したタイムラプス動画

コマ間の秒数を「1秒」に設定して、約90秒(90コマ)撮影したタイムラプス動画。30コマで記録しているため動画の再生時間は3秒です。鯉の動きがコマ送りになっているのがわかります。

さらに、USB Type-C端子を搭載しており、本体内でのバッテリー充電に加えて、給電しながらの使用も可能。UVCにも対応しているので、PCとUSB接続するだけでWebカメラとして利用できます。価格を考慮すると、このあたりのUSB周りの機能性は充実していますね。

USB接続でWebカメラとしても利用できます

USB接続でWebカメラとしても利用できます

動作はそれほど速くなく、使い勝手はもうひとつ

「BM-DC01」を使ってみて気になったこと

・起動が遅い(電源オンからAFが使えるようになるまで約10秒)
・AFが遅い(ピントが合うまでワンテンポかかる)
・バッテリー性能がそれほど高くない
・独特の操作性(撮影画面に戻る操作など)
・起動音/操作音が大きい(オフにするのがおすすめ)

「BM-DC01」を使ってみて、画質以上に気になったのが操作性です。起動もAFも遅いですし、お世辞にも価格が2〜3万円以上のデジタルカメラのようにキビキビ動作するとは言えません。

バッテリーの性能も高くなく、特に動画を撮影すると一気にバッテリーが減ります。試した限りでは、静止画を約100枚、20秒ほどの4K動画を5本撮影してバッテリーの残量がゼロになりました。撮影していた時間は1時間程度です。

操作性では、メニュー画面や再生画面から撮影画面に戻る際に、それぞれのボタンを押さないといけないのが少し手間に感じました。メニュー画面を表示したらメニューボタンを、画像を表示したら画像表示ボタンを押し直さないと撮影画面に戻らない仕様です。一般的なデジタルカメラは、シャッターボタンを半押しすると撮影画面に戻るのがほとんどですので、使い始めはとまどいました。

また、起動音と操作音が思った以上に大きいので、オフにして使用することをおすすめします。

細かいところでは、露出補正がメニューの中にあるため気軽に利用できないのが気になりました

細かいところでは、露出補正がメニューの中にあるため気軽に利用できないのが気になりました

バッテリーには、カメラから引き出すときに使うシールが付いています。バッテリー保護用のシールではないので誤ってはがさないようにしましょう。充電時間は約2.5時間です

バッテリーには、カメラから引き出すときに使うシールが付いています。バッテリー保護用のシールではないので誤ってはがさないようにしましょう。充電時間は約2.5時間です

ローカライズの問題ですが、日本語のメッセージが微妙に正しくないときがあります。microSDメモリーカードのフォーマットをうながす画面などは中国語で表示されます

ローカライズの問題ですが、日本語のメッセージが微妙に正しくないときがあります。microSDメモリーカードのフォーマットをうながす画面などは中国語で表示されます

付属品一覧。USBケーブル(Type-C to Type-A)、クリーニングクロス、ポーチ、ストラップ(リングストラップとしても利用可能)、取扱説明書が付属します

付属品一覧。USBケーブル(Type-C to Type-A)、クリーニングクロス、ポーチ、ストラップ(リングストラップとしても利用可能)、取扱説明書が付属します

そのほかの作例

光学1倍

光学1倍

デジタルズーム16倍

デジタルズーム16倍

定常光機能を使用して撮影

定常光機能を使用して撮影

フィルタリング機能(グレー)を利用して撮影

フィルタリング機能(グレー)を利用して撮影

まとめ 「スマホのカメラ代わり」は正直厳しい。緊急時用や子ども用として活用したい

5,478円(税込)という価格が魅力の「BM-DC01」ですが、カメラとしての画質や使い勝手は価格相応といったところです。

遊び用として手に入れるのはよいと思いますが、価格が2〜3万円以上のデジタルカメラと同じような使い心地を求めてしまうと、どうしても「使いにくい」と感じてしまうことでしょう。また、「スマホのカメラ代わり」として活用するのも正直なところ厳しいと感じました。特に、4K動画撮影対応のスマホを持っているのであれば、あえて、このカメラを持つ理由はないと思います。

使い方としては、スマホのバッテリーが切れてしまったときに使う緊急用カメラが考えられます。また、外装がプラスチックで軽いので子ども用としても選択しやすいのではないでしょうか。

なお、「BM-DC01」は、家電やカメラを取り扱っていないゲオショップでは販売していませんのでご注意ください。人気が高く、2023年11月上旬時点では、都内近郊のショップではほぼ売り切れていました。公式サイト「ゲオオンラインストア」で注文するのが確実だと思います。

<価格.com新製品ニュース>
5,478円で4K撮影に対応、本体重量約99gのコンデジ「BM-DC01」ゲオ限定で発売
5,478円で4K動画撮影対応のゲオ限定コンデジ「BM-DC01」、今週のランキング1位に

ゲオオンラインストア「BM-DC01」販売ページ

真柄利行(編集部)
Writer / Editor
真柄利行(編集部)
フィルム一眼レフから始まったカメラ歴は、はや約30年。価格.comのスタッフとして300製品以上のカメラ・レンズをレビューしてきたカメラ専門家で、特にデジタル一眼カメラに深い造詣とこだわりを持っています。フォトグラファーとしても活動中。パソコンに関する経験も豊富で、パソコン本体だけでなく、Wi-Fiルーターやマウス、キーボードなど周辺機器の記事も手掛けています。
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